2008年09月13日

マナマ参戦記(下)

 代表チームに対する論評は別に行うとして、簡単に今回の中東体験を振り返っておきたい。本質的にはサッカーとは関係ない話ばかりだが。

 過日のコメント欄でyoshidaさん(高校、大学の大先輩)より、「私が代表チームと帰国便が一緒だったのではないか」との指摘をいただいたが、それは違います。(自分はその写真を見ていないのだが)他人の空似の模様(どうやら私と同じ、フィリップの必勝Tシャツをお持ちの方のようだが)。冷静に考えて下さいよ。せっかく本業をサボって休暇を取る以上は、弾丸ツアーなど使わずにタップリと観光を愉しみますよ。いずれにせよ、私は中東旅行者にはおなじみのエミレーツ関西空港ドバイ便を利用し、マナマに丸2日、ドバイに丸1日滞在したのだ。

 まずラマダンについて。
 昼間の飲食は原則禁止されている。過日も述べた「カラート・アル・バーレーン」観光。超高温超高湿の中で、その要塞跡をトボトボと歩きながら、心底水分が欲しいと思った。チャータした車に戻ると、運転手が「車の中でなら水を飲んでもよいだろう」との事で、ガソリンスタンドでミネラルウォータを購入し一息ついた。考えてみれば、訪問客は我々だけだった。水なしでの外歩きは確かに危ない。しかし、18時以降は、日没なので飲食はOKとなり、また違う世界がある。マナマのショッピングセンタでは、「The Ramadan Night」と、幾多のイベント計画が掲示されていた。夕刻17時くらいに市井の飲食店は、「待ちきれずスタンバイするオジサン達」で満ち溢れていた。彼らにすれば、これはこれで大変なお祭りなのだな。
 しかし問題は酒精取得。マナマもドバイも中東にしては、酒精フリー(もちろん場所を選ぶが)と言う話だったのだが、これがラマダン中はダメなのだ。
 我々が滞在したマナマのホテルのレストランは昼食を出してくれる(プレスの方々の多くが泊まったホテルは、朝食と夕食だけで昼食はルームサービスのみだったらしい)が、酒精だけはいくら頼んでもNG。だったら「人目につかなければよいだろう」と考え、ルームサービスで酒精を頼むもNG。う〜ん。
 ドバイに移動し、こいつに学び砂漠ツアーを愉しむ事にした。先日も述べた同行いただいたサッカー狂会の大先輩は、93年の合衆国大会1次予選(日本とUAEのダブルセントラルでのリーグ戦だった)でUAEに長期滞在した時に砂漠ツアーを愉しんだとの事。曰く「砂漠での上下左右も1つの経験だが、大事なのは夕食のビール。月明かりのキャンプで、バーべキューを愉しみながらのビールが最高」。と言う事で、ドバイで砂漠ツアーを発注する際に念押し「ラマダンでもビールは飲めるのか」と。アラブ人独特の巻き舌英語の係員が、「No problem, you can drink beer, but there is no belly dance」との事。ベリーダンスなしは残念だが、とにかくビールさえ飲めりゃいいやと言う事で、砂漠に向かった次第。バーレーンの砂漠は「白い」のだが、UAEの砂漠は「茶色い」我々のイメージ通りの砂漠だななどと思いつつ、4WDでの上下左右の大揺れ、サンドスキー、遠方に見えるラクダの群れ、砂漠の日の入りなどを堪能した。そしていよいよバーベキューと喜び勇んで砂漠の中のキャンプ場へ向かった。
 と こ ろ が で す よ。
 現地の係員が「It's Ramadan today, you cannot drink any alcohol, if you have claims please contact your travel agecy」と言いやがる。かくして、ここでもビールを飲み損ねた。でもバーベキューは美味しかったな。
 ラマダンとは「外国人旅行者に酒精を提供しない」イベントだと理解した。少し、いや違うか?

 ところでマナマと言う都市は、観光的にはあまり面白みがないともっぱらの噂だったが、そうでもなかった。少なくとも、丸一日の観光としては十分に愉しめる。上記の「カラート・アル・バーレーン」の他にも中々の観光地があった。
 まず「キング・ファハド・コーズウェイ」。島国のバーレーンだが、サウジとは橋で結ばれている(橋の全長は25kmらしい)。その延々と続く橋の半ばの中洲に両国の国境がある。そして、その国境手前に見晴らしのよい塔があり、冷房がタップリ効いた展望台で、アラビア湾を堪能できる。私は単純な人間ゆえ、高い塔とか長い橋が大好きなのだが、両方をタップリ愉しむ事ができた。ビールを飲みながら堪能できたら最高だったのだが。
 もう1つは「グランド・モスク・バーレーン」。モスクに限らず、神社仏閣あるいは狂会じゃなかった教会などの宗教施設の観光と言うと、古の伝統的なもののありがたみを堪能する事例が多いのだが、こちらは80年代に建立された新しいモスク。考えてみれば、宗教施設とはお祈りをする場所だから新しいものが作られるのは不思議ではないし、ふんだんのオイルダラーで作られたモスクが絢爛豪華で見るべきものがあるのは当然。と言う事で、実に美しいモスク観光を堪能した次第。いかにも現代風の幾何学模様、茶色系、灰色系の落ち着いた配色、手入れが十分されている輝く大理石。しかも、我々の団体+先着していた若いサポータ夫婦の8名の日本人に、きれいな英語を話す(偉そうな事は言えないが、こちらの人々の英語は巻き舌が強く聞き取りづらい)黒い法衣(アバーヤと言うのかな)をまとった若い美人が、建物の由来やら成り立ちを丁寧に説明してくれるのだ。これはこれで大変よい経験になった。

 少しはサッカーの話も。競技場で結構ガッカリした事がある。まあ遠藤のPKが決まった時点で多くの人々が帰宅してしまった事や、スタンドがガラガラだった事はご愛嬌だろう。
 しかし、音が割れるほど大音響の場内アナウンスに脱力したのだ。中東で多く見られる応援方式として、スピーカで大音響のコーランっぽいお祈り?が流れる。個人的には、スピーカでの応援は大嫌いだが、あくまでもサポータの応援方式の相違と考える事もできる。ところが、場内アナウンスは主催側の対応、それでも試合前に景気づけで応援のリードをするくらいならば、1つの方法だとも理解できなくはない。ところが、このアナウンスは、選手入場時に応援を始め、あろう事かその大音響で国家吹奏がかき消してしまったのだ。おかげで君が代がちゃんと歌えなかった。ブーイングで吹奏が聞こえなくなるケースは幾度も経験しているし、それは敵方のサポートの努力の成果とも言えるから、不愉快だが仕方がない。しかし、主催側の愚挙で君が代がまともに歌えなかったのは初めてだ。腹が立った。
 さらに、このアナウンスの応援は、試合中もワーワーうるさかったのだが、選手を元気つける効果があるとは思えなかった。遠藤のPK時は、さすがに場内アナウンスは妨害を試みなかったが、その時の敵サポータ達のブーイングは結構迫力のあるものだった。逆に言えば、他の時間帯のバーレーンサポータの熱狂的な応援をも、逆にアナウンスがかき消していたのだ。

 サッカーの応援のついでに異国を実感する旅は愉しい。たったのべ3日の体験で、その国の本質を理解できる訳ないのはわかっているが、それはそれ、何も体験しないよりはマシだろう。超高温長多湿、砂漠、ラマダン、モスク、応援スタイル、アジアを戦うライバル達への理解が少しは深まったのかなと。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>先着していた若いサポータ夫婦

ども、本人です!一瞬だけですが、お世話になりました!

と言っても、近いうちにどこかで再びお会いする事になるのでしょうけど、、、はは。

戦評も相変わらず納得ものですが、旅行記も楽しく読ませていただきました。個人的には、ラマダンは振り返ってみれば楽しかったです

ちなみに、夫婦ではありませんので悪しからずwww
Posted by ぺこ at 2008年09月15日 05:24
旅行記楽しかったです!

そうか、我々は砂漠のある国と予選を戦っているのだなぁ、と改めて実感しました。

日本代表応援&砂漠ツアー、これから流行りそうですね。
Posted by XTC at 2008年09月15日 11:13
また遊びに来させていただきます^^
Posted by ベリーダンス イベント 大阪 at 2009年03月13日 20:05
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