2008年04月30日

西野監督について(上)

 ガンバとアントラーズが思うように勝ち点を伸ばせないでいる。いずれのチームも、先週のACLの疲労が抜けていないのだろう。黄金週間ゆえ継続する過酷なスケジュールを西野氏とオリベイラ氏はどうさばくのか。

 と言う事で、今日は(自分で宿題としていた)西野氏について語りたい。

 西野氏の事を私は嫌いだ。理由は単純な話だ。過去何回も書いた事がある。さらに興味のある方は、左側の検索窓に「西野」と入力し、記事のボタンを押して検索すれば、偏見と屈折に満ち溢れた西野氏評を愉しんでいただけるであろう。「嫌い」と書くものだから、過去も再三コメント欄でお叱りをいただいた事がある。しかし、嫌いなものはどうしようもないし、「嫌い」と書いておけばお読みになる方も、「ああバイアスがかかっているな」と読んでいただけると思うのだが。
 ともあれ、このような偏見に満ちた私ではあるが、西野氏が紛れもなくここ最近日本で最も実績を挙げてきた監督である事は否定できない。そして、氏自身2度目のアジアチャンピオンズリーグへの挑戦となる今シーズンは、ガンバフロントの努力で揃った質量ともに強力な陣容で、氏がどのような戦いを見せてくれるか、多いに愉しみである(私にとっては屈折した愉しみだが)。

 西野氏はガンバ監督に就任前にも存分な実績を残しているのは言うまでもない話。まず、アトランタ五輪出場、今でこそ日本は95年以降、ワールドカップ、五輪、ワールドユース、いわゆるプロが出る世界大会は毎回皆勤している(実際、のワールドユース以降これら3大会に日本が出場しなかった事はない、ブラジル、アルゼンチン、韓国!でさえワールドユース予選ではドジを踏むのだ。13年間予選突破率10割なんて、世界中で日本くらいなのではないか...と、少し統計を調べてみたのだが、完全には調べ切れていません、誰か調べてください)。しかし、当時は「日本が予選を突破する」と言う概念そのものが薄かった。実際日本がアジアの予選を突破できたのは、直前のワールドユース(その主力だった田中誠、松田、中田らがそのままアトランタのこのチームにも参画していた)を除けば、あのメキシコ五輪まで遡らなければならなかったのだ。そのアトランタ予選を突破した事は高く評価されよう。
 アトランタ本大会でもブラジルに見事な勝利を収めている(あの勝利について、「守備的で情けない戦い方」と言う評価はあり得ない)。準々決勝進出には失敗したが、あれはナイジェリア戦の「鈴木秀人の歴史的珍プレイ」によるもの。監督は結果責任を負うのは仕方がないが、どう考えても鈴木秀人の責任は重い。
 ただし、当時私は2つの点で西野氏に不満だった。
 1つはオーバエージを使わなかった事。当時は井原とカズの全盛期この2人に加え、代表で地位を獲得しつつあった名波か森島あるいは手薄な右DFの名良端、柳本、ミニラ中村あたりを、アトランタに連れて行けば格段に強力なチームになっていただろうし、翌年のフランス予選にもよい準備となった。そもそも、当時のA代表加茂監督は、攻撃の切り札である前園を「五輪優先」で自由に使えなかったのだから、ひどい話だ(このあたりはこちらを参照ください)。
 もう1つは、三浦淳、平野と言ったJで格段に実績を残した選手を起用しなかった事。三浦淳は当時フリューゲルスで完全な中心選手、同じチームの前園との連携も期待できた。平野もグランパスでの評価は小倉よりも高いくらい、95−96シーズン天皇杯決勝はピクシーの指揮の下、平野はA代表でもレギュラを獲得するのではないかと思わせる質の高いプレイを見せていたのだが。

 西野氏はアトランタ後、レイソルの監督に就任。これはかつての中心選手がそのチームの監督を務めると言う、当時としては珍しくない人事だった。
 そこでも、西野氏は見事な実績を挙げる。生え抜きの渡辺毅、加藤望、即戦力として獲得した洪明甫、薩川、期待の若手の明神、北島、南、大野、酒井(負傷による早過ぎる引退が本当に残念な選手だった)と言った選手をまとめ、99年にはナビスコ優勝。さらに00年シーズンには黄善洪が加入し一層チームは強力に、通期での勝ち点はトップながら、前後期共に制せずリーグ制覇を逸した(後期優勝を争うアントラーズとの最終戦での直接対決はJリーグ史に残る名勝負だったが、勝ちが必要なレイソルは攻め切れず涙を飲んだ)。
 翌シーズン、充実したメンバにさらに柳想鉄が加わり、磐石のチーム力と思われたが、開幕からチームは不振。前期を中位に終えたところで、解任されてしまった。

 アトランタ五輪にしても、レイソルにしても、相応の結果を出していた西野氏。選手に恵まれた部分もあったが、よい選手を並べれば勝てると言う訳ではない事は言うまでもない。ただその割に、もう1つ高い評価を得られなかった。
 1つは、常に硬直した采配を批判された。フォーメーションは3−5−2に常に固定。それも、2ストッパにスイーパの3DF、ボランチ2枚にトップ下、2トップの1枚はポストプレイヤが要求される、と固定したやり方に選手を当てはめる事に拘泥し続けたからだ。アトランタで平野や三浦淳を選考しなかったのもそのためだと思われた(もっとも、三浦淳は3−5−2のサイドMFが本職なので、なぜ西野氏に嫌われたのかは不明)。
 選手がしばしば造反するのも目立った。アトランタでの前園、中田らが離反した事(短期的なタイトルマッチで、そのような態度を取る選手も、それを抑えられない監督も、それぞれ情けないと思うが)は有名だが、レイソルでもA代表に選ばれるようになった北嶋が出場機会について不満を顕わにした。

 そして、西野氏はガンバの監督に就任する。

(以下続く)
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2008年04月29日

続々中学生の成長を愉しむ

 さて中学校の大会。今日は準決勝と決勝を1日で行うレギュレーション。とは言え、決勝に残れば県大会進出なので、とにかく準決勝に勝つ事が何よりも重要。

 準決勝の相手は地域最強との噂がもっぱらのチーム。主将のトップ下の10番が抜群の能力を持ち、センタバック2枚が強力。チーム全体のレベルも高く、速くて丁寧なボール回しは鋭い。
 我がチームの監督は、敵主将に当方の大黒柱をマンマークでつけた。大黒柱は本当によくやった。敵主将はドリブルも巧いし、パスも正確。この1年年上の難敵に対し、丹念にしつこくアプローチする事で、自陣から遠い場所でプレイさせる事に成功した。あの幼少時のハナ垂れ小僧が、ここまでサッカー選手として成長してくれた事が素直に嬉しい(ほかの選手もそうだけど...逆に今少年団のハナ垂れ小僧達と毎週遊んでいると、こいつらが将来あんなに立派になっていくのかと、これまた一層感慨深い)。
 相変わらずバック4は、安定して機能。大黒柱が敵主将を押し出す事で、敵がロングボールを蹴ってくると、おちついて第1波をはね返す。大エース、俊足、将軍の3人はこのはね返したボールに執拗に絡み、第2波を許さない。この攻撃ならば防げる。
 一方、(それほどの頻度ではないが)大黒柱が敵主将を止め切れず、前向きにボールを持たれて仕掛けてくると、サイドを崩され、ゴール前での勝負に持ち込まれてしまう。もう1つ怖いのはセットプレイ。セットプレイだけは敵エースは、大黒柱の妨害なしで精度の高いボールを入れてくる。この日はフィジカルCBが抜群の安定感を見せ、主将GKの果敢な飛び出しと合わせ、何とか押えきる。とにかくこのような攻撃の回数をできるだけ少なくできれば。
 では、どうやって点を取るか。突破力抜群とストライカの2トップがよい体勢でボールを渡せるように、大エースをどのくらいの頻度前を向かせられるかと言う事になってくる。しかし、敵もそのあたりはよくわかっていて、大エースへのマークは執拗を極める。それでも、前半終了間際にこの3人で攻撃を仕掛け、最後は突破力からストライカに強いパス、ストライカは敵ストッパを背にしながら見事なターン、振り向きざまにファーサイドに強く低いシュートを放ちGKを破った。「釜本か!」と言いたくなるほどの見事なストライカの個人技で先制してしまったのだ。
 3月に卒業した連中が多数応援に来ていたのだが、あまりの妙技に皆「うわ〜〜〜!すげ〜〜〜!」と大騒ぎだ。中でもストライカの兄貴は「おかしい、これは何かの間違いだ、あいつがこんなに巧い訳はない」と語り、友人達に「弟の方がもう巧い事を素直に認めろ」とやり込められていた(兄貴の名誉のために言っておくが、あくまでもこれは言葉の綾、彼は昨年の中盤のエースで、近くの強力高校に加入しがんばっている)。

 後半、敵の圧力が高まる。GKが大当たりと言う事もあり、1−0のまま時計が進むが、次第に危ない場面が増えてくる。我がチームは、俊足、将軍に代えて、大柄脚力とスーパーサブを起用し、中盤の運動量を確保する。あと10分になって、いよいよ敵は後方の選手が前掛りで猛攻を仕掛ける。結果的に当方の大エースへのマークが甘くなる、たちまち大エースは見事な展開から絶好機を作り、スーパーサブが絡んで最後は大柄脚力が狙い済ましてシュートを放つが、敵GKに超美技で防がれた。惜しい。
 好事魔多し。直後のCK、敵はフィールドプレイヤ1人を残して全員が前線に進出、混戦から押し込まれ、とうとう同点に追いつかれてしまった。
 感心したのは、それ以降。「あと僅かを守り切れなかった」とのショックを引きずらず、全員が集中したプレイを継続。5分ハーフの延長も、ひるむ事なく戦い続け、危ない場面もあったが、当方もチャンスをそれなりに作るなど、ほぼ互角の攻防。勝負はPK戦に。
 PK戦では先蹴の当方の4人目までは全員が成功する息詰まる展開。そして敵の4人目、主将GKが見事な反応、こぼれたボールはバーに当たり、外へ転がった。歓喜に飛び跳ねる主将。踊り続ける彼に、センタサークルからチームメートが「次はお前だ!」と声がかかる。どうやら5人目に蹴る事を忘れていたらしい。思い出した彼は「おお、任せろ!」と胸を張ってペナルティスポットに。ところが、人工芝に滑ったのか、転倒しながらのキックとなり「うわあ」と一瞬思ったが、敵GKは逆を取られボールはネットに突き刺さった。
 見事に県大会出場を決めてくれた。すごい。

 決勝戦は、準決勝終了後のインタバルが長かった当方が、体力的に圧倒的に有利となった。大エースへのマークが甘く、序盤から再三決定機を掴む。そして前半半ば過ぎ、右サイドを大エースが突破し低いセンタリング、ニアで突破力抜群がつぶれ、ファーに走りこんだストライカが先制弾。これでストライカは、2年生ながら5試合で6得点、堂々の得点王だ(と思うのだが)。以降も押し気味に試合を進め、終了間際に逆襲から突破力抜群が決め、突き放し優勝。

 「伸び盛りのチームが試合ごとに力をつけて行く」そのものの快進撃だった。長い事サッカーを見ているが、ここまで短期間に成長する事例は記憶にないくらい。こんないい経験をさせてくれた選手たちに多謝。
 今までも君達には、幾度も喜びを提供してもらったが、まただね。本当にありがとう。
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2008年04月27日

負けて感じたグランパスの強さ

 あるグランパスサポータの友人が、ヴェルディへの敗戦後に「グランパスの今までの相手が強かっただけ。弱いチームとやれば当然負けるってことよ。」と悔しがっていたが、負ける時って言うのはこういうものなのだろう。

 とは言え、グランパスがヴェルディの注文相撲にはまってしまった一戦だった。前半からヴェルディの出足のよさに苦戦気味のグランパス。特に中村、小川の中盤の新2枚看板(「新」と言うには、中村はもうよい年齢だが)が、ヴェルディの厳しいプレスを抜け出すのに大変苦労していた。このあたり、福西、菅原と経験豊富なボランチが利いていた。
 もっとも、シーズン序盤よりヴェルディのチームのバランスは決して悪くなかった。ただフッキの加入でバランスが崩れたところで(フッキが入れば点は入るようになるが、その独善性からバランスが崩れる)、フッキが出場停止になり、バランスが崩れて点も入らない状況に陥っていた(前節のレイソル戦は酷かった)。しかし、柱谷哲二氏もさすがに修正を加えてきて、バランスを取り戻してグランパス戦に臨んだと言う事だろう(そう言う意味では、02年でコンサドーレの監督を務めた時よりは、格段に監督としての能力は高まったと言えるのではないか)。
 ただし、これもでも悪いなりに勝っていたところもあり、0−0のまま後半にもつれた所で、何となくグランパスが勝つのかなと雰囲気も漂っていた。その雰囲気を断ったのが、老獪な服部のセンタリングだった。巧い仕掛けでフリーになった所で、浅めの角度から、ディエゴの反転力を信頼し、戻し気味の絶妙なコースに蹴り入れたもの。一般にセンタリングはFWがゴールに向かう向きで受ける事ができるボールの方が得点につながる確率が高いもの。ところが、このボールは全く逆を狙った。ちょうど湿ってすべりやすい芝と言う事もあり、グランパスの若いDF達はしゃにむに自陣に向かって戻る事になったため、ディエゴが後方に向いて細工する動きと逆になり対応ができなかった。ここの所急成長を見せている吉田も、全く読みきれないコースに対応が遅れた(この若者には最高クラスの失敗経験と言えるのではないか)。
 さて、先制されたグランパスは早々に杉本を投入し仕掛ける。が、小川と中村が分断されている事もあり、どうにもバランスが悪い。そうこうモタモタしているうちに、ヴェルディの河野がFKに合わせ、はるか後方から挙動を開始し、マーカの竹内を完全に出し抜いてヘッドを決め突き放してしまった。竹内には非常に厳しい言い方になるが、「持って生まれたもの」の差を感じる場面と思えた。竹内が謝罪の機会を提供してくれる事を強く期待したい。

 ただ、展開が悪かったが故に、逆にグランパスの「個」の凄みを感じ、ここまでの好成績に納得させられる試合だった。このあたりの「個」を巧く発揮させているのが、ピクシーの強みなのだろうか。
 ヨンセンがバックパスをするフリからターンして放ったシュートは、なるほどこの晩熟のストライカが欧州の代表チームのエースとして活躍するはずだと思わせるプレイ。阿部と(さきほど酷評した)竹内は、攻め上がり敵に巧く守られても、諦めず僅かな隙を見つけて見事なクロスを上げる。杉本の再三の前進には相変わらず興奮させられる(もっとも、すっかりスピードのなくなった服部が最初のワンタッチに勝負を賭けて杉本を止めに行くのは面白かった)。
 そして玉田。今シーズンは往時の切れが戻り、代表にも復帰した。そしてこの日のように、チームのリズムが悪くなると、とたんにこの男は後方に下がり多数の選手を強引に抜こうとしてはつぶされる。瞬発力やその後のシュートの素晴らしさ、最初のボールタッチが雑で抜け切れない事は、以前も指摘した事。その長所、短所については、相変わらず変わりないようだ。しかし、瞬間の魅力は、他の日本人ストライカにはないものがあるこのタレント。極論すれば、最前線で得点を狙えば有用で、ボールが来なくて後方に引いて無理をすると何の役にも立たないタレント振りは、ロナウドと類似性がある。
 ピクシーと岡田氏は、この難しいタレントをどう使いこなしていくのか、今シーズンの玉田の活躍を期待して待ちたい。
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2008年04月26日

続中学生の成長を愉しむ

 と言う事で、中学校は準々決勝。これが素晴らしい試合を演じてくれたのです(以下、各人の特長についてはこちらを参照)。

 敵は技巧に優れたチームとの情報どおり。しかし、開始早々から我がチームは運動量で押し込みペースを掴む。4人のバックラインは出足が素晴らしく敵FWより早くボールに触り(特に勇気あるCBと判断力の右バックの2人の前に出る動きは絶好調、おかげでフィジカルのCBは余裕も持ってカバーリングに回れた)、大黒柱と将軍がよくボールを散らし、大エースと俊足を走らせる。突破力抜群とストライカは息の合った動きで再三敵陣に迫る。CKを何度も掴み、幾度か決定機を掴むもどうしても決めきれない。
 敵もこの地域では屈指の強さを誇る少年団出身の選手が多く、CB(高さと速さを兼備)、サイドバック(主将で10番ながらSB、足も速く対応も柔らかい)ボランチ(技巧も正確、身体も頑健)、トップ(裏に出る速さが抜群)と能力の高い選手を並べているだけに、最後のところがどうしても破れず0−0で前半終了。
 当方が相当数の好機を掴んだのに対し、敵の好機は1回だけ。これは、当方のDFがインタセプト狙いが球足が予想より速く(普段土のグラウンドでしかやっていないのだが、準々決勝以降は人工芝のグラウンドでやれるのだ)敵FWと入れ替わってしまい、そこから崩されてGKと1対1とされてしまった場面(主将GKが見事な飛び出しではじき出して事なきを得た)だった。
 当方の運動量に敵が圧倒された感のある前半だったが、後半には落ち着いてつないで来る事が予想され、決して予断を許さないハーフタイムだった。

 後半、予想通り敵はボランチを軸に丁寧につないで来る。当方のフォアチェックがかわされ、中盤で回せされるとつらい。敵ボランチに当たるのは当方の将軍なのだが、体重差は歴然としており、よほど巧く身体を入れないと飛ばされてしまう。この苦しい時間帯を4DFはよくしのいだ。特に敵の裏に出るのが速いトップを、当方の左DFが押えたのが大きかった。
 苦しい局面を打開するためにベンチは俊足に代えてスーパーサブを送り出す。これが成功した。スーパーサブの強引な前進により、また押し込む事に成功したのだ。
 そして、迎えた後半10分、大黒柱が見事に敵ボールを奪取し、低く正確なフィードを将軍に。将軍は左サイドの大エースにつなぐ。大エースは1度縦に出るそぶりから、右サイドのスーパーサブにサイドチェンジ。フリーのスーパーサブは、ニアにアーリークロスを上げると、突破力抜群(跳躍力も凄い)が見事に飛び込んでよくひねったヘディング、しかし惜しくもバー。ところが、ふわりと浮いたボールをよく見ていたストライカが落ち着いたヘッドでネットに突き刺した。1−0。このストライカ君は、大柄だが空中戦には課題があったのだが、この場面は見事だった(本人曰く「生涯初めてのヘディングによる得点」らしい)。
 以降、敵は前掛かりに来るが、無理攻めはまだ仕掛けてこない。例の10番の主将がSBからトップにポジションを変えてくるが、先方の監督はバランスを崩すのは嫌うタイプらしく、FWを1枚後方に下げたので、FWの人数は変わらないので、当方は同じ守備体系で対応。また敵のボランチが前に出てくると怖いなと思っていたのだが、相変わらず後方でボールをさばいてくる。それでも2度ほど好機を掴まれたが、主将が思い切りのよい飛び出しと好反応で防ぐ。そうこうしている間に、残り10分。
 中盤に2年生が多い我がチームにとって終盤の守備は厳しいものになると思われた。ところが、敵が無理に攻めてこない。例のボランチもCBも後方に留まっている。よく見てみると、2人とも疲労が顕著になっていた。一方、当方の将軍は2年生ながら(ガキの頃から持久力が大したものだったのだが)足が止まらない。いや、彼だけではない、当方は皆がまだよく走っている。冬場の走り込みの差が出たのだ。最後の10分、当方は2トップが居残り速攻を仕掛け、決定機を2度掴む。ストライカのシュートを敵GKが伸び切りのセービングで防ぎ、大エースの強シュートがバーを叩く。
 最後の5分はさすがに敵が前に選手を残す。大黒柱もバックラインに下がり、敵の攻撃をはね返す。バック4は3年生で、スタミナは皆残っていたが、この日大活躍だった大黒柱はやはり2年生、最後に来て足が半分つっているようで、クリアの後ラインを上げるのもつらそう。しかし、全員でこの苦しい時間帯も出足で負けず、敵に好機すら作らせず、逃げ切った。

 とにかくベスト4。あと1つで県大会。準決勝の相手は、もっと強いと評判のチームだが、がんばれ。
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2008年04月25日

(書評)股旅フットボール

 本書は日本の事実上の4部リーグ(日本全国を9ブロックに分割した地域リーグ)に所属し、JリーグあるいはJFLを目指しているクラブを全国各地域に訪ね歩いたノンフィクション。上に上がろうとする「理想」と、財政面、強化面の苦闘と言う「現実」のギャップに悩みながらも、前に進もうとしているサッカー人たち(フロント、監督、選手、サポータなど様々な人々)の声を集めている。
 さらに彼らが1つ上のカテゴリのJFLに昇格するための全国地域リーグ決勝大会のレポートが織り込まれる。筆者が指摘する過酷な戦い
この4部から3部への昇格こそが、現在、日本サッカー界では最も狭き門となっている。
を演ずる男達の描写は、勝者と敗者の対比を含め、非常に印象的だ。
 さらに筆者は、これら地方クラブが強化されるにつれ(より優秀な選手を獲得するにつれ)、それまでチームを支えてきたアマチュア選手の場所がなくなって行く現実、昇格に向けての制度上の矛盾(上記の通りにあまりに狭い昇格権、決勝大会1次ラウンドのチーム数のアンバランス、さらにPK戦の矛盾、「レンタル」の異様さなど)など、従来あまり振り返られていなかった現状を、丹念に文章化している。
 例えばこの大事な大会で、カマタマーレ讃岐の中心選手が不在だった事の顛末
では、大事な緒戦でなぜ、小出はベンチ入りもできなかったのだろうか。怪我?それともペナルティ?私の問いに対する土居監督の答えは、ある意味、衝撃的なものであった。
「仕事だったんです。明日は来るんですが...」
は、このクラスのクラブの実情を見事に描写している。

 日本サッカー界は、日本代表チームあるいはJリーグのトップクラブを頂点にしたピラミッド構造をしている。その頂上については、競技場なりテレビなりで、すぐに見る事ができる。一方底辺は、自分なり知人のプレイ、近所の広場や校庭で行われている草サッカーを通じて、触れる事は簡単だ。しかし、頂点と底辺の中間がどうなっているのかを知ることは案外と難しい。本書はその欠落部を勉強するには格好の存在と言えよう。
 サッカーを語り、愉しむ事が好きな方にとっては、間違いなく本書はサッカー界全体を俯瞰する一助となるだろう。

 いわゆるJリーグクラブのサポータの方々にも、本書はお勧めできる。
 以前ベガルタのサポータ仲間と一杯やっている時に「各地にJリーグを目指すクラブが誕生している。それらのクラブが順調に成長すれば、ベガルタが適切な強化に失敗すれば、J1昇格はおろか、より下位のリーグに陥落する事があるかもしれない。」と言う話題で盛り上がった(「盛り下がった」と言うべきか)事がある。そう、Jリーグ百年構想の具体化とは、現状で繁栄しているいくつかのクラブが、今より下位リーグに転落すると言う事なのだ。
 現在のJリーグ準会員5クラブの他にも、本気でJを目指しているクラブが多数本書に登場する。いや、それ以外にも多数のクラブが「将来のJ」を目指している。また本題から外れるが、今日の破綻済みの過密日程を解決するためには、J1を16クラブに減らすのは有力な選択肢だ。とすれば、近い将来J2のチーム数がH&A2回戦もこなせぬ程多数になり、下位に陥落するクラブが登場する日はそう遠くはないはずなのだ。
 と考えると、近い将来の「敵」の実像を把握する事は、各Jリーグクラブのサポータにとっては重要なのではないか。

 いくつか、注文も。
 1つは、もう少し「負の情報」にも突っ込めなかったかと言う事。たとえば本書でも筆者がグルージャ盛岡に取材した後で「フロントの不首尾?による経営問題が発覚し、当時の監督たちが別クラブを立ち上げる事態となっている」との記載がある。本件について、筆者はその章の末尾で簡単に触れたのみだが、このような事態をもう少し深堀りできなかっただろうか。Jリーグ開幕以降の15年、Jを目指したがために財政問題で破綻、解散したクラブの実例は少なくない。筆者ならば、「負の情報」を活字として採り上げる事で、これらの悲劇を将来食い止める一助が可能だったではないか。
 2つ目は、もっと幅のあるクラブについての言及が欲しかったと言う事。例えば、Jを目指していないクラブも掘り下げたらどうだろう。それらとの対比は、上位を目指すクラブの実情をより明らかにするのではないか。もっとも、筆者はサッカー批評38号において、「JFLの門番」と言われるアマチュアの強豪HONDAを採り上げるなど、着実に幅を広げようとしてくれている。

 筆者の今後の活動に期待してきたい。

股旅フットボール―地域リーグから見たJリーグ「百年構想」の光と影股旅フットボール―地域リーグから見たJリーグ「百年構想」の光と影
宇都宮 徹壱
posted by 武藤文雄 at 23:40| Comment(2) | TrackBack(1) | 書評

2008年04月24日

関塚氏の早期復活を祈る

 フロンターレ監督関塚氏が、病気のために辞任をした。非常に残念。何より早期の回復を祈りたい。

 過日も述べたが、氏は現役時代も不運な病魔に襲われ、全盛期に大きなブランクを経験した。あそこでのブランクは、何より選手関塚隆にとっては痛恨の極みだったろう。そして、もし関塚が病魔に襲われずにソウル五輪予選の日本代表に加わる事ができていれば(ソウル五輪までは、アジアの国はフル代表チームは五輪に出場できた)、日本サッカー史も変わっていた可能性すらあると思っている。
 そう考えてみると、今回の病気による辞任は、栄光に包まれた氏の経歴を通じて、2度目の痛恨事と言えるだろう。監督に就任して5シーズン目を迎えた関塚氏。昨シーズンには、これ以上考えられないほどの痛恨の経験を積む事を余儀なくされた。そして、着実に戦闘能力を整備して迎えた今シーズン、関塚氏は思うところがあったはずだ。シーズンの立ち上がりこそ今一歩の成績だったが、次第にチームは安定感を増していった所だったのだが。

 何と不運な男なのだろうか。

 しかし、今回の痛恨は22年前と異なる事がある。選手生活は短い。20代半ばの戦線離脱は、その選手の経歴に挽回不能な損害となる。しかし、監督は違う。復讐戦の機会は残されている。
 まずは健康回復に専念して欲しい。体調を戻して、再度の挑戦を。

(余談)
 憲剛に改めて期待したい。
 恩師の不運を乗り越えて欲しい。より完璧な選手に成長する事が関塚氏への最高の見舞いとなるはずだ。そして、氏の指導なしでも、真の創造者として、フロンターレはもちろん日本代表でも君臨する事を。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | Jリーグ

2008年04月23日

佳境のACL1次リーグ

 ガンバはこれ以上ないと言う完勝。
 序盤から山口と中澤が浅いラインを敷き、忠実なフォアチェックの併用で、メルボルンの縦狙いをことごとくオフサイドに仕留める。 中盤の底で明神と遠藤が縦の関係を維持して、遠藤ならではのスローテンポのゲームメークを起点に、次々と仕掛ける。ルーカスのドリブルシュート、遠藤から狭いスペースを通すスルーパスを受けた山崎のシュートは、それぞれ枠を僅かに外れる。
 そしてビューティフルゴール。敵陣のFKからのつなぎに対し、右サイド深めで遠藤がプレス、敵DFのフィードが狂い橋本がボールを奪い、遠藤に縦パスし前進、遠藤がヒールで外に走り抜ける橋本へ戻しターンして前進、橋本は中央で控えるバレーへ、バレーは既に守備ラインの裏を突きかけていた遠藤に落とす、フリーの遠藤はマイナス気味にニアにグラウンダのセンタリング、走りこんだ山崎が敵DFの寄せより早く身体をひねって低く強いシュートでGKを破った。実に見事な得点だった。
 その後、前掛かりに圧力を高めてきたメルボルンは、前半終了間際と後半立ち上がりに決定機をつかむが決めきれない。そして、遠藤のFKから山崎が追加点を決め勝負あり。その後はガンバは余裕綽々ゲームをコントロール。この2−0の完勝で準々決勝進出の可能性が相当高まった。
 初戦のチョンブリ戦の青息吐息の引き分けが、何か懐かしい気がしてくる。

 そのガンバと19日に死闘を演じたアントラーズ。こちらは非常に苦しい戦いを演じる事になった。
 とにかく映像が酷い。デジタル変換が巧く行ってない典型映像、あのサイコロ模様のノイズが度々発生し、見づらい事この上ない。最初はてっきり北京のテレビ局が悪いのだと思った。「こんな状態で、五輪が開けるのか」と文句を言っていたのだが、ハーフタイムのコマーシャルでも同じノイズが頻発。どうやら悪いのは、テレビ朝日か、当方が受信しているケーブルテレビ局のいずれからしい。北京や中国と言う事だけで、犯人扱いしてはいけないな。
 入場制限(大体、聖火リレーであるまいし、なぜ入場制限と言う事態になるのか、本当にこの国には困ったものだ)があったとの事だが、テレビで見る限りでは大量のサポータが入場、アントラーズサポータの声援も時によく聞こえた。北京国安の旗ではなく、中国国旗が大量に見受けられたのは時勢と言うものか。
 開始早々は北京が仕掛けてきて、落ち着かない展開、双方に決定機。しかし、その後はアントラーズがよくボールをキープし、試合は落ち着いてくる。幾度かミドルシュートの好機を掴むが決めきれず。中に絞った伊野波が右サイドに開いた本山に好パス、本山の狙い済ましたクロスを田代がトリッキーなシュートを放つが、惜しくもポスト(判定はオフサイドだったが、VTRを見る限りではオンサイドに見えたのだが)。
 そうこうしているうちに、北京はチアゴの強さを軸に攻め込みの頻度を高めてくる。チアゴとマルチネスは単調になりがちな中国チームに相当な変化をつけるアクセント、結果的に他の選手のスピードや強さも活きてくる。この2人が変化をつける分だけ、北京国安は中国代表より強いかもしれない。鹿島でのホームゲーム同様、チアゴの高さと懐の深さい岩政は大苦戦。
 そして、前半終了間際、アントラーズは信じ難いミスから失点してしまう。ハーフライン手前のFK、北京がロブで守備ラインの裏を狙うと、チアゴは全くのフリーで抜け出し、冷静にGKを破った。何と伊野波がCB2人がラインを上げたのに呼応せず残っていたのだ。敵の攻め込みをはね返した直後のラインを上げるべき時に、上がり損ねるミスはよく見かける。しかし、敵のFKでセンタバックが敵のエースを外してラインを上げている時にサイドバックが上がらないミスは、このクラスでは滅多に見る事ができない。とにかく大変残念な失点だった。
 もし0−1のまま終われば、両軍とも相星になるから、残り2試合全勝必須、得失点差の争いとなる。しかし、お互いにここから点を取られれば、事実上の敗退。と言う事で後半はお互い非常に戦いづらい状況となった。結果的にお互い分厚く守り、少人数での速攻を仕掛けるやり方となった。
 ところが、後半半ばからアントラーズの運動量がガクッと落ちる。土曜日にガンバと中々の試合をして、中3日で移動を含め調整と言うのは、やはり相当無理がかかったのだろう。不運にも、新井場、本山と2人も負傷による交代があり、アントラーズは一層苦しくなる。アントラーズは開幕からチーム全体のコンディションが非常によかったが、序盤の体調のピークを過ぎ、今は少々疲労が出やすいタイミングかもしれない。
 疲労し押し込まれているのだから、ゆっくりとプレイすればよいのだが、選手たちは同点にして楽になりたかったのか、縦を急いで状況を悪くしていた。たとえば、曽ヶ端はせっかく自分が確保したボールを、急いでロングキックして、逆に敵にボールを渡していた。近くの確実にキープできる選手につなげばよかったと思うのだが。さらに、事態を難しくしたのは、小笠原と主審の相性が悪かった事。どうも今日の主審は、「小笠原は汚いプレイを得意とするから、交錯で両者が倒れたら小笠原が悪いと判定しよう」と考えていたフシがあった。
 と言う事で終盤はノーガードの殴り合いに。双方が決定機を複数回掴むが決めきれず、そのまま試合終了。双方ともホームでの1−0の勝利。準々決勝進出争いは先送りされ、双方ともヤレヤレと言う試合か。アントラーズは北京に対し、今のところ得失点差で+10優位に立っているだけに、精神的には有利に立つ事ができるかもしれない。
posted by 武藤文雄 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外

2008年04月22日

中学生の成長を愉しむ

 19日に中2になった坊主の中学校の公式戦が開幕した(坊主はまだベンチだけど)。32チームのトーナメント戦で決勝に残った2チームが県大会に出場できる。昨年は堂々の県大会初出場を果たした。しかし、レギュラの3年生が大量に抜けたが、新3年生は中学からサッカーを始めた選手たちを含め、非常にまとまりのよい学年で、着実に力をつけている。久々の応援だが、どこまでやれるか期待して参戦した。

 初日の日程は厳しく、1日で2試合2回戦までを消化する。

 まず初戦、出足も技巧を我がチームが上回る。2度ほど好機を逸してイヤな予感が漂ってきたところで、こぼれ珠を右サイドバックが遠目から思い切りよくシュート。ドライブがかかったボールを敵GKが抑え切れず先制。このサイドバックは中学から始めたのだが、判断力が非常によい、この得点も判断力の賜物だろう。
 続いて、3年のセンタバック(少年団時代からフィジカルが強かった)が前線をよく見て、3年の突破力抜群のFW(これは中学から始めた、運動能力と取り組む姿勢が素晴らしい)に正確で低いフィード。このセンタバックは縦に急ぎすぎる傾向があったが、この冷静さは見事。突破力抜群は球足の速さに止め切れなかったが、その裏に2年のストライカが入り込み裏に抜け出してGKと1対1になり、落ち着いてサイドネットに流し込んだ。彼は早くも170cmを越えフィジカルで負けなくなり、後方からのボールが収まるようになり、自信をつけている。
 バックラインは皆3年生、少年団出身は件のセンタバックだけだが、上記の右バックを含め忠実によく守る。もう1枚のセンタバックは非常に勇気のあるタレント、左バックはいつも冷静な対応と大胆な攻撃参加が武器。去年までは、しばしばラインがボコボコになりどうなる事かと思っていたが、今日は整然かつ組織的な守備で安心して見ていられた。
 その後も攻勢を継続、終わってみればストライカはハットトリック、突破力抜群も幾度もよい突破を見せ終盤に1点決め5−1。終盤にはスーパーサブの3年生(非常に明るい性格で度胸十分、彼の起用で幾度も流れを変えてきている)が幾度も突破に成功、と理想的な完勝だった。

 そして第2戦。これは厳しい戦いになった。運動量も技巧も敵を上回っていたが、敵は分厚く守っているだけに崩せない。前半こそある程度両翼から攻撃できていたが、後半は相当疲労していたのだろう、中盤でパスを受ける動きが減ってしまい、裏を狙って蹴るだけの単調な攻撃になってしまった。監督(顧問の先生)は3年の中盤の大エース(少年団時代から高速ドリブルが武器だったが、ここに来て長いパスも蹴れるようになってきた)のサイドを変え、最後はポジションを前に上げてボールを引き出そうとさせたが、中盤の2年生トリオが単調な攻撃に終始してしまった。
 で、中盤の連中。1人は小柄だが抜群の俊足で少年団時代からサイド突破が武器。まだ体重が軽いから一発目のトラップで前を向くのが肝心なのだが、2試合目は疲労も相当なようでキープが精一杯のようだった。ここに大柄で脚力のある左利きの3年生を起用するオプションもあるが、敵がベタ引きしていると起用しづらかったのか。ドイスボランチは少年団時代、中盤の将軍だった奴と守備の大黒柱だった奴。ほとんどのチームがこのポジションには強さもある3年生を起用しているが、監督は新チーム結成以来「先を見据えて」この2人を使っている。将軍の方だが、スタミナはある方で苦しい2試合目もよく押し上げてはいた。しかし、これまた体重が軽いから寄せられると突破し切れない。もっと早い判断で自分から仕掛けて欲しいところ。大黒柱の方は、粘り強くボールをキープ、片方のサイドが詰まると落ち着いてターンして逆サイドを狙う。ただ疲労の色は濃く、最初の展開で仕事が終わってしまい、彼のパスを受けた選手は縦に急ぐしかなくなってしまった。
 かくして、どうしても攻め切れず0−0のままPK戦に。ここで主将のGKが大活躍。去年の夏の大会でもPK戦を勝ち抜いているのだが、PKによほどの自信を持っているのだろう。いきなり最初の1本を止め、プレッシャを受けた敵の2人目は腰の引けたキックで外し、勝負あり。当方は4人全員が確実に決めてくれた。このあたりは主将の面目躍如たるところか。

 26日の準々決勝は相当強力な相手との事。冬の走り込みは十分だった模様で、全員が気持ちで負けなければ(これは一番大事だな)運動量ではやられないはず。攻撃は大エースにいかによい体勢でボールを渡せるかがポイントか。そのためには、3年生に遠慮せずにいかに2年生が戦えるかだな。皆ボールをもらう前に周囲を見て判断するところまではできているのだから、パスした後にすぐに次のプレイを考えて、動く事ができるかどうか。皆後一歩で殻が破れそうな所まで来ているのだ。がんばれ。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(23) | TrackBack(0) | 底辺

2008年04月21日

北京五輪組み合わせ発表

 北京五輪のグループリーグの組み合わせが決定した。
A組:アルゼンチン、象牙海岸、豪州、セルビア
B組:オランダ、ナイジェリア、日本、合衆国
C組:中国、ニュージーランド、ブラジル、ベルギー
D組:カメルーン、韓国、ホンジュラス、イタリア
 悪くない組み合わせではないか。と言うのは、組み合わせ決定のやり方は、
(A)シードは中国、オランダ、カメルーン、アルゼンチン
(B)地域ポッドは
    アジア:中国、豪州、韓国、日本
    欧州:オランダ、セルビア、ベルギー、イタリア
    アフリカ、オセアニア:カメルーン、象牙海岸、ナイジェリア、NZ
    アメリカ:アルゼンチン、ブラジル、ホンジュラス、合衆国
だった事を考えると、
1)アメリカポッドからアルゼンチン、ブラジルは回避できた
2)中国とは同じアジアなので同グループにはなれない。五輪への「本気度」を考慮すれば、残りのシード国のうち、カメルーン、アルゼンチンよりはオランダが低い事が期待できる。
3)アフリカ、オセアニアポッドのNZは中国と同じグループになる事は決まっていた(はずだ)。残りのアフリカ3国はどこが来ても同じくらいの強さだと推定される。
 豪州よりは楽な組だし、韓国とはどっこいと言うところではないか。贅沢を言えば、カメルーンのグループに入り、ベルギーと、ホンジュラス、合衆国のいずれかと、同じグループになれば、よりよかったように見えるが、ベルギーとオランダとどちらが強いかなど、想像もできない(ただし、今回のオランダは4年前のワールドユースで痛い目に会った世代同士の戦いではあるな)のだから、これ以上の組み合わせは期待できなかったと考える方が健全だろう(ベルギーが中国のグループに入る事も決まっていたと言う見方もあるが、そう考えると中国のグループにホンジュラスでなくブラジルが来たのは不思議だ)。

 五輪と言えば、4年前山本氏が、大会に入った以降もベストメンバを固められず惨敗した記憶が新しい。しかし、今回の五輪代表のチーム完成度は明らかに4年前以下だろう。少なくとも、山本氏は02年末のアジア大会時点で、チームの基盤を作るのに成功していた。そして、1年間「テストごっこ」を継続する事でチームをガタガタになってしまったが、04年早々に帰化した闘莉王、ユースから今野が加わりチームに軸線ができて、一気にチーム力が向上、苦戦もあったが実力を発揮し、最終予選を突破した。その後、またも「テストごっこ」が五輪本大会まで継続するのだが。とは言え、最終予選終了時点で、闘莉王、那須、今野、阿部、大久保、達也と言ったあたりはチームの中軸となる事が判明しており、そこに小野や曽ヶ端などのオーバエージを巧く組み合わせれば、それなりにチームをまとめる事は可能だったと思われるだけに残念だった。

 ところが、今回のチームは中軸そのものが揺らいでいる。西川、水本、青山直、本田圭、水野、それに柏木あたりが中軸として実績を上げている。ところが、彼らの多くに大きな変化が生じている。中でも、予選を通じて抜群の能力を見せ続けた水本の大不振と、抜群の突破力を誇った水野(守備面で大ポカもあったが)が強豪クラブに移籍した関係で試合出場機会が全くない事の2点は極めて深刻な事態と言えよう。もちろん、今のJリーグからは水本、水野の代わりが務まりそうな吉田、森重、河本(あれ、吉田の他は今回の合宿に呼ばれてないのか)、梅崎、香川、大竹のような好素材が次々に登場しているが、Jリーグが中断するまでは集めての強化の機会は、ほとんどないのがつらい。
 結局、勝負はJの中断期間でのチーム作りにかかるのだろう。考えてみれば、今回のチームは、必ずしも組織的とは言えないが、アジアの中での圧倒的な「個」の力で予選を勝ち抜いた。つまり、元々の基盤がないのだから、A代表の構想外になった優秀な選手をオーバエージとして選び、6月までのJで調子のよかった選手を並べ、集中的なトレーニングと強化試合でチームを作るやり方はそう無理ではないと思う。
 予選を通じて、反町氏は豊富な選手層から良好な選手を並べて連携を作る能力を示す事ができなかった。しかし、アルビレックス時代には、恵まれない戦力を最大限に引き出し、プロジェクト的に戦う能力は高かった。これって、現状の五輪代表にピッタリした能力なのではないか。それでいいのかと言う事はさておき。
posted by 武藤文雄 at 23:51| Comment(5) | TrackBack(0) | 五輪

2008年04月20日

赤札無情

 アルビレックス−サンガ戦。例のレッドカード3発と言う試合の判定について。
 昨日も触れたが、この試合は、鈴木淳対加藤久と言う、私にとってあまりに深い思いの対決である。したがって、試合内容そのものや2人に対する思いを対比して文章を書きたかった。しかし、久さん本人まで大爆発してしまって退席処分を食らう試合について、冷静なフリをして文章を書く訳にもいくまい。これは後期の対決での宿題としたい。

 と言う事で、3選手退場、久さん退席について。
 結論から言って、私は主審の佐藤隆治氏が相当不出来だったと思う。典型的な主審が壊してしまった試合と言えるだろう。
 この主審の不出来については、テレビで野々村芳和氏が非常にクリアな解説をしおり、その内容を中坊さんが要領よくまとめているので参照して欲しい。以下の私の講釈も、この野々村解説を参考に語らせていただく。

 実はこのようにVTRで判定振りを評価されるのは、主審としてはつらいものがあると思っている。試合はものすごいスピードで動き主審は常に瞬時の判断を要求される。VTRならばスロー再生も可能だし、何回も見直す事も可能。さらに主審から見えない角度や距離で行われたプレイが、複数の角度のカメラで映された映像の1つにきれいに映される。それで誤審濃厚と後から判断されると「見る角度が悪いから主審ダメ」と言われる。中坊さんが孫引き的に指摘しているが、
イタリアではカルチョで疑問符がつく判定に対し、その日のTVで徹底的に取り上げ、この判定がどうおかしいのか、どこが問題なのかを解説する番組がある。日本ではタブー視されているのか、ないけれどこういう番組や姿勢は日本でも必要だと思う
は、正論であり、その方向に進む事が日本サッカーにとってプラスになるのは間違いないと思う。しかし、上記の理由で、その方向化にいささか複雑な気持ちもある。
 また、よく日本の主審はカードを切り過ぎ、試合の興趣をそぐと言う指摘がある。多くのケースで私はそれに同意する。つい最近もこんな試合があった。しかし、その時も述べたが、主審が適切にカードを切らないと、ようにとんでもない試合になる事もあるのも、また確かなのだ。したがって、カードがたくさん切られたから、大量の退場者が出たから、主審の出来のみがよくなかったと判断するのは危険だとも思っている。

 しかし、今回のアルビレックス−サンガ戦に関しては、議論の余地はない。主審の佐藤氏が悪い。個別の判定の是非ではなく、主審として本質的にダメだったのだ。これは赤紙を3枚出したからの判断ではない。
 増嶋が食らった1枚めのイエローカード、ファウルを取られて悔しがった増嶋の態度に対して出されたものの模様だったが、野々村氏は
厳密に言えばカードだすかもしれないけど、コミュニケーションがうまくとれていれば、あそこで「増嶋、ちょっとおいで」「今のダメだよ」って言えば済むシーン。
として「コミュニケーション不足」と断罪している。ただし、このような選手に対してのコミュニケーション不足、あるいは尊大に過ぎる態度での、主審のヘマは日本で結構多い。
 ところが、佐藤氏はもっとまずい行為をしていた。序盤、アルビレックスのDFとサンガのFWが交錯したプレイで、アルビレックスDFが転倒し、ボールがゴールラインを割る。すぐそばにいた副審がCKと判定したが、佐藤氏はサンガFWの反則を取った。
このシーンに関しては、副審はコーナーキックを指している。(中略)ところが、この画面にも映っていない主審が(遠くの位置から)「あれは反則です」と言っているわけです。
と、さらに厳しく指摘している。つまり、佐藤氏は選手とのみならず、試合序盤から副審ともまともなコミュニケーションを取れていなかったのだ。

 佐藤氏は77年生まれと非常に若い主審で、JFAレフェリーカレッジ出身との事。昨シーズンあたりよりJリーグの笛を吹き始めたとの事。やや古い感覚なのかもしれないが、30歳でトップリーグの主審と言うのは随分若い印象がある。もちろん「若い」からダメだなどというつもりは毛頭ないが、「部下」である副審の多くは10歳以上年上だろうから、やりづらさもあるだろう。もちろん、ある種の飛び級的な処置はあったのかもしれないが、J1で笛を吹く権利を獲得するまでには、J2以下で相応に高い評価を受けてきたはず。
 そのような主審が、なぜにこのようなヘマを演じてしまったのか。日本協会の冷静な対応を期待したい。

 しかし、久さんも自分が日本代表に選ばれた年に生まれた若者に退席処分を食らうとは思わなかっただろうな。
posted by 武藤文雄 at 21:50| Comment(10) | TrackBack(1) | Jリーグ