2007年03月24日

見事だったが、もう少し時間が欲しい

 守備ラインに中澤、中盤に中村、最前線に高原、と強力なメンバが補強されたペルー戦。中澤と闘莉王がセンタバック、加地と駒野が両サイドバック、阿部と啓太がドイスボランチと、4−4−2のフォーメーション。

 開始早々、遠藤が左から右に展開するボールが大き過ぎてタッチを割り「おいおい」と言う流れから始まった。しかし、その直後中村が逆サイドの駒野へ鮮やかなロングパスを通し、引き締まる。序盤こそ、ペルーのいかにも南米の強豪らしい身体の入れ方の巧さにとまどい、押し込まれる事が多かったが、最終ラインの中澤が冴え渡り、大きな危機を迎える事なく、この難しい時間帯を乗り切る。
 そして、中村の右から左への壮大な展開に駒野、遠藤、阿部が呼応する左サイドの崩しの連続から次第に日本ペースとなる。先制点の左からのFKはこの日3本目。この場面は高原の落ち着いたドリブルによるものだったが、日本の執拗な左サイドからの攻撃が奏効したとも言える。最初の2本は右利きの遠藤がゴールに向くボールを蹴っていたが、この3本目は初めて中村が蹴る。ニアに中澤と高原が飛び込み、ファーサイドの巻が見事なヘディングで敵に競り勝ちつつ鮮やかに叩き込んだ。
 その後左サイドから駒野がドリブルで仕掛け、外側に遠藤が走りこむ事でできたスペースに駒野が持ち込んでミドルシュートを狙う連動による攻撃が生まれる。さらに再び高原のドリブル突破から今度はゴール正面でFK。中村の強シュートはやや浮いてしまい枠を捉え切れなかった。その後は加地を軸に右サイドからの攻めが活性化するも追加点を奪えず前半終了。

 後半も序盤はペルーの個人技に押し込まれるが、ここでも中澤を軸にしのぐ。そして、前半の得点と似た位置でのFK。高原が実に見事なトラップから振り向きざまに決めるビューティフルゴール。ペナルティエリアのあの混戦の中で、あれだけ的確なトラップができる事そのものが、高原の充実振りが感じられた。横で中澤もシュートを狙っていたのは御愛嬌。
 その後、憲剛を投入した日本。憲剛が頻繁にボールを触る事で一層ペースを掴む。加地のグラウンダのセンタリングを中村がピタリと落として憲剛にミドルシュートを打たせた攻撃はきれいだった。右サイドをえぐった高原がニアにスライディングする中村に合わせた場面も惜しかった。このあたりからペルーに疲労が見られ、日本の圧倒的な攻勢。交代で入った矢野、羽生も上々のプレイ。
 終盤、藤本、水野、家長の若手3人が投入され、皆が積極的に個性を発揮したのも嬉しかった。
 いい試合だった。

 まあ、ある程度機能するようになったチームに、大駒が3枚加わったのだから、見事なサッカーを見せてくれるのは当然と言えば当然か。
 ただし、中村の個人技で中盤を崩せたものだから、札幌サウジ戦のような鮮やかな連携の連発は見る事ができなかった。大変贅沢なのはわかっているが、もう少し一緒にトレーニングする時間があれば、更なる高度なサッカーを見る事ができるのだろう。また、闘莉王、阿部、啓太の3人が、さすがに豪州で公式戦をこなした直後だけに、ちょっと元気がなかったが、これまた仕方のないところか。ただし、ここまで不動のレギュラだったこの3人にしても、中澤の復帰、中田、稲本の充実、謎の今野の不在を考えれば、ポジションは安泰ではないのだから、今後の精進が必要。
 アジアカップに向けて、欧州クラブ在籍選手をどう参画させるかと言う問題は残るが、まずは順調にチーム作りが進んでいる事、上々の日本代表を見る事ができた事でよかったと言うべきなのだろう。
posted by 武藤文雄 at 23:45| Comment(3) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする