2011年05月02日

アビスパ戦前夜2011前期

 ベガルタはここまで2勝1分け、ほとんど完璧な成績と言ってよいだろう。そして明日はアビスパ戦。大変失礼な言い方になるが、アビスパは戦闘能力では当方が優位に立てる数少ないJ1のクラブだ。ホームでもあり、さらに勝ち点3を積み上げたいところだ。

 さて、アビスパ。J2陥落後、明らかな経営の失敗もあり、スポンサの獲得も思わしくなく、J2でも中下位に沈んでいた。それをJ1に復帰させた篠田監督の手腕は高く評価されてよいだろう。ただ、今期も昨季J1昇格に貢献したタレントを放出せざるを得ないなど、厳しい布陣での戦いを余儀なくされている。
 今期に入って映像はエスパルス戦しか見ていないが、チームは非常に組織的に機能していた(最近の流行語で言えば、「コレクティブなサッカー」と言うところか)。ただ、最後に得点を決めるタレントに欠く事もあり、勝ち切れず。ここまで3連敗しているが、戦いぶりは悪くない模様だ。前節もアントラーズ相手に先制しながら、逆転されたが、内容はよかったらしい。特に主将を務める中町のコメントは自信に満ちている。
先制点を挙げた中町主将は「今日のようなサッカーを続けていけばJ1でも戦っていけると前向きにとらえている」とこれからの戦いに手ごたえをつかんだ様子だった。
 そして、厄介な事にアビスパから見ても、ベガルタは相対的な戦闘能力差が最も低いクラブのはず。ここまでの3試合で戦い方に確信を得ているとすれば、絶対狙ってくるはずだ。
 またJ2時代の相性も決してよくはなかった。たとえば昇格を決めた一昨シーズンも結構やられているのだ。特にあのシーズン2点差で負けたのはこの試合だけのはず(もっとも、あの忌々しかった久藤が引退してしまったのだけれども)。

 ベガルタにしても、これまでの3試合はいずれも戦闘能力で上回る相手。「まず守備」と言う考え方で試合に臨む事ができた。ところが、ホームでやや戦闘能力が低い相手の試合は「まず守備」では入りづらいはず。もちろん、手倉森氏がホームのアビスパ戦を守備的に戦い、敵を引き出して勝ち点3を獲得するサッカーを狙ったとしたら、それはそれで評価すべきかもしれない。けれども、あのユアテックの「せん!だい!レッツ!ゴー!」状態、やはり前掛かりになる事だろう。
 だから、アビスパの組織守備を上回る攻撃を見せる事ができるのか、アビスパの組織守備からのカウンタを適切につぶす事ができるのか、が勝敗のアヤとなるはずだ。
 攻撃については、今期まだ得点がない赤嶺、梁、関口、この3人のシュートの工夫がカギと見る。前節、3人とも結構な決定機を掴みながら、最後のシュートの工夫の欠如で決め切れなかった。彼らが、敵陣で好機を掴んだ際に「氷のような冷静さ」で、敵GKの取りづらいシュートを狙えるかどうか。
 守備については、角田と高橋義希が「自軍がボールを奪われた瞬間にいかに早く攻撃→守備の切り替えを行えるか」が重要になるはず。ここまでの3試合で上々に機能していた組織守備が問われるところだ。

 今期ベガルタは、ある程度中上位に食いついていけるか、あるいは下位に沈みJ2陥落から免れる事に集中する事になるか。明日のアビスパ戦は、この分岐点とも言える、とてもとても重要な試合になるのではないか。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする