2019年04月27日

2019年シーズン、ベガルタ、ようやく楽観できた

 ベガルタは、8試合を終えて、1勝1分6敗、勝ち点4、得失点差マイナス6、17位。何とも冴えない成績に苦しんでいる。
そろそろ「J1残留は大丈夫か?」的な議論も出てくるし、敗戦時の選手たちの重苦しい表情もやりきれない。まあ、このように思うに任せない事態があるから、サポータ稼業は、堪えられないのだが。
 それにしても、一昨シーズンはルヴァンカップベスト4、昨シーズンは、天皇杯準優勝を筆頭に、うまい試合を見せればトップクラスのチームに勝ち切る機会も多かった。当然ながら、今シーズンは、さらなる上積みを期待したいところで、この苦境。いや、最高です。

 と嘆き悲しむ今シーズンだが、先日の敵地アントラーズ戦も、0-1での苦杯。悔しい敗戦だった。けれども、私は安堵したのだ。この試合を見て、私は「今シーズンはもう大丈夫だ、これから反転できる。」と確信を持つことができた。
 理由は明白、攻守両面でようやく合理的な試合を見せてくれた、つまり内容がよかったからだ。言い換えると、ここまでのリーグ戦、ほとんどの試合が負けて当然、ひどい内容だったのだのだが。
 試合内容が改善されたのもよろしかったが、もう一つ嬉しかったことがある。負けが込んでいることに加え、前節のトリニータ戦で、ひどい試合をしてしまい、チームとしては精神的にも追い込まれた状況だったはずだ。それなのに、このアントラーズ戦は、内容を大きく引き上げることができていた。トリニータ戦は、後半半ばから完全に組織崩壊してしまい、よくぞ2点差で食い止めた、と言う内容だったのだから。
 簡単にアントラーズ戦を振り返ろう。敵地の試合で、組織的な守備が機能、何度か好機は許したものの、最終ラインもよく粘り、完全に崩されることはなかった。一方で、幾度も逆襲速攻から好機をつかんだ。後半も同様の展開が続いたものの、セットプレイから失点。その後、分厚く守備を固めるアントラーズに対し、丁寧なパスワークで攻めこむ。そして、両翼から何回か好機をつかみかけたが得点を奪うことはできず、0対1での敗戦となった。
 こう言っては身も蓋もないが、所詮サッカーは運不運。このアントラーズ戦のような、合理的な戦いを続けていれば、よいこと、悪いことは錯綜するだろうが、勝ち点はついてくるはずだ。

 今シーズンのベガルタを見て、感じた大きな課題がある。
 それは、毎試合のように、見ていて信じられないような非組織的なプレスを強引にかけ、スルッと外されて、簡単に数的優位の速攻をされて失点することだ。ミスを引っ掛けられて速攻を許すのは、褒められた事態ではないが、ある意味では仕方がない。しかし、ベガルタの一連の失点はそうではない。自ら、強引に手中守備をねらい、敵に外されて数的優位を許し、アッと言う間に失点を重ねたのだ。このような失点は、マリノス戦、ヴィッセル戦、ベルマーレ戦、トリニータ戦、枚挙に暇ない。しかも、そのような不首尾にかかわる選手が、若い経験不足の選手ではなく、富田晋伍、関口訓充、蜂須賀孝治と言った相当な経験豊富な選手だっただけに、悩みは深かった。
 おそらくだが、渡邉監督は昨シーズン、それなりに好成績を収めたチームをブラッシュアップすることを狙い、集中守備からの速攻を狙ったのではないか。しかし、残念ながら、その組織作りはまだ未成熟。結果的には、上記の通り、幾多の失敗を重ねてしまっている。選手たちに能力以上の要求をしてしまった、と言う事ではなかろうか。
 さらに言えば、開幕から渡邉氏は、相当守備に重きを置いた戦い方をしている。これは昨シーズン終盤、思うようにボールを握れない時間帯に、主に左サイドを執拗に狙われ失点を重ねたことの反省から来ているように思える。そのような守備的なやり方で、一気の速攻を目指す集中守備が、どうしても機能しないと言うことだろう。

