2008年09月27日

2つの得点に満足

 朝から少年団の審判やら采配やら、坊主の中学校の試合観戦やらを堪能し、午後遅めからJの映像を冷やかす。ちょっと嬉しかった2つの得点。前後関係を抜きにして、ただその場面だけを愉しむ。

 アルディージャ−ヴィッセル。ヴィッセルの2点目。
 大久保が自らのシュートをはね返されたボールを拾い、再度クロスを上げる。吉田孝行がそのクロスをいかにも彼らしいボレーキックで決めた。
 こぼれ球への反応は、いかにも大久保らしい敏捷性のあらわれ。この男は、まあ色々「アレ」なのだけれども、このような本能的な「速さ」には惚れ惚れする。ワールドカップ本大会で、このいわゆる「アレ」男が大柄な欧州選手をキリキリ舞いさせる姿をやはり見たい(まずは豪州相手に見せてくれるだろうが)。もっとも、また予選の最中に「アレ」しそうな気もするけれど。
 そして、いかにも吉田孝行らしい小さい空間でのターンからのボレーシュート。私はこの選手が昔から大好きだった。そして、今でも目を閉じれば、あのフリューゲルス最後の試合の決勝点を思い出す。そして、このボレーの一撃は、あの99年1月1日の決勝点と同じ系譜で語られるべきものだった。この選手は、トリニータと言う財政面では決して恵まれていなかったクラブで全盛期のかなりの期間を送った。そのチームの主将として、ありとあらゆる難しい仕事をこなしていた吉田。でも、私はこの小柄で俊敏な選手の、小さい空間での得点力が大好きなのだ。ここまでの吉田の経歴は素晴らしいものがある。でも、でもね、もう1回この選手に20歳に戻ってもらい、ストライカに専念して欲しい気持ちもあるのだ。中村俊輔、明神、宮本、柳沢のマレーシアワールドユース。大会直前に負傷して離脱した吉田。もし、あの負傷がなく、吉田がマレーシアに行く事ができていれば...

 レイソル−フロンターレ。フロンターレの5点目。
 一度火がついたフロンターレの猛攻を、さしものレイソルも消しそびれた一戦。それでも、後半レイソルはその苦しい後半戦を堂々と戦った。0−4から2点差まで追い上げ、その後も攻勢を仕掛ける。その終盤、憲剛の悪魔のような縦パスから、ジュニーニョが抜け出し、菅野の果敢な飛び出しをかわしてトドメの5点目。
 ご承知のように、私は憲剛のロングパスが大好きだ。そして、そのパスからジュニーニョが抜け出す瞬間には、本当に興奮させられる。究極の名場面はこれね。この一撃もその一連の歴史を積み重ねる一幕。
 ただし、この一幕には、それを阻止しようとする菅野が彩りを添えてくれた。ここしかないタイミングでの飛び出し。ギリギリかつ微妙に(退場にならぬように)手を使わず飛び出したのだが。川島も西川も山本海人も皆いいよ。でも菅野もやはりいい。楢崎の控えを争わせたいではないか。
 飛び出した菅野を外したジュニーニョの冷静そのものの無人のゴールへのシュート。一連の帰化報道。詳細はわからない。しかし、この素晴らしい職業人が、我が国の国民になろうとしてくれた事だけで、私は嬉しい。菅野を外した瞬間の冷静さ。このような素晴らしい教材が国内にあるのだから、日本の若いストライカ候補達は存分に幸せだと思うのだが。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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