2016年11月29日

プレイオフはやめよう

 J1昇格決定戦。準決勝の時点で2試合ともすばらしいドラマを見せていただいた。
 映像観戦は、セレッソ対サンガを選択。経営規模も比較的大きなクラブだけに、両チームにJ1レベルのスタアも多く、とてもおもしろい試合となった。
 柿谷の妙技からセレッソが先制。ソウザのミドルシュートを、サンガの名手菅野がキャッチしきれず、そこを鋭く詰めた得点だったが、飛び出しが格段の菅野の上を行くロブの鮮やかなこと。その後の時間帯も、蛍、ソウザの鋭い押し上げから、両翼の清原と杉本が精力的な上下動と個人技を発揮し、セレッソペースで試合は進む。しかし、終盤チームはガス切れ、これは柿谷の負傷などもあり、1年間をかけたチーム作りがうまく進まず、存分な組織力を持つまで強化できなかったと言うことだろう。本来であれば独走で首位を走ってもおかしくない戦闘能力を誇る(いや、そもそもJ1陥落そのものが考えづらい)クラブなのだが、監督のめぐり合わせが悪いのか、チームとしての強化が進まない。もっとも、終盤戦に向けて連勝し、このJ1昇格プレイオフにあわせてきたのはさすが。考えてみれば、昨シーズンもベテラン選手を組み合わせ、アビスパとすばらしい試合を演じてくれたっけな。ただ、チーム全体の組織力が不十分なだけに、どうしてもこのような消耗戦では、終盤エネルギー切れを起こしてしまう。ただ、このクラブには山口蛍がいた。この強力なMFの帰国には、様々な論評が渦巻くが、90分間を通し、「なるほど、代表の定位置を確保している選手は違うものだ」と、感心したものだ。
 サンガの不運は、堀米をスタメンから使えなかったことだろう(体調不良とのことだが)。ために、エスクデロが1人最前線で奮闘するが、山下、藤本のベテランCBコンビに抑えられてしまう。しかし、後半堀米が起用され、再三左サイドから見事なえぐりを見せると、エスクデロへのマークも分散。幾度も好機をつかんだが、その度にセレッソの守護神金鎭鉉が立ち塞がった。それでも、最終盤にパワープレイから1点を奪い、「あわや」と言う場面も作ったがここまで。パワープレイそのものの選択は否定しないが、もう少し堀米、エスクデロの個人技を活かす算段をすべきにも思ったのだが。

 こうして「いや、よいものを見せていただきました」と感心していたのだが、「裏番組」ではとんでもないことが起こっていた。アディショナルタイムに、ファジアーノが赤嶺の一撃で、山雅を振り切ったというのだから。繰り返すが、赤嶺の一撃で。
 山雅は、今シーズン常時安定した成績で、終盤まで2位をキープし続けてきた。首位を走るコンサドーレが失速しかけたため、じりじりと差をつめ、一時は逆転優勝でJ1昇格に花を添えるのではないかとすら思われた。ところが、終盤、ゼルビアに苦杯。名将小林伸二氏が、すさまじい勢いとチーム完成度で仕上げてきたエスパルスにひっくり返されての3位に終わり、プレイオフに回ることになった。しかし、安定した戦い振りと、反町氏の用意周到な采配を考えると、最後のJ1昇格チケットを獲得するのは、山雅が本命と考えていたのだが。
 繰り返すが、正にストライカとしか言いようのない赤嶺の一撃。名将反町氏の憮然とした表情。そして、両軍サポータの天国と地獄。この表裏一体となったドラマは今年始まったわけではない。過去も幾度幾度も堪能させていただいた。

 熊田達規氏の「マネーフットボール」、主人公が自らの将来と恋人との幸せを賭け、プレイオフ出場権を目指すストーリは感動的だった。このマンガは大好きだし、リアルな世界でも上記のように様々な講釈を垂れたように幾度も興奮させていただいた。そして、この2試合もすばらしい経験となった。


 けれども。 

 やはり、J1昇格プレイオフはやめるべきだと思う。


 長期のリーグ戦の成績をあまりに無視し過ぎているからだ。幾度も触れるが赤嶺の一撃は最高だ。けれども、サッカーと言う競技は、1試合で評価するには、あまりに偶然が左右し、理不尽なのだ。理不尽が故に最高の愉しさを提供してくれるサッカーではある。そして、その理不尽さを回避するために、長期のリーグ戦が必要なのだ。それなのに、上位リーグへの昇格を理不尽にゆだねてよいものだろうか。

 チャンピオンシップが不適切なことは過去述べたとおりだ。しかし、金儲けのためと考えれば、それはそれで1つの理屈である。
 今シーズンのJ1。レッズの粘り強さが、フロンターレを上回った。技巧的でよいチームを作る能力には疑いないペトロビッチ氏が、過去の弱点と言われた、詰めの甘さ、リードされると慌てる悪癖をよく修正。さらに、遠藤航の獲得による守備の安定もあり、とうとう年間のリーグ戦を制したシーズンだった。一方で、中村堅剛と大久保嘉人が、小林悠と大島僚太と言う配下を得て見せてくれた技巧的なサッカーも中々だった。もちろん、前期シーズンを制したアントラーズの集中力も見事だった。
 明日から始まるレッズとアントラーズの戦いは愉しみだし、どのような結果になるかはわからない。しかし、どのような結果になろうとも、今シーズンは上記の記憶を愉しむシーズンとなるのだ。アントラーズがチャンピオンズシップを制したとしても、今シーズンのレッズとフロンターレの輝きが、損なわれるものではない。繰り替えすが、今シーズンのリーグ戦を制したのは浦和レッズだ。チャンピオンシップの結果がどうあれ、これは変わらない。皆がその記憶を語り合っていけばよいのだ。

 しかしだ。
 J1昇格決定戦は違う。たとえ、山雅が長期のリーグで3位を獲得しても、そしてその戦い振りを記憶しようとしても、そこには涙しかない。より上位リーグでの戦いを目指す人々にとっては、記憶は何のなぐさめにもならない。結果がすべてなのだ。
 確かにプレイオフはおもしろい。何度でも語るが、赤嶺の一撃は最高だ。上記したように過去幾度も興奮させていただいた。しかし、そのような刺激が、いかにおもしろいとは言え、劇薬に頼るエンタティンメントが健全ではない。エンタティンメントを求めるならば、入替戦を復活させればよいだろう。中位クラブに、終盤まで上位進出の希望を持たせるために、長期リーグの結果を軽視するのは、本末転倒なのは言うまでもない。
 上位リーグとの入替は、年間の通算勝ち点で評価するべきなのだ。
posted by 武藤文雄 at 01:30| Comment(1) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月13日

サウジ戦、そんなに心配はしてないけれど

 いわゆるAマッチデイにワールドカップ予選がなかったがために準備されたオマーン戦。久々に代表復帰した大迫が前半に2得点し、4対0で快勝した。まずは、15日火曜のサウジ戦に向けた準備と言う視点で、いくつか考えたことを。

 スタメンで起用された大迫、齋藤学、清武のできが上々だった。しかし、これは当たり前と言えば当たり前のこと。3人とも能力は折り紙付きのタレントでブラジルワールドカップのメンバ。そして、大迫と学はチームの大黒柱として好調ぶりを発揮しているし、清武はレベルの高いクラブで定位置確保に苦労しているようだが、起用されればよいプレイを見せている。
 既に完全に定位置を確保し代表の中心選手となりつつある原口と合わせ、彼らが代表の攻撃の中心を担うのは当然のことなのだ。ただ、原口を含めた彼らはみなそれほど若いわけではなく、20代半ば過ぎ。チームとしては極端な若返りでも何でもなく、今まで起用機会が少なかった実力ある選手達が、当然のごとく起用され始めたと解釈すべきだろう。
 こう言ったタレントたちが、中々代表で定位置を確保できずにいたのは、ハリルホジッチ氏が気弱の性格のためか、1次予選で岡崎や本田など既存の経験豊富な選手の起用にこだわったため。もっとも、この2人の輝きが格段だったことも確かで、ハリルホジッチ氏を責めるのは気の毒からもしれないが。
 さて、そうなると気になるのは岡崎と本田。岡崎はレスターで一時定位置を失っていたが、ここに来て取り戻しつつある。オマーン戦でも、得点こそなかったが、前線での存在感は格段。そもそもUAE戦にしても、イラク戦にしても苦戦の要因は、岡崎を勝負どころの後半半ばに交代させてしまったことにあった。サウジ戦でも頼りになることだろう。
 一方の本田は、オマーン戦ではスタメン起用。決して悪い内容ではなく、清武に前を向くスペースを提供し、よいクロスには大迫とタイミングをずらして飛び込むなど、よく機能してはいた。ただ、かつての体幹を活かした格段のボール保持力は失われ気味。これは年齢的な問題もあり、プレイスタイルの変更を考える時期に来ていると言うことなのではないか。そんなバランスの崩れが、豪州戦の前半、原口が作った決定機を外したことにもつながったようにも思える。さらに9、10月の試合では後半半ばに明らかなスタミナ切れを見せていた。ミランで「干されてる」のは、プレイスタイルの問題があるのだろう。そして、干されているが故にスタミナに課題が出てきているのだろう。いわゆる悪循環である。しかし、これだけの実績を残した男である、このまま衰えていくとはとても思えない。この苦しみの中から、新しい本田圭佑が登場することを期待したい。

