2007年11月30日

ベガルタ仙台人事往来2007

 J1昇格を逸したベガルタだが、今日今シーズンで来期契約更新しない選手(わかりやすい言葉で言えばクビにする選手)が発表された。一方で、スポーツ新聞の記事だから真贋は全く不明だが、ロペス、萬代、菅井などの中心選手に対し、J1の有力クラブから引合が来ていると言う。
 この手の選手の往来を考えるのは、シーズンオフのやや重い愉しみ。今日はそのあたりを講釈したい。

 まず、解雇問題。
 毎シーズン新しい選手を加えなければならないのだから、誰かをメンバから外さなければならないのは当然の事。とは言え、理屈でそうわかっていても、割り切りきれないのが、この手の人事の常なのだが。30代に入っている小針、白井、丸山は出場機会が少なくなっており、仕方がない判断と言う事だろう。
 中堅的存在の熊林、中田洋、大橋は、残せば貴重な戦力になろう。しかし、一方で現状のチーム構成においては出場機会は限定されるだけに、彼らのためにも無理に保有するのは不適切になりかねない。おそらく、熊林と中田洋は他クラブが獲得してくれるのではないか。大橋は昨期はベンチ入りした事もあったが、今期はほとんど活躍できずトーキンにレンタルで出されていた。このまま、トーキンへの移籍となるのだろうか。
 左山は高卒でまだ2年の経験しかない。これからが「化けどころ」と期待していたので残念。一昨年樋口を解雇した時も議論になったが「高卒選手を2年で見切るのはいかが」と言う考えと「見込みがないと考えたら、できるだけ若いうちにフリーにしてあげた方が本人のため」と言う考えのどちらが正しいかは、非常に難しい。
 ベガルタを解雇された、石井、財前、村上と言ったタレントが、移籍したクラブで大活躍している事がしばしば話題になる。今期、石井と財前には、リーグ戦のロスタイムに決められると言う痛恨を味あわされた。村上はJ1のトップチームのレギュラとしてアジアのベスト8に貢献した。
 一方で彼らをクビにした際のベガルタでのプレイ振りを思い起こすと、ベガルタにこのまま残留しても、大きな飛躍は望めそうも無かった。それが解雇された事で新天地を見つけ、活躍しているのだから、これはこれで素晴らしい事だと思う。
 返り討ちは決して望まないが、熊林らの新天地での成功を祈ろう。

 次にロペス問題。
 数週間前に一部のスポーツ誌で「J1のトップクラブがロペスを狙っている」と言う報道がなされた。もちろん、スポーツ誌の報道なので「全てが偽り」の可能性もあるのだが。
 ただし、J1のトップクラブの多くが、下位クラブで実績のあるブラジル人選手を買い上げる事で補強に成功しているのはよく知られた話。ガンバなどは、その方策で毎シーズン好成績を上げている。そう考えれば、J2で猛威を振るっているロペスに声がかかる事は不思議ではない。
 一方で、ベガルタから見て「貴重な外国人選手枠はロペスでよいのか」と言う考え方もある。ロペスは大柄で技巧に優れた素晴らしい選手だが、一方で暑さに弱く怠慢なプレイもしばしば見受けられる。同コストで、もっと有用なブラジル攻撃選手を獲得できないかとも思えなくもないのだ。個人的には、来期もロペスには残った方がベガルタにとってはプラスになるとは思うが、これはこれで考え所なのは間違いない。

 そして、(あまり語りたくはないが)萬代、菅井問題。
 これまたスポーツ誌で「彼らの獲得を狙うJ1クラブがある」との報道が目立ち始めた。
 シーズン半ばから、今期J1昇格に失敗したら、この2人をつなぎ止める事ができるかどうかが非常に不安だった。J2であれだけ実績を残した若い2人(加えて梁も他クラブから強い引合がきてもおかしくはないが、梁はそれほど若くないので果たして他クラブがどのように評価するか)。
 ベガルタは彼らに対し、最高の誠意(具体的には経済的条件)をもって慰留に努めるべきだろう。しかし、彼らに提供できる原資には限りがあるだけに、もし彼らが移籍を希望するならば、快く送りださなければならない。もちろん、最高額の移籍金を支払ってもらう前提付きだが。
 彼らが、自らのキャリアメークをどう考えるか。故郷に近い(萬代は福島出身、菅井は山形出身)熱狂的なクラブで地位の確立を目指すか、経済的に余裕のある都会のクラブで這い上がることを狙うか。プロフェッショナルとして、彼らがいずれの選択を行なっても、それはそれで評価をしたい。

 と言う思いを交えての最終戦。J1昇格の望みがついえたからこそ、大事な試合とも言える。選手達もサポータ達も、勝っても何も得る事のできない試合。ただ「勝つ喜び」だけを目指す試合。今期を締めくくる快勝を共に味わいたい。
posted by 武藤文雄 at 23:50| Comment(3) | TrackBack(0) | Jリーグ

2007年11月27日

次期日本代表監督について

 以前も書いた事があるが、小学生の頃、子供の科学か少年マガジンかよく覚えていないけれど(愛読していた雑誌だったはずだから、多分どちらかだと思う)、雑誌で「サッカーのワールドカップ」と言う記事を読んだ事がある。曰く「ワールドカップは4年に1回。ワールドカップが終わると、その思い出話を語っているだけで年が過ぎていく、そうこうしているうちに次のワールドカップが始まる」と言った内容だった。
 今考えてみても、この記事が正鵠を射ていていたものだと思う。 
 一昨晩、「失望の快感」に酔っ払って茫洋とTVを見ていたら、来年早々に始まる3次予選の組み合わせ抽選をやっているのを見て、少々ビックリ(と言っても、来年2月から3次予選が始まるのだから、そろそろ抽選が行なわれるのは当然なのだが)。

 結果的には非常に望ましい組み合わせとなった。理由は以下の通り。
(1)元々2位抜けのレギュレーションは戦闘能力の高いチームに有利
(2)第2シードのウズベク、第3シードのイラク、第4シードのカタールのように、より上位にシードされてもおかしくない国とは同じグループにならなかった。油断は禁物だが、いずれの国に対しても、1勝1分け以上の成績が問題なく期待できる。
(3)第4シードのタイも、バーレーン、オマーンとはほぼ同格なため、逆に3国で勝ち点をつぶし合う可能性が高い。すると、日本がいずれかの国にケタグリ負けを喫しても、下位に落ちるリスクは少ない。

 もちろん、勝負だけに油断は禁物であり、何より悲しい事に監督問題を何とかしなければならない。そして、語りたくはないが、次期日本代表監督人事について講釈してみたい。

 現実的にオシム爺さんを監督に抱いている以上、これ以上の人材を求める事そのものが不可能に近いと言う認識からスタートすべきだろう。また、暫定政権(よい采配強化を見せてくれたから継続契約を前提にする事を含む、ただし今年の夏場欧州の監督マーケットが開いた場合に欧州で活躍するトップ監督との比較も前提に)で行くのか、安定政権(よほどの不首尾を見せない限り、2010年までの采配を託すのが前提)で行くのかも、難しいところだ。日本協会はまずそれを決めた上で検討を行なうべき。

 現実的に2月から3次予選が始まるのだから、現在の日本サッカー界のトップクラスをある程度理解している監督を招聘するのが前提となろう。何故ならば来週にはJリーグが終了し、新監督は予選開始まで全くトップリーグを視察せずに選手選考、合宿、試合に臨まなければならないからだ。したがい、私が候補と考える監督の多くが、現在のJの監督となる。各クラブの関係者の方々から「彼はうちの監督であり供出などできない」と怒られるかもしれないがご容赦いただきたい。
 また、ちょうどシーズンの切れ目の場合、現所属チームと円滑な話し合いが持たれると言う前提においては、Jクラブの監督の代表横滑りは、オシム氏就任時と異なり現実的な解決策の1つとは言えるだろう。

1.オシム爺さんの系譜を引き継げる弟子筋の監督
 これは強化の連続性と言う点からの発想である。
 ただし、オシム爺さんに関しては各種の報道を読む限り、世界中に「自称弟子」が相当いるのが気になるのだが(ご本人に推薦いただけるまで、早期に回復いただければありがたいが、そのようなストレスをかける訳にもいかないだろうし)。国内の弟子筋にあたる監督と言うと、オマル氏、ペトロビッチ氏となるが、残念ながら2人ともJにおける実績にやや疑問符がつく。興味深いのは前カタール代表監督のムソビッチ氏、カタールでの実績があり、かつ日本代表についてもある程度の調査をしていただろうから。
 また弟子筋とは言わないだろうが、ベルデニック氏は同系列で日本国内で実績のある監督ではあるが、Jから離れて既に3シーズンでは現状の要求にはそぐわないだろう(また氏のスタイルは過度の教育型であり、代表監督に必要な勝負師的要素も少ない)。
 とは言え、誰を選んでもオシム爺さんを越えられるとは思えず、むしろスケールダウンと言う事になってしまうとすれば、連続性に拘泥する必要はないのかもしれない。

2.外国人監督
 最近Jリーグで実績を上げている監督は有力な選択肢だろう。具体的には、エンゲルス氏、シャムスカ氏、オリヴェイラ氏、クルピ氏の4人は現状のJリーグの把握、実績いずれも申し分なし。このあたりの監督に、吉田靖氏がコーチを勤める体制は座りがよいかもしれない。
 ただし、彼らに依頼をするとしたら、上記した「安定政権」としてのオファーが必要だろう(そうでなければ、所属Jクラブを説得する事が困難だ)。日本協会がその決心を決める事ができるか。

3.日本人監督
 どうやら日本協会は岡田武史氏にオファーをしたらしい(と言う報道が跳梁跋扈している)。
 日本人監督のメリットは、現状の日本サッカー界に対する把握がある事だ。もちろん、周りが全く見えていない日本人の監督も結構いるのは悲しい事だが。さらに、上記の「暫定政権」も組みやすいと言う利点もある。最初から数ヶ月限定と言うオファーを受ける監督では困りモノだが、条件を満たせばプラス要件を獲得できると言う暫定政権ならば、プロならば受けてしかるべしだろう。
 まあ、反町氏があそこまでダメダメだったのも、事態を混乱させているのも確かだが。
 岡田氏を初め、清水秀彦氏、桑原隆氏、小林伸二氏、石崎信弘氏、鈴木淳氏、長谷川健太氏など、候補となる監督は多数いる(西野氏については別な機会に論じよう)。中でも、岡田氏、桑原氏、清水氏、小林氏は今フリーなのだから、対応しやすい(もっとも、日本協会が桑原氏や清水氏にオファーを出す事はないだろうが)。
 そう考えて見ると、岡田氏へのオファーはそれほど不思議ではない。ただし、日本協会としては、岡田氏にどのようなオファーを出したのかは明確にすべきだろう。特に「暫定政権」なのか「安定政権」なのかは明確にしておくべきなのだ。

 繰り返すが、オシム爺さんより優秀な監督を望むべきではないのは間違いない。そのような監督に短期とは言え、教えを受けた事そのものに満足すべきなのだろう。だから、今必要なのは「次善」を選ぶ意識なのだ。
posted by 武藤文雄 at 23:46| Comment(27) | TrackBack(1) | 日本代表

2007年11月25日

終戦2007

 無限に長いと錯覚させる52節を戦うJ2もあと2節。
 試合は0−0のままロスタイムを迎えようとしていた。コンサドーレが勝ち点88(今日は試合なし)、ヴェルディが勝ち点85でリード中(しかも得失点差は圧倒的にヴェルディが有利)。そして直接に戦っているサンガは勝ち点82、そしてベガルタは勝ち点80。事実上、上位2位に入れる可能性は潰えつつあった。となると、サンガとの3位争いと言う事になる。となれば、試合終了間際、強引な無理攻めを仕掛けるしかない。
 そして、ベガルタの猛攻を、サンガのGK平井、CB角田、森岡が必死にしのぐ試合終盤。サンガペナルティエリア直前で、選手同士が交錯。ベガルタの選手がファウルをアピールするが、主審はプレイオンと判断。サンガの石井(数シーズン前にベガルタを解雇された)が逆襲速攻を試みる。そして左サイドから逆サイドに展開。右からの渡邉大剛?のクロスが逆サイドに降られると、そこには全くのフリーの石井が。人数は足りていたベガルタ守備陣だが、試合終了間際の逆襲、左右に大きく振られたところでマークを再確認する余裕はなかった。まさかの失点。
 その後もあきらめず、攻撃を仕掛けるベガルタ。最後はCKにGK林までが攻撃参加したが実らなかった。かくして、残り1試合で3位サンガと勝ち点5差。

 終戦。

 限界ギリギリまで戦いながら、力及ばなかったと言う試合だった。
 何かこう、今シーズンを象徴するような試合だった。双方ともに煮詰まった終盤戦ゆえに、ややもすると蹴り合いに近い試合ではあった。それでも勝たなければならないベガルタは、よく攻め込んだ。しかし、攻撃に変化が僅かに足りず、崩しきれなかった。萬代の不在(警告累積による出場停止)は痛かったが、一方でこの日起用された選手達も皆見事な程に戦ったのだから、現在のチーム力の限界と言うものだろう。
 もちろん、シーズンを振り返れば、「あの試合で勝ち点を拾っていれば」と言う思いを抱く試合は無数にある。でも、それはいずれのチームでも同じ事。繰り返すが、現状のチーム力の限界だったのだ。

 もっとも、今期を振り返れば、ブランメル時代を含め、最も充実したシーズンだったようにも思える。既存の選手(外国人はロペスのみ残留)に、永井、田之上、ジョニウソンと言う効果的な補強、望月新監督はボールを丁寧に高速につなぐ創造的なサッカーを指向。シーズン半ばに林(シュナイダーの負傷への対応とも言えるが)、岡山、ファビーニョと言う役に立ち経験がある選手を追加補強。上下動はあったが、我慢を重ね、丹念にJ1を目指した。
 紛れもなく、将来を見越してよく戦ったシーズンと言えるだろう。このようなシーズンを繰り返せば、近い将来には、J1にも復帰できるだろう。さらには、J1でもそこそこに勝てるチームも作れるだろう。いやいつかは、J1でも上位に進出できるだろう。と、将来の発展を期待できるシーズンだった事は間違いない。
 しかし、それでも昇格できなかった事から目を背けてはいけない。

 一方で、今期のように評価すべきシーズンに昇格を失敗すると、改めて未来永劫年末の11月や12月には、毎期このような「失望の快感」を味わい続けるような気もしてくる。実際、J1に昇格した01年シーズンや、J1に残留した02年シーズン以外には、毎年末に「失望の快感」を味わっている。そして、上記のように過去を振り返ると最も充実したと思えるシーズンだった今期も、また「失望の快感」なのだから、もうこれからは脱却できないような心境にもなってくるのだ。
 そして、このような「失望の快感」に慣れている自分が嫌だ。嫌なのは嫌なのだが、こうやって飲んだくれていると、どうにもこの感覚に浸り切ってしまうのだよな。修行はまだまだ続くと言う事か。
posted by 武藤文雄 at 23:58| Comment(7) | TrackBack(0) | Jリーグ

2007年11月24日

サンガ戦前夜、天上界の戦いを堪能しつつ

 押し気味に試合を進めていたアントラーズ、新井場が何とも味わい深い赤紙を食らったところで、命運尽きたかと思った。しかし、それからが素晴らしかった。
 本山を左サイドバックに下げる事が、オリヴェイラ氏の意図を明確に示していた。間抜けなTV解説者は、共に戦ったナイジェリアでの本山の左サイドを記憶していないようだったが。当然、レッズは本山を狙ってくるが、とにもかくにも大岩と岩政と曽ヶ端が鮮やかな守備を見せる。岩政は改めて代表候補たり得る実力を見せた。さらに言えば、大岩はまだやれる。清水商の同級生、山田が去り、薩川が去り、名波が去ろうとしている今、大岩がこれだけやれるのは単純に嬉しい。そして小笠原の芸術的なボールキープ。
 あの決勝点。本山の斜めによぎる低いクサビは見事だった。マルキーニョスの持ちこたえと、田代の横へのドリブルも素晴らしかった。そして坪井の軽率極まりない対応と言うスパイスが加わり、野沢のビューティフルゴール。
 以降のアントラーズの全治全霊を賭けたかのような守備。小野を投入し猛攻を仕掛けるレッズ。しかし、80分あたりから、レッズがガス切れしてくる。かくも厳しい日程、いくら鉄人たちとは言え、金属疲労が明確化してきたのだ。終盤、不可思議な退場劇で9対11になったが、レッズは攻め切る事はできなかった。

 最終節、最下位の横浜FCに勝てばレッズが優勝する。戦闘能力を考えれば、よほどの事がない限りそうなるだろう。しかし、あそこまで疲労しきったレッズは、28日水曜日に天皇杯を戦った上で、週末のリーグ戦に臨む。GK菅野を軸に横浜FCは最後の意地を見せようとするだろう。レッズは決して楽観できない。
 アントラーズも最終節はホームとは言え、難敵エスパルス。ここまで連勝を重ねてきているアントラーズだが、こちらも勝ち点3をそうは容易に取れないだろう。
 まさかガンバがここで力尽きるとは思っていなかったのだが。それにしても、何故ここでマグノ・アウベスが離脱したのか。もう2週間待てば済んだ事だと思うのだが。
 天上界の戦いは、最後の最後までもつれそうだ。

 と言う事で、明日ベガルタはサンガとの決戦。
 決して楽な戦いにはならないだろう。しかし、今シーズンのベガルタがこのまま落ちていくとも思えない。とすれば、明日は勝てるはずだと、全く強引な理屈を確信している。
 サンフレッチェの16位がほぼ確定し、入替戦の話が出てくる状況になってきた。しかし、ヴェルディがこければ、まだ2位の可能性もある。あるいは明日サンガを倒せなければ入替戦など望めない。そう考えれば、今はただ、郷土の英雄を蹴落として、J1に向かい進む事のみを考えるべきだろう。
 当方にとって明るい話題は、先方が「秋田引退試合」と言うイベントを持ち込んだ事だ。秋田の偉大さは言うまでもない事だ。そして、サンガのフロントがこの偉大な選手に敬意を表している事は素晴らしい事だ。しかし、だからと言って、このリーグ終盤に、勝ち点を積み上げる事の他に余計なイベントは不要なはず。秋田がサンガのサポータに謝意を表し、さらにはこれまでの事跡を振り返る機会は、何もシーズン最後のホームゲームに限らないだろう。ベガルタとしては、この隙を突きたいところだ。いや、突けるはずだ。
 そして、何があっても、千葉直樹の今シーズンを終わらせてはならない(おっと、ヴェルディがこけて2位になるのならば、それはそれでよいのだったな)。

 ここまで煮詰まったシーズンで、このような試合の機会を得られた幸せを満喫し、かつ勝利を得る愉しさを味わう。サッカー狂冥利につきる思いを味わえる事を確信している。
posted by 武藤文雄 at 23:45| Comment(10) | TrackBack(0) | Jリーグ

2007年11月23日

反町康治に改めて期待する

 サウジ戦の開始早々のピンチ。軽率なファウルで与えてしまった(このファウルそのものも残念だったが)ゴール正面やや遠方でのFKが起点だった。敵のシュートが壁に当たり、そのまま日本がよい体勢で逆襲速攻できそうな状態になった。ところが、右サイドハーフウェイライン直前で、水野が強引に敵DFに1対1を仕掛けて完敗、ボールを奪取される。そして、そこから右サイドを完全に崩され、強シュートを西川が止めきれず、「ありがとう青山敏弘」に至った次第。
 水野と言う選手は、このチームの切り札的存在。攻撃においては圧倒的存在感でこのチームを引っ張ってきた。これは前身のユース代表時代からなのだが。一方で過去の試合も幾度となく低い位置で軽率なプレイを見せてチームの危機を誘引した。そして、この場面、またも同じミスをしてしまったと言う事だ。

 そもそも、反町氏はベトナム戦でよく機能していた4DFを、この試合で3DFに変えたのは
サウジの2トップは強烈です。予選の試合は全部見ましたが、ほとんどこの2トップが得点をとっていました。つまり、それプラス7番と20番の選手をどう押さえるかが、このゲームの命題でした。この2トップに仕事をさせないことを考えないと厳しいと考えていました。手ごたえとしては、ダンマンでの試合でも同じことをやっていい対応ができていたので、それを続けることで、選手の不安を一蹴するということでした。
と試合終了直後のインタビューで語っている
 しかし(試合終了直後で混乱していたのかもしれないが)、この発言には相当な矛盾がある。両翼に張り出してきた7番のアルゴワイニムと20番のアルダウサリに対し、水野と本田圭が適切に対応できなかったのが、前半の最悪の展開の要因だった。さらに言えば、敵地(ダンマン)での試合は右アウトサイドMFは内田が起用され、水野はもう1枚前でプレイしていた。そもそも、このチームの課題は国立ベトナム戦まで3DFで戦い、右アウトサイドMFの水野が守備に引っ張られる事だった。それが、敵地サウジ戦で内田を右アウトサイドに起用した事で解決され(この試合に関しては水野の使い道が決まらなかったのは新たな課題だったのだが)、さらに4DFで縦に内田、水野を並べる事でより状態がよくなって、ここに至っていた。それなのに、この日のフォーメーションは何だったのだろうか。せっかく解決していた課題を、再度噴出させてしまい、あの悪夢のような前半を招いただけに思うのだが。
 もっとも、ハーフタイムを境にチームは劇的に改善された。好意的に見れば、反町氏の修正能力と言うのかしれない。しかし、現実的な評価は「不適切なスタメンと試合前の指示」と言うべきだろう。

 私は過去も五輪代表反町監督を再三再四批判してきた(リンクも貼るのも疲れるから、興味のある方は、左側の検索窓に「反町 五輪」とでも入力して過去のエントリをお読み下さい)。そして、歓喜を呼んだ予選最終戦における反町采配も、上記の理由で全く評価しない。

 けれども、私は北京五輪における反町監督に大きな期待をかけたいと思っている。
 何のかの言って、アルビレックスをJ1に昇格させた反町康治の手腕は絶品だと思っているのだ。日本人の指導者で反町康治に勝る実績を持つのは、岡田武史氏と小林伸二氏くらいだ。そして、反町康治はまだ若い。

 何ら評価に値しない反町康治の五輪代表経験。
 しかし、彼は「最低限」の結果を残した。考えて見れば、経験と言う観点から言えば最も貴重なのは「失敗経験」なのだ。そして、反町氏はこの五輪代表予選とその準備試合で、再三再四「失敗経験」を繰り返した。しかし、あれだけ「失敗経験」を重ねながら、とうとう反町康治は北京にたどり着いた。本当に本当に「最低限」の結果は残したのだ。
 もう1つ。これまでの反町康治にとっての、ほんの僅かな不運は、GK、DF、MFにはあふれ出る人材を抱えながら(もっとも、そのあふれ出る人材を有効に活用したとは言えなかったが)、FWだけはこの世代は(現状では)タレントに欠いていた事。平山はアレだし、カレン・ロバートはここのところ不振だったし、李忠成が今期安定したプレイを見せていたくらいだった。しかし、北京ではそのような世代的な凹みを気にする必要はない。高原でも前田遼一でも大久保でも達也でも、好きな選手を補強できる。
 加えて、中盤後方で拾いまくる選手が欲しいならば、啓太はもちろん明神でも今野でも補強できる(試合終了後の祝賀会で、だいぶ酔っ払って「オーバエージは明神、啓太、今野の3人で行こう!」と叫んで、皆にたしなめられました)。しかも、このチームは最終ラインに西川、水本、青山直が揃っているから、通常補強メンバとなるGKとCBの補強が不要なのだ。いや、中澤か闘莉王を補強して(2人共でもいいけど(笑))、超強力な3DFを組んでもいいし、南アフリカを見込んで水本を左DFにしてもよい。いや、中村だって、遠藤だって、憲剛だって、松井だって、駒野だって、加地だって。
 そう、反町康治はオールマイティのカードを握っているのだ。我々は史上最強の布陣で北京に臨めるのだ。

 だから、改めて俺は反町康治に期待したい。金色だよ、金色。
 金色のメダルを取ってくれ。
posted by 武藤文雄 at 23:36| Comment(27) | TrackBack(0) | 五輪

2007年11月22日

五輪代表北京出場決定

 このような試合については、「出場決定」直後にまずは興奮して歓喜を文章にしておかないと、どうにも書きづらい。書くタイミングを逸してしまったため、結果的にひたすら辛口の評論のみになってしまう。

 正直言って、私は前半途中半ばで予選敗退を覚悟した。
 このような思いを抱いたのは、93年のドーハイラク戦1−1に追いつかれた以降もイラクの猛攻にさらされ続けた時以来だった。
 97年のジョホールバル、岡野の決勝点直前の、アリ・ダエイの一撃がバーを掠めた際は、まだ豪州戦が残っていた。ジーコ時代にもっと苦しい試合はいくらでもあったが、ワールドカップ予選が煮詰まった試合では、非常質が高い試合を見せてくれた。シャーラムでサウジの猛攻を川口田中誠が凌いでいた時は、リードはしていたし、負けてももう1試合残っていた。国立アテネ予選でレバノンに追いつかれた時は、大久保がすぐに問題を解決してくれた。
 青山敏のクリアで事なきを得た大ピンチ(詳細は別途)があった事が問題ではなく、後方の選手が全く押し上げないプレイ振りにあきれたのだ。
 押され気味だった日本、散発的ながら逆襲を行なう。ところが、その逆襲時に攻め上がるのは、2トップの李、岡崎、トップ下の柏木、そしてサイドMFの本田圭と水野のどちらか1人だけ。サウジの攻撃選手が3人程度しか残っていないのに、どうして日本は6人が後方に待機しなければならないのか。イタリア風の少人数速攻と言えば聞こえがよいが、残念ながら日本の若者達はイタリア代表選手と異なり、素早く戻るサウジ守備ラインを4人だけで破るほどの技巧と判断の冴えは持っていない。
 押上げが薄いと、攻め切れないのみならず、こぼれ球を簡単に拾われ、また押し込まれる事になる。さすがに後方に6人残っているから、逆襲速攻はされる危険はないかもしれない。しかし、簡単に中盤でボールを拾われ、完全に中盤を制されてしまう。そしてボランチ、サイドバック、サイドMFで3対2(2のうち1は本田圭と水野と守備力に課題のある選手)を作られ、攻撃を継続される。試合直前にも予想したが、サウジは前半から仕掛けてきただけに、非常によくない試合展開となった。
 もちろん、水本、青山直の後方に伊野波を配し、さらに最後尾に西川がいるのだから、そうは危ない場面を作られる事はないのだが、あのような試合を続ければ、90分のうちいつかは崩される場面を作られてもおかしくない。
 無失点で終わってよい試合であり、しかも戦闘能力ではこちらが優位にあり、さらに先方は移動と慣れない寒い気候なのだから、思い切り引いて守備的な試合をするのは1つの作戦だろう。それを否定するつもりはない。しかし、そうだとしたら本田圭と水野を両翼に配するのは何故なのだ。それならば内田をなり上田だろう。いや、このような試合をするならば、谷口や小椋や河本をメンバに入れておけば、水本や細貝をサイドに回す事も可能になるのだが。そのような選手選考を拒絶しながら、どうしてこのような試合展開を行なうのか。そして、あそこまで引かずとも守備的な試合をする事は十分に可能なはずではないか。
 繰り返すが、これほど暗澹たる気持になる代表戦は、本当に久しぶりだった。もう負けると思った。

 後半になり試合展開は一変した。
 後方の選手が押し上げるようになり、「しっかりとボールを保持する守備的な試合」となった。これなら大丈夫だ。
 本田圭と水野の運動量の少なさは気に入らなかったが、青山敏が前方に出て、細貝との上下関係が明確になり(青山敏は敵地ベトナム戦で守備的ボランチとしても機能したな、大変器用なよい選手だな)、展開も速くなる。さらに3DFとFWの距離も短くなったので、こぼれ球の支配率も高まる。後半半ば以降はさすがにサウジに疲労が顕著になり、危ない場面を作られる可能性もどんどんと減っていった。サウジは交代選手を使い、次第に攻撃的に切り替えるが、しっかりと押し上げ適切にボールを回すサッカーをする日本は、ほとんど危なげなかった。唯一、後半半ば伊野波がボール処理を誤り敵FWに裏を取られ掛けた場面が危なくなりそうだったが、水本が完璧に読み切った。
 複数回の決定機を掴みながら決めきれず、敵はノーチャンス。0−0のまま引き分けでよい、と言う状況で75分まで経過。どのように試合を締めるか、非常に難しい展開になったが、日本の選手達は冷静だった。80分過ぎまではしっかりとボールをキープ、以降は敵コーナフラッグ近辺でのボールキープを交え、完全なクローズ体制となった。細かな贅沢を言えば、コーナフラッグのキープは柏木、水野のテクニシャンだけではなく、李のような肉体派も参加すべきだとか、89分、90分には水野→内田、本田圭→上田または小林と言う交代で時間をつぶすべき(ロスタイムに内田?がスタンバイしたようだったが、あれでは遅過ぎる、反町がテンぱってしまうのは仕方がないので、ここは井原がしっかりしなければいけない)とか、小さな不満はあったけれど、
 終盤、サウジはパワープレイに持ち込もうとしたが、適切なラインが作られ、西川と青山直がいる状況では、好機すら掴めずに試合終了。

 前半の恐怖感との落差があっただけに、またかつての予選突破とは異なる歓喜を味わう事ができた。
 前半ほど激怒した試合は珍しいし、後半ほど選手と一体になれた試合もまた珍しい。最悪の前半、完璧な後半、この落差は一体何だったのだろうか。
posted by 武藤文雄 at 23:45| Comment(3) | TrackBack(0) | 五輪

2007年11月20日

2ヶ月前の既視感

 引き分ければよい日本、勝たなければならないサウジ。考えてみれば、この条件は敵地で行なわれたサウジ戦と非常に近い。あの試合も、初戦で敵地とは言えカタールに敗れたサウジはホーム日本戦は必勝体制だったし、日本は大量点を取りたかった国立ベトナム戦で1点差の勝利に終わり後の事を考えると引き分けはどうしても確保したかった。もちろん、あの試合とは異なり、お互い後がないところが違うのだが。
 あの試合は灼熱の敵地と言う難しい条件ながら日本は冷静にボールをキープ、サウジに決定機を作らせずに試合を進め、敵に退場者が出ると言う幸運にも慌てず、冷静に試合をクローズした。もっとも、サウジも退場者が出た以上はリスクを犯せなくなり、ホームの直接対決を終えたにも関わらず日本と勝ち点6差と言う最悪の事態を回避した形となった。結果的に、日本がドーハでカタールに信じ難い敗戦を喫した事で、とうとう最終戦で日本に追いつく可能性があるところまでこぎつけたのだから、あの日のサウジの我慢もまた正解だった訳だ。
 で、あの日の試合を考えると、明日日本が負けると言うのはちょっと考えられないような気がする。と、楽観的に考えて、再三痛い目に会ってはいるのだが。
 
 サウジはおそらく前半は引いてくる。日本の攻めをスローダウンさせ、柏木や青山敏の横パスをかっさらっての速攻を狙ってくるだろう。あるいは、センタリングを凝りすぎる本田圭や水野がニアを狙ってきたのを跳ね返したところからの速攻も狙い目か。それでも0−0で試合が進んできたら、後半半ばから無理攻めをしてくるのではないか。
 もう1つの選択肢は奇策だろう。戦闘能力差がある敵地の試合。リードさえすれば、最終ラインの強さと日本の連動の少ない攻撃ならば守り切れる可能性がある。とすれば、最初の20分間、思い切り押し上げて猛攻を狙う。

 そう考えた時に、日本は明日の試合どう戦うべきか。
 結局、五輪代表の1人1人が本当のトッププレイヤであるかどうかを証明すると言う事ではないかと思えてきた。彼らが今後、Jリーグで、アジアで、そして世界で戦えるタレントであるかどうか、それを自己実現してくれる試合なのではないか。
 勝った方が景気がいいから攻撃的に行くのも1つの選択肢、引き分けでも五輪には出場できるのだから守備的に行くのも1つの選択肢。敵の出方を見ながら、五輪出場の確率が少しでも高くなるように、戦う事になるのだろう。だからこそ、私は選手達に期待したい。
 アジアのトップチームとしての格を見せて欲しいのだ。ここまでの迷走で、何か五輪本大会への出場権獲得が全てとなっている現状が嘆かわしいのだ。あくまでも五輪ではベスト4以上、いや最もよい色のメダルを目指し、さらには南アフリカでの好成績までが、彼らの目標である事を思い起こしてほしいのだ。
posted by 武藤文雄 at 23:50| Comment(1) | TrackBack(0) | 五輪

2007年11月19日

ボスニア語での激励

(1つ目のボスニア語の字化けを修正しました。2007年11月20日 7:00)

 私はボスニア語など、全く知らない。
 ただ、ボスニア語に造詣がある友人を持つくらいの、人脈は持っている。その友人が、彼女の友人であるコソヴォ人の、さらに友人のボスニア人に教えてもらったと言う、重要なボスニア語をいくつか(ややこしいな)。

 水曜日のサウジ戦がよいのか、通常のJがよいのか、判断には迷うところだけれども、興味ある方は、ダンマクにするなり、ゲーフラにするなり、以下のコンテンツを利用下さい。
 いや、そこまで大仰な事をする必要はないな。ちょっと時間がある時に、心を込めて、自分のノートなり手帳に書いてみませんか。

 「最大の峠を越した」と言う日本協会の発表を聞くと、ついついあるいは「ベンチにも」と言う身勝手な思いが出てきてしまう己が情けない。
 とにかく、とにかく、あの笑顔を。

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「神の御加護を」
⇒ Bog nek' te cuva!
(cuva の c の上に例のハーチェクのvが付きます。)

「私たちはいつもあなたのことを思ってます」
⇒ Uvijek mislimo na tebe.

「安心して治療しててください」
⇒ Nista ne brini i koncentrisi se samo na svoje ozdravljenje.
(koncentrisi のsの上にはvが付きます。の「ハーチェク」ですな)

「早く良くなりますように」
⇒ Brzo nam ozdravi!
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(13) | TrackBack(0) | 日本代表

2007年11月18日

とにかく残り2連勝だ!

 序盤の僅かな守備のほころびが、ベガルタの痛恨の敗戦につながった。

 開始早々からベガルタのリズムは今一歩。いくつか要因があった。
 1つにはベルマーレのエドアルド・マルケスが引いて、加藤望が後方から飛び出してくる攻撃に、磯崎が中央に絞り過ぎ、左サイド(ベガルタから見て、以下全て同じ)から再三鈴木将太に突破を許した事。あそこは千葉が後方に引いて、磯崎が左に張るべきだったのだが。
 もう1つは出場停止の萬代不在のサッカーに慣れていなかった事。ここ数試合、萬代に長いボールを入れて収めてくれる事がチームの基盤になっていた。萬代不在ではあるが、負傷癒えたロペス(調子は上々に見えた)が復帰、チームの落ち着きどころの高さが変わったのだが、選手達が萬代モードからロペスモードに切り替っていなかった。そこでギクシャクしている序盤にやられてしまった。
 さらにベルマーレのボランチ田村が絶好調。ジャーンの強さまでは計算していたろうが、あそこまで田村に中盤で止められてしまうのは、誤算だったな。

 1失点目は鈴木将太の突破後、加藤望の巧みな位置取りにやられたもの。一方で、この手のペースが掴めない試合では、失点する事で目が覚める事はよくある事。失点した事で落ち着いたのか、このあたりからある程度キープして攻め込めるようになってきた。
 ところが信じ難い2失点目。ベルマーレの長過ぎた縦パスに林が対応、磯崎は飛び込むベルマーレ石原をスクリーン。石原は当然ながら身体をこじ入れ僅かな可能性にかけようとしたところで、磯崎を押したように私には見えた。磯崎はバランスを崩し林と激突。したがい、私には石原のファウルとしか思えなかったが、主審はファウルを取らず全くフリーの石原がゴールにボールを蹴り込んだ。正直言って、「石原は笛が聞こえなかったのだな、主審はつまらないイエローカードを出さないで欲しいな」と思ったくらい。とは言え、主審の判定は絶対だ。もっとも1点目の失点前に、序盤左サイドのCKからゴールネットを揺らされていた(よくわからないがベルマーレの反則、オフサイド?でノーゴールになった)のだから、0−2のスコアも仕方がないか。。
 それでも梁のFKから岡山が決め、1−2に。前半終了時点では、0−1よりは、追い上げた1−2の方がよいだろう。非常に苦しい試合になるだろうが、何とか逆転して欲しいと言う展開ではあった。

 後半立ち上がりからベガルタは押し込む。
 巧いボール回しから最後は永井がフリーになって放ったミドルシュートは敵DFの伸ばした足にあたりポストに当たる。中盤でベルマーレボールを奪って、GKと1対1になった中島の超決定機は枠を外したホームラン。それにしてもジャーンは忌々しいな。
 そうこうしているうちに、加藤望に角度のないところから、実に見事な直接FKをファーサイドに決められてしまった。GK林には厳しい言い方になるが、少しでもファーに巻いてくるボールへの意識を持ってくれていたらとは思うのだが。
 後半半ばでの2点差は厳しい。ファビーニョ、田之上、中原と交替選手を投入、終盤は中原と岡山をトップに並べるも、PKからの1点を追加するに止まり、2−3の敗戦となった。

 悔しい負けだが、序盤の不出来と、いくばくかの不運と、加藤望のスーパーと、ジャーンの中央守備とを考えると、仕方がないのかなと言う気もする。ただ、シーズンが煮詰まったこの時点での敗戦の痛みは、従来以上に大きいのだが。
 サンガがコンサドーレと引き分けたため、ベガルタは残り2試合を勝てば、入替戦に自力で出場できる権利は留保できた。まだ運は残っていると考えるべきだろう。
 何があっても、残り2試合を連勝し、入替戦に臨むのだ。いやヴェルディがこければ、まだ2位の可能性もあるな。

 試合終了までのベガルタサポータの応援は凄まじいものがあった。
 ただ残念だったのは、試合終了後、力尽きたようにベガルタコールが広がらなかった事。まだ可能性が十分あるのだ。コールリーダがコールしなくても、皆で選手を鼓舞しようではないか。
 次節の京都、最終節のユアスタ。何としても、両方とも現地に行かれるよう、調整が大変だ。いや、残り2試合じゃないな、4試合だな。

 今日の敗戦について改めて悔しさを感じたのは、帰りの新幹線や東海道線に、牛タンや長茄子漬の紙袋を持ったベルマーレサポータの方々が多数いた事だ。
 幾度か書いた事があるが、私の居住地はベルマーレのホームタウンエリア内。平塚競技場まで自転車フルスロットルで20分足らずのところ。大体、平塚競技場でのベルマーレーベガルタ戦の際に、ベガルタゴールドの服をまとって、自転車で競技場に向かう親子の姿は相当奇異なものだろうな。
 この日の快勝で、ベルマーレは入替戦出場の可能性を残した。我々の悔しさの分、彼らは喜びを味わったのだ。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(5) | TrackBack(0) | Jリーグ

2007年11月17日

五輪代表敵地で快勝

 ここまでホームで2引き分けのベトナム、大差で勝ちたい日本としては、難しい試合になる事が予想された。

 なるほどベトナムはよいチームだった。各選手が身体を張る事をいとわない。また、前を向いた時のアイデアが素晴らしい。高さではどうしようもない事がわかっていたのだろう。低く速いボールを入れてみたり、DFラインとMFラインの中間を狙ってみたり。ただ、ベトナムにとって不運だったのは、日本の中央ラインは水本、青山直に加え、西川が復帰していた事だった。幾度となく好機を作ったベトナムだが、これだけ中央のラインが強いチームから点を取るのは難しい。

 一方、反対側のゴールでは日本の努力が奏効し続けた。
 柏木(前に出て行く)と青山敏(後方で待機)をボランチに起用した事で、中盤後方に明確な前後関係が生まれた。同じチームでプレイする選手をセットで使うのは、代表チーム作りの1つのやり方である(もっとも、J1残留争い佳境のサンフレッチェが、この時期にこの2人を「たかが五輪代表」に供出しなければならないのは相当に疑問ではあるが)。もっとも、柏木は軽率なミスから横パスをかっさらわれた事が幾度かあったし、青山敏は逆サイドをに振るべき面で同サイドにこだわったり、不満なプレイも多かった。しかし、ボランチの1人が強引に前に出て行って攻めに厚みを作る事で(当然柏木はその後戻らなければならないからキツイ仕事になるが、無理をしなければ試合には勝てない)、これまでのこの五輪代表に感じていたフラストレーションが随分小さなものになったのも確かなのだ。
 さらに李忠成と岡崎とつぶれる事のできる2トップがよく機能、よい持ちこたえから2列目の水野、本田圭、柏木にいいボールを落としていた。加えて、この2トップはサイドからクロスが上がりそうな場面になると、受ける位置取りにも工夫が見られた。左サイドをえぐった本田圭のクロスに李が飛び込んだ2点目が典型例だった。
 両翼攻撃が機能すると、中央突破が有効になる。3点目岡崎が倒されてPKになった場面はとてもよい攻撃だった。この場面以外でも、水野が中に絞って幾度か好機を演出していたが、

 後半に入り、ベトナムが無理攻めに来た事と、柏木の運動量が落ちてしまった事(青山敏との前後関係と言うより左右関係になっていた)により、幾度か好機を許す事になった。しかし、西川、水本、青山直が個人能力で押さえ込んでしまう。あまり褒められた出来とは言えない後半だったが、3点差でリードしていて、日本に帰国して中3日でサウジ戦を控える事を考えると、選手達がやや省エネモードに入っても仕方がない事か。
 それでも、終盤に起用された梅崎が攻撃を活性化させ、セットプレイから1点を加えたのだから、上々と言えるだろう。最後の本田圭のPK失敗は感心しなかったが、遠藤への道はまだ遠いと言う事か。

 もちろん課題はまだ山積している。
 青山敏と柏木については上記した。内田と水野は共にプレイをするようになってもう4試合目だ(4DFで縦に並ぶようになったのは3試合目)。そろそろ双方で工夫をして縦の連携による突破を見せて欲しいところだ。本田圭も後方で伊野波が守備を固めてくれているのだから、左サイドに張り付く必要はないはず。五輪代表時代、左サイドに固定された中村俊輔は随分不満そうだったが、今の本田圭よりは格段に創造的なプレイを見せていた。自覚を待ちたい。大体、同じポジションに梅崎がいるのだから、もっと危機感を持ってもらわなければ困るのだが。
posted by 武藤文雄 at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 五輪