試合は予想通りの展開となった。開始早々、田中達也が見事な動き出しで右サイドをえぐり低く鋭いセンタリング。飛び込んだ玉田のシュートはDFの見事な寄せもあり、僅かに枠を捉えきれず。早くも、豪州の守備ラインが日本の俊敏な選手を苦手としている事、しかし豪州守備陣の球際の強さが抜群な事、それぞれを再確認する事ができる立ち上がりとなった。
両国とも丁寧にビルドアップして試合を進める。
豪州の選手達のボールを回す能力はかなり高い。06年の1/16ファイナルでイタリアと互角に近い勝負を演じた際にも改めて感心したのだが。ただし、豪州には遠藤や俊輔のように緩急の変化を付けられる選手がいないから、日本の守備陣がしっかりと下がり、前線の選手が厳しいプレスをかけると、出しどころがなくなりCBまでボールを下げる事になる。序盤に危なかったのは、闘莉王の(お約束の)ミスパスから長友がファウルで止めたFKくらいか。
一方日本は、玉田と達也の上下動に加え、俊輔なり遠藤の抑揚があるため、豪州はプレスをかけ切れない。そうこうするうちに、闘莉王がフリーで正確なロングボールを入れたり、達也や松井が前向きに仕掛けるなりで、豪州を圧迫する。ビルドアップの対抗ならば、やはり当方が優位に立てる。
揺さぶりを繰り返し長谷部が落としたボールを玉田が得意の左足で強振するが浮かしてしまう。内田が見事なドリブルで2人を抜き去り好クロス(これ以降豪州の左サイドはほとんど押し上げられなくなった)。長谷部?(達也だったかも)が連携から右サイドをえぐりマイナスのセンタリング、玉田が全くのフリーに見えたが苦手の右足のせいか合わせ切れず。幾度も好機を掴む事に成功、頼むから決めてくれよ。
一方で感心するのは豪州守備陣の勇気。あれだけ裏を突かれても、決然としてラインを下げない。さらに隙を見て日本人内に押し込んでくる。素晴らしいチームだ。前半終了間際、CKから中澤が競り負けて混戦になった場面、遠藤がつなぎに入り前に出たところで長谷部も俊輔も後方に下がらず、巧く後方に引いたケーヒルにミドルシュートを打たれた場面(都築が好捕)など、ヒヤリとさせてくれる。さすがだ。
後半、序盤こそ豪州が圧迫をかけてくるが、日本の守備網は冷静に対処。単純なロングボールを中澤、闘莉王がことごとくはね返す。「勝ちたい」日本だけに岡田氏は早々に松井に代えて大久保を投入。松井の変化技は存分に豪州を悩ませていたが、ここで直線的に敵陣を狙う大久保への早めの交代は妥当だろう。
そして日本が圧力を強める。後半半ばから、さすがに豪州の守備ラインも上げきれなくなり、前の3人と後方の7人の間が広がり始める。その隙を逃さず、俊輔が右サイドの精緻な崩しから大久保にラストパス、振り向き様の一撃はやや弱くシュバルツアに防がれる。左右への揺さぶり後、内田の崩しから遠藤がフリーで強シュートを放つがこれまたシュバルツア。左サイドを大久保、長友の連携で完全に崩し、長友の正確なセンタリング、完璧に合わせた玉田、ヘディングが浮く。う〜ん、崩れん。
恐れ入ったのは豪州の敢闘精神。終盤あと10分、引き分けモードに持ち込むのかと思ったが、ケネディを投入し、死力を振り絞ってラインを再び上げてきた。何と言う連中なのだ。敵ながらあっぱれ。この試合初めて闘莉王が空中戦を競り負け抜け出されかけた場面はヒヤリとしたが、長友が完璧なカバーリングで防いでくれた。
しかし、前に出てくれば裏を突ける。内田の完璧な突破、これまでニアの低いボールを主体としていてが、ここだけはよくルックアップして大外の長谷部へ。「入った!」と思った長谷部のグラウンダの強シュートは、大久保(岡崎?)に当たって(GK前で方向を変えようとした?)、ゴールラインを割った。
さらにあと数分。「豪州を押し込んで決勝点を」と考えたが、俊輔も遠藤もさすがにガス欠で攻め切れず。
日本が見せた試合内容も見事だったが、それに対抗した豪州もまた見事。崩しきれず、悔しい0−0と言う結果に終わった。
スタメンが予想されたケネディもマクドナルドもベンチ。2日前に来日した豪州選手の体調も万全ではなかったのだろう。一方で終盤当方の大黒柱の俊輔も遠藤もガス欠状態。これだけの素晴らしい娯楽を、このような不適切な日程にしたAFCには腹が立つ。両国がベストで戦えれば、もっと凄い娯楽になっていただろうに。そう言えば、豪州のサポータも千人の単位で来ていたな、これはこれでお互い喜ばしい事だ。
両国とも、予選でこのような相手と頻繁に戦う事ができれば、格段の強化になるだろう。そしてこの試合は、「強化」「経験」と言う観点からは満足すべき試合であり、来年の本大会に向けて上々の準備となった。ワールドカップ予選で毎試合このような経験ができれば、「強化」と言う観点からは言う事がないのだが、まあそれはそれとして。ともあれ、豪州がアジアに来てくれたからこそ、この試合が体験できた事は間違いないな。
しかし一方でお互いに悩みは深い。
冒頭に述べたが豪州は中盤に変化が足りない。ビルドアップは列強と互角にできても、崩すのは難しい。空中戦や力勝負も、今日のように日本に対してほとんど好機が作れない以上は、欧州や南米の列強に対抗して好機を作れる頻度は非常に少なかろう。上積みをどうするのか、ピム氏の手腕に注目したい。
一方の日本。岡田氏の構想どおり俊敏な選手の連動で豪州を崩しかけたが、崩し切れなかった。内容がよかっただけに、これに如何に上積みするかは悩ましい。贅沢を言えばキリがなく「よいストライカが欲しい」「決めろ玉田!」「俊輔と遠藤にもっと体力を」「もっとGKから早く組み立てろ」などなど。これはこれで上積みは簡単ではないが、順調にここまでチームを上げてきている岡田氏に期待しよう。
それにしても面白い試合だった。
【日本代表の最新記事】









「『個』のレベルアップ」と言いたくなる気持ちは
分かるなぁ。監督がどんなに知恵を絞っても、結局
点取るのは選手だものね。決定的チャンスでシュートを
吹かされちゃ、監督としてはどうしようもない。
布さんの発言もアジアユースのチームやアジア内での
狭い話ではなく、より一般的な日本サッカーの問題点を
育成面から語ったと捉えたほうがいいのかもしれませんよ。
昨日みたいな試合でしっかり点を決められる選手を
代表監督に供給するのが布さんたち育成年代指導者の
仕事で、その仕事が出来てないから岡ちゃんが苦労している
側面もあるわけで。
布さんに豪州戦のあとインタビューしても恐らく
前エントリと同じことを言うと思います。豪州戦のあとで
あの発言なら、そんなに変なイメージ受けないんじゃないですか?
布さんは育成年代の指導者なんですから、ワールドユースに
出られなかったという結果を特に重視しているとは
考えにくいんですよね。結果はおいといて、一般論として
語っただけではないかと。インタビュアーがそれを
ちゃんと理解してないとあんな感じの記事になるん
じゃないかなぁ。
4回くらいありましたよね。
足元にボールがわたるたびに不安でした。
方向は合っている、と自分は思います。
南アフリカでドイツの過ちを繰り返すくらいなら、昨日負けてたほうがマシ。
本気で世界ベスト4に入れると勘違いしてる「岡ちゃん」と心中はしたくないな…
世界との違いは選手の「個」と「戦術」の差。
戦術ってのは「監督の個」…
選手の「個」は時間がかかるにしても「監督の個」はすぐにでも変更出来るのにな。
充分すぎる準備で臨んだ日本に対して、コンディション不足のボロボロの状態でアウェイ戦に臨んだオーストラリア。
昨日のオーストラリアはあれが精一杯だった筈です。
選手も我々サポーターも必要以上に彼らを恐れ、最後の一歩で踏み込めず躊躇した、そんなゲームでした。
唯一のゲームプランであった省エネ展開に持ち込み、見事に凌ぎきったオーストラリアの台本通りであり、日本はその芝居の良き共演者として想定内の動きに終始した、という感想です。
昨日のあしらわれ方を見ると、両国のサッカーに対する熟成度には少し差があるなと感じさせられました。
(今までがひどすぎたから!?)
昨日の展開は豪州の筋書き通り、見事アウェーで勝ち点1を奪った。
ということだと思います。
アウェーでの直接対決で、無理して勝ち点3を奪う必要のない中、
守りはきちんと守り。
攻めに関しても、随所で攻めれた。(無理はしなくても)
これで十分の内容でしょう。
翻して日本は、幾ら攻めても得点に結びつかないという非効率的な攻めをひたすら繰り返す。
内容良かったんでしょうか?
岡田さんのインタビュー記事を読むと、日本の方向性と昨日の戦いには矛盾を感じましたが・・・
結果を言えば、豪州の立場で考えれば、これで1位突破はほぼ確実になったんだから、満点の結果でしょう。
2位でもいいという甘いレギュレーションなので、
日本としては、まあいいんじゃない・・・って感じじゃないですかね。
ワールドカップ出場が目標とすれば、これで良しとするのにやぶさかではありませんが・・・。
アジアカップを経由していない第2次岡田ジャパンの評価として、
この上ない舞台だったと思うのですが。
昨日の試合の結果が出た後で全ては豪州の計算通りだった、というのは岡田ジャパンに対してあまりフェアな評価では無いと思います。
日本が2位に甘んじているのは豪州に勝てなかったからというよりも
一にも二にもウズベク相手に勝ち点を落とした事、これに尽きると思います。
あの試合も終盤圧倒しながら決定力を欠きましたよね。。
やはりW杯で勝つ事を目標とするなら個のレベルアップは自分も必須だと思います。それが無ければ誰が監督をやっても良い試合どまり。アジア杯当時の高原がいれば昨日だって勝っていたと思います。
ただW杯本番で勝てるかというと、昨日のを見る限りかなり厳しいのではとも思います。また1勝することすら難しいのではと。岡田監督の言うベスト4なんてとても・・・
ただ内容はともかく予選でオーストラリアと真剣勝負が出来たのは良いことですね。この経験はW杯本番でも生きると思う。昨日の試合の反省点を見つめ直して、チームを作り上げてほしいです。
もう岡田監督の解任は無いでしょう。俺は素直に応援します。森本を試すこと、あとは高原の復活を期待します。玉田も悪くないが、松井、大久保、田中を活かすなら高原みたいなタイプがいたほうがいい。
相手の人数がそろってからの攻撃が多かったですね。
憲剛−岡崎みたいなラインもあるにはあるけれど
もう少しパターンを作って攻撃してくれないモノか?
テヴェス−メッシのゴールを個人能力でかたずけないで
あれは代表チームが何年もやってる形だという事を分かって欲しい。
「クローズ」とか名前が付いてる南米式ショートパス戦術が
できてる時とできていない時があって、不安定。
もうちょっとパスワークの練習をした方がいい気がします。
日本は選手が共通して持つスタイルが確立してないから
オシムみたいに練習でしつこく仕込まないととっさにできないみたいですね。
まー下の年代も別に仕込まれてないので永遠の課題になりそうですが。
テレ朝様が作ってくれましたので、試合の『面白さ』に関しては、
当家のドシロウト家族でも盛り上がれる試合でしたよ。
欲を言えば、ゴールが1つ2つあったら、更に盛り上がったと思いますが、
オオッと思えるプレイもソコソコあったし、「視聴率」は稼げたんじゃないでしょうか?
さて本題。
「ジャパニーズチビッコが針でチクチク刺していく攻撃」は絵になってきた感があります。
個人的に、あと欲しいのは、相手の守備網を切り裂く「ナイフ」(ハサミ?)。
見渡して、キチンと研いでありそうな刃物といえば「森本」ですかね(笑)
嫌味満点のピムですら「中盤は警戒」と言ってますので、
セリアAで「まずまず」レベルのFWが居れば、相手はもっとイヤでしょう。
高原の復調も期待しつつ、20歳という伸びしろを期待しております。
追記
伸びしろという点では、磐田の松浦さん・仙台の関口さんにも期待しております。
アジア杯予選などもあり準備に時間をかけられたとはいえ、国内組はまだシーズン前の難しい時期ですよ。
欧州組に関してはOZと同じ条件ですし。
できる人なんかいないんだから、「武藤さんは
岡田氏のことになると目が曇る」ということを
承知の上で読めばいいんだと思う。
正直オーストラリア相手にこれだけポゼッション出来るとは思わなかったけど
攻撃に変化もなくつまらない試合展開
内田のハーフちょっと戻ったぐらいからのキーパーへのスローインとか何?って感じでした。
昔加地が代表にいたころ、
バックラインでパスを回すだけだったので各駅停車とジーコに酷評
今も対して変わらないですね
そして、いくらポゼッション出来てたとはいえ
90分遅攻オンリーなら相手にとってこれほど守りやすい相手はいない・・・
アジア予選程度ならまだしも、
ブラジル、スペインなどポゼッションすら出来ない相手と相対したときに
何も出来ずに負けそうですね
ワールドカップに出るのは最低ノルマなのだから
さらに上を見ていってほしい
これはベガにもいえることですね(^o^;
特に全選手が90分間集中を切らさずに戦い続けたメンタル面の強さは、イタリアなど世界でも一部の国しか実行出来ないレベルでしょう。
が、だからこそ逆に限界が見えてしまいました。今のやり方ではカタールには通用しても、豪州クラスになると通用しないのか、そんな暗澹とした気持ちにさせられました。
同じ試合内容・結果で監督の名前が西野・反町だったら酷評だったんだろうな・・・と想像できちゃうからなぁ。
たしかに裏を狙っていたけど、それは達也くんの個人の能力であって、松井・大久保・玉田は一体何やってるんだ、と訝ったものです。
マンガ「ジャイアントキリング」ではないですが、万人が見て「つまらない」と感じるということは、やはりそういう試合しかできていないということですよ。
昨日と同内容・同結果の試合前任者がやってたらサッカー通の皆さん絶賛するんじゃないかなあと思いながら私は現地で見てました
勝手に「万人」とやらの意見にしないでください。
全盛期の久保や、釜本クラスがひとりいれば確かにベスト4も夢じゃない。
候補は、高原の復調、森本、前田、大迫勇、原口元気、あたりの覚醒ですかね。
これに日本にはわんさかいる小兵タイプのなかで調子のいいのを組み合わせれば。
ジーコが本当に言ったのだとして。
なぜ、選んだ本人がこんなことを言えるのか?
なぜ、それを諾々と引用できるのか?
こういう体質が06年の結果と、その後の後遺症(なかなか立ち直れずもがいている)をもたらした。
これも悩ましい問題ですな。
いやそれ以前に「90分遅攻オンリー」とか書いてる狛鷲って人には見る目ないのが明白でしょ。
きっとビール飲みながら観戦してたんですよ。んでどう見ても遅攻じゃない遠藤のシュートはビールションベンしに行ってて見てなかった、とかw
それなのに「攻撃に変化もなくつまらない試合展開」てアホか、と。
そもそも「各駅停車」はオシムのせりふじゃなかったっけ?
セルジオ御大も指摘されているように、交代のカードを上手く切れてないように、私なぞは感じました。
交代を、ただ疲れている選手とフレッシュな選手を入れ替えるためだけに使うのは、実にもったいない。
親善試合とはいえ、交代のカードを使いきり、スイスに勝ちきったオシムの采配は、やはり岡ちゃんよりずっとよかった。
2002、2006のヒディングの各代表における采配もやはり素晴らしかった。
この点岡田氏に限界があるのかも知れません。
しかし、大変失礼な言い方ですが、この年俸クラスの監督では十分の試合運びじゃないでしょうか。ジーコよりずっと期待が持てる上にワールドカップにも出場できそうです。
協会には、多額の予算を半端な人材に半端に当てるのではなく、5年先10年先を見据えて上手に使っていって欲しいものです。
ユニフォームの重みを感じなさい」と。 メッシBlogより
岡田の4強発言・・・正直冷めるよ