 などと考えると、このオマーン戦はもう少し戦い方に工夫ができたのではないかと思えてくる。
 たとえば、サウジ戦で予想される中盤より前のスタメンは、長谷部、蛍、本田、清武、原口、大迫、と言うところか(私ならば、本田ではなく岡崎をスタメンとするが)。どうしても点をとりたければ、岡崎(または本田)、学、浅野を随時投入することになる。ただ、ここで、誰をどう並べるのかが、整理できているのだろうか。
 たとえば、リードしている状況以外で、原口を外すことは考えられないが、そうなると学をどう使うのか。2人を両翼に並べるとしても、2人とも左サイドから挙動を開始するのを得意としているのを、どう整理するのか。それをオマーン戦で試すべきだったのではないか。
 たとえば、大迫と岡崎を並べて起用する時間帯が必ずあると思うが、どのように並べるのか。岡崎を右サイドに置くのか、いわゆる2トップにするのか、大迫をトップ下にするのか(その場合の清武の起用法をどうするか)。こう言ったことこそ、もオマーン戦で試すべきだったのではないか。
 たとえば、ワントップの布陣を基本にしているのにかかわらず、岡崎、大迫、浅野、久保と、いわゆるトップで起用すると機能する選手を4人呼んで、どう並べ、使い分けるつもりなのか。特にオマーン戦の終盤、岡崎、浅野、久保を並べたわけだが、その3人の位置関係が不明確だった。オマーンが精神的に切れてしまい、日本継続猛攻状態になっていたから、いい加減な配置で問題は起こらなかったが、日本からすれば貴重な準備試合の時間を無駄にしたことになる。また、いわゆるストライカタイプの選手は足りているのだから、異なるタイプの選手を招集しなくてよかったのか。
 さらに言えば、リードをしたときのクロージングのやり方が見えてこない。タイ戦でも1対0でリードして、各選手が消耗した時間帯、ハリルホジッチ氏はぎりぎりまで選手交代を使わず、終盤ピンチを招いたのは記憶に新しい。香川にいたっては自分が得点できない焦りから、チームのリズムを崩すプレイを連続していたのに。豪州戦でも、守備組織はよく機能していたが、香川や本田が前線でキープもできなくなっており、交通事故のリスクが出始めたのに、氏の動きは遅かった。今のメンバを見ても、永木や井手口など、中盤守備で貢献できそうな選手はいるが、彼らをどのように起用するのか、よくわからない。岡崎や本田や香川がベンチに控えていれば、彼らを「守備を期待して」起用する選択肢もあるのかもしれないが。
 昨年、1次予選でシンガポールと埼玉で引き分けたあの凡戦。直前の準備試合のイラク戦で、大勝に浮かれたのか、香川の交代選手の確認などを怠ったことを思い出したりするのだ。

 そうは言っても。
 チームは着実に前進している。特に、春先のシリア戦以降、情けない限りだった守備面が、先日の豪州戦では格段に改善された。「やれるのだから、もっと早くやってくれ」との思いもあったけれど。さらには、豪州戦にしても、このオマーン戦にしても、麻也が落ち着いて守備の中核をどうどうと担ってくれたのは頼もしい限り。一時のおバカがなくなってくれれば、これほど嬉しいことはない。
 実際、オマーン戦では、前半日本のCK崩れのあと、蛍や丸山が対応を誤り持ち出された場面は感心しなかったが、組織守備は機能していた。いくら何でも、このサウジ戦の守備は期待できるだろう。
 攻撃にしても、冒頭から述べているように、働き盛りの多くの名手が、爪を研いでいる。色々迷走気味だったハリルホジッチ氏さが、さすがに的確なメンバを選考してくるだろう。
 何のかの言っても、ハリルホジッチ氏は着実にチームを前進させているのは、間違いない。そうこう考えると、過剰にサウジを警戒するのは、かえって逆効果かもしれない。むしろ、しっかりとスカウティングされた敵の長所、短所を把握したうえで(ハリルホジッチ氏のスタッフは、そのようなシゴトはしっかりしているはずだ)、当方のよさを前面に出す戦いが適切なようにも思える。
 サウジ戦、しっかりと組織化された試合で、確実に勝ち点3を獲得することを期待したい。
posted by 武藤文雄 at 17:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月06日

レジェンドへの処遇

 マリノスが、中澤に大幅な減俸を提示したと言う。あくまでも、この報道が事実としてだが、何とも複雑な思いにとらわれる。

 まず今シーズンの中澤は、マリノスのまごうことなき大黒柱だった。いや、今シーズンに限らず、ここ10数年ずっとですが。ともあれ、今シーズンのマリノスが、中澤の格段の守備能力に支えられていたのは間違いない。
 そして、敵にするとこれほど忌々しい男もいない。先日のユアテックで0対1でベガルタがやられた試合。栗原のミスを拾ったウイルソンが落ち着いてフリーのハモンにラストパス、しかしハモンはドタドタと寄せる中澤に魅入られたかのように左外に持ち出し過ぎ、シュートはあえなく枠を外れた。中澤の寄せのタイミング、位置取りのうまさ、事前研究によるハモンのドリブルとシュートの癖の理解、いずれも完璧な守備ぶりだった。中澤とハモンを比較し、「格の違い」と言ってしまえばそれまでかもしれないが、あの中澤の守備は本当にすばらしかった。考えてみれば、この悔しさを味わえないのだから、マリノスのサポータの方々はお気の毒だな(と、負け犬の遠吠え)。
 南アフリカでのカメルーン戦、試合終盤に、闘莉王のおバカにより「うわあぁぁぁぁぁあ」と悲鳴を上げた直後に、中澤が例のドタドタ寄せで見事にカバーリングしてくれた場面を思い出した。38歳になった今でもなお、その守備能力は、衰えを見せていないのだ。しかも、中澤は、この3シーズンフル出場だと言う。CBでのこの偉業は、万全な体調維持、警告を食らわない読みの深さによるものだ。大したものである。

 これだけの減俸を提示すると言うことは、マリノスフロントは「来シーズン、中澤は不要」と判断していることとなる。とすれば、その後継者候補を見つける自信があるのかもしれない。確かに、マリノスには、資金潤沢の出資団体がいるらしいので。確かに世界に目を広げれば、中澤よりすぐれたセンタバックはいるだろう。ただし、そのような選手は、皆欧州の超一流クラブに雇用されており、今シーズンの中澤と同等の年俸で雇えるとはとても思えないのだが。 
 もちろん、マリノスには朴正洙、ファビオなどのよいタレントがいるので、周辺のポジションでよい選手を補強して、強力な守備網を構築する構想があるのかもしれない。このあたりは、毎試合マリノスの試合を追いかけているわけではない野次馬には、わかりかねるところがある。しかし、マリノスは、J屈指の右サイドバックである小林祐三と契約更新しないことが、公表されており、謎は深まるばかりである。
 少なくとも、野次馬が見る限り、中澤と小林が2人ともマリノスを去るとすれば、マリノスは来シーズン、まったく新しいチームとして再構築が必要になるように思う。これは、随分思い切った判断に思える。

 もっとも。
 マリノスと言うクラブは、中澤のほかに、同じ38歳の中村俊輔と言う、超弩級のレジェンドを抱えている(一部報道によると、その俊輔にも他クラブからの強力なオファーがあるとのことだが)。そして、2人のプレイが格段であるだけに、チームの若返りが難しいと言う状況がある。さらに、この2人には相当レベルの高給が支払われていることだろう。そして、どんなに節制を重ねても、30代半ば以降、多くの選手は負傷のリスクを抱えることになる。実際、今年、中澤はフル出場したが、俊輔は負傷がちのシーズンを送った。高給で年長の選手は、その選手がどれほど偉大な存在でも、クラブにとって、リスクとなり得るものだ。まして、こう言ったレジェンドに対するサポータの崇拝は格段のものがある。このような選手への待遇は、とても微妙なものなのだ。
 そもそも、マリノスと言うクラブは、歴史的にも、。中澤、俊輔以前にも、木村和司と井原正巳と言う、日本サッカー史に輝くレジェンドを輩出している。そういう意味では、レジェンドの扱いの経験は豊富なはずなのだが、何かねえ、木村も井原も、このクラブとは微妙な別れ方をしている印象が強いのですよね。
 ともあれ、レジェンドを所有できるのは、クラブにとって、とても幸せなことだ。しかし、そのレジェンドたちを適切に処遇するのは、案外に難しい。そして、同世代のレジェンドを2人抱えるマリノスフロントの悩みは、わからなくもない。

