2008年11月29日

15年前を思い出した

 明日のベアスタとニンスタとに思いをはせつつ、天上界を眺めて。

 アントラーズ−ジュビロ。終盤猛攻をかけるアントラーズ。ロスタイム、(アントラーズから見て)左サイドに流れたボールをマルキーニョスが追いかけ、後方から駒野が追いすがる。で、駒野が明らかに手を出して押す形になりファウル。代表選手の軽率なプレイ。何か悪い予感がした。
 その通りになった。ここまで見事な集中を見せていたジュビロ守備ライン、最後の最後で、信じ難い集中切れ。確かに増田のFKは早かったし、岩政のヘディングは高かった。しかし、マークにつべき大井は完全に岩政を見失っていた。後方から必死に駒野が競りかけたが、15cmの身長差に加え、挙動開始点が後方では。

 オフト氏は極端な守備網を引いてきた。3DFで分厚く守るのは常識の範疇だが、自軍のCKで後方から誰も上がらないとは。
 ここからは、もう25年以上もお付き合いさせていただいているオフト氏心理の邪推です。この試合が始まった時点で、ジェフはエスパルスにリードを許していた(リーグ戦が煮詰まってきたこの時点、結構試合の順番は運不運を左右する)。もし、このままジェフが負けてジュビロが引き分ければ、17位(自動降格圏)のジェフとジュビロは勝ち点3差になり、得失点差で格段にリードしているジュビロは自動降格はなくなる。と言う事もあり、確実に勝ち点1を確保する事を考えたのではないか。
 で、鈴木秀人をDFの中核にしたジュビロの守備は分厚い。興梠とマルキーニョスが動き回り、本山と野沢が後方から進出するアントラーズの猛攻を押え切る。そうこうしているうちに、攻め上がる内田の後方をジウシーショが突くカウンタから逆襲も有効になっていく。35分過ぎだったか、駒野の好技からのセンタリングを前田がボレーで当て切れず。その直後、ロドリゴのスルーパスから内田の大外を抜け出した前田が抜け出すが、僅かにトラップが前方に流れ打ち切れず(これを内田が読めるようになれば、これを前田が確実に決められるならば、それぞれがアジアレベルでは最高レベルのタレントと言う事になるのだろうが)。
 これをしのぐと、再びアントラーズペースに。本山が駒野を内側にふくらむドリブルでかわして出したスルーパス、興梠が流れる事で作ったスペースに入り込んだ野沢のシュート(川口の飛び出しで僅かに枠を捉えきれず)は見事だったが。

 後半。オリヴェイラ氏はあくまで勝ちを狙う(最終節、最下位とは言え敵地のコンサドーレ相手に勝ち点3を獲得するより、ホーム最終節での勝利を重視すると言う判断だったのだろう)。野沢に代えて田代を投入。FWを増やし、内田の位置を前に上げて仕掛ける。
 しかし、ジュビロの守備は忠実にカバーリングを繰り返し崩れない。むしろ、アントラーズの中盤が薄くなった分、逆襲も有効になり、幾度となくジウシーニョの突破と、前田のキープから逆襲を仕掛けるが、どうしても前に出てくる人数が足りず攻め切れない。

 終盤、オフト氏は名波、中山の2大老を投入する。これは終盤に1点を取って勝ち点3を取ろうと言う采配だろうが、解せなかった。そりゃ勝てれば降格のリスクは、極めて少なくなる。しかし、ここまで押し込まれていたジュビロ選手の疲労の色は濃い。この2大老は、ある程度よい位置で前を向いてボールを持てれば、あるいは受けられれば、大仕事をしてくれるだろう。しかし、周囲の若者が相当疲弊している終盤では...
 どうしても勝たなければならない試合ならばさておき、せっかくここまで丹念に守ってきたのだから、無理に勝ちを狙う必要があったのかどうか...

 ともあれ、結果は出た。アントラーズは大きく連覇に近づいた。ジュビロは降格リスクを残した。しかし、お互い何もまだ掴んでいないし、失ってもいない。
 まあ、そう言うものだろうな。ただ、終盤しっかりと守りにいかなかったオフト氏。あのアラビア半島の小都市での甘美な悲劇。ああ、あれから15年の月日が経ったのか。
posted by 武藤文雄 at 22:57| Comment(6) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
でもね‥終盤守りに行くと攻めに出た以上に相手の攻撃は激しくなる訳で‥。今回の采配もラストワンプレーの刹那だけの賽の目。新潟-大宮戦の新潟の様に守ろうとしても崩壊することもあるのがロスタイム付近の難しいところでしょう。
Posted by token at 2008年11月29日 23:49
試合終了の笛が鳴り、オフト監督の姿が映し出された瞬間、私も、先週のドーハではなく、15年前のドーハを思い出してしまいました…。
Posted by たーち at 2008年11月30日 02:43
オフト氏が名波と中山を投入したのは、いざとなったら前線に放り込んでキープしろという合図だったのでしょう。つまり、引分け狙いの指示です。いくらオフト氏が名波と中山を偏愛しているとしても、あの二人に得点を期待するほど耄碌しているとは思えません。でも、「負けないサッカー」に不慣れな磐田の選手達には、この手の「プロサッカー的常識」が理解できなかったようです。後半40分過ぎの松浦のミドルシュートなどがいい例です。
まあ、世の常識人から見て一番理解不能だったのは、駒野のあの軽率なファウルですが。
Posted by at 2008年11月30日 10:20
アジア最優秀監督についてまだですか・・・
Posted by ガンバサポ at 2008年11月30日 17:25
いつも楽しく拝見しております。

中山と名波の投入、ですか?
もはや、戦術とかチーム運営とか、理屈とか情とか、そういうレベルの話ではないのでしょう。
変な言い方ですが、そういう人、そういう運命にある人、のような気がします。

使える見込みはほとんどないのに、ドーハまで都並を連れて行ってしまったように。
Posted by molirinho at 2008年11月30日 23:01
天上界もさることながら、地上界も大変なことに。「無駄にリーグを盛り上げてしまった」感いっぱいのベガルタですが、さて・・・。さまざまなケースを妄想しているうちに七転八倒の一週間は過ぎて行きそうですが、暇がありましたら講釈お願いします。
Posted by かわうそさん at 2008年12月01日 10:38
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