けれども、ご承知のように、新幹線はまだ動いていない。東北自動車道は回復したが、長距離バスの予約は容易ではない(特に仙台発の方)。では自家用車で帰るかとなるが、各報道でもご存知だろうが、被災地のガソリン不足は大変な模様で、帰りのガソリン確保が難しそう。まして、帰りのために不足しているガソリンを私が使ってしまっては、被災地域に迷惑をかけるだけになってしまう。
「さて、どうやって帰るか」と悩んでいたら、某仙台在住ライター兼アナウンサ(と言えば、誰かはすぐわかってしまうな...笑)が、よい知恵を授けてくれた。いわゆるハイブリッド車ならば、仙台でのガソリン補充をしなくても、相当の距離が走れるとの由。さっそく、グランパス系列のレンタカー会社に連絡すると、「プリウスならばおよそ1000kmは走れます」との事。おお、それならば、最悪途中の給油なしでも、ぎりぎり帰って来られるではないか。と言う事で、方法は決定した。
で、ベガルタのWEBサイトを眺めると、先週から引き続き被災地への直接支援活動を行っていると言う。先週もそうだったとの事だが、ピンポイントで各避難所に不足しているものを集中して集め、トラックを仕立てて直接当該避難所に届ける企画だ。すると、トラックだけで現地に向かえばよい訳ではなく、現地で大量の物資をトラックから降ろし、運び込む人数が必要。そのため、トラックと一緒に自動車を何台かしたてる必要があるとの事。ところが、ガソリン不足から、そのような自動車の確保が難しいらしい。それならば、上記レンタカーはお役に立てそうだと、ベガルタ仙台に事前連絡をした。
当日(つまり一昨日ですが)、集合場所のユアテックスタジアムに行ってみると、案外に自動車を持って来ている方が多い。現地で会えた上記ライター氏に聞くと、仙台地域ではここ数日で格段にガソリン事情が改善したとの事。そのため、当初の自動車不足は解消したらしい。それならば、無理して土地不如意(仙台を離れて、早25年、私が宮城県各地を中古のボロ車で走り回っていた時代と比べると、格段に道路事情は改善されている)の私が出しゃばる必要はない。と言う事で、運転手役は辞退させていただき、もっぱらユアテックで搬入の力仕事を、坊主と2人で手伝う事にした。
ユアテックにはアルディージャ、レッズ、モンテディオのサポータの方々が物資を持って次々に到着。ベガルタサポータの方々の結束もすばらしいが、Jサポータ同士の連携の見事さを改めて実感。先週、こちらの活動で日本サッカーミュージアムに顔を出した時にも、多くのJサポータのパワーを実感した(この時は、すごい数のサポータの方々が組織的に動いていたので、力仕事1つすら手伝う必要がなく、植田朝日とアジアカップの前で手持ち無沙汰に雑談したものだった)。うまい日本語にならなくて申し訳ないのだが、本当に皆さんの力はすごいものだと再認識。
最後にサポータのリーダのMさんが「今日でこの活動は一段落とします。再開日程も決まりました。それに向けて進んで行きましょう」と挨拶されていた。ベガルタサポータの方々は、ご自身それぞれが大変な被害を受けただろうに、2週続けての活動を円滑に遂行した。すごい。
上記ユアテックでの活動を含め、仙台界隈の知人友人から、色々情報をかき集めた。改めて今回の大震災の被害が認識できたのだが、その大きさに改めて嘆息。津波被害を受けた地域が、根こそぎ産業まで持って行かれてしまった事。津波の被害は受けずとも、地震被害を受けた地域がすさまじい範囲の広さである事。
自分がやれる事など、本当にたかが知れている。知れているのだが、それでもやれる事を少しずつやっていこう。