そして40分、合衆国は久々に速い展開で、右オープンでロイドが矢野と1対1にするのに成功、この時点では日本の守備の人数も足りており、それほど危ない場面には見えなかった。ところが、岩清水のカバーが遅れ、矢野が縦の突破を許したのに対し中途半端な位置でセンタリングを見送るのみ。ニアでつぶれたロドリゲスに池田と安藤?が引っ張られ、中央でハプルスが全くのフリーになってしまった。その外にいた阪口が岩清水のカバーが遅れた時点で位置取りを修正していれば全く問題なかったのだが。これまで見事なプレイを見せてくれていた岩清水と阪口にミスが出てのまさかの失点。合衆国が日本に合わせたかのようなスローテンポでプレイをしていた時間帯で、若い2人に同時に気の緩みが出てしまったのか。一方で、合衆国の一瞬のスピードアップ、緩急の使い方は見事だったとも言えるのだが。
しかし、まだ同点であり、ゲームプランから言っても前半の1−1は御の字のはずなのに、この失点後突然に全員の動きがにぶり、フォアチェックが利かなくなる。安易なクリアで逃げる場面が多く、嫌な予感がしていたら、近賀の軽いプレイをつかれ左サイドで2対1を作られる。そして、強引に中央に切れ込んできた左サイドバックのチャプルニーが、安藤を抜き池田のカバーの直前に強シュート。福元もブラインドだったのか、ほぼ正面やや上方のボールを止め損ね、信じ難い逆転を食らってしまった。この得点は、この日の合衆国の攻撃に唯一日本の守備を切り裂かれた場面だった。もう1つ、この場面を含め、大黒柱池田がこの日は精彩を欠いていたように見えたのだが、さすがに疲労だろうか。
後半、日本の運動量が上がらず、前半のように有効な攻め込みが中々できなくなる。佐々木監督はボールを触る回数が増えない安藤に代えて原を投入する。しかし、この日の原はノルウェー戦の好調ぶりが全く見られず、ベテランらしからぬ球離れの遅さと判断の悪さで好機を演出できない。このような状態になった以上は、早めに疲労が顕著な永里に代えて荒川か丸山を投入し、前線からのチェックを増やすしかないと思われたが、佐々木氏は中々動かない。ようやく、荒川が交代しそうになった70分過ぎに3点目が入ってしまい非常に苦しくなってしまった。リードされて前掛り気味になり、日本の守備人数が足りないところでの逆襲や空中戦での失点のリスクも高い状態だっただけに、早めに交代の手を打つべきではなかったか。
3点目にせよ、4点目にせよ、狙ったとも思えないボールが福元の読みと外れて枠に飛んで入ったもの。いずれも福元のミスと言えばその通りだが、不運と言えばこれ以上ない不運とも言えるだろう。元々小柄な福元は、敵の攻撃を「読む」事で日本陣を守り続けてきた。このように読むキーパは、逆に敵がミスをして、狙っていないボールがたまたま枠に飛んだりするのを守るのが非常に難しい事になる。「偶然」は「読めない」のだ。福元は2点目については猛省が必要だが、3、4点目は割り切らなければならない。あのような不運はそうそう訪れる事はないのだし、消極的にならずに「読む」事に専念すべきだ。幸いな事に試合終了間際の合衆国の逆襲を、福元は見事な飛び出しで止めた。どうやら福元の気力は萎えていないようだ。
この難敵に対し、これだけミスと不運が重なり、さらに主将の出来も今一歩だったのだから、勝てる訳がなかった。それでも、終盤気力を奮い立たせ幾度か攻め込み、1点を奪ったのは次につながるのではないか。実際、この日を振り返っても、失点のうち「完全にやられたもの」は2点目だけ。一方で決定機、好機はそれなりに獲得に成功していたのだ。結果的に大差がついたが、この日はフィジカルで負けたのではなく、駆け引きや経験(と運不運)で負けたのだ。決して悲観的になる必要はない内容だった。そして、特に若手選手は「この日の失敗」を糧として、2度と繰り返さない「失敗経験」としてドイツ戦に臨べばよいのだ。
ドイツは合衆国以上に「力任せ」で来る可能性もありその面ではより厳しい戦いになるかもしれない。しかし、合衆国ほど緩急の変化はないはずだ。組織守備と変化ある攻撃では、優位に立てる可能性もある。
この日の後半の戦いぶりを見ても、各選手に相当疲労が蓄積しているのは間違いない。そもそも、高温多湿の場所で、中2日で6試合と言う日程が狂的なのだ。そして、その影響は運動量を生命線としている日本に対し、容赦なく利いてくる。しかし、母国からより遠く、慣れない気候に対応しているドイツ選手の方が、もっと苦しいのだ。
もう1度体調を整え直し、何としてでもメダルを獲得して欲しい。
少し前に出てきたときにロングシュート狙われて、
GKが戻れきれずに決まってしまうことがあります。
私は年に1,2度は見ていますし、リーグ全体では相当な数じゃないかなぁ。
「GK前に来たらとりあえず頭越しに蹴っとけ。何かが起きる」
といったお約束はあるかと。
日本ではショートパス繋ぎながら完全に崩して点をとる傾向が強い
(というより、筋力ないのでロングパスやロングシュートが
思ったように蹴れない)のでGKもロングシュートに対する
警戒が甘いところがあるのです。20回以上対戦しているのですし
(女子代表自体25年くらいの歴史しかないのですから、
年1回弱のペースですよ)、そういった日本の弱点は
知っていたと考えるほうが妥当でしょう。何度も狙われたら
警戒しますが、ここぞというところで一発狙われたら
恐らく止められないです。
4点目は単なるセンタリングの蹴りそこないでしょうがね。
というより3点目も4点目もDFが詰めきれないから
やられちゃったわけで、足が止まったのが痛すぎ!
それと小生も、3,4点目は運が悪かったと思いますね。頭越しを狙ったかもしれませんが、狙ってもあそこまで綺麗にクロスバーすれすれに入れるのは男子でも難しいはず。もっと言えば福元には悪いがこの点はゴールキーパーがあと数センチ身長があれば防げる点であり、内容に決定的な差は無かった。...負け惜しみも有りますけど、そういう事でドイツ戦も期待したいんですよ。
敗戦は無念…
何度かあのボールをトライしてたように見えましたけど…。
大会前から期待していたチーム。準々決勝までどうにか乗り越えてきたしぶとさ。
まだ終わってません。「銅メダル」のために切り替えてほしいです。
あと犬飼会長がJチームに女子サッカーチームを!とコメントしているとの報道も。いい動きだと思います。
大会前から期待していたなでしこ。運と疲労と実力が出てしまった準決勝。でもまだまだ「銅メダル」の一戦が残っています。6戦できる喜びで最後の一戦に期待したいです。
犬飼会長がJ33チームに女子チームをと呼びかけるようです。いい時期の発言だと思います。
最後まであきらめない姿勢は見事でした。
しかし、こうもまでフィジカルの違いを見
せられるとは思いませんでした。
繋いで繋いでシュートのなでしこに、サイ
ドへのパス一本でシュートまで持ち込める
アメリカ。手数の違いは致命的でした。
しかし、その中で最後までつめて取った2点
目は、男顔負けのファイティングスピリッツ
を感じました。
今の日本代表も、某仙台のチームにも見習っ
て欲しいもんです。
masudaさん、NOBUさんのおっしゃることと近いかもしれませんが、アメリカと比べるとミドルシュートなどパワーの面で見劣りします。(ですので、ショートパスを繋いでゴールに近づくことを重視していたと思います。)
アメリカの2点目については、まさにスピードとパワーというフィジカルの要素で上回られた失点だと思いました。
3、4失点目については、2回続いた時点でもはや必然と私は捉えます。
もちろん、フィジカルで上回る相手に、スライディイングを果敢にしかける玉際の激しさや、パスワークで健闘したのは素晴らしかったです。次のドイツはアメリカ以上のパワー型チームであり、現実的には勝てる要素は少ないですが、頑張って欲しいと思います。
フィジカルの差はずっと前から言われてきたことです
それを埋める努力をしてここまで上がってきているのです
そのことは認めてください
これからもその努力は続くのですよ
まずは3決でベストゲームを見せてほしいです
後半のアメリカは見事でした
あれだけ押し込まれてしまえば消耗するのは必然
一見不運に見えるゴールの伏線は明らかでした
だからこそアメリカのサッカーを
力押しという切り口で理解することは危険です
彼女達はそれ以上に力の使い方がうまかった
つまりチームとしてのインテリジェンスが
日本に比べて際立っていたから勝利したのだと
このことをまず認めないと
両者の力関係はいつまでも同じ立ち位置のままだと思います