 まあ、そんなこんなを考えても、マリノスの今回の中澤への対応は、あまり上手とは言えない。
 個人的には賛成しかねるが、この大ベテランを戦力外と判断するにしても、高給を負担しても雇いたいと考えるクラブが他にもあるはず。そのようなクラブへの移籍を花道として準備する手段もあったはず。
 それとも、まさかこの偉大な選手を、ディスカウントで雇用しようとは思っていないですよね。
posted by 武藤文雄 at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月03日

ホーム最終戦を前に2016

 早いもので、2016年シーズンも最終節。今シーズンは、ベガルタはホームにジュビロを迎えて戦う。そして、残念ながら天皇杯で苦杯を喫していることもあり、このジュビロ戦が、今シーズンのまごうことなき最終戦となる。ただでさえ、ホーム最終戦は胸高まるものがあるのだが、このメンバで戦う最後の試合と思うと気持ちは高まる。考えてみれば、リーグ最終盤よりかなり早くJ1残留を決めたシーズンは珍しい。勝とうが負けようが、大勢に影響のない最終戦。だからこそ、純粋に「勝ちたい」と言う思いが高まる。さらに、敵方のジュビロが追い込まれていると言うスパイスも加わっている。そしてウイルソン

 11月上旬にシーズンが終わってしまうことの愚かさを、いまさら語ろうとは思わない。少なくとも、Jリーグ当局は、「過ちては改むるに憚ること勿れ」と言う概念は理解しており、残念な方式は今年で打ち止めになるのだし。ただ、レッズとフロンターレによる1年を費やしたすばらしい戦いが明日完了するにもかかわらず、最終的な結果が別オプションとなる間抜けさは強調しておくべきだとは思うが。

 ともあれ。
 上記のとおり、ワクワクする最終戦である。いや、それだけではない。今シーズンベガルタが早々に、J1残留を決めることができたのは、、渡邉監督が組み上げてきた攻撃的サッカー志向の賜物だ。ハモンの大化け、奥埜の充実、三田の展開力、そして藤村、西村、茂木と言った自前の若手選手たち、これらの明らかなプラスを軸に、貪欲に攻め切ろうとするサッカーが結実しつつある。
 ただ、守備は難題だった。とくに、敵の速攻への対応は、なかなか修正されなかった。それでも、今シーズン加入した平岡と大岩の、個人能力の高さが、昨シーズンと比較すると、改善点にはなっていたが。
 しかし、ようやくこの終盤戦、敵速攻への対応が改善されてきた。前々節のヴィッセル戦の組織守備は中々よかった。前節のFC東京戦、充実した中島に切り崩された失点場面はさておき、後半幾度も迎えた東京の速攻への対応が、格段に充実していたのは嬉しかった。
 明日は、これらの集大成を見たい。今シーズン格段に改善された攻撃力と、終盤に向上してきた守備力。それらが、しっかりとバランスがとられた試合を見たいのだ。その、すばらしい組織戦を見ることができると期待したい。

 もちろん。
 ジュビロにとっては、とても大切な試合となった。「引き分ければ大丈夫」ではなく「大差で負けなければたぶん大丈夫」と言う試合は、入り方がとても難しい。かつて、アジアを制覇した名門クラブ、その制覇時の大黒柱だった名波監督が、選手達をどのようにモチベートしてくるか。
 そして、ジュビロは、典型的な「先方は特にそう思ってはいないが、当方は忘れられない」クラブなのだ。ベガルタのクラブ史においてとても重要な存在だった太田吉彰が敵方にいるのも、何とも言えない思いがある。
 ベガルタとしては、この尊敬すべき友人を粉砕することが、最大限の敬意となるのは言うまでもない。

 報道によると、ピッチで舞うウイルソンを堪能するのは難しそうだ。佐々木匠が起用される可能性もあると言う。どのような布陣で、どのような戦い方をするのか。上記したとおり、今シーズン、このメンバでの、集大成を愉しみたい。
posted by 武藤文雄 at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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