2022年09月23日

選手森保一を呼ばない森保一監督

 ワールドカップ前の貴重な準備試合、USA戦を迎える。
 先日、森保氏がセンタフォワードをどうするつもりなのかと講釈を垂れたが、今日は今回選考のメンバを俯瞰しながら、(おそらく皆が最も気にしている)守備的MF選考について講釈を垂れたい。今大会よりメンバ総数が、23人から26人に増えた。森保氏の現状の基本布陣は4-3-3だから、GK3人、DF8人、MF6人、FW6人(これで合計従来の23人)に、あと3人をどう組み合わせるかが、常識的な選考方法となるのだろう。
 一方で今日のお題の守備的MFについて。選手森保一は、運動量が豊富で、敵選手にうまくからんでボールを奪い、落ち着いて味方につなぐのが格段にうまい守備的MFだった。格段にフィジカルが強いようには見えないが、敵攻撃に対する予測力が格段に高く、敵にからんでスッとボールを奪い、攻撃の起点となる。最近の選手ではフレッジや稲垣祥をイメージしてもらえばよいだろうか。本稿では、代表監督としての森保氏が、最も思い入れの深いであろうこのポジションに対して、どこまで深く考えているのかが見えてこないことに対する愚痴を語りたい。
 
 まずGK。ここは権田修一、シュミット・ダニエル、川島永輔、谷晃生の4人が選考。森保氏の信頼厚くここ数年安定した守備を見せている正キーパの権田。フィードの精度が高く権田とは長所の異なるシュミットが第2GK(ベガルタサポータとしては、この欧州遠征で従来以上の高さを見せて欲しいところだが)。第3キーパを大ベテランの川島と若い谷が争う。中東という独特の文化の国、初めて11月開催、試合間隔も短いなど、今大会は未知のことが多いだけに、ここは語学堪能で経験豊富な川島の選考が妥当か。
 DFは、右が酒井宏樹と山根視来、左が長友佑都と中山雄太、中央が吉田麻也、冨安健洋、谷口彰悟、伊東洋輝、そして瀬古歩夢。ブンデスリーガで大活躍していながら直前に負傷した板倉滉が外れた。伊藤は6月シーズンで長時間使われ、貴重な左利きで左DFにも起用可能で再度選考された。瀬古は板倉の代替招集。東京五輪では冨安、板倉らの後塵を拝し出場機会を得られなかったが、CBとのしての才能は疑いない。冨安と板倉の20代半ばのCBコンビを世界中に見せびらかすのは楽しみだだった。しかし、もしこの2人の体調が整わなくても、大ベテランの麻也、先日のA3で韓国相手に格段の存在感を見せた谷口、そして潜在力は疑いない伊藤と瀬古が控える。過去いずれのW杯でもセンタバックの層の薄さに悩んでいたとは思えないタレントの厚み、よい時代になったものだ。
 サイドバック、大ベテランの長友が、先日のブラジル戦で右サイドで「さすが」としか言いようないプレイを見せ状況は格段に好転した。常に選手層の薄さに悩まされていた左サイドは長友、中山、伊藤と3枚タレントがいる。右サイドは酒井、山根、長友に加え、もちろん冨安を回せる。欧州で活躍している菅原由勢や橋岡大樹でさえ、この選手層の厚みから選考外になってしまった。これはこれで、すごい事だと思う。
 報道によれば、板倉は本大会に十分間に合いそう。瀬古は逸材とは言え、準備の合宿で麻也や谷口を凌駕する能力を見せない限り、この欧州遠征で起用されるかすら微妙で、本大会メンバ選考は難しかろう。そして、DFを8人とするか9人とするか、もし8人となると最後の一枠を山根、中山、伊藤が争うのだろうか。贅沢なものだ。

 中盤については、今日の本題なので後述する。

 右FWは、大エースの伊東純也、左足で多くの変化を演出する堂安律、何かしらの潜在力に期待したくなる久保建英。左FWは、最前線のタレントとしては欧州で最も高い評価を受けている南野拓実、予選でも幾度か決定的な仕事をしたヌルヌルドリブラの三笘薫、先日のA3で大活躍した短距離ドリブルの切れ味あふれるドラミ相馬勇紀。これまた3人ずつの選考。もちろん、いずれのタレントも魅力的だが、森保氏はどうやって絞り込むのだろうか。常識的には大エースの伊東純也を最大限に活かすためのタレントをどう選ぶかだと思うのだが。例えば、伊東と堂安を併用するのだろうか、それとも併用せずに試合終盤攻撃の変化をつけるために伊東の代わりに堂安を起用するのだろうか、もしそうならば久保は不要なのではないか、云々。
 さらにCFに至っては、先日散々講釈を垂れたが、このポジションは何も決まっていない。誰が中核なのか、控えをどうするのか、変化をどう付けるのか。今回の欧州遠征では、選考直前に負傷したジャガー浅野拓磨が外れ、前田大然、古橋亨梧、上田綺世に加え、町野修斗の4人が選考された。ここに来て、嬉しい誤算だがJで大迫も復調してきている。改めて断言するが、この欧州遠征に至っても、森保氏は選択(言い換えれば捨てること)を決断していない。しかし、このポジションの枠は最大3枚なのだ。いや、4-3-3にこだわらず、4–2-2-2と言う選択肢をとるならば、南野や堂安や久保や鎌田のトップ下起用の選択肢があるだろうから、CF枠は2枚かもしれない。
 そして、このUSA戦とエクアドル戦は、攻撃の連係を磨くのに最高の機会。選考した前線の選手たちすべてにプレイ機会を与える余裕などないはず。森保氏が、状況ここに至っても選手選考を絞り切れない現状にイヤミを語りつつ、今後の氏の選手選考に注目していきたい。

 そして、今日の本題のMFについて。 
 4-3-3の布陣を基本とするとしたら、3人のMFの主軸は言うまでもなく、遠藤航、田中碧、守田英正。遠藤はシュツットガルトで主将を務め、ブンデスリーガシーズンベスト11にも選考された実績を持ち、格段の体幹の強さを生かしたボール奪取と落ち着いた展開はすばらしい。田中は中盤後方から、視野の広さと正確な技術を活かし、敵の守備を飛ばしたパスと緩急の妙で試合を作る。ファルカン、レドンド、ピルロ、デ・ブライネと言ったタレントを目指して欲しいのですが。守田は切り替えの早さと豊富な運動量を軸に、常識的だが長短のパスも上手、フロンターレ時代の田中との連係も強み。この3人で組む中盤が、ドイツやスペインにどのくらい通用するのかを想像し実感するのは、カタール大会の大きな楽しみの一つとなっている。
 この3人の控えだが、常時予選でも選考されていたのは柴崎岳と原口元気。柴崎については後述する。原口は、ロシア予選から代表の中心選手、森保政権になってからは貴重な控えとして活躍を継続。予選でも試合終盤によく起用され、献身的な上下動と厳しい当たり、さらに若い頃からのドリブルのうまさに加え、最近ではラストパスの妙も見せてくれる。そして先般の6月シーズンには鎌田大地が久々に選考され、ブンデスリーガでも高く評価されている攻撃力の片鱗を見せるのみならず、インサイドMFとして組織的な守備も上々だった。そして、今回の欧州遠征で、旗手怜央が改めて選考された。旗手のセルティックでの活躍はすばらしいし、フロンターレでのサイドMF(あるいはサイドバック)としての、いかにも静岡学園出身らしい技巧と知性に疑いはない。
 さて、誰もが思っているだろうが問題は柴崎だ。まず言及しておく必要があるが、ロシアでの柴崎はすばらしかった。セネガル戦で左サイド長友に通した60mクラスの超ロングパス(その後、長友とのシザースパスでフリーになった乾が得点)、ベルギー戦で右サイド原口のフリーランにピタリと合わせた40mのグラウンダのスルーパス。この2つのプレイだけで、柴崎は日本サッカー史に残る存在となった。もちろん、長谷部誠との連係から落ち着いたボールキープでの試合コントロールも見事だったけれども。
 森保氏は代表監督就任以降、柴崎は常時メンバとして選考し続けている。試合によっては主将も託したこともあった。けれども、柴崎はこの4年間、あのロシア大会のような目の覚めるようなロングパスを見せてはくれていない。それどころか、最終予選の初戦ホームオマーン戦、柴崎は有効な組み立てやチャンスメークをできぬまま時計は進み、試合終盤疲弊したところで敵に決勝点を許してしまう。さらに敵地サウジ戦では、後半、疲労の色が顕著な柴崎は再三ミスパスを連発ピンチを招く。それでも森保氏は柴崎を引っ張り、運命のバックパスミス。日本サッカー史に残る珍場面と言えるだろう。敵地オマーン戦は守田の警告累積出場停止に伴い、柴崎は久々にトレスボランチでスタメン起用されたが、冴えないプレイ。前半で交代させられた。最終予選、柴崎はほとんど活躍できなかったのだ。
 ここで改めてMF勢を並べてみる。レギュラは遠藤、田中、守田。控えに原口、鎌田、柴崎、そして旗手。遠藤や守田のようにボール奪取や敵を潰すのが得意は控え選手は選考されていない。中盤でボール奪取を主眼とする役目の選手は、豊富な運動量が要求され、累積警告による出場停止の可能性も高い。実際、東京五輪では、遠藤航と田中碧を中盤後方に並べる布陣を基本としながら、この2人の控えがおらずほぼフル出場(このポジションのバックアップと目されていた板倉滉がCBにレギュラ起用されたこともあったが)。大会終盤に入り、2人の疲弊もあって、メダル獲得に失敗した。3位決定戦で疲労困憊ながら献身する遠藤の姿は美しかったけれど。また先日の6月強化試合、最後のチュニジア戦でも、遠藤の疲労は顕著でそこが敗因の一つとなった。言い換えれば、森保氏は1年前の東京五輪での失敗経験を、この6月シーズンに活かせなかったのだ。
 では、このポジションにタレントが少ないかと言うとそうでもない。川辺駿、稲垣祥、橋本拳人、岩田智輝と言ったタレントは、森保氏率いる日本代表に選考され、起用されれば充実したプレイを見せてくれた。しかし、今回の欧州遠征では選考されなかった。イヤミな言い方になるが、森保氏就任以降の約4年に渡り、柴崎は彼ら4人より充実したプレイを見せてくれただろうか。
 もちろん、森保氏がしたたかな準備をしている可能性は否定しない。例えば、遠藤と田中は確定として、3MFのもう1人は鎌田か原口を起用し、常に守田をベンチにバックアップとする、あるいは板倉はCBに使わず、常時ベンチに置きバックアップとする、等々。
 グダグダと講釈を垂れてきたが、不思議なことは柴崎を招集し続けることではない。守備的な能力の高いMFを、レギュラーの遠藤と守田しか呼ばないことなのだ。その代わりと言っては何だが、毎回FWの選手はベンチに入りきれないくらい呼んで、特にCFは本大会出場確定という選手がわからないことだ。繰り返すが、森保一のようなタレントをもう1人呼んでおくべきではないのだろうか。

 29年前のドーハ、W杯最終予選。
 サウジ、イラン、北朝鮮、韓国、イラクとの6カ国総当たりで、上位2国がUSA本大会に出場できるレギュレーションだった。最終戦前に2勝1分1敗でトップに立っていた日本だが、最終イラク戦の終了間際にCKから追い付かれ本大会初出場を逃した。
 重要だったのは第3戦の北朝鮮戦、3-0でリードしていた日本だが、終盤森保一はつまらないファウルで警告を食らい、続く韓国戦は出場停止。韓国戦は、森保の位置にラモスを下げ、北澤を起用する布陣が当たり1-0で勝利を収めることができた。しかし、最終イラク戦、韓国戦で運動量を要求されるポジションに起用された33歳のラモスは疲労困憊、2-1と突き放すゴン中山へのアシストは見事だったが、試合終盤まったく動けなくなってしまった。あの同点ゴールとされるCKは、イラクの攻撃を一度森保が止め、ラモスにパス。ラモスは自陣でのボールキープを狙うべきだったが、敵陣への縦パスを選択し、それを奪われた速攻から提供したものだった。
 もし、あの北朝鮮戦の終盤、森保がつまらないファウルを冒さなかったら。あるいは、ハンス・オフト氏が、森保の適正なバックアップ選手を選考できていたら。
 29年後、監督森保一が同じ街で戦う真剣勝負。遠藤と守田に加えて、選手森保一のようなタフな選手を招集すべきに思うのは私だけだろうか。
posted by 武藤文雄 at 01:38| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月07日

原崎監督更迭劇に思う

 本業の11時から始まった重要な会議は結構重苦しい内容、今後の展開のための議論が錯綜したのを何とか整理し、昼休みを迎えた。「さて、ちょっと暑そうだから、外に食べに行くのをやめて社員食堂に行こうかな」など考えながら、何気なくスマフォを叩いたら、ビックリするようなニュースが飛び込んできた次第。
 とにもかくにも、J2降格と言う難しいシーズンに監督を引き受けてくれて、ここまで多くの選手の特長を活かした攻撃サッカーを見せ、上々の成績を挙げてくれた実績。ここまでの原崎前監督の功績を讃え、感謝したいと思う。ありがとうございました。
 そして、今後の氏の指導者生活が成功することも祈りたい。ただし、ベガルタ戦以外でだが。
 フォギーニョと中島のコンビによる強くて前線に精力的に飛び出す中盤。氣田、名倉、加藤、真瀬、内田らサイドプレイヤの精力的な上下動。富樫と中山を軸にした強さとシュートのうまさが際立つ最前線。ベテラン遠藤が見せる魔術。特に氣田や皆川など、昨シーズン手倉森前監督が、あまり機能させられなかった選手が、原崎氏の下でよく化けてくれたのは大いに讃えられるべきだろう。

 半世紀近くとなるサポータ人生、これは自分にとっては、2003年のベガルタ清水秀彦氏更迭と2018年の日本代表ハリルホジッチ氏以上の超ビックリ更迭劇となる。
 清水氏の時は、(少々失礼な言い方になるが)当時のベガルタフロントへの助言者があまり信用できず、「何か妙なことが起こらなければよいが」的な思いがあった。そのため、発表を聞いた時の驚きはそれほどではなかった。
 ハリルホジッチ氏の時は、さすがに驚いた。上記リンク先で延々と講釈を垂れた通り、田島会長の判断がまったく理解できなかったからだ。ただ、当時から会長の言動を見聞きする限りでは、氏にとっては日本代表の好成績以上に何か重要なことがあるのだろうと言う諦念はあった。これはこれで不愉快だが、田島会長はルールにのっとって選考された協会会長だし仕方がない。今日見せてくれている彼なりの努力を、現役の選手時代に発揮して欲しかった思いはあるけれども。1975-76年の高校選手権決勝での、浦和南対静岡工業戦、浦和の大エース選手田島幸三の鮮やかな2得点に憧れたサッカー狂としては。

 けれども、今回の原崎氏更迭は、まったく予想外だった。ここに来ての4連敗、勝点勘定的にも相当厳しくなっているし、チームの沈滞感も相当なものがあるのだろう。しかし、シーズン当初から原崎氏が見せてくれたサッカーは魅力的で、成果も出ていた。原崎氏更迭の判断は、J1復帰と言う短期目標、J1再定着と言う中期目標、国内トップクラスのクラブと言う長期目標、いずれにとってもマイナスにはたらいてしまうのではないかとの不安も大きい。
 確かに、攻撃志向を徹底するためだろうか、守備麺の課題は多かった。自陣から無理せずに抜け出すべきなのに逆襲速攻を無理にねらい、急ぎ過ぎて、逆に敵にボールを奪われてしまうケース。セットプレイでのファーサイドやライン前の守備。両サイドバックを前線に送り込み、押し込んだところで散見される、ミスパスから決定的な逆襲を許す。
 もちろん、これらが解決してくれれば嬉しいが、いずれも選手個々の判断力に起因する課題。各選手の知性のレベルアップは監督にとっても最も難しく時間のかかる仕事。ここまで素敵な攻撃的サッカーを見せてくれた原崎氏に、たとえ時間がかかってもこれらの修正を期待するのは、十分理に叶っている。原崎氏だって、Jを率いるのは初めての経験、この難しい状況を打破してくれれば、我々は格段の監督の入手に成功すると期待していた。
 正直言って、私は今シーズン、いや今後も原崎氏と一緒に戦いたかった。

 一方で。私はベガルタの佐々木社長を信頼している。社長就任以降最大の課題だった債務超過問題を解決の目処を立て、大口を含めたスポンサを丹念に増やし、原崎氏にチームを託し上々の成果を上げてきた。クラブやチームの詳細な内実は、我々サポータには理解できない。クラブ内、チーム内の詳細を検討した上、佐々木社長はこの重い判断を下したのだろう。佐々木氏の判断には敬意を表したい。そして、公認の伊藤彰監督の実績は中々のものがあるのも、また確かだ。

 その上で。
 我々がやれることは簡単。伊藤新監督、そして梁勇基とその仲間達を熱狂的に応援すること。そして、シーズン終了後にJ1復帰に歓喜すること。まずは次節敵地大分戦、難敵が相手だが勝点3獲得を期待したい。
posted by 武藤文雄 at 02:10| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月03日

ベガルタいかに立て直すか

 先日、ベガルタのJ1自動昇格への楽観論をまとめたところ、以降思わぬ3連敗。2位新潟と勝点10差がついたのみならず、岡山にも抜かれ4位に落ちてしまった。私が悪かったのだろうか。ともあれ。ここは正念場。ここからの立て直しを期待し、改めて楽観論の講釈を垂れることにしたい。
 勝点勘定が極めて厳しくなったことは否定しない。しかし、一般論として、残り試合数≒逆転可能勝点と言われている。残り9試合で勝点10差、まだまだ諦める段階ではないことは強調しておきたい。
 加えて3連敗を振り返ると、それぞれの3試合の課題はまったく異なる。言い換えれば、チーム全体が構造的な不振に陥ったわけではなく、個別の課題を一つずつ修正すればよい。また、試合内容を見た限り、それぞれの課題は修正の方向に向かっている。勝負はこれからなのだ。

 まずホーム大宮戦。序盤押し込みながら崩し切れず、大宮にCKを許す。そのCK、しっかり跳ね返したこぼれを、F ・カルドーゾがいかにも彼らしい淡白なヘッド、ゴール前に戻されたボールを決められた。さらにその直後、キックオフからのボールを跳ね返され、慌ててボールを奪いに行きかわされ、逆襲を許し右サイドを簡単に突破され2点差。その後、やや上滑り的に攻めるものの、好機を決め切れない。ひどかったのは守備で、大宮につながれると、強引に奪いに行っては外され、自滅気味に攻め込まれる。3失点目もそう言った形からだった。大宮の集中守備は中々見事だったが、逆サイドを突けば崩せているのだから、何を慌てたのだろうか。あれだけ慌てたのは、大宮へのリスペクト不足としか言いようがなかった。後半、立ち上がりから3人を交代し、遠藤と中島を軸に落ち着いて攻め返し、1点差まで追い上げたがそこまで。さすがに3点差を追いつくのは難しかった。
 もっとも、後半の攻撃は変化あふれ非常によかった、特に2点目は中島の鮮やかなボール扱いと遠藤の知性あふれる位置取りによるもので、美しさは格段だった。
 
 続く敵地群馬戦。群馬の精力的なフォアチェックと、中山と富樫不在のため前線に起点を作れず苦戦。皆川が左右に精力的に開いてボールを受けるが、氣田、名倉が揃って体調不良なのか、フォローが遅く孤立。さらに久々スタメンの金太鉉が決定的ミスを連発。劣勢を挽回しようとするフォギーニョもコンディションが悪そうで、再三自陣でボールを奪われる。それでも、PKを小畑が止めるなどもあり、0-0で前半をしのぐ。しかし、後半序盤に連係ミスから失点すると、いよいよ状態が悪くなる。幾度も群馬の鋭い逆襲に苦しめられ、よくもまあ0-1で試合を終えることができた、と言う内容だった。FWが2人欠場したことと、MF陣の疲弊、守備の中軸金太鉉の絶不調、これだけ悪いことが重なると、ちょっとどうしようもなかった。
 この3連敗、唯一生参戦できたのはこの試合だったが、屋根のない競技場で、雨の中の重苦しい敗戦だった。けれども、身体が利かない中で奮戦する大好きフォギーニョ、サポートが少ない中で単身打開を図る中島、味方の度重なるミスを冷静にカバーする平岡、こう言った選手たちの奮戦を応援できたのだし、悔しい敗戦だったからこそ、現地にいられてよかった。余談ながら、我らが遠藤と群馬の細貝の、中盤での虚々実々の駆け引きも本当におもしろかった。幾多の栄光を掴んだ2人が、30代半ばとなり、故郷のクラブのために知性の限りを尽くして戦っている。

 続く、ホーム千葉線は、中山復帰で前線で拠点ができ、中盤でのしつこさも戻り、各選手の体調もよいようで、前節よりは格段に改善され安心して見ていられた。ただ前半から、ボールを奪うと前に急ぎ過ぎる傾向があり、千葉の戻りの速さから攻め切れず。速攻し切れない時に落ち着いてじっくりボールを回したいところだった。一方で、主審の判定がやや仙台に有利な感もあり、複数回セットプレイの好機があったが崩し切れない。ところが後半序盤、千葉に押し込まれた時間帯に、前半から気になっていた無理な持ち出しで、逆に連続攻撃を許し、そこからのCKで失点。さらに、落ち着いて分厚い攻めを展開していたところでミスから逆襲から決定機を許し、一度しのぐもののロングスローから追加点を許し、そのまま0-2で敗戦。2つの失点は、いずれもニアでフリックされ、ファーの選手をフリーにしてしまったもの。当方が幾度もあったセットプレイを決められず、一方で似た形から2失点してしまっては苦しい。
 ただ、後半から起用されたフォギーニョ、名倉は前週の不振から脱した感があった。また何より、ここ最近まったく昨日していなかったF・カルドーゾも相応に機能した。底は脱しつつあることは実感できた。

 幸いにして、明日(もう今日か)のユアテック水戸戦は、疫病禍後ホーム初めての声出し応援試合。試合内容も底を脱した状況、最高の環境ではないか。己が参戦できない情けなさはさておき、ベガルタにとっては間違いなくよい兆候。仲間達の熱狂的声援の下での歓喜をDAZNごしに楽しめる。
 繰り返すが、勝点勘定が厳しいことは否定しない。しかし、それがどうしたと言うのだ。この程度の苦境は、過去幾度でも体験してきたではないか。今こそ、ベガルタ関係者すべてが、往生際の悪さを発揮し、粘り強く反転すべき時が訪れたのだ。
posted by 武藤文雄 at 01:21| Comment(1) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月01日

仙台育英全国制覇と白河以北一山百文

 深紅の優勝旗が白河の関を越えた。高校野球での東北チームの全国制覇は、小学生時代、太田幸司や磐城の田村の時代からの夢だった。素直に喜んでいる。我々の世代の仙台の小学生は「『白河以北一山百文』を見返せ」と教育受けていたから、歓喜の思いは格段だ。小学校の洟垂れ小僧時代からの親友(お互い仙台育英高校出身ではない)がfacebookで歓喜していたので、お互いfacebookごしに乾杯。このお祭り騒ぎは宮城県関係者だけではなく、東北各地にも展開された模様。福島県や山形県など他県の地方紙も、全国制覇の号外を発行したらしい。
 もっとも、深紅の優勝旗は、20年近く前に白河の関どころか、津軽海峡を飛び越えていたのだけれども。

 物心つき、野球を見るようになったのは半世紀以上も前になる。サッカーよりも前です。父と祖父に教わり、プロ野球と併せて、夏の高校野球を見始めた。プロ野球と異なり、地元のチームを応援できる。小学校3年、八重樫(後にスワローズで独特のバッティングフォームで活躍)がいた仙台商業がベスト8に興奮、加えて太田幸司の三沢商が決勝進出、18回でも決着つかず再試合で散った。宮城県のチームが負けても、東北の他県のチームを応援するのが当然だった。2年後「小さな大投手」田村を軸にした磐城高校が決勝進出するも敗退。当時、東北のチームが甲子園で中々勝てない要因として、厳寒や豪雪により冬期にトレーニングしづらい・遠隔地ゆえ強豪との強化試合が難しい・関西の暑さへの順応の難しさなどが挙げられた。
 その後も、決勝進出は幾度もあった。大越基、ダルビッシュ、菊地雄星、佐藤世那、吉田輝星。どうしても東北勢は全国制覇ができなかった。勝てないことはしかたがないが、段々と不思議にもなってきた。考えてみればもう21世紀。東北の強豪私立高校は冬期練習場もある。東北新幹線があり首都圏はすぐだから遠征で試合経験も積める・昼間の炎天下の甲子園は暑いが宿舎に戻ればエアコンで体調を整えられる。何より、より北方でハンディキャップが大きいはずの駒大苫小牧が、既に全国制覇しているのではないか。また、大学野球では東北福祉大が幾度か全国制覇している。同じ屋外競技のサッカーで青森山田や盛岡商が全国制覇をしている。なぜ東北勢は甲子園制覇をできなかったのか。最後にまた触れる。

 今年の仙台育英。好投手を5人抱える強みを前面に出し、他チームを圧倒した。特に準々決勝以降は盤石、唯一もつれた試合となったは2試合目(3回戦)の明秀日立戦のみ。この試合は明秀監督が凝りすぎた采配で墓穴を掘ったことに救われた。おたがい小刻みに点を取り合い、6回まで2-4でリードされた難しい試合。迎えた7回裏、育英は明秀投手の乱調もあり無死満塁の好機を掴む。ここで明秀監督は、左投げ、右投げ、2人の投手をクルクルと交代させる作戦をとってきた。ワンポイントリリーフならばわかるが、小刻みに投手と右翼を交互にやらせるのはさすがに無理がある。両投手とも制球が定まらなくなり、育英は連続四級と犠牲フライで逆転に成功した。
 準々決勝の愛工大名電に対しては小刻みに加点し、5回までに6-0として悠々と逃げ切る。
 準決勝の聖光学院戦。聖光が疲労気味のエースを温存し第2投手を先発。1点リードされた2回表、第2投手をつかまえ3-1と逆転し、さらに無死二三塁、そこでたまらず聖光がエースを投入。これ以上1点もやれないと言う雰囲気にたたみ込み、気がついてみたら2回に11点を奪うと言う超ビッグイニングで早々に試合を決めた。
 決勝は、お互いに小刻みに点を取り合い6回までに3-1でリード。7回裏育英は追加点を上げ3点差、そこで相手投手が四球を連発し満塁としたところで本塁打で7点差として勝負を決めた。
 もちろん幸運もあった。選抜優勝で甲子園での勝負強さに定評ある大阪桐蔭、好投手山田を擁する近江、強打者浅野が凄かった高松商などの強豪がつぶし合い、そこを勝ち抜いた下関国際の両投手は、決勝戦では相当疲弊していた。また、これらの強豪校や準決勝で大勝した聖光学院と準々決勝以前で戦えば、先方の投手はまだまだ疲弊しておらず、互角の戦いを余儀なくされたことだろう、明秀日立戦のように。
 しかし、どの強豪校が来ても、準決勝・決勝は、よほどの不運がなければ勝てたのではないか。そのくらい、投手5人の物量は圧倒的だった。元気な投手が後から後から出てきて失点が少ないことそのものも強み。加えて、いずれの試合でも、競り合った際に相手投手や監督が「これ以上点はやれない」と言う作戦をとり、逆にそこにつけ込んで点を奪うことができたのも大きかった。
 もちろん、他にも勝因は多数ある。打撃も守備もいずれの選手がよく鍛えられていたこと、須江監督の積極的な采配、スカウティングの適正さなど。例えば名電戦の2回の2点目は2死三塁からの三塁線へのセフティバントによるものだった(試合後のインタビューで、須江監督が「相手三塁手は肩が強いため後方で守備するところを狙った」と語っていたのには、恐れ入った)。また、いずれの試合も第一試合というクジ運のよさも大きかった(勝ち抜き戦の場合、勝ってどのチームが出てくるか待つ方が、精神的に優位なのはいずれの競技でも鉄則、さらに灼熱の甲子園、朝試合ができてエアコン下で身体を休められる方が優位に決まっている)。
 とは言え、投手5人を確保して甲子園に乗り込んだ時点で、序盤戦さえ勝ち抜けば、相当な確率で育英は真紅の優勝旗を獲得することができる戦闘能力だったのだ。これだけ強ければ勝てる。

 話を戻す。今まで、東北勢はなぜ今まで優勝できなかったのか。
 冒頭に「白河以北一山百文」と述べたが、仙台の地方新聞の河北新報の創業者が、この言葉を見返すために社名(新聞名)を決めたのは、よく知られた話。私の世代の人間は、小学生の時からその話を聞き育ってきた。
 甲子園の高校野球と言うお祭りは大昔からよくできている。各地から代表校が出場、日本中が地元や故郷のチームを応援して楽しめる。昔は地域密着を基盤とするJリーグなど影も形もなかった。Bリーグもbjリーグもできたのはつい最近。プロ野球も首都圏(と言うか東京)と関西圏にチームが偏在しており、札幌、仙台、埼玉、千葉にチームが定着したのは比較的最近、長期に渡り福岡にチームがない時期もあった。
 そんな1970年代あたりから、甲子園で東北の高校が決勝に出るたびに、河北新報はもちろん、他の東北各県のマスコミも、「優勝旗が白河の関を越えるか」と大騒ぎしていた訳だ。そして、私も私の親友も、その大騒ぎ(お祭りと言ってもよいだろう)にお相伴していたわけだ。加えて悪いことに、1915年の第1回大会で当時の秋田中(現秋田高)が決勝進出して敗れている。だから、常に「第1回大会以来の東北勢の悲願が」とお祭りが、一層華やかになる。そして、決勝に負けた記憶の蓄積は、新たなチームが決勝進出する度に、お祭りに彩りを添える。
 これが北海道初めて、とか沖縄初めてとなると、単一道県の悲願だから、東北地方全域とは異なり、お祭り騒ぎも極端にでかくならない。また、同一県のマスコミならば予選段階からお付き合いがある言わば関係者。しかし、東北勢が勝ち進むと他県のマスコミが集まってくるのは、若者にとって、楽しむ以上のプレッシャ、微妙なストレスになったのではないか。かくして、河北新報を始めとする東北マスコミや、私や私の親友が、東北の野球エリートの若者達に不要なプレッシャをかけ、贔屓の引き倒しをおこなってきたのではないか。何十年にも渡って。

 その不要なプレッシャに打ち勝つため須江監督が作り上げたのが、多数の投手による圧倒的な戦闘能力のチームだった。これだけ格段の物量を抱えれば、勝負の準決勝・決勝で、戦闘能力で相手を圧倒できる。これだけ圧倒していれば、余計なストレスなど気にせず勝てる。そして、勝った。
 1度壁を破ってさえしまえば。来年以降、東北勢が幾度も優勝してくれることだろう。
 仙台出身の60歳過ぎのサッカー狂の戯言でした。
posted by 武藤文雄 at 01:31| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月21日

センタフォワードがいっぱい

 ワールドカップが近づいてきた。
 中3日の試合、直前の準備期間がほとんどない、欧州はシーズン真っ只中を中断、現地が観光の魅力に乏しい(これはピッチ上は関係ない自己都合、でも重要)など、過去にないワールドカップ。非常に展開が読みづらい。さらには、次回から出場チーム数が増大するから、「もしかしたら本質的に楽しいワールドカップはこれが最後かもしれない」などの思いもある。
 とは言え、わからないことや悪いことばかり考えても意味がない。近づきつつある世界最大のお祭りを自分自身が楽しむためにも、少しずつ代表チームのことを書いていこうと思う。

 先日の東アジア連盟E-1選手権、韓国に3-0で快勝したのは嬉しいし、従来代表経験が少ないJリーグのトップスターが活躍したのは、まことにめでたかった。とは言え、見事に活躍した各選手だが「カタールへの道」は遠い。今の代表チームは過去4年間の強化が奏功し、いずれのポジションも既に相当分厚い選手層となっているからだ。
 右サイドバックとしてすばらしいプレイを見せた小池龍太、このポジションには酒井宏樹、山根視来と予選で実績を残した選手が2人いる。さらに、森保氏に再三招集された実績ある室屋成、オランダでかなりの評価を受けている菅原由勢、東京五輪でこのチームの中心選手の多くとプレイ経験ある橋岡大樹も控える。既に実績があり海外経験が豊富な選手が5人いるポジションで、小池が「カタールへの道」を獲得するのは、非常に難しい。
 水沼宏太は知性あふれる位置取りと全軍を奮い立たせるリーダシップを発揮、優勝に大いに貢献した。しかし、右FWは伊東純也・堂安律がいて久保建英の選考も危ういほど。これまた相当苦しいと言わざるを得ない(水沼宏太については、あまりに思い入れが大きい選手だけに別に講釈を垂れたい)。
 もちろん、ポジションによって状況は異なる。左FWの有力候補は、三笘薫と南野拓実の2人のみだった。だからE-1で大活躍しMVPを獲得したドラミ相馬勇紀はこの2人に割り込む可能性がある。
 既に実績ある選手が多数いるところに加えて新しい選手が候補として出てくるのは結構なこと。ただ現実的には、多くのポジションでは、負傷がなければおおむね誰が選ばれるか、ある程度予想はついている。

 ところが、現時点でまったく誰が選考されるかわからないポジションがある。センタフォワードである。
 言うまでもなく、このチームのこのポジションは大迫勇也が起用されることが多かったが、ここのところ体調を崩している。そのため、今年6月のブラジル戦を中心とした連戦に選考されたのは、浅野拓磨・古橋亨梧・前田大然・上田綺世の4人。4人とも起用されれば、そこそこのプレイを見せているが、他の選手より決定的に優位に立つ活躍を見せていない。その他に過去、森保氏は、北川航也・オナイウ阿道・鈴木武蔵らを呼んだこともあったが、最近は選考外。そして、先日町野修斗がE-1で活躍して、候補に名乗りを上げた。町野はよく点をとったのみならず、韓国戦で敵DFの詰めが甘いと見るや強烈なミドルシュートを枠に飛ばし、前線でしっかりボールを収めた。欧州クラブ在籍選手不在の韓国とは言え、このアジアの宿敵相手に、これだけのパフォーマンスを見せたのだ。町野の能力は、国際試合でも存分に期待できると言ってよいだろう。
 これほど多士済々のCF候補から誰かを選ばなければならない状況など、過去のワールドカップではまったく考えられなかった。まずは素直に優秀な候補選手が多数いることを喜びたい。
 しかし一方で、事前準備試合はUSA戦・エクアドル戦とあと2試合しかない。ここに至っても、攻撃の中心のこのポジションに誰が選ばれるかまったくわからない。さすがに間に合うのか心配になる。繰り返すが、準備試合はあと2試合しかないのに。

 そもそも森保氏の謎の一つは、大迫不在時にどのような攻撃を狙おうとしているのかがよくわからないことだ。大迫は後方からのボールを収めるのが格段にうまいから、チームはそれを基軸に攻撃をしかけることができる。しかし、そのようなタイプではないCF、例えば浅野や前田を起用しても、森保氏は周りの選手に戦い方を変えるような指示をしているようには見えない。加えて、大迫とは別なタイプのCFと周囲の選手の連係を積極的に築こうとしているようにも見えない。ただ、自チームで好調なCFを連れてきて試合に出しているだけに思えてならないのだ。
 森保政権初期に大迫のバックアップとしてよく選考されていた北川は、アジアカップ前の準備試合で南野や堂安のような攻撃の中心選手とプレイする機会がほとんど与えられなかった。そのため、大迫が負傷したアジアカップでは、得意の鋭い動き出しを見せてもよいパスがもらえず、中々機能しなかった。
 先日のE-1中国戦に起用された売り出し中の細谷真大。この試合で細谷は、周囲の選手と中々連係がとれなかった。それでも、後半に入り、ようやく脇坂や野津田と呼吸が合いはじめ、幾度か好機をつかめるようになった。そうやって得点の匂いを感じせてくれたところで交代となってしまった。ここで交代するならば、何のために、この大会に細谷を呼んだのだろうか。
 これまで森保氏率いる日本代表が追い込まれた試合を振り返ってみる。具体的には、W杯予選の敵地サウジ戦・先日のチュニジア戦が挙げられる(W杯予選ホームオマーン戦は先方に先制されたのが試合終了間際だったので、どうしようもなかったので、これには含まない)。この2つの試合で、森保氏は終盤選手交代を行うが、ベンチに残っている攻撃タレントをただ並べ変えているようにしか見えず、終盤攻撃を活性化できなかった。そもそも、森保氏の公式戦での逆転勝利はアジアカップのトルクメニスタン戦とウズベキスタン戦くらいしか記憶にない。そしてこの両試合とも後半の比較的早い時間帯に(特に選手交代せずとも)逆転したのだから、スタメンの戦闘能力差で勝ち切った試合だ。
 もっとも、森保氏が率いているのはアジア屈指の強豪国、常識的には守備を固め、先制したら確実に勝ち切る試合運びが主体となる。どうしても逆転したい試合などは、中々遭遇しない。逆転勝利が少ないのは、リードを奪われた頻度が少ないからで、むしろ評価すべきかもしれないので、そこは誤解しないでいただきたい。だからこそ、「ホームベトナム戦はしっかり逆転しろよ」と言いたくなるが、まあそれはそれ。うまく行かないから、サッカーはおもしろいのだし。
 森保氏に批判的な文章を続けてきたが、逆転ではないがW杯予選のホーム豪州戦の交代策を述べなければ、森保氏への批評としてはフェアではなかろう。直前に敵地でサウジに苦杯し、勝点3が必達だったこの試合、70分に同点とされた後、前線に伊東・古橋・浅野を並べ(同点前に大迫→古橋と交代、同点後南野→浅野と交替)、疲労気味の豪州DF陣の粉砕に成功した。これは、森保氏の試合終盤の冴えた采配と評価すべきだろう。言い方を変えると、本当に追い込まれると、この監督は冴えるのかもしれないな。本大会でも期待しよう、できればコスタリカ戦やスペイン戦ではなく、2次ラウンド以降で。
 繰り返すが、これまでの森保氏の采配を見ていると、CFと言うポジションに誰を置き、その選手の特長を活かした攻撃をどのように行うか、まったくわからない。逆でもいい、例えば中盤の中核は田中碧、攻撃の突破口は伊東として、この2人が作った好機を活かすために、他のポジションあるいはCFをどうするか、と言う思考がまったく見えてこないのだ。
 思い起こせば、森保氏は広島の監督時代は佐藤寿人という格段なCFを所有し、全選手が寿人に点を取らせることで意思統一がとれているチームを作った。森保氏は、前任のペトロビッチ氏が作った寿人に点をとらせるチームの守備を大幅に改善、具体的には、ボールを奪われてからの切り替えを早くした上で、不用意に大量の選手が前線に上がるのを修正。その結果、守備は格段に改善され、一方で寿人は点を取り続け、森保氏はJ1の複数回制覇に成功した。そして日本代表監督としての森保氏は、チーム黎明期の大迫や、広島監督当時の寿人のような確固たるCFが登場するのを、ただただ待っているようにしか見えない。自らは何の工夫も行わずに。

 私なりの妄想を語る。例えば、敵が中央を固めており、伊東と三笘を両翼に配して彼らの個人技によるサイド突破から点を取ろうとするならば、短い距離の速さで中央のDFを出し抜ける前田や、屈強な欧州や南米のDFにマークされても身体を利かせられるオナイウが有用だろう。例えば、敵にリードを許し、8人なり9人で後方を完全に固められてしまったら、上田や町野のように持ち堪えられるCFを起用し、その後方で狭いスペースでボールを扱える南野や堂安(先日E-1で活躍した西村拓真でもいい)に支援させて、敵陣近くで拠点を作るのが有効だろう。何より上田と町野は僅かな空間をもらえれば強シュートがあり、敵CBを引き付けることができる。また、田中や堂安や鎌田大地の才気、伊東や三笘の個人技で好機を作るから、とにかくネットを揺らす選手が欲しいと言うならば、大ベテランの小林悠と言う選択肢もあるかもしれない、小林ならば田中や三笘との連係も期待できる…
 もちろん、以上は私の妄想に過ぎません。何回でも言うが、ドイツ戦より前に、森保氏にはUSA戦とエクアドル戦の2試合しか残されていない。この2試合で選手個々の特性の新しい組み合わせを作り込むのは現実的ではなく、今さら、オナイウや小林の選考は現実的ではないだろう。
 カタールのCF候補は6月に選考された浅野・古橋・前田・上田、それに復調すれば大迫、そしてE-1の韓国戦で猛威を奮った町野の6人のいずれかだろう。先日の4連戦を見た限りでは、森保氏は浅野と古橋を高く評価しているようだ。予選の敵地豪州戦、6月連戦初戦パラグアイ戦、最終戦チュニジア戦で浅野をスタメンに起用している。一方、古橋は一番重要なセレソン戦のスタメン、苦戦に陥ったチュニジア戦で後半浅野に代えて起用された。浅野が再三単身で豪州守備網を切り裂きかけたこと、ブラジル戦の古橋は守備に奔走していたが強豪相手に機能したことは、それぞれ間違いないし。ただ、森保氏が浅野や古橋を起用して、この2人の特長を活かすような布陣を敷いたことも、田中や伊東ら中軸の特長を活かすようにこの2人を動かしたことは記憶にない。これまでクドクドと講釈を垂れてきた通り。
 いずれにしても、森保氏は、この2連戦前に、候補選手を3人程度に絞らなければならない。「絞る」という言葉を言い換えると「捨てる」と言うことだ。9月シリーズ前に、森保氏は誰を捨てる決断をするのだろうか。

 改めて語るが、過去の日本代表を振り返っても、これだけ有為なタレントが揃ったワールドカップは初めてだ。同時に、カタールに向けてCFに誰を起用するか目鼻が付いていないのも、また確かだ。森保氏には、自分の眼力に自信を持ち、最適と判断する選手を絞り込んでほしい。その絞り込みに、森保氏なりの強い意志があればあるほど、ドーハの超歓喜が近づくはずだ。森保氏にはこの街で29年前の悲劇の復讐を果たしてもらわなければならないのだ。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月13日

ベガルタJ1復帰への道筋

 J2も全42試合中30試合を終え、あと12試合。終盤戦に入ろうとしている。
 首位横浜FCが勝点57、得失点差+13、2位のアルビレックス新潟が勝点56、得失点差+24、そして我がベガルタ仙台が勝点55、得失点差+20で3位。4、5、6位のファジアーノ岡山の勝点・得失点差が48・+12、Vファーレン長崎が47・+6、ロアッソ熊本も47・+4。このあたりまでが自動昇格権の2位以内に入れる可能性があるチームだろうか。
 ベガルタとしては、残り12試合粛々と勝点と得失点差を積み上げ、2位以内に入ることに向け全力を尽くすこととなる。何とも重苦しい残り2ヶ月半の間、胃が痛くなるような週末を、ライバルクラブ関係者と共に楽しむことになる。正にサポータ冥利に尽きる充実した日々ではないか。
 もっとも、勝とうが負けようが、調子がよかろうが悪かろうが、毎シーズン「サポータ冥利に尽きる」と講釈を垂れている私が言っても、説得力がないかもしれないがw。

 簡単に今シーズンのベガルタのこれまでの戦いを振り返ってみる。
 まずは、ベガルタ強化部門の慧眼。
 降格した昨シーズンのメンバから、スウォビィク、アピアタウィア、上原、関口、西村と言った中心選手が抜けた。一方で降格し予算も厳しかろう状況で、杉本、若狭、金大鉉、内田、デサバト、大曽根、名倉、鎌田、遠藤、中山と実効的な選手の補強に成功し、それらの選手がみなチームに貢献している。さらにリーグ開幕後に中島も獲得。加えて、先日若狭が重傷を負った直後に佐藤瑶大を獲得。もはや中島はチームの大黒柱だし、佐藤もすぐCBとして出場している。今シーズンの強化部門の手腕は見事しか言いようがない。
 もちろん、原崎監督の手腕も讃えられるべき。
 4–2-2-2あるいは4-2-3-1の並びでサイドMFが中央に絞りサイドバックを前に出すのが基本布陣。前線からの組織守備で中盤でボールを刈り取り、ショートカウンタを仕掛ける。序盤戦はこう言った速攻が目立ったが、シーズンも1/4過ぎたあたりから少しずつ、最終ラインから執拗にボールを回し敵DFのズレを誘った遅攻も有効になってきた。
 昨21年シーズンのベガルタ。序盤戦の守備崩壊や外国人選手補強失敗などもあり、攻撃の道筋を作り込むことができず、J2降格。選手の入れ替わり以前に、チームの基盤から再構築しなければならない状態だった。したがって、J2の上位争いに加わるまでには相当時間がかかるのではないかと、私は危惧していた。実際、開幕戦のホーム新潟戦は0-0だったが、チームの成熟度の差は著しく、引き分けは幸運と言う内容だった。ところが、その後のチームの進歩はすばらしく、上記のように組織的な速攻と遅攻を使い分けることのできるチームを比較的短時間で作り上げることに成功した。
 しかも、序盤戦から、目先の結果にとらわれることなく、ローテーション気味に選手を起用。現状の登録選手でまとまった試合出場がないのは、第4GKの井岡と、このオフに重傷を負った松下のみ。登録選手ほとんどを戦力化することに成功、結果的に負傷者や疫病感染者が出ても、決定的な影響なく試合に臨めている。リーグ序盤から、シーズン終了時点の歓喜を目指す姿勢が貫かれてきたのだ。
 夏季の移籍期間では上記の佐藤以外に新規獲得はなかったが、これも現状の選手層が充実している賜物。実際いずれのポジションも穴はない。もし補強するとしたら現状の選手を凌駕した能力の選手を求めることになる。そのような選手と言うと、J1で中核を担っているようなタレントとなり、現実的ではない。それよりは、シーズン終了後に、J1復帰祝いとして各選手やスタッフにボーナスを提供する方がよほど健全なカネの使い方と言うものだ。

 ではここから、いかに抜け出し、J1自動昇格を目指すか。
 陳腐な言い方になるが、このまま1試合ずつ丁寧に戦いを続ければよい。既に我々の攻撃力はJ2最高だ。総得点60がトップと言う結果もそうだが、手変え品変え、多くの選手が関与する攻撃内容は相当なレベルに達している。もちろん、勝負ごとだから相手がある。先方も、スカウティング、当方準備を外す工夫、試合中の駆け引きなど、様々な手を打ってくる。だからこそ、シーズン序盤から原崎氏が指向していた、多士済済のタレントを併用させるやり方は、一層有効になってくるはず。いずれのポジションにもタイプの異なる交替要員がいるのは効果的だ。
 そして何より、もうすぐ松下が戻ってくる。これ以上の補強があろうか。松下の復帰により、一気にオプションが広がる。フォギーニョ(あるいはデサバト)と中島のドイスボランチが現状のチームの基軸。ここに松下が加わり融通無碍の変化あふれる展開や前線へのラストパスが加わる。もちろん中島を一列上げる選択肢が増えるから、攻撃面で最も頼りになる遠藤の疲弊を防ぐこともできる。
 
 とは言えちょっと気になるのは、原崎氏が「残りすべての試合を全勝する」的な発言をしているような報道を散見することだ。そりゃ、残り12試合勝点36とれば、昇格は間違いないですよ(新潟との直接対決も残っているし)。けれども、常識的に考えれば全勝せずとも優勝あるいは2位の獲得は決して不可能ではなく、ここから大事なのは徹底したリアリズムのはずだ。もっとも、原崎氏が選手達に向かって、「絶対全勝!」的な精神論を語るのも「勢い付け」と言う意味では有効だろうし、そもそもマスコミ受けしそうな発言をすることも監督の責務かもしれない。原崎氏自身も本気で12戦全勝が昇格ラインとは思ってもいないだろうが。
 リアリズムの徹底と言う視点から言うと、チームとして疲労が重なり、中盤で敵を止められなくなった場合の戦い方にもう一工夫ほしい。そのような展開となったら、もう少し後方でゆっくりとボールを回せないだろうか。
 例えば、敵地町田戦。攻守のバランスがよく、セットプレイをしっかり決めたこともありアウェイながら3-0とリード。ところが、交代策が遅れたこともあったが、中盤のバランスが崩れた終盤、ボールキープもままならなくなり、3-2に追い込まれかろうじて逃げ切った。大量リードしていたのだから、DFとMFは後方に引いて落ち着いてボールキープしたいところだった。
 例えば、敵地琉球戦、前半リードし2点差以上に突き放す好機もつかみながら決めきれず。結果的に同点で終盤を迎えた。守備を固めた琉球に対し、終盤突き放そうと無理に攻め込もうとして、逆に全軍が間伸び、再三逆襲速攻から決定機を与えてしまった。GK杉本のファインセーブがなければ勝点ゼロに終わってもおかしくなかった。敵が引いて待ち構えていたのだから、引き出す工夫が欲しかった。
 例えば、敵地山口戦。おそらく疫病の影響だろうか、控えにユースの山田をいれなければならない厳しい布陣。先制を許すも前半のうちに逆転に成功。その後2点差にできそうな好機もあったが決めきれずに迎えた終盤戦。後から投入した控え選手も体調がよくないようで、ノーガードの攻め合いにしてしまった。再三のピンチも杉本の候補でしのいだが、アディショナルタイムに(よりによって!)渡部博文に同点とされ、その後も危ない場面が再三、「勝点1を獲得できてよかった」と言う試合にしてしまった。控え選手の体調も今一歩だったのだから、後半半ばで無理をせず引いてリードを守りに行く手段もあったのではないか。
 要は状況が難しくなったら、無理をせずにボールを回し、前に出て行かない勇気を持ちたいと言うことだ。双方が疲弊した試合終盤だ、敵の前線でのプレスも甘くなるはず。それでも敵が前線でボールを刈り取りに来たら、フォギーニョやデサバトのさばきから、金太鉉や中島や蜂須賀そして松下の精度高いロングボールで裏を狙えばよい。そのような展開下でベンチに温存していた皆川を起用すれば一発の裏抜け狙いはもちろん、オープンでの拠点も作ってくれるだろう。終盤苦しい時間帯に自陣で多くの時間を費やすやり方は精神的には楽ではないが、今のベガルタ各選手の判断力があれば十分にこなせると思う。

 そうやって、勝点も得失点差も丹念に丹念に積み上げていく。極端な言い方をすれば、結果的に勝点3が取れなくとも負けるよりは引き分けの方がずっとよい、負けたとしても点差を詰める、冷静に冷静に考え、少しでも少しでも勝点と得失点差を積み上げる。残り12試合、1試合あたり約95分と考えれば約1140分、この約1140分間をそうやって綿密に綿密に戦い抜けば、J1復帰は必ずついてくる。
posted by 武藤文雄 at 15:55| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月06日

ブラジル戦前夜2022

 紆余曲折あったが、終わってみれば無事予選突破を決めた森保氏率いる日本代表。
 6月の準備試合シーズンが始まった。ただ、過去と比較して非常に窮屈な強化計画となっている。特に出場決定後、欧州遠征しての親善試合がかなり組みづらいのが苦しい。欧州ネーションズリーグが設立されてしまったためなのだが、何とか工夫して強化を進めたいところだ。日本で行う強化試合は、相手国がどの程度充実した選手を集め、どのくらい体調を整えてくるのか、まったく読めないのがつらいところだが。

 今回のパラグアイについては、選手のレベルはかなりのものだったが、体調は微妙なところ、連係はまったく整っていなかった。あれだけ守備ラインが揃っておらず、プレスの連係もなければ、堂安と鎌田と田中碧らの個人能力で簡単に崩せる。ただ、森保氏のチームの常として、最終ラインをいかに崩すかの連係は選手任せになっている。そのため、ペナルティエリアに入ったところですぐに崩し切れないと、敵の守備も戻ってくるから、ゴール前がゴチャゴチャになり、シュートに行き切れないことになる。久保のプレイがその典型。それでも、各選手の個人能力で4点取ったのだから結構な時代になったものだ。
 一方で守備面では「おいおい」という場面が多かった。失点場面もそうだが、マイボールで丁寧に回すべき場面でボールを奪われるケースが多かった。予選終盤はそのようなミスはほとんど見受けられなかった。そう考えると、この不首尾は、大差がついて若干弛緩があったこと、吉田麻也、遠藤航と言ったチームリーダが不在だったことなどが要因だろう。もっとも、本大会であんなミスをしたら、とんでもないことになる。大丈夫だよね、代表チームのみなさん。
 現実的に、今回の残り3試合で、日本にとって本当に負荷となる試合がいくつあるのかはわからない。ガーナとチュニジアはカタール本大会出場を決めているから、相当厳しい試合を経験できることを期待しているのだが。とは言え、明日のブラジルは世界最強国。日本代表にとって、格段の強化機会になることは間違いないだろう。
 そして、できる範囲でベストを尽くすのは当然のこと。パラグアイの連係不足による手応えのなさは残念だった。しかし、手薄だった中盤で鎌田大地と板倉が相応のプレイを見せた事、堂安が輝いた事、(堂安や鎌田らによる引き付けがあれば)三笘が相手に対して相当脅威になること、原口が気の利いたラストパスを連発したこと、売り出し中の伊藤洋輝が一番手薄な左DFで機能したことなど、明るい材料も多かった。一方で、もう本大会まではそう時間もないし、強化合宿も限られている。新しい選手を多数試す段階ではなく、有力な選手同士の連係練度をいかに高めるのが課題なのだが。

 さてブラジル戦。おそらく、森保氏は予選のベストメンバに近いメンバで、ブラジルを迎えるのだろう。GKは権田、右DFは山根、CBは吉田麻也と冨安、冨安の体調が悪ければ板倉、左DFは中山で来ると思うが、伊藤を抜擢するか。中盤は遠藤航、田中碧、守田、両翼は伊東純也と南野。CFはたぶん上田綺世(これはパラグアイ戦で起用されなかったことからの推測に過ぎませんが)。そして、ロースコアの勝負に持ち込み、終盤に堂安、鎌田、三笘らを起用し勝負に出たい。もしリードしたり同点で終盤を迎えられれば、原口や谷口を起用してのクローズのテストとなるが、そんな展開に持ち込めれば嬉しいな。
 実際、今回の予選のホーム中国戦、サウジ戦での守備組織、特に攻撃から守備への切り替えはすばらしいものがあった。本大会でドイツとスペインから勝ち点2以上を奪おうと言うのだ、まず堅牢な守備を磨くのが重要なことは言うまでもないだろう。そう言う意味では、韓国から5点を奪ったブラジルに対し、今の日本がどこまで粘れるかを見極めると言う意味で、とても大切な試合となる。
 ブラジルにボールを奪われた直後に、どれだけ早く切り替えられるのか。一方でボールを奪取した後に、どのくらい有効な攻撃がしかけられるのか。先方の世界最高峰の遅攻にどのくらい我慢できるのか。マイボールで守備を固められた時、どのくらい落ち着いてリズムを作れるのか。これらすべてが、我々がカタールでどこまで戦えるかの試金石となる試合となる。
 2017年11月、日本はアジア予選を勝ち抜いた直後、明日と類似の状況でブラジルと対戦した。当時のハリルホジッチ監督は、予選の埼玉豪州戦、長谷部、山口蛍、井手口と3人の守備の強い選手を組み合わせた4-3-3で完勝した。その試合とほぼ同じメンバで、このブラジル戦を行ったが、前半に3点とられる完敗。ミスが連発し、無理なパス回しからボールを奪われ、再三速攻に脅かされる。粘ることも何もできない完敗だった。以降、ハリルホジッチ氏はチームを立て直すことができず、数ヶ月後解任された。
 果たして、明日はどこまで戦えるか。

 今の日本のレベルは相当なところまで来ている。過去の代表チームにはない分厚い選手層も確保できている。我々は、過去にないほどの成績を収められる潜在力を持った代表チームを確保しつつあるのだ。我々の代表チームがどこまで戦い得るのか。明日のブラジル戦、その戦いを(声が出せないけれど)新国立で応援できる。本当に楽しみだ。
posted by 武藤文雄 at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月18日

続 赤鬚のフォギーニョ

 最近作文をサボり過ぎていたと少し反省しました。短くてもよいから少しは頻度を上げるようにします。

 さて、ここのところ好調なベガルタ。前節はツエーゲン金沢に4-1で快勝、自分のクラブの大勝、それだけで最高だったのは、言うまでもない。
 加えて嬉しかったのは、私の大好きな赤鬚のフォギーニョが来日初得点、それもいきなり2得点を決めてくれた。もちろん、贔屓選手の連続得点は喜びも格段。しかも、2つの点の取り方が、タフファイトを得意とするこの赤鬚らしいものだったのだから、堪えられなかった。

 前半互角の攻防ながら、35分過ぎ自陣からの遅攻で崩して得たFKを中島が強烈に決めて先制。
 そして迎えた後半、圧力を加えてきた金沢の猛攻をかろうじてしのいだ49分。左DF内田が自陣でボールを奪い、中島が左サイドで前進する氣田へ。氣田は中央富樫につなぎ、富樫が見事なターンで逆サイド加速して前進する名倉へ。この富樫の展開で、ベガルタは手薄な逆サイドからの速攻スタートに成功した。少し前進した名倉は、落ち着いて中央遠藤にラストパス。遠藤は、いかにもこの男らしい優しいボールコントロールから、ターンして得意の左足シュート。しかし、惜しくも敵DFのブロックに防がれる。そのボールがこぼれ、帰陣しつつあった金沢MF2人の中間にこぼれたところに、我らがフォギーニョが襲いかかる。いかにも、この赤鬚らしい加速でボールを確保し、ペナルティエリア内に進出。敵DFのカバーが遅れるとみるや、やや外側の自分のシュートレンジに1歩ドリブル(と言うよりは「ボールを丁寧に置き直した」と言う表現が正確か)、立ち足の左足を鋭角に踏み込んで低いインステップキックで逆サイドネットに蹴り込んだ。トラップからシュートの流れは見ていて気持ちよいくらい、本人の意図を感じた。決して足が速い訳でも、精妙なボール扱いを誇る訳でもないこの守備的MF。長駆前進力と丁寧なボール扱い、本人の特長を完璧に活かした得点だった。シュートが決まった時、攻めに絡んだ氣田・富樫・名倉・遠藤の4人がペナルティエリア内外に進出、金沢の4DFはその4人を捕捉中。一方帰陣した金沢MFは3人いたが、フォギーニョの勢いに完全に置いていかれ何もできなかった。フォギーニョは5対7の数的不利を打ち破ったのだ。

 続く60分過ぎ。ベガルタ陣内で金沢右DF松田陸から中央でパスを受けたボランチ藤村に、フォギーニョが襲いかかる。そしてボール奪取に成功、10mほど前に位置取りしていた冨樫に縦パスし、ダッシュで前進。冨樫は落ち着いた溜めから、左サイドを疾走する氣田に好パス。この時点でベガルタは、氣田と遠藤が残っていた金沢の2DF(松本と庄司)に対して、2対2の形を作ることに成功した。正にボランチボール奪取から、トップの好ターンと言う絵に描いた速攻。フォギーニョの前進開始時に、松田陸も藤村も同様に高速で帰陣しようとしたが、冨樫の溜めにつられ、2人とも減速してしまった。そのため、フォギーニョは藤村より数m敵陣に近いところを疾走する状態となった。ここで勝負あり。トップに残っていた遠藤は、フォギーニョの高速前進を見て、左サイドに流れ氣田の縦パスを受ける。この時点で、氣田について外に流れた松本は無力化。残るは遠藤とフォギーニョ対庄司の2対1。中央をルックアップした遠藤は、もうこの時点で全身に喜びを表したかのような雰囲気で、強く正確なグラウンダのラストパス。庄司は何もできない。赤鬚はゴール前4mの距離で左足インサイドキックで誰でも決められるようなシュートを決めた。シュートそのものは簡単だったが、ボール奪取力と躊躇せず高速前進を継続した決断力、これまたこの守備的MFの卓越した特長が完璧に発揮された得点だった。

 2得点とも、この大好きな赤鬚の高速長駆の前進が活きたと言う意味では共通点がある。しかし、発揮した持ち味は、上記の通り異なる得点。贔屓選手(最近の流行り言葉では「推し」と言うのかな)の能力をじっくり堪能できた快勝。まこと、サポータ冥利に尽きる試合だった。ああ、現地にいたかった。

 ついでに言うと、いずれの得点も遠藤と赤鬚によるもの。この2人のボール扱いの精度を比べると、遠藤の方が格段に上なのは言うまでもない。格段に上手な日本人の演出で、タフで頑張るブラジル人が見事な得点を相次いで奪った。よい時代になったものだ。日本サッカーの向上と、ブラジルサッカーの奥深さ。
 この2人の連係を思いながら、6月6日はセレソン戦を堪能できる。繰り返すが、よい時代になったものだ。

https://www.youtube.com/watch?v=2G2MK9w6HcE
posted by 武藤文雄 at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月03日

完璧な180分間

 中国戦に続き、サウジ戦も2-0で完勝。
 この2試合180分間のの日本の組織守備のすばらしさを、どう表現したらよいのか。特にボールを奪われた直後の切り替えの早さと位置取りの修正は格段だった。出場全選手の献身に最大限の敬意と感謝を捧げたい。100年の歴史が育んだ知性と技巧とフィジカルに優れた我らのサッカーエリート達が、ここまで戦ってくれるとは。カタールでのベスト8はもちろん、生きているうちにベスト4も体験できるかもとすら思えてきた。
 過去日本代表が組織守備を十分に機能させた試合と言えば、やはり南アフリカワールドカップと言うことになるだろう。あれは見事な4試合だった。ただ、本大会は事前にフィジカルコンディションを整える合宿を行える。それに対し予選では欧州から帰国した選手と国内の選手を直前に集めて試合に臨むのだから、2試合続く予選で質の高い試合を見せるのは難しい。実際、ブラジル予選ではCBの弱さがチーム全体の課題となっていたし、ロシア予選では連戦2試合続けてよい試合を見せてくれることは少なかった。もちろん、この2試合はホーム連戦で調整がしやすかったのは確かなのだが。
 しかも、この中国戦とサウジ戦は、国内はオフでレギュラーのCB2人が不在。これだけ難しい状況だったのに180分間に渡り、組織守備を機能させたのだからすばらしい。ホーム豪州戦以降採用した遠藤航、守田、田中碧のトレスボランチがよく機能。谷口と板倉のCBの充実と合わせ、難敵サウジにも好機を与えなかった。しかも、速攻を許すようなリスク高いパスをほとんど使わず、田中碧の制度の高いパスと伊東格段の突破力を軸に、複数回崩し切り得点を重ねた。

 サウジは中国とは異なり、前線から厳しいプレスをかけてきた。しかし、日本も落ち着いてボールを回し不用意な取られ方はしない。ただ、田中碧が自由にボールを持たせてもらえないこともあり、どうしても前線へのフィードは甘くなり攻め切れない時間が続く。それでも25分過ぎあたり、伊東が敵DFを打ち破り低いクロスをGKが好セーブの好機をつかんだあたりから連続攻撃。そしてサウジが一度それをしのいだところで、ボールを奪った酒井が伊東に絶妙な縦パス。伊東が長駆で再度振り切り上げたボールを大迫がスルーし、南野が切り返しから左足で決めてくれた。
 日本の攻勢が続いたところで、サウジDFが深めに位置取りしているところで、前線の選手が中途半端に前に出てきたので、酒井が精度の高いボールを入れることができた。サウジは引き分け狙いだったのだろうが、あの場面はコンパクトで無くなっていた。この予選好調に首位を走るサウジが、精神的なスタミナが残っている前半からそのような不十分な意思統一を見せるとは少々驚きだった。サウジのホームでの勝利は、日本のミスからの自滅だったのだが、選手たちは「日本より強い」とでも錯覚したのだろうか。
 その後、やや日本のプレスが消極的になったこともあり、日本陣まで攻め込まれることもあり複数回CKを許す。ただ、そうなればサウジ後方のスペースを狙えるから、伊東のシュートをGKがブロック、田中碧がペナルティエリア内で倒された疑惑、遠藤航のフリーのミドルシュートが宇宙開発など、日本も好機を複数回つかむが決め切れず前半終了。
 後半立ち上がりから日本が積極的なプレスをかけ、サウジ陣でボールを狩れるようになる。そして50分、遠藤航のボール奪取から南野(だと思った)がつなぎ、左の長友に。長友が敵タックルをかわすように上げた逆サイドへのクロス(どの程度ねらったのかは少々微妙だったが)が伊東へ。球足の速いボールだったが、伊東は正確に右斜め前にボールを置き、超弩級の一撃を叩き込んでくれた。それにしても、伊東は正に大エースとしか言いようがない存在になってくれた。ボールの置き所の見事さ、突破をする時の精妙なボールタッチ、正確な技術とその使い所の的確な判断。大学までそれほど著名ではなかったこのタレントの格段の成長振りは本当にすばらしい。
 サウジとしては前半戦って「リードを許した以上は勝つのは相当難しい」と覚悟を決めていたはず。なので、1点差の時間を延ばし、僅かな交通事故に期待したいところだったろう。それを打ち砕く一撃を喰らい、オーロラビジョンに大映しになる各選手の絶望的な表情がうれしい。
 以降は、完全に日本ペース。交代出場した前田大然と浅野と伊東の3超高速トリオが、サウジDFの後方を再三付き複数回決定機をつかむが決め切れず、2-0で試合終了。点差以上の完勝だった。

 まあ、フィジカルコンディションのよい選手がそろい、選手選考を誤ったり、疲弊した選手の交代をしっかりしてくれれば、森保氏はすばらしい試合ができるのはわかっていたことだ。また、集まっては解散を繰り返す代表チームで、序盤自らの采配不備による勝ち点喪失という失態を行いながら、各選手たちを精神的にまとめ上げた手腕も恐れ入るものがある。しかも、今回の招集は精神的支柱の吉田麻也と、(おそらく)日本人選手で歴代市場価格ナンバーワンとなっている冨安が不在だったにもかかわらず。
 ただ相変わらずディテールについて、ネチネチ文句を言えるツッコミどころには事欠かないのは楽しい娯楽だ。勝った試合の後ならばだが。
 何回でも繰り返すが、トレスボランチ採用するのに、どうして守備の強い中盤のバックアップ呼んでないのだろうか。川辺や稲垣や橋本や松岡など有効な選手は多数いるはず。もし序盤に3人のうち誰かが負傷離脱したり、いやそれ以前にこの3人のうち誰かが自クラブで負傷し招集できないとしたら、森保氏はどうするつもりなのだろうか。もちろん、柴崎がロシアの輝きを取り戻すことを期待し、招集を継続するのを否定はしない。しかし、柴崎が現状のレギュラー3人組のように戦うことが難しいのは、先日の敵地オマーン戦でも示されたではないか(もちろん終盤何がしかの理由で試合がばたついた時などに柴崎を起用し、落ち着けることは今でも十分期待できるだろうが)。
 このMFのポジション以外は、このチームには多士済々のタレントが揃っている。今回の板倉、谷口がまったく不安ないプレイを披露してくれたのがその典型だ。左DFは少々手薄だが、長友と中山と2人は常時招集され、2人とも存分に機能することはわかっている。なのに、なぜここだけは手薄なままを放置するのだろうか。
 もう1つ。終盤遠藤航→原口の交代ちょっと前に、酒井宏樹が足をつり気味だったが、森保氏は交代しなかった。まだ交代枠が残っていたのだから、山根を投入するべきだろう。こう言う甘い采配するから、メモするのに忙しくて試合見ていないのではないか、と言いたくなるのだw。このような細部をおろそかにする采配で、本大会の2次ラウンドで本当に厳しい相手と戦えるだろうか。

 ともあれ、すばらしい180分間をたっぷり堪能することができた。
 敵地豪州戦を引き分ければ出場権が確定する。中盤の3人が負傷なく上々の体調で招集できれば、よほどのことがない限り、敵地とは言え勝ち点獲得は難しくないだろう(3人が揃わなければ、それはそれで心配だが上記の通り人材はいる、ベテランの山口蛍あたりに頼る手段もあるし)。3月24日の豪州か、よい季節だし行って歓喜を堪能したいなあ、疫病が忌々しい。
posted by 武藤文雄 at 00:20| Comment(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月31日

サウジは無理をして来ない

 2022年1月27日 日本2-0中国 於埼玉スタジアム。
 個人的には、日本代表史に残る完璧な試合だったとは思う。「だったと思う」ではなくて「だったとは思う」だが。

 元々、戦闘能力で中国を圧していることは事前にわかっていた。ただ、戦闘能力が劣るチームに対し確実に勝ち点3を確保するのが、必ずしも容易ではないことは、サッカー狂ならば誰もが理解している。そして、本大会出場のために、この試合で勝ち点3をしっかり獲得すること、その確率を極力高めることが重要なこと、それぞれもサッカー狂ならば誰もが理解していたことだ。
 そして、この日、遠藤航とその仲間たちは、そのミッションをほぼ完璧に演じてくれた。この「ほぼ」の徹底ぶりは実に見事。
 開始早々から、ボールを奪われた直後の切り替えが格段(最近の流行り言葉では「ネガティブトランジション」)。そのため、中国はまともにつないでハーフウェイラインを越えられない。それならばとロングボールで前線をねらってくると、板倉と谷口がそれを冷静にはね返すので、中国はまったく前線で起点を作れない。そしてこの急造CBコンビは、後方に引いてくる田中碧と連携し、前線に次々と好パスを送り出す。
 それにしても、板倉の出足(その前提となる読みを含めて)はすばらしかった。ベガルタが天皇杯決勝で浦和に苦杯を喫したのは、この日と同じ競技場での3年前のことだった。あの試合、ベガルタの左CBとして起用された板倉、マークする相手に詰め切れない弱点を突かれ、幾度も裏への突破を許してしまった。欧州での3年の経験は、この若者をまったく質の異なる戦士に変えてくれた。板倉は、この中国戦でのプレイ振りで、完全に吉田麻也との定位置争いに名乗りを上げたことになるだろう。少しずつ、最高レベルのCBになりつつあるこの逸材と、1年間ともに戦えた幸せ、ベガルタサポータとして本当に嬉しい。
 攻撃には色々不満もあるが、このレベルの相手に、これだけ素早いネガティブトランジションを継続すれば、試合は一方的なものとなる。遠藤航と守田の切り替えは当然かもしれないが、3トップの切り替えの早さも格段。そして序盤に見事なパス回しで伊東純也の突破場面を作りPKで先制に成功。以降は、攻撃面で無理をするリスクを負わず、執拗に切り替え早さで守備を固める試合となった。この切り替え早さを90分間継続するのだから、「日本代表史に残る完璧な試合」と表現した次第。加えて、中国が田中碧をまったく押さえにこないので、一度日本がボールを奪うと、上記の通り2CBと田中碧を起点におもしろいようにボールを回すことができた。結果、90分間に渡り試合をコントロール。僅かなズレから許した数少ないCKや自陣のFKからシュートを許したものの、交通事故のリスクも最小限。まったくおもしろさはないかもしれないが、リアリズムと言う視点からは「完璧な試合」と言うしかないではないか。少なくとも、戦闘能力が明らかに落ちる中国に対し、勝ち点3を間違いなく獲得するという視点では、この試合はすばらしかった。
 もちろん不満もある。上記の通りボールをしっかり回すことはできたが、なかなか追加点を奪えなかったこと。これは開始早々に先制したこともあろうが、各選手が「悪い取られ方をしないこと」を徹底し、無理をしなかったためだった。正直言って勝ち点3を確保するのが最重要な試合だから、各選手の思いはわからないでもない。しかし、あれだけボールを奪われた直後の守備が機能していたのだ。最前線の選手は、もう少し無理をしてよかったはずだ。特に南野には不満がある。長友との連係を工夫したり、もう少し無理をしてもよかったのではないか。だから、冒頭で「だったとは思う」と微妙な表現をとった次第。贅沢なのかもしれないけれど。

 さてサウジ戦。
 中国と比較すれば、戦闘能力が格段に高いことは間違いない。しかし、落ち着いて考えてみよう。先般の敵地戦の苦杯だが、序盤のセットプレイから許したピンチ(権田が好フィスティングでしのいだ)を除くと、危ない場面は皆柴崎のミスによるものだった(それにしても、あの柴崎の完璧な敵へスルーパスには驚いたが)。どんな選手にも不調の時はある。にもかかわらず、柴崎を交代させなかった森保氏の問題なのだ。加えて、サウジは日本時間28日の未明にホームでオマーンと戦った後の来日となっている。それも極寒の日本に。コンディションがよいとはとても思えない。さらにサウジとの試合、日本はホームで過去勝ち点を失ったことはないはず、引き分けもなく常に勝っているはずだ(記憶違いだったらごめんなさい)。中国戦の守備強度を含め、常識的に考えれば、日本が圧倒的に優位なのだ。
 さらに各国の勝ち点勘定を考えると、サウジは出場権獲得をほぼ決めており、一方で豪州は相当追い込まれているのだ。
 1位 サウジ 勝ち点19 得失点差+7 残試合 A日本 A中国 H豪州
 2位 日本 勝ち点15 得失点差+4 残試合 Hサウジ A豪州 Hベトナム
 3位 豪州 勝ち点14 得失点差+9 残試合 Aオマーン H日本 Aサウジ
 4位 オマーン 勝ち点7 得失点差-2 H豪州 残試合 Aベトナム H中国
ベトナムと中国が圏外と考えると(いや、ベトナムは本大会出場可能性なくなっても最後まで相当な抵抗はしてくるだろうが)、サウジは次節の敵地中国戦に勝てば勝ち点は22確保できる。そうなると、日本と豪州は直接対決が残っているので、サウジは残る豪州と日本の直接対決に敗れたとしても、2位には入れるのだ。サウジにとっての唯一の悪夢は日本に2点差で敗れ、(可能性は低いが)中国に引き分け以下で終わり、日本が豪州に1点差で負けたケース。その場合以下となる。もし、火曜日に日本に負けたとしても0-1ならば、サウジが悪夢にはまっても得失点差で日本を2上回ることができる。そうなると日本はベトナムに大量点が必要になる。
 サウジ勝ち点20、得失点差+5 ホームとは言え豪州と直接対決
 豪州 勝ち点20、得失点差+10以上 敵地とは言えサウジと直接対決
 日本勝ち点18、得失点差+5 ベトナムに勝てば2位には入れる
 そうこう考えると、サウジにとって火曜日の日本戦は引き分けで十分、負けても1点差ならば問題ない試合なのだ。
 余談ながら、オマーンのホームゲーム豪州戦はすごい試合になるだろう。オマーンはこの豪州戦を勝てば、勝ち点16まで行ける可能性が出てくる。豪州が日本にもサウジにも勝てなければ、オマーンが3位になれる。

 以上考えると、サウジは絶対無理をして来ない。日本がリードしても、強引に同点をねらわず最小得点差を維持することを考えるはずだ。
 とすれば、日本は中国戦の守備強度を確保しながら、左右両翼から攻勢をかけるべきだろう。南野が強引に無理をしに行くのか、久保を左サイドに使い強引に行くのか、中山を起用し左オープンに開かせるのか、森保氏はいずれを選択するのか。冷静な采配で2点差以上の勝利を期待したい。
posted by 武藤文雄 at 00:31| Comment(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする