大変残念なニュースだ。拡大トヨタカップに地元枠が設けられてしまったらしい。何とか、今からでも地元枠を無くせないものだろうか。
私が地元枠に反対する理由は以下の2つ。
まず1つ目。これにより恒久的な日本開催の可能性が格段に低くなってしまったと言う事だ。1981年以降、28回に渡り我々はトヨタと言うこの大会のスポンサ企業がいたおかげで、この素晴らしい大会を体験する事ができてきた。そして拡大トヨタカップになってからも少なくとも3シーズンは、この恩恵にこうむれると言うところまではわかっている。しかし、地元枠が登場した事により、これは同時に開催国恒久化は否定されたと考えるべきであろう。もちろん、地元枠がなくとも、開催国が変わっていく可能性はあったかもしれない。けれども、地元枠が設定された以上、そうなる確率は高まったと考えざるを得まい。
逆の目もあり。もし地元枠が設定されてもなお、日本開催が継続したら(と言うより地元枠が設定された以降も日本協会が本大会を招致するとすれば)、これは
以前も述べたが、日本サッカー界は極めて格好悪い状況に置かれる事になる。これはこれで、日本のサッカー人として他国のサッカー人に対して非常に恥ずかしい事だからやめて欲しい。
2つ目の理由。この大会は「出場するのが極めて困難な大会」だからこそ存在感があると言う事に、地元枠は矛盾するからだ。ワールドカップを初めとして、他の全てのFIFA主催大会には地元枠が存在する。しかし、ワールドカップに出場する事と、拡大トヨタカップに出場する事の困難さは格段に異なる。ワールドカップは国単位の大会であり、その国のサッカー力がある程度高ければ、4年に1回とは言え、それなりに出場機会は得られる。けれども、拡大トヨタカップは異なる。自国のタイトルマッチを獲得し(あるいは上位に進出し)、さらに厳しい大陸の大会で優勝しなければ出場権は得られない(ワールドカップと異なり毎年開催されるが、それが頻度面でワールドカップ以上のものにはならないのは言うまでもなかろう)。自国がワールドカップに出る事のできる確率と比較して、自分のクラブが拡大トヨタカップに出る事のできる確率は格段に低いのだ。
過去日本で同等の権利を獲得したクラブは(前身のアジアチャンピオンズカップ時代を含めて)古河電工、読売クラブ、そしてジュビロ磐田の3つしかない。過去アジアチャンピオンズカップあるいはリーグは26回行われており、その間日本のクラブが3回しかアジアチャンピオンになれていないのは、やや少なすぎる感もあるけれど、一方ではそのくらい希少なものと言う事がわかるだろう。
現在大会が佳境の欧州チャンピオンズリーグはベスト8までチームが決まっているが、金満の名門がズラリと並ぶこの8強の中でも、ローマ、チェルシー、バレンシアの3クラブは過去この栄誉を獲得していない。さらに欧州の名門中の名門であるバルセロナやマンチェスター・ユナイテッドやインテルでさえも、この栄誉の獲得は2回のみである。
この大会への出場権と言うものは、そのくらい尊いものなのだ。希少なものは、希少な状況に保たれるからこそ価値がある。
類似のチーム数の大会としてコンフェデレーションカップがあるが、この大会は地元国が出場したりいかにも曖昧なレギュレーションのせいもあり、世界的にはそれほど重要な大会とは認識されていないのは、皆さんご存知の通りである。
もっとも、この手の世界大会を、日本で独占しようと言うさもしい根性がいけないと言う考え方もあるな。まあ、観客動員促進の目的で出場権のある6クラブの所属国で大会を実施するならば、仕方がないとも思うだろうが。大体、この大会は今日本で開催されているから、(悔しいけれど)地元枠と言っても世界サッカー界から誤差で片付けられるのだ。もし、イタリアやスペインで開かれた場合はどうするつもりなのか。
救いは今のところ本件に関しては(私が調べた限りでは)、日本協会からは協会会長恒例の能天気なコメント付の
リリースが流れてはいるものの、FIFAからは明確なニュースリリースが流れていない事か。