昨日のヴェルディ−サガン、ヴェルディ菅原の世界最速?の退場劇にはさすがに驚かされた。今日はこの珍事件について様々な視点から講釈を垂れたい。
YouTubeの映像を時計で測ると、菅原がサガンFW池田をなぎ倒した時は開始5秒足らず、主審の飯田氏が赤紙を差し出すまでは10秒足らず。なるほど、これは世界最速記録かもしれないな。もっとも「退場の時間」は反則を実行した瞬間なのか、主審がカードを差し出した瞬間なのかで、議論は別れるかもしれないから、正式タイムを同定するのは難しい。そう、「世界最速の得点」を比較するならば、キックオフからネットを揺らした時間(正確にはゴールラインを越えた時間)を正確に計測して比較すればよいが、「世界最速の退場」の比較はそう単純でないのだなと。
考えてみると、この場面は「現実的に開始最短に退場劇が起こるとすれば、これしかない」パタンだったのではないか。キックオフ側が能動的な速攻で敵陣を急襲したとしても、守備陣の相当数の選手が集中を欠いていない限りは、退場となるような反則で止める状況にはならないだろう。もちろん、得点が入りそうにない状況で退場になるような大反則が行われるとは考えづらい。と考えると、キックオフのリターンパスをミスして敵に狙われると言うこの菅原の自作自演こそ、典型的な世界最短パタンに思える。
結果的に90分をマイナス1人で戦ったヴェルディが2−0で勝利した事が、この珍しい出来事をこのように面白がれる事態にしてくれた感もある。もし、これでヴェルディが大差で負けていたら、結構悲惨な話になっていただろうから。ネット界隈でも、菅原は勝利給をもらえるのかとか、10点法の採点で菅原は何点になるのか、など皆が愉しんでいるしな。ともあれ、このように人数が少なくなったチームでも、相応に抵抗できるあたりが、サッカーの理不尽さでもあり難しさでもあり、もちろん面白さでもある訳だ。
もう1つ。飯田主審の勇気にも感心させられた。(少なくともYouTubeで見る限り)これは決定的得点機を故意に阻止した反則であり退場とすべき反則だろう。通常は主審が赤紙を切ると何となく「そこまでしなくとも」との感想を抱く事が多いが、この反則は「これは赤だな」と言う反則だった。以前、ゴール近くの反則を退場にすべきか否かについて長々と講釈を垂れた事がある。その分類からしても赤紙が妥当。ただし、あの開始早々の場面で迷わず赤紙を出すのは結構勇気が必要だったと思う。もし黄色で止めても、開始早々の混乱と言う事でサガン側はそれほど抗議などもしなかったのではないか。しかし、毅然と的確は判定を下した事は高く評価されよう(ただし、この試合の全映像は見ていないので、この試合での飯田氏の評価はできないのだが)。
と、あれこれ講釈を垂れ続けたが、最も強く思うことは単純。この試合を生観戦した人への羨望。
2009年04月16日
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飯田主審は若い方のようですから今後に期待です。
試合を通して見るとむしろ「カードを出さない」「流す」タイプに思えました。
私の感覚だと「イエローを出した方が…」という場面が2つ3つありましたね。
基本的に、開始早々に相手に中央突破される守備陣、というのはどーしたものか?!と思うんですよね、私は。
90分間のゲームの中で、集中力が途切れたり、ミスを犯すのは仕方がないと思うのですが(それが許されるかどうかは別にして)開始早々、ですよ。マークを見失ったりパスミスしたり、お互いの意思疎通を欠いたり、個人的にも組織的にもミスを犯すには早過ぎる時間ではないかと。
この菅原という選手、昔に比べたら随分成長したなあと感心していたのですよ。昔は良くも悪くもハードクラッシャー!的な選手だったのに、今じゃシンプルにボールに触れながらゲームをコントロールする術も身に付けたインテリジェントな選手だと。それが開始早々、こんなミスを犯してしまうというのは……やっぱりこれが限界なのかなあ、この選手と東京ヴェルディの。
でもこれって、あのプラット?
そちらの方が気になります。
http://r-type.blog.so-net.ne.jp/2009-01-04-1
キックオフ時にサイドに張っている選手は前を見ずに
ボールのほうを見ている(センターサークル内で
ボールを
動かしてからじゃないとセンターラインを超えられないから)ので、
1.「よし、ボールが動いた!」
2.前を確認せずにダッシュ
3.おっと、相手選手が目の前に
4.慌てて止まろうとしたけど、
5.間に合わないので思わず突き飛ばしてしまった。
このパターンなら3秒退場は可能かな。実際どうだったかは
分からないですし、ボールの関係ないピッチの端っこで
起きてることよく見ているな、という感じですが。
でも、中央付近はセンターサークルの向こう側に相手選手が
いるんだから、3秒以内に突き飛ばすのは難しいよねぇ。
コメントありがとうございました。
小生は試合前から「やってやる」と思っていた選手がホイッスルとともに「やってしまった」のではないかと思っています。(さてはて?)