2015年06月17日

ハリルホジッチ氏、罠にはまる

 ひどい試合だった。
 正にサポータ冥利に尽きる試合だった。40年以上にも渡る己のサポータ人生でも忘れ難い、腹が立って仕方のない試合と語っても過言ではないな。ハリルホジッチのバカ野郎。

 前半、香川と本田の厳しいマークに岡崎は苦しんだ。本田が絞って入ってくるのは、このチームのやり方の1つなので、本田がマークを引き連れて岡崎の近傍に入ってくるのは一種の必要悪とも言える。実際、ペナルティエリア近傍で、本田がしっかりとキープしての好機は作れていたのだし。しかし、香川がズルズルと岡崎と同じラインでボールを待ち続けるのは不思議だった。確かに開始早々に、トップ近くで見事なターンから決定機を掴んだのは確かだが、それ以外の時間帯は最前線でほとんど消えていた。さらに悪い事に、各所で報道されたように、岡崎はハリルホジッチ氏に「最前線から動くな」と指示されていた模様で、普段ならば岡崎が作るスペースを活かしや、岡崎の飛び出しから作られる好機が生まれない。結果的に、バイタルエリア周辺で、敵のDF4人と香川と本田が、岡崎を厳しくマークする状況になり、長谷部も柴崎も、有効な縦パスが入らず、単調な攻撃に終始して45分が経過した。
 もう一つ悪い事に、審判の判定が日本向きではなかった。一昔前のJリーグの判定を思い出すような、選手が転んだらファウルと言う笛だったのだ。結果、相手に蹴られても持ちこたえる日本選手はファウルをとられず、簡単に転ぶシンガポールはファウルをもらう展開。それでも、審判の基準そのものは明確だっただから、学習して欲しかったのだが、麻也には。
 香川が前線に張り続けるのを放置したのだから、これはハリルホジッチ氏の作戦と理解するしかない45分間だった。ハーフタイムには、友人と「アルジェリアをあそこまで育てた監督だ、この45分間は後半への伏線に違いない(と、考える事にしよう)」と語り合った。

 後半立ち上がりから、香川は前線に張らず、中盤でプレイするようになった。改めて、ハーフタイムの友人との会話が誤りで、香川とハリルホジッチ氏の連係不足が45分間放置された事が理解できた。状況はたちまち改善し、岡崎へのマークが緩くなり、日本の攻撃がスムーズになる。10分、長谷部の展開からの太田のクロス、岡崎のヘディングはGKを破り、ゴールラインを越えたように私からは見えたのだが。まあ、このような判定は審判に任せるしかないが、その瞬間副審がゴールラインまで戻れていなかったのだけは、よく見る事ができた。
 60分過ぎに香川に替えて大迫。大迫の変化をつけた動きにより、岡崎もやりやすくなったのだろう。日本はさらに押し込み、好機を再三作れるようになる。
 問題は次の交代だった。何かきっかけを掴みたいところだったから、原口投入は妥当だろう。しかし、交代される選手が宇佐美ではなく、柴崎なのにビックリした。直後、原口の仕掛けから、ゴール前のFKを獲得。本田が直接狙うもポストに当たる。「さすが、このような狙いなのか」と友人と語り合ったが、原口が機能したのはこの場面が最後だった。以降、原口は中盤のバランスを取る事に終始し、攻撃にほとんど登場しなかった。
 原口にしても、両サイドバックの酒井にしても太田にしても、思い切りよく飛び出す場面は、ほとんど見られなかった。これは、ハリルホジッチ氏の指示だったと考えるしかあるまい。ハリルホジッチ氏は、敵の逆襲を警戒し、後方に人数をある程度残す事を厳しく指示したのだろう。そのため、日本の終盤の攻撃は迫力を欠く事になった。まあ、それも1つの考え方だろうが、だったら前半の香川に「不用意に前に行くな」と厳しく指示すれば、すべての問題は解決していたようにも思うのだが。さらに言えば、後半半ば過ぎから、シンガポールの各選手は疲労で青息吐息。とてもではないが、逆襲を心配する状況には見えなかったのだが。
 上がらない両サイドバックと、前線で効力を発揮するストライカ4人を抱え、長谷部が1人労苦を重ねたが、状況は打開されなかった。終盤には、酒井が再三ビックリするようなミスを連発し、攻撃ムードを阻害してしまった。こう言った状況下で、ベンチで長友は何を思ったのか。それにしても、長友の欠場には驚いた、よく言えば「トレーニングで充実していた太田を抜擢した」と言う事なのだろうか、いや、悪く言えば、ハリルホジッチ氏が自己顕示欲を発揮し過ぎて、奇策を当て損ねたようにも思えるが(それとも、長友は負傷だったのだろうか、でもメンバには入っていたし)。

 無様な試合だった。このような試合で勝ち切れない事も悔しいが、終盤のメンバ選定の誤りで、絨毯爆撃のような猛攻を仕掛けられなかったのが、また腹が立つ。思えば、イラク戦で香川のバックアップを試さず、総とっかえを選択したハリルホジッチ氏の油断。柴崎を残さず、原口を投入したハリルホジッチ氏の焦り。監督の油断と焦りが錯綜し、自ら勝ち点ロスに向かった無様な試合だったのだ。
 各地で鮮やかな実績を残してきた名監督ハリルホジッチ氏が、罠にはまった試合だったのだ。

 イライラ、怒り、不完全燃焼、正にサポータ冥利に尽きる試合だった。

 この時点では、よくある不出来な試合に過ぎなかった。このような怒りを、過去幾度味わってきた事か。
 しかし、今日はそれで終わらなかったのだ。試合終了と同時に競技場を飛び出した時は、雨は大したことなかった。ところが...
 埼玉スタジアムを出て、浦和美園に向かった瞬間、雨は半端ないものと変わった。ゲリラ豪雨である。スタジアムを出る時に、カッパを来たり、カバンをビニールで覆っていれば被害は少なかったのだが、その手当を怠っていた。腹が立っていて、冷静さを欠いていたのかもしれない。そして、1度競技場を出てしまうと、それを修正する場所がない。細い道に多数の観客が充満、大渋滞をお越し、どうしようもなくなってしまったのだ。かくして、傘でかろうじて身を守りながら、ゲリラ豪雨の中を、失意のサポータの皆様と、粛々と浦和美園まで行進する事と相成った。本当につらい行軍だった。

 八つ当たりである。
 本当に不愉快な一夜だった。油断と焦りから、次々と繰り返される監督の采配ミス。自ら失ってしまった貴重な勝ち点。これほど腹が立つ試合は珍しい。正にサポータ冥利に尽きる不快感。
 そこにゲリラ豪雨。

 繰り返すが、八つ当たりである。
 もう許せない。私はハリルホジッチ氏を許せない。
 いや、私は寛容だ。氏を許す事にしようと思う。ロシアでベスト8以上を獲得してくれるだろうから。
posted by 武藤文雄 at 02:08| Comment(4) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする