いくら相手が疲れていようが、あれだけの難敵に勝ったのだ。素直に喜んでいます。しかも2点差をひっくり返したのだから。ああ、酒がうまい。
基本的に景気よい話が続く。だから、まずこの試合でとても残念だった事を2点書いておきたい。
1つ目。1−2以降の約15分間の戦い方。いきなり後半開始早々に敵のギャンの個人能力にやられる(詳細は後述)。その後、気を取り直して日本は攻め込む。俊輔との連携で闘莉王が強烈なシュートを放ちGKに候補される決定機からペースを再確保。前半からのよい流れを引き戻した。そして、日本は岡崎の強引なクロスに前田がつぶれ、左から走り込んだ憲剛が左足で見事な得点を決めた。
問題はそれ以降だ。1−2で一筋縄で行かないフィジカルの強い連中がズラリと揃う厄介な相手。それに対して、単純に前に行くか?DFとFWとの距離が開き、双方に決定機が次々と生まれた。日本も憲剛、駒野、俊輔が惜しいシュートを放った(それにしても、闘莉王のヒールから抜け出した憲剛は、超決定機だったのだから決めてくれよ)。一方で、ガーナにもギャンとアモアーに再三決定機を許し(都筑がよくがんばってくれた)。そして、とうとうアモアーに3点目を許してしまった。
これはないだろう。このような敵に対し、ノーガードの攻め合いをしたら、ゴール前の能力差が出てしまうのだよ。結果的にその後先方が力つきたからよかったが、1−2以降はまずしっかり守備を考えてくれ。
2つ目。CBに岩政を試さなかった事。オランダ戦でスタミナ切れを起こした内田に代えて駒野を起用したので、「スタメンは中澤、闘莉王で行こう」と言うのは理解できる。また残念だった内容のオランダ戦を受けての試合だから「結果」を出したいのも理解できる。しかし、このような難しい試合は、センタバックのバックアップを試す絶好の機会ではないか。中澤ですらギャンの能力にやられる程なのだからこそ(まあ中澤もトシもトシなのだが)、岩政を試す絶好機だったと思う。
以降は景気よい話を軸に。
まず前半はよかった。当方のシュートと失点場面直前を除けば。
本田のスタメンを期待していたのだが、前田、岡崎の2トップに、いつもの4人のMFを並べた。バランスはいいし、「結果」を考えると、まあ納得できなくはないのだが。
立ち上がりこそ、ガーナの肉体能力にとまどい危ない場面があったが、プレスが決まり始まると日本ペースとなる。オランダ戦の反省もしっかり打ち合わされていたのだろう、遠藤がテンポを落とし、憲剛が飛び出し、俊輔がラストパスを狙う。岡崎と前田が、奪われた直後の「攻」から「守」の切り替えが早くしかも厳しいフォアチェックを行う。追い込まれた状態のロングボールを除いては、後方の選手達も丁寧で低いフィードを心がける。岡崎の動きながらの止めと、前田の懐の深い納めは、それぞれ通用する。前田のこのチームへの順応は順調なようでやれやれ。結果的に、急ぎすぎず、しかし中盤で的確にボールを奪うバランスのよいサッカーが実現した。ガーナのMFは初期動作が遅れるので、日本のMFたちは、前を向いてよい体勢でボールをさばける。結果的に守備ライン後方にタイミングと精度のよいパスが次々に出る。
しかし、入らない。
前田も岡崎もトラップが外に流れ、よい体勢で得意の場所にボールを置き切れない。Jでは置けても、あの強靭な守備者が寄せるとまだまだなのだろう。考え方を変えれば、これこそよい経験だ。ちなみに岡崎が左に開きながらボールを受け、内側に止め切れずに持ち直し、センタリング狙いのふりをしてノールックでニアサイドを狙ったシュートはよかったな。
しかし、入らない。
俊輔も精力的で、グラウンダの強烈なシュートを打ったり、憲剛に完璧なスルーパスを通すなど、中々のでき。
しかし、入らない。
件の俊輔のスルーパスから憲剛が完全にフリーで抜け出した場面など、憲剛が落ち着き払って、振りの速いシュート、完全に入ったと思われた。
しかし、入らない。
よいペースなのだが、ガーナの「強さ」と「巧さ」には苦戦。僅かにボールを置く位置がずれると、強引にボールを奪取されてしまう。さすがに、欧州でプレイしている俊輔と長谷部、老練な遠藤あたりは、慣れているのかうまくこなす。しかし、岡崎、前田、憲剛、長友あたりは、随分苦労しながら「学習」する事となった。
しかし皮肉な事に、失点を導くミスをしたのは欧州組の俊輔と長谷部だった。失点場面。うまく長谷部がキープし、直前に駒野が飛び出す。パスが通れば決定機と思われるタイミングだったが、長谷部のボール扱いが僅かにずれパスを出し損ねる。やむを得ず、長谷部は近くの俊輔に逃げのパス。ここで俊輔が軽卒にボールを奪われて速攻を許す。この攻撃は長友がCKに逃げたが、そのCKからPKを奪われて先制された。
このような相手に対して絶対にやってはいけないミスをした俊輔と長谷部。頼むよ。
失点直後、ペースを崩した日本だが、遠藤のすばらしいプレイでペースを取り戻す。俊輔の巧みなキープを右サイドで受け、実に見事な溜めと前進でガーナMFを外し、駒野に絶妙なパス。これは巧かった。駒野は身後をえぐり、憲剛に合わせ、ガーナDFがオーバヘッドでしのいだこぼれ球を、俊輔が強烈なシュート。GKがファンブルするが前田が詰め切れず。惜しい。しかし、これで日本がペースを取り戻し、前半は日本ペースで進んだ。
それにしても、入らない。
シュートは入らないし、あっけなく点をとられるし。「内容がまあまあで結果が出ないとつらいなあ」と思わされる前半であった。まあ、今に始まった事ではないけれど。
そして、後半に入り、上記の流れで、1−3となってしまう。
長谷部に代えて稲本は色々な意味で当然と言えば当然。苦しい状況で、欧州でプレイしているベテラン起用。遠藤と稲本のドイスボランチって懐かしいな。
さらに玉田、本田と日本屈指の本能型選手2枚を同時投入。前田と俊輔がベンチに下がる。前田はさすがにガーナの厳しさんに戸惑っていたが、よくキープしてくれた。俊輔は上記ミスと、明らかにエシアンにパスを読まれていたのに注文相撲にはまってしまったのが残念だった。見方を変えれば、このエシアン対俊輔の直接対決は相当高いレベルではあったのだが。
これがガーナの疲労、稲本と遠藤の老練な中盤、驚異的な体力で元気に満ち溢れる長友、などの好要因と見事に絡み合って感動の逆転劇を生んでくれた。
たとえば玉田の得点。玉田に対しては「いいから、得意の左足の強シュートだけは決めて下さい」とかねがね言っていた通りの一撃。いいよ、いいよ。とにかく、玉田が前向いて左足で打てる体勢に持ち込み、敵陣に強烈に蹴り込んでくれればよいのだ。
たとえば岡崎の得点。これまで執拗にガーナ守備陣の裏を狙い続けた岡崎の勝利だった。この試合岡崎は、遠藤や長谷部がボールを持った瞬間にオフサイドポジションに位置取り、戻って裏を突く動きを執拗に繰り返していた。その岡崎のいやらしい動きへの対応に、ガーナのDF陣はとても苦労していた。その努力が、とうとうここで報われた訳だ。
たとえば稲本の得点。再三強烈な前進を見せていた長友が、落ち着いて稲本にグラウンダのラストパス。右サイドで本田が全くのフリーで呼んでいるのを見た稲本は、その本田の陽動動作を巧く活かして、冷静そのものの一撃を決めてくれた。ああ、この男がこのような老獪なプレイを見せてくれるようになったのだ。
本田だが、相変わらず受け方が下手。交代早々に玉田に出したスルーパス、同点時に遠藤に出した浮き球のパスなど、なるほど能力の高さを見せてくれた(いや、グランパス時代から能力高いのはわかっていたのだが)。しかし、この試合でも後半煮詰まった時間帯での起用のためか、もう1つはっきりした結果を残せなかった。再三右サイドでフリーになってボールを呼ぶまではいいよ。でも、そこで止まってしまうのだもの。あれじゃ、周囲はパスを出しづらい。ちょっとでいいから、斜め後方に下がり、前進しながら受けるような位置取りをするとか。身体の向きを真横でなくて、斜めにして正体方向を敵ゴールに向けるとか。いくらでも、工夫できると思うのだが。
おそらく本田は、この日の日本人選手で唯一、不完全燃焼だったのだはないか。あのプレイを見ると、岡田氏がスタメンで使わなかった事には納得できる。いや、だからこそ、スタメンで使って、頑張らせたかったのだが。難しい選手だねえ。
その後は、さすがに岡田氏も、興梠と阿部を起用し、完全クローズ体制に。疲労しきったガーナは何もできずに試合終了。
マンオブザマッチは遠藤だろう。オランダ戦の反省を活かした絶妙なペース作りはすばらしいものがあったからだ。うん、遠藤がいいと、やはり我々は強いと言う事か。あと、次席は長友。あの後半の再三の長駆は見事だった。
上記した1−3となった頃のノーガードの場面は気に入らなかった。しかし、前半の相変わらずの内容のよさと、シュートのひどさと、不用意な守備振り。そして、後半の非組織的動きによる2失点と、敵の弱みをついた逆転劇、文句も多いが、何とも愉しい試合だった。勝ったのだし。
うん、勝ったから嬉しい。しかも、オランダ戦と合わせ、色々な事がわかってきた。非常に実りある遠征だったと思う。いや、よかった、よかった。
2009年09月09日
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Weblog: 日刊魔胃蹴
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個人的には中澤がやられた場面が一番鮮烈でした。
これが今までの代表チームに足りなかった点ですなあ。
あのカスさえ背の低い1TOPに固執しなければ・・・。w
守備で言えばオランダ戦でズタズタにされた日本の右サイドが、しっかりと守備していたのが良かったな。
だいたい、守備ができないディフェンダーがだな(以下略)。
監督の××さが良く表現された2試合でした。
彼が変なことさえしなければこの程度はできると。
ここで遠藤っていうのが玄人なのかなw
しっかりやれていい結果もでると予想どおりでした
武藤さんがおっしゃてるように、あの動きではパス出せまん
個の違いでやられたとしかいえない失点は
監督も選手も責める気にはなれない
(DFをスピードをある選手にかえれば、
今度は高さや強さにやられるだけでしょう、、、)
それでも防ぐ努力はするべきではありますが。
こういう戦いもできるんだ・・・と素直に驚いてます。
0-3と、プレス標榜の戦いも、欧州遠征無得点というグズグズの状態。
いつもの「チャンスはつくるけど結果が出ない善戦マン」で終わるか
と思ってました。
予定通りではあったのでしょうが、『王様俊輔』を外し、稲本・本田の
「冷や飯/窓際組」を投入。
TV画面では、中澤・稲本がダイナミクスの指示を大きな身振りで出すようになり
本田が、一瞬のタメでダイレクトで「タテ」に玉田に出したパス
(ペナルティエリアの端に切り裂くようなタテのパス)が出てから、ニッポンの
スピードが格段に上がりました。
パスは「ダイレクト・ワンタッチ」の頻度が上がり、チーム全体のベクトルも
アップテンポに集約されてきたように思えます。
武藤さんの言質とは違い、本田のパス&ゴーによる組み立てで、右サイドは日本が
イニシアチブを握れたように思えますし、彼が持って内に絞り、タテに行こうとする
姿勢でガーナのDFがわずかに引っ張られ、稲本のスペースが生まれ、彼の華やかな活躍
につながった感があります。
遠藤も「俊輔を活かす」という孫悟空の輪が外れてからは、ガンバで魅せるフレキシブルで
速いサッカー、クラブ選手権に近いプレイになったように思えます。
点数を取ってからは、本田への警戒優先度が落ち、本田のチャンスもあったのですが
あそこで点を取れないのは、まだまだ。彼の伸びしろと考えます。
なによりも、65分過ぎはディフェンスまでも『組織じゃない!最後は個の力で何とかするのだ!』
という想いが、伝わってくるような鬼気迫るモノを魅せてもらいました。
素直に『戦っているのだなぁ』と共感できた代表戦って・・・久しぶりだったと思います。
思い出すのは「トルシエ」。戦え!と鼓舞するタイプの監督でしたが、彼が
俊輔のプレイスタイルを選択しなかった理由の一端がわかったような気がします。
稲本-本田は、イナ-ヒデ という組み合わせに近いのだというコトも理解しました。
・『相手が準備できないほど早く強いプレイ』を標榜し、タテを意識したヒデと
チームがシンクロしたトルシエ時代。
・野放しで才能ある選手の「ごった煮的ケミストリ」にまかせちゃったジーコ時代と
・プレスに固執、人的優位を守備重視にしてしまい、善戦までで点が入らないかった60分まで・・・。
サッカーの結果は『相手よりも多くゴールする』こと。
タテへの連動は、リスクが高いが『虎穴にいらずんば虎児を得ず』が鉄則だということ。
シンプルな結果を教えてくれたガーナ戦でした。
だんだんトップ下らしいプレースタイルになってきました。
俊輔は判断が遅く、ダイレクトパスが出せない。
疲労とか怪我ではなく、元からなので問題がある。
この辺は石川ならクリアできるので、ちょっと試して欲しい。
本田は憲剛を見習ってアグレッシブに動かないと外されるでしょう。
前田の強さ、玉田の速さ、岡崎の運動量。
お互いを補える力があるので2トップが良いですね。
3トップでも良いと思いますが。
オランダ戦の2点目に続き、一対一で完敗した中沢にはつらいものを感じました。もともとアジアレベルの選手なのか、衰えてきたのか解りませんが、CBのバックアップは急ぐべきですね。私も、岩政を使ってみて欲しかったです。
ま、「素直に」とあえて書いたのだからわかってらっしゃるんだろうけど。
当方とてオランダ戦のショックと疲労でそんなに内容は良くなかったものの、結婚式二次会モードのガーナ相手に前半からビッグチャンスを作るのに、QBK4連発(前田、岡崎、憲剛、俊輔)で完全に白けモード。そりゃそうですよ。本戦でこんなチャンスなかなかくれるわけないのにこんだけ決められないって…。
底に穴の開いた船に乗って必死で水を掻き出す愚かさのようなものに気づいて全員心が折れましたね。
そんな流れでは必然ともいえる失点。さすがに監督の鼓舞で一時的に気持ちを立て直してチャンスを作っても、…やっぱり決められない。
そしてすっかり馬鹿馬鹿しさが漂う後半、中澤が簡単に振り切られて追加点を決められここでガーナは二次会お開きモードへ移行。
ほぼ大勢が決したという気楽な状況になって、前半のチャンスに決められなかった憲剛が帳尻ゴール。ディフェンスがまた簡単に振り切られて再び2点差。になったものの重苦しいムードがなくなりゴールラッシュで逆転勝ち。
本田は上手いですね。さすが。でもこのチームはこの才能を絶対生かせない。
なぜならビッグチャンスをバカみたいに外しまくる前線とあっさり振り切られる最終ラインがしょぼすぎるから。そしてなぜかその責任は問われないから・・・。
でもこうなるとCBの3人目がいないのは困りますね。
このまま阿部や今野をと思ってるんでしょうかね?(阿部の再覚醒はいつもちょっとだけ期待してますが・・・)
それにしても岡田監督は新しい選手をほとんだためさないのでしょうか.
上から目線の素人ウザ。
確かにMOMは遠藤だと思う。
遠藤がいなければゲーム自体成り立って
いないと思った。
遠藤の良さについてはTVの解説者でも
説明できない奴が多い中、的確な意見で
とても素晴らしいですね。
遠藤の後半の躍動感は、相手がバテてたからなのか、相方が変わったからなのか、前の重しが取れたからなのかわからないけどよかったね。
3失点までは±0でしょ。
