2007年08月29日

第3クールでの苦戦は必然なのだから、勝負はこれからだ

 ベガルタは明日難敵サンガをユアスタに迎える。どうしても勝ちたい試合だ。前節でベルマーレに劇的な勝利を上げたものの、2位争いの直接のライバルであるサンガに対しては、ベガルタが1試合少ないながらも勝ち点6の差がある。もっとも、残り試合が14試合あり、本当の勝負はまだ大分後になるのだが。

 この大事な試合前に、今シーズンのベガルタについて考えてみた。

 今シーズンベガルタは、若くて意欲的な監督を抜擢、攻撃的なサッカーでJ1昇格を狙う決断をした。高い理想のサッカーを完成させ、J1昇格後もそれなりに戦える基本戦力を整えようと言う意味では適切な判断だったと思う。シーズン序盤はその攻撃的姿勢(特に両サイドバックが最前線に進出するやり方を見ていると、かつて信藤氏が横浜FCでトライした2−2−4を思い出したりする)が順調に機能し、上位を走る事ができた。しかし、第2クールに入るあたりから、各チームとも対策を練ってくる。さらに3度目のお手合わせとなる第3クールになれば、当然ながら個々の選手の能力分析も完了し、個別の守り方も徹底し守備対応も相当練られてくるから、そう簡単には得点を取ることができなくなってくる。
 これは今季のベガルタに限らず、このJ2と言う特殊なリーグ戦で、攻撃的サッカーを狙ったチームに毎シーズン訪れる苦しさなのだ。実際、J2に陥落した以降の最近4シーズンのベガルタを振り返っても、04年(ベルデニック氏)、06年(ジョエル・サンタナ氏)と、やはり同じ時期に壁に当たり、そのままズルズルと後退してしまっている。唯一ベガルタが終盤まで粘ったのが、比較的守備的に戦った05年の都並氏時代だったのも、何とも示唆的だ。
 「じゃあ、今季もこのままズルズル行ってしまうじゃないか!」と言う話は後で。

 さらに、今季ベガルタが志向しているサッカーは、後方の選手の長躯、追い越しを基盤にしている。当然ながら運動量が要求され、平日試合が多いJ2では苦しいやり方である。さらに、今年は何とも暑いから(と言うか、ここ数年の日本は毎年クソ暑いのだが)、この夏場であのサッカーを継続するのは相当厳しい。今狙っているサッカーは高邁な理想に基づくものだが、現実的に勝ち点を拾う意味ではつらい選択でもあるのだ。特に今月の徳島戦やザスパ戦は、映像を見た限りではいずれの選手も相当疲弊していた。
 もっとも、前節のベルマーレ戦は、ロペス以外は(笑...今だから笑える)皆よく動いていたけれど。

 しかも、望月監督は今年が初年度。過去を振り返ってみても、監督就任初年度でJ1昇格に成功した監督は非常に珍しい。最近では、04年シーズンの関塚氏くらいだろう。石崎氏も、反町氏も、柱谷氏も、三浦氏も、松田氏も、大木氏も、皆過去の失敗経験を肥やしにしての1部昇格だったのだ。そして、望月氏はこれらの諸先輩が苦しんだ壁にあたりもがいているのだ(あ、ちなみに望月氏は反町氏とは高校の同級生ですがね)。
 もっとも、前節のベルマーレ戦は、先発メンバの選択、交代各選手の大当たりと、望月采配は完璧だったのだが。

 いずれにせよ、ここまで述べてきたように、ベガルタの今季の選択は決して楽なものではない。しかし、地力をつけてJ1に昇格し、今度こそはJ1に定着し、将来は世界制覇も目指そうとする限りは、今季の楽でない選択は適切なものであろう。
 だからこそ、この厳しい戦いを勝ち抜かなければならない。そしてフロントは、短期的な強化として、ファビーニョ、岡山を補強した。2人共実力は折り紙付きで、さっそく見事な実力を披露してくれている。そして、望月監督も、この2人を含めたチーム全体を早々に把握した事も評価してよいだろう。

 そのような観点から考えると、明日のサンガ戦にせよ、これから始まる厳しい終盤戦にせよ、残る重要な事は、敵にペースを掴まれている時に、いかに我慢できるかではないかと思う。いずれの試合も90分間の中で、自分達がペースを掴む事のできない時間帯はどうしてもあるはず。その時に前線の選手が無理攻めを仕掛けて、悪い体勢でボールを奪われるのが、試合のリスクを増やしてしまう事になる。この言わば上下のバランスを、全選手が具現化すればよいのだ。それによって、ここまで作り上げてきたチーム全体の戦闘能力の高さを、そのまま敵にぶつける事ができる。
 土曜日に試合から中4日のキツさとは言え、サンガは日曜に試合をした関係で中3日。さらにベガルタは次節は試合がないので、再調整が可能になる。そう考えると、改めて思う。何があっても、明日はサンガを殲滅する事だ。
posted by 武藤文雄 at 23:40| Comment(4) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする