2009年01月28日

バーレーン戦生中継失敗について

(この原稿は試合前にまとめていたものです。ところが、有料のネット中継は定員オーバで利用できませんでした。こうなると、事態は非常に深刻です、そのあたりは別途考えていきたいと思います。試合そのものについても別に述べます。)

 バーレーン戦のテレビの生中継がないと言う。一般の方々における日本代表人気の凋落と景気の悪化が重なった事がきっかけなのだろうが、残念であると共にどうも釈然としない。一部報道に見られた日本協会首脳の発言「バーレーンサイドが法外な金額をふっかけてきて、交渉決裂」がよく理解できないのだ。いくつか推定できる原因を整理してみた。

 1つ目の可能性、登場人物の皆が間抜けだったと言うのが原因か。最初ふっかけきたのは事実かもしれないが、あくまでもこれは交渉ごとだ。最終的に交渉が決裂してしまっては、誰も得をしないではないか。バーレーンサイドは得るものはゼロだし、日本サイドも我々は試合を見られないし、テレビ局もコンテンツを失いカネは一銭も入ってこない。日本協会も非難される。交渉術においては、「意地を張りすぎて誰も得をしない」と言うヘタクソな交渉そのものの典型例ではないか。玄人が交渉したとは考えられない見苦しい結果である。
 2つ目の推測。もちろん、スポンサがこのコンテンツに対して払う対価が、中継の費用を下回るならば、テレビ局は何もしない方がよい。特にこの不況でスポンサの財布の紐が固い事は容易に予想される。これならば決裂も仕方がない(もっとも、「この苦境を救った○○社」と大きなPRになるので、結構な宣伝効果はあったと思うが)。しかし、それならば冒頭の日本協会首脳の発言は嘘になり「代表チームへのテレビ局とスポンサの評価が、バーレーンサイドの限界金額を下回った」と言うべきだ。これまでは交渉が成立していたのだから、今回だけが法外な金額を要求されたとは考えづらい。もっとも、それでもバーレーンサイドは、テレビ局の下限金額を下回る金額で販売した方が収入になるのだから、妥協の余地はあったはずで、ヘタクソ極まりない交渉なのは言うまでもない。
 3つ目。「交渉当事者の『誰か』が、相場を下げたくなかった」と言う可能性がある。バーレーンサイドかもしれないし、AFCかもしれないし、広告代理店かもしれないし、日本協会かもしれない(複数関係者の共謀による可能性もある)。今回のアジアカップで、日本のテレビ局サイドが許容できる金額で妥結してしまうと、今後の商売に差し支えると言う考えだ(あるいは既に別権利を購入した客に顔向けできない、あるいは値下げ交渉をされる、などもあるかもしれない)。これならば、1つ目、2つ目と異なり、日本協会も「嘘をつく」しかないのだから、ある意味で納得できる。
 4つ目、今回の試合は有料のネット放送(と言う日本語が正しいのかどうかはわかりません)で観戦可能だと言う。私も早速登録を行い、これで試合を愉しむつもりだ。もし、こちらのルートの会社が、日本の放送局より高い金額を払っているならば、十分考えられる事態。今回のネット放送局は登録も簡単だったし、これが成功し、かつビジネスとして成立するならば、これまでの放送の概念を大きく変える事になるかもしれない。消費者サイドの我々としては、このルートで観戦可能ならば、それはそれで全く問題ないのだし。ただし、報道で噂されている数千万円の放映料を、今回の聴取料でカバーするとなると、10万人もの人の観戦が必要なのだが、そんなに多数の人が利用するのだろうか。広告料との抱き合わせ、ネット中継そのもの宣伝など、別収入も考えられるのだろうが。

 おそらく、2、3、4番目なりが混在したあたりが真実なのではないか。日本のテレビ局が許容できる金額が低すぎる事に困る誰かが交渉を長引かせ、最終的にテレビ中継をするには時間切れとなり、ネット局に(やや安価で)投売りされたとか。
 ネットで見られるのだから不満を言ってはいけないのかもしれないが、大昔のように「映像が見られるだけまし」と言う悲しい時代にだけは戻って欲しくない。とりあえず重要なのはそれにつきる。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(11) | TrackBack(0) | マスコミ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どちらにしろ、こういう試合に負けてしまうと今度はW杯予選ですら中継がなくなることになりますからねえ。シドニーアトランタ世代で牽引してきた日本代表もそろそろ終わりが見えてきたと思えば、下の世代は不作気味ですから。またいつか、日本で、第二の黄金世代が出てくるといいですね。

そうなれば、広告代理店やマスコミが煽らずとも、国民の皆さんが自然にテレビに食いついてくれるでしょうとも。
Posted by クロスミダ at 2009年01月29日 06:39
そのネット中継ですが、個人情報、カード情報全て書き込んで登録完了したにも関わらず観られませんでした。
Posted by ヒナッチ at 2009年01月29日 07:44
情けない話ですが
地上派放送なくてよかったですよ、結果的には…
自分はネットでみましたが、
放送があったら国民の何%かに
敗戦&無様な試合を国民の多くに見せる羽目になってました
ますます代表の注目・人気がなくなる試合でした

あと弱いだけならまだあれなのですが、
北京世代以降の選手があまりに淡々と一本調子に試合をこなす(例;叱咤、選手同士のコミュにやりとりがない)
元ジュビロの山本監督の”人間力”じゃないですが
こういうものの欠如を感じます
若手選手に

最近の若者に接するとこれはサッカーだけに限らないとも感じますが
Posted by あつ at 2009年01月29日 10:22
自ら辞めるのか?協会が辞めさせるのか?
監督の質そのものにも深刻な事態ですね。
Posted by K at 2009年01月29日 10:25
単にアジアの方々が
”対日本戦はこのように戦えばなんとかなる。”
というのが明確になっただけの話。
日本という国がアジアの中では強豪と認識されてきた中で研究されてくれば結果があまりついてこなくなる時期があるのは必然。

最近の若者はとか言ってるのって、情けないですよ。そういう若者を育ててきたのは”諸先輩”たちなのですから。
Posted by よしお at 2009年01月29日 11:55
今回有料中継担当のLiveSports.tvの運営がMP&Silva。
放映権を持っていた代理店がMP&Silva。
これを何と言うべきなんでしょうか。
Posted by y at 2009年01月29日 13:24
韓国あたりなら分かりませんが、日本の場合インターネット環境が
貧弱ですから「ネット中継で販売」というビジネスは
まだ成立しないと思いますよ。現に見られなかった人が
多数出たわけで、現時点では地上波中継の代わりには
なりえない。そんなことは、ネット事業者なら分かって
いるはずです。

>yさん
売れると思っていた放映権が売れなかったんで、
代理店が慌てて自前のインターネット中継局で
小金を回収しにきたんだと思いますよ、被害を最小限に
するために。

計画的にやったのならもっと大々的に宣伝して強力な
サーバも準備していたはずです。
Posted by masuda at 2009年01月29日 14:56
某掲示板では↓のURLが貼られていて無料で見れました
ttp://www.justin.tv/silvar22

やっていることが穴だらけですよね
Posted by taka at 2009年01月29日 16:47
>最近の若者はとか言ってるのって、情けないですよ。そういう若者を育ててきたのは”諸先輩”たちなのですから。

すいません勘違いさせてしまったようですが
私はまだ29歳です…
それでも同世代以下に責任があるとは思いますが
でもニュースや記事に接してるとこれ日本だけの問題じゃないようなんですよね
世界でも特に先進国で同傾向
核家族化や情報端末への依存(パソコン、携帯、TV…etc)
情報量は増えるけど顔を合わせて人と接する時間は減る一方

犬飼会長も言ってましたが
精神、心、サッカーに必要な知識など内面の教育は必須だと思ってます
Posted by あつ at 2009年01月29日 17:20
若者がどうとか分からないが、日本人監督などの指導者の力量不足もあるんじゃないですか・・・

今回は特に岡田さんの限界を見た気がしました。
Posted by moon at 2009年01月29日 18:22
>あつ さん

犬飼会長にも、精神、心、サッカーに必要な知識など
内面の教育は必須だと思ってます。
Posted by 五反田西口 at 2009年02月01日 23:11
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