 一方で、昨シーズンオフから議論されていたのが、今シーズンの編成の問題だ。
 開幕から、渡邉監督は、富田(32歳)、関口(33歳)、移籍で獲得した兵藤慎剛(33歳)、そして梁勇基(37歳)を軸に、中盤を組んできた。誤解しないで欲しいが、この4人のプレイが悪いわけではない、いや、皆すばらしいプレイを見せてくれている。富田は相変わらず的確な守備力で中盤の一角を封鎖してくれる。関口は、常にアグレッシブなドリブル、衰えない運動量でチームに貢献する。今シーズン移籍してきた兵藤は、豊富な上下動で攻守に機能、中盤を支えてくれる。先日のサガン戦での得点はその典型例。そして、梁勇基、落ち着いたボールキープは、やはり格段。運動量が落ちてきた終盤、再三梁だけはよく周りを見た位置取りと落ち着いたキープでチームを支えてくれている。けれども、彼らをスタメンに並べるのは、どう考えても得策ではない。4人とも、90分のフル稼働は厳しい年齢になり、特に試合終盤は、いわゆるガス切れ状態となってしまっている。
 こう言った大ベテランに頼る布陣となっている要因の1つは、言うまでもなく、今シーズンの大黒柱と期待された椎橋慧也が、開幕直前に負傷離脱をしたことにある。
 ただ、それだけではなく、このオフ、奥埜博亮、野津田岳人の2人の中盤中央のタレントの放出を余儀なくされたことも関係しているだろう。レンタルでサンフレッチェが保有権を持っていた野津田はさておき、ユース育ちで仙台大、Vファーレンレンタルと、丹念に育成を重ねた奥埜の放出は誤算だったように思える。一方で、庄司悦大、藤村慶太、茂木駿佑と言ったJ2クラブにレンタルしていたタレントを完全移籍で放出し、ユース育ちの至宝である佐々木匠、小島雅也のレンタルを延長している。そして、石原崇兆、飯尾竜太朗、松下佳貴、道渕諒平、そしてシマオ・マテと言った、いかにも実効的なタレントの獲得している。このような補強政策を見ると、必ずしも中心選手を札束で奪われてしまい、オロオロしているようには見えないのだ。
 しかし、こう言った移籍選手へ戦術の徹底をすることに、計画以上の時間がかかってしまったと言うことではないかと思うのだ。なので、渡邉氏は上記のベテランを並べ、当面の試合をしのごうとしたのではないか。けれども、J1は甘くはなく、勝ち点の積み重ねに失敗したと言う事だろう。
 気が付いてみれば、アントラーズ戦では、石原崇と松下がスタメン起用され、相当な活躍を見せてくれた。終盤の勝負どころで道渕も起用され機能した。加えて、ここ最近の試合では、最終ラインに若い常田克人が抜擢され、(トリニータ戦で決定的なミスもあったが)堂々たるプレイを見せている。最前線ではジャーメイン良が、鋭い突破を再三見せている(シュートミスも再三見られるけれども)。そして、椎橋も負傷から回復し、ルヴァンでは活躍してくれている。

 そう、ようやく、反攻する材料がそろったのだ。
 確かに、勝ち点勘定から見れば、苦しい状況なのは間違いない。また、負けが続くと、選手たちも自信を失い、いかにも重苦しい雰囲気となってしまう。
 しかし、元々今シーズン、いわゆるBチームで戦っているルヴァンカップは好調で、早々に次ラウンドへの進出を決めている。そして、当初Bチームでプレイしていた移籍獲得選手や若手選手が、定位置を確保しつつある。
 そして、ここ数シーズンで築き上げた、チームとして基本的な戦い方は、少々の不調があっても消え去るものではない。勝ち点が積めず、難しい状況下でも、選手がしっかりそろってくれば、アントラーズ戦のような合理的なサッカーができるのだ。
 苦しい状況から始まった今シーズンではあるが、終わってみれば、「いやあ、最初は大変だったちゃねや」と笑えると、私は確信している。
posted by 武藤文雄 at 23:58| Comment(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする