昨秋のオシム氏就任以降レギュラとして起用され続けてきた選手に、海外クラブ所属選手+楢崎、さらに五輪代表の中心選手(当然ながらいずれも自クラブのエース格)が加わった編成となった。
昨秋の札幌サウジ戦は、試合終盤いささかエネルギー切れで失速気味の内容となったが、後半序盤3点目を取るまでのサッカーは実に見事で美しいものだった(余談ながら、「オシム氏のサッカーは面白くない」と言う人がいるらしいが、そのような人は「私は試合をちゃんと見ていないけれど」と前触れをつけて欲しいものだ)。
そのチームに3月のペルー戦では、中澤、中村、高原の3人が加わった。中澤の加入で、闘莉王がおとなしくプレイしたのは御愛嬌だったが、3人とも見事な存在感を見せてくれた。ただし、全体的にはサウジ戦の連動性が損なわれた感もあったが、これは試合と合同練習をいくばくか重ねる事で改善されていく事だろう。
そして、今回のキリンカップでは、楢崎、中田、稲本が呼び戻された。
これまで川口の控えとして選考されていた川島にせよ西川にせよ、いずれもJ屈指の有力GK。しかし、現状では川口と比較されれば「経験」と言う部分で見劣りしているため(若いのだから仕方がないのだが)、ここまで川口は主将を務めている事と合わせ、チーム内ではいささか別格の扱いだった。しかし、積年のライバル楢崎の復活により、ここでも激しい競争が始まる事になる。しかも、Jの前節、川口はアルビレックス戦で明らかなミスから失点を重ねたに対し、楢崎はFC東京戦で幾度か決定機を防ぐなど大活躍だった。さて、明日我がゴール前に立っているのはどちらなのだろうか(いや、川島も好きな選手ですが)。
通年通して欧州で活躍していた中田と稲本のプレイも実に愉しみだ。TV中継の関係で、中村と高原(と松井)の映像は何回も愉しむ事ができるが、この2人の映像は中々見る事ができていない。稲本が完全に通年に渡り継続して活躍したのは、01年シーズンに欧州でプレイするようになって初めての事ではないか。また、中田はリーグタイトルこそのがしたもののカップを獲得しての凱旋となる。今回のメンバからは負傷で、闘莉王と加地が離脱しているが、それでも、後方の選手として中澤、中田、坪井、駒野、啓太、阿部、今野、稲本とメンバが揃っている。こう並ぶと、若手の成長株水本と青山は、相当な努力を積まないと継続して選考されない事もよくわかる。ともあれ、誰がどう並ぶのか、そしてどう機能するのか、これを想像するだけでも愉しい。
後方の選手と言えば、ちょっと気になるのは橋本。元々、大変器用な選手ではあるが、今シーズンは本来のボランチからサイドバックから、複雑な戦術的ポジションを見事にこなし、ガンバの首位快走を支えている選手。オシム氏はアジアカップの苦しい連戦時に、その柔軟性を期待して今回の選考にも残したのだと思う。上記のメンバを見ると、出場機会があるかどうか非常に苦しいところだが、試してみたい選手だ。非常に楽観的だが、キリンカップの2試合日本はリードして終盤を迎えることになると予想している。最後の10分間あたりに、橋本起用が見られ、それはアジアカップのための重要な準備になるように思っているのだが。
やはり最前線は高原が中心となるのだろう。02年にJで得点王になり、ドイツに渡った02−03シーズンこそ、猛威を振るった高原の不振も長かった。今シーズンの4年振りの安定した活躍、そしてペルー戦での得点と落ち着いた突破は貫禄を感じさせた。この選手のよさは、様々なタイプの選手と「合う」多様性にもある。ペルー戦では巻と息の合ったところを見せてくれた。00年ワールドユース以来と思える播戸との連携、高原が作ったスペースに疾風のように飛び込む寿人、敵を引きずりながら前進する矢野の後方から進出する高原など、様々な期待がかかる。
中村の負傷の程度はどうなのだろうか。とにかく、以前より述べているが、中村と憲剛の連動を見たい。これは、もはや本能的欲求だ。ただし、憲剛のポジションには、これまた今シーズン充実している遠藤がいる。ただし、遠藤はオシム氏のチームにおいて常に中核的な期待を負いながら、何かこう今一歩のプレイが続いているように思える。この2人の質の高い定位置争いも愉しみ。ここも、この3人に比べると、本田、家長、水野の五輪組、あるいは藤本が割って入るのはキツイだろうなあ。右から、中村−憲剛−本田と言う配列を見てみたい気もするのだが、爺さんはそのような選択はしないのだろうし。
「誰を使うのかなあ、皆使いたいなあ」と考えるのは、代表の親善試合前日の大きなタノシミなのだ。






