2007年07月19日

J1昇格のために何が足りないのか

 アジアカップの録画消化に忙しい中、ベガルタが敵地でアビスパを下した映像を、ようやく見る事ができた。
 第3クールに入って、ベガルタはいきなり初戦のヴェルディ戦にホームで1−4で完敗した。そのためこのアビスパ戦は、勝ち点勘定から言っても、J1昇格争いライバルとの直接対決と言う意味でも、最悪でも引き分けに持ち込みたい試合だった。それが台風で1日順延すると言う準備が難しい敵地の試合で、勝ち点3を獲得できたのだから非常に嬉しい事態となった。

 勝ち方がまたよかった。敵地にも関わらずいつもの攻撃的サッカーを展開、幾度か好機を掴みながら攻め続ける。守備については、とかく問題になりがちのサイドバックの攻撃参加後方へのカバーをジョニウソンと富田がよくこなす事ですっかり安定。アビスパの逆襲に対して危ない場面がなかった訳ではないが(幸運も結構あったけどね)何とかゼロに押える。そして、お互いが疲労してくる終盤に、この日警告累積で出場停止の菅井に代わって起用された右サイドバック中田洋が、巧みな攻め上がりから上げたクロスをロペスが決めた。終盤アビスパの無理攻めに危ない場面もあったが、何とか試合をクローズした。
 2試合前のセレッソ戦の勝利もこの日のアビスパ戦に近いものだった事を思い出した。ほぼ互角の戦闘能力のJ1昇格争いのライバルに対し、常に攻撃的に戦い、終盤何とか1点を取り、1−0で勝ち切る。このような勝ち方ができるのは、チーム力が安定してきた証左と言えるだろう。
 富田が中盤に加わった事で、千葉がCBに下がり木谷と共に安定したプレイを見せているのがこの試合も目立った。上記したように、サイドバックが攻撃参加した後方のカバーも決まってきたし、守備もあるレベルまでは計算できる。チーム全体で連動した攻撃もシーズン半ばでいよいよ意思統一ができてきており、チーム全体のバランスはいよいよ熟成してきた。

 けれども、J1昇格には課題も大きい。今期、どうしても勝てないがコンサドーレ(1分け2敗)、ヴェルディ(1分け1敗)、サンガ(2敗)(実際、それ以外の今期の敗戦は9人で戦う羽目になった人災のヴォルティス戦(ホーム)と、その3日後疲労困憊出場停止負傷離脱多数のサガン戦(アウェイ)の2連戦だけなのだ)。言い換えれば、この3チームとの残り5試合をいかに戦うかが、昇格争いにおいては重要になってくる。
 何故、この3チームに勝てないのだろうか。答えは簡単、敵の長所との相性の悪さにつきるのだ。
 まずコンサドーレ。ここはやはり守備が堅い。そして、現状のベガルタの攻撃力(連携、個人能力共に)では破りきれない。そして、頻度は少ないが、巧みな逆襲やセットプレイにやられてしまっている。このあたりのいやらしい鍛えられ方は、さすが三浦俊也氏である。
 次にヴェルディ。これはもう個人能力の差。ベガルタの組織守備は敵FWより1枚人数を増やして対応するのが原則だが、悔しいがそれではフッキらの個人技を前面に出した攻撃は止められない事が出てくる。さらに先に点を取られると、ベガルタの選手たちは真面目に逆転を狙い前掛りになるから、自陣前の数的不利(正確に言うと「数的優位なのだがフッキを止め切れない状況」)を作られる頻度が増えてしまう。
 さらにサンガ。このチームは真っ当にプレスの掛け合いになった場合、ベガルタよりもしっかりとボール回しができる唯一のチーム。そこに単に実力負けしていると言う事だ。もちろん、敵に巧く回されたとしても我慢を重ねて、敵の隙をつければよいのだが、今のベガルタのレベルはそこまで行っていない。

 これらの改善がJ1昇格のポイントになる。
 コンサドーレやヴェルディを上回るためには、ある程度「個の力」が重要になっていくる。これは2つの側面がある。萬代、中島、中原、関口、富田、広大のような20代前半の選手の成長。もう1つは補強と言う事になる。どうやら以前アルビレックスに所属していたファビーニョを獲得すると言う噂だが、対コンサドーレで述べた「攻撃力増強」を短期的に狙おうと言うものだろう。
 もっとも個人的には補強に関しては、強いセンタバックではないかと思っていた。しかし、今外国人の守備者を獲得しても連携面の問題もあるので、現実的ではないとフロントは判断したのかもしれない。
 そして、補強より本質的に重要なのは、サンガのところで述べた「つなぎ合いの我慢」が、今シーズン終盤までにどこまで熟成できるかだろう。この重要性は、サンガに勝つと言う事に止まらない。来シーズンはサンガ以上にボールを巧く回してくるチームたちと戦う必要があるのだから。
posted by 武藤文雄 at 20:50| Comment(3) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする