2016年09月01日

ロシアワールドカップ最終予選初戦前夜

 いよいよ最終予選が始まる。
 何歳になっても、ワールドカップ予選は、最高級のエンタティンメント。己が参戦したのは、86年大会が最初だった。そして、2002年大会を除くと、今度の予選体験は8回目。陳腐な言い方になるが、真剣勝負の愉しさは格段のものがある。

 ともあれ。
 正直言って、やはり楽観的な思いに支配されてしまう。今回のレギュレーションは、6チーム総当たりのホーム&アウェイの長期戦。このような総当たり戦で、チーム数が増えれば増えるほど、戦闘能力が高いチームが上位に上がっていく。たとえば、明日のUAE戦に苦杯したとしても、丁寧に勝ち点を積み上げればそれで上位に進んで行ける。一方で、UAEが日本から勝ち点をとれたとしても、残り試合で勝ち点を積み上げられるかどうかは別な話だ。
 たしかに、UAEはワールドユースで好成績を上げた世代だけに、相当な強化をしてきているらしい。報道によると、2ヶ月にわたる長期合宿を行ったとのこと、決して簡単な相手ではないだろう。

 何より岡崎がいる。この精力的なストライカは、2009年に代表の中核に定着以降、足かけ7年に渡り、我々に歓喜を提供し続けてくれた。昨年のアジアカップUAE戦苦杯。アギーレ氏が、負傷を抱えた岡崎を無理に1次ラウンドで引っ張り過ぎ、交代せざるを得なかったことが敗因となった。そして、昨シーズンは、とうとうプレミアリーグチャンピオンの一員となった。岡崎がいる限りにおいて、我々は得点力不足に悩むことはなかった。
 岡崎も30歳になった。このロシア予選、そして本大会が総決算となることだろう。

 もちろん、長谷部も、本田も、(このUAE戦は負傷で離脱してしまったが)長友もいる。みな、長期に渡り、欧州のトップクラブで実績を残してきた男たちだ。苦労を重ねながら、香川も清武も両酒井も、欧州で地位を確保してきた。さらに世代が下がり、武藤も宇佐美も、そして大島も浅野も遠藤航も、続こうとしている。西川、東口、森重、柏木、小林悠と言ったJのトップスタアが、格段の能力を誇ることは言うまでもない。

 攻撃ラインの整備はかなり進んできている。
 ハリルホジッチ氏の初戦のシンガポール戦。わざわざ、岡崎をトップに固定しながら、香川が前線に飛び出して、岡崎を妨害し、勝ち点を能動的に失ったのは記憶に新しい。たまたまハリルホジッチ氏が視察したJリーグで好プレイを見せた選手を、執拗に起用して強化試合を無駄に費やしたのも、愉しい思い出だ。
 しかし、そう言った問題は過去のものとなろうとしている。少なくとも、最近の試合では、岡崎、本田、香川の位置取りや関係性は整理されつつある。

 不安を語るのは愉しい。
 特に、シリア、ブルガリア、ボスニアヘルツェゴビナ、とここ3試合、安定して「ひどい守備」の試合を見せられている。シリア戦とブルガリア戦は、終盤に中盤や前線の選手の怠慢。ボスニア戦は、最終ラインのタレントの集中不足。異なるモードでの大失態だけに、一層悩ましさが増す。
 4年前の最終予選は、初戦のオマーン戦で、日本代表史に残るような完璧な試合を見せてくれた。しかしながら、本大会での悲しい結果が出た今となっては、ピークが早過ぎたようにも思えてくる。最終予選初戦の前夜は、このくらい不安感があったほうが、よいのかもしれないなと。

 などと、あれこれ考えることを堪能する、初戦前夜。これが愉しいのだ。
posted by 武藤文雄 at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする