2006年12月07日

研修観戦招待受領の件

 一昨日帰宅すると、日本協会からハガキが来ていた。もちろん、協会会長に対する名誉毀損に関する内容証明付き郵便ではなかった。来週行われる拡大トヨタカップの1回戦の全北現代対アメリカ戦及び、5,6位決定戦への招待状。曰く
世界最高峰の本大会において、今後の活動に向けた研修の場として、開催地の近隣県の登録審判員や指導者の皆様に、無料でご観戦頂く機会を提供させて頂くことと致しました(一部意訳)。
との事だ。

 まあ、この大会のチケットの売れ行きについて云々言うのは野暮と言うものだろう。実際、決勝戦にしても、ロナウジーニョ出場が確定している準決勝にしても(怪我さえなければだが)、現時点でまだチケットが余っていると言うが、あの価格設定では仕方がないだろう。ただ、この件について日本協会を揶揄する気は無い。どうやら価格設定は胴元のFIFAの判断らしいからだ。そして、毎年日本開催を継続したい日本協会としては、タダ券を配ってもスタンドを埋めて、「大会成功」をアピールしたいのだろう。日本協会もつらい。ここは私も協力したい、と言う事で月曜定時退社を目指すのだが。

 もっとも、決勝チケットが売り切れになるのかどうかは興味深い。広告代理店は叡智を振り絞ってこれからの完売を目指すのだろうが、もし決勝スタンドがガラガラになったらどうなるか。来年の拡大トヨタカップは敢え無く他国に取られてしまうのか、それとも来年のチケット代が適正に下がるのか。後者だったら嬉しい事この上ないが、前者はとても残念。

 考えてみれば面白い、4年前のワールドカップでは全試合チケット売り切れになったのだが、同じ日本で行われるクラブの世界大会ではチケットは余るんだな。これが正しいか、おかしいかについては、何とも言えないが。もっとも4年前のワールドカップでチケットが余っていた国もあったけれど。

 とは言え、冷静に考えてみれば、「全北対アメリカが『タダ』で見られる」って言うのは凄い贅沢な娯楽だ。韓国とメキシコのトップクラブが本気で戦う試合って、相当面白いと思うのだが。拡大トヨタカップの1回戦は、アジア、アフリカ、北アメリカ、オセアニアの4クラブの戦いとなる。オセアニアのクラブの力が格段に落ちるのは明らか(昨シーズンのカズとヨークの奮戦は面白かったが、チームとしての戦闘能力には、明らかに限界があった)。とすれば、オセアニアが絡まない1回戦が注目の的になる。ところが、たまたま去年はアラブ同士のアル・アハリとアル・イテハドと言うやや似たタイプのチームとなってしまったので、興味としては今一歩だった(もちろん、このアラブの2強国のサッカースタイルの相違は、それはそれで愉しめたのだが)。全北対アメリカは、サッカースタイルが全く異なる国同士の対戦。正に国際試合と言う面白さが堪能できそうではないか。しかも「ああ、どうして日本のクラブがここにいないのだ」と言う悔しさをチクチクと感じながら。

 98年フランス、あのトゥルーズのアルゼンチン戦を前日に控えた異様高揚感を味わいながら、リヨンで見た韓国−メキシコを思い出したりして。河錫舟の直接FKと直後の退場、後半1人少ないのに無理して勝ちに行った車範恨氏の自滅。



 と、ここまで書いてきてふと思った。

 いっそ、この試合は全北のホームタウンでやったらどうだろう(そうなるとこの試合が観られなくて困るけれど)。不利になるアメリカ側は怒るだろうけれど、それはまあ入場料収入増大の分を回せば落としどころは見つかるだろうし。前もってこの試合のチケットを買っていた人が何人いるかは知らないが(チケット発売は全北の出場が決まるよりもずっと前だった)、払い戻しさえすればさほど問題にならないのでないか。

 でもなあ、Kリーグの観客動員を考ると、まだ国立でやった方が客が入るのかもしれないな。鄭夢周氏もそのあたりわかっていて、こっちに押し付けているのかもしれないな。

 まあいいや、指導者、審判の皆様、月曜日の国立で会いましょう。
posted by 武藤文雄 at 22:10| Comment(5) | TrackBack(1) | 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

残念だが反町氏は辞任すべき

 確かに北朝鮮はよいチームだった。得意の速い攻めで日本DFの裏をあきらめずに狙い、日本ボールになってからも執拗に身体を寄せてきた。日本の攻撃を跳ね返した直後も集中を切らさずにセカンドボールをよく拾った。日本より年齢が高いのみならず、オーバエージも使っていた。

 この北朝鮮に負けた事そのものは、悔しいし残念だが、仕方が無い事とも言える。いや、むしろ北朝鮮が国際試合を意味不明に辞退する悪癖がなくなり、東アジアで日韓に続くと言うよりも並びかける存在になりつつあるとも解釈できる。

 日本の敗因も若さを露呈したものだった。あれだけ頻繁に、ペナルティエリア近傍で見え見えのファウルで止めてしまう粘りのなさ(あるいは、自陣近くにも関わらず、敵に先手を取られてしまう準備の悪さ)。完全に揺さぶっていながら、北朝鮮の苦し紛れのクリアを拾えない、先読みの悪さ。肝心な場面で見せるオフサイド、ファウルスローなどのつまらない反則。試合終盤、チーム全体としてどう攻めるかと言う色が見えなかったのも、若さゆえだろう。



 けれども、この事態を招いたのは間違いなく反町氏だ。

 大会前、中国、韓国とH&Aの格好の準備試合があった。そのうち、最も貴重な経験になるはずの敵地韓国戦は「二軍対応」。そして、それ以外の3試合は、青山敏、増田、梶山の中央3人のみ固定し、後の選手は入れ替わり立ち替わり。Jで実績を上げている谷口、枝村、家長、そして水野までも二軍扱い。さらに「『ベスト』で臨む」と言いながら、国立韓国戦は敵地で凡庸なプレイをみせた千葉を引っ張る。ユースで実績を挙げている福元、梅崎、柏木よりも、高校生の乾を優先させた選考。試合ごとにクルクル変わるキャプテン。さらには、アジア大会は「1クラブ1名」と言う縛りをかける自主規制。

 この日の采配も意図不明が多過ぎる。水本の交代は、おそらく負傷によるものだろうが、せっかく本田圭と家長の両翼が利いていたのに、わざわざ家長を後方に下げたため、せっかく前半の半ばから完全に押し込んでいたのに、逆に攻め込まれる時間帯を増やしてしまった。しかも、この交代で谷口が完全に前に上がってしまったのも攻撃を単調にした要因(谷口の良さは後方から長躯前線に進出して点を取る事にある、最初から前にいたら魅力半減)。2−1に突き放された後も交代が遅い。さらに前田俊介の起用意図が不明。カレンの交代は遅過ぎる。そして、試合が煮詰まった試合終盤、誰に何を期待して攻撃に行くのかも、はっきりと指示しているようには見えなかった。



 これらは、野次馬から見れば「どうかと思う」采配だ。けれども、「どうかと思う」采配でも、最後に帳尻を合わせれば、それはそれでよい。また結果がでなくとも「整然とした意思」が感じられる采配ならば、最後に帳尻が合わなくとも、(悔しい事は悔しいかもしれないが)理解はできる。

 大変残念ながら、今回の日本の敗退には、いずれもが感じられなかった。



 反町氏は、手にした豊富な玩具のどれをどう使ってよいか把握しきれず、面白がっているうちに負けてしまったのだ。



 我々にとって反町氏は正に「大事な男」だ。アルビレックスをここまで育ててきたチームマネージメントを含めた卓越した能力は、近い将来も遠い将来も日本サッカー界にとっては極めて重要な存在だ。だからこそ、ここは潔い決断を求めたい。

 そして、必ずや捲土重来を。



(追記、06年12月7日)

 私が言いたい事は、反町氏が自ら「辞任」すべきだと言う事だけで、日本協会が「解任」すべきと言う事ではありません。日本協会サイドから見た場合、五輪や2010年へのつなぎと言う意味で「反町氏継続が妥当」と言う考えは、明らかに正論でしょう。いや、私も「解任」すべきではないと思います。北朝鮮は強かったし、アジア大会は最終目的ではないのですから。

 また、反町氏が「辞任」を表明したときに、日本協会は「慰留」すべきかどうか。これは、代表監督としてのオシム氏の意向も含め検討すべき事で、「慰留」は十分ありでしょう。私が協会首脳だとしても(笑)「慰留」したいくらいです。



 このようなケースこそ、協会会長の最終判断は重要です。その協会会長が自らの人事問題で醜い言動を繰り返したために、最終判断を誰も信頼できないのですから、現在の状況は極めて深刻なものがあります。
posted by 武藤文雄 at 03:00| Comment(23) | TrackBack(5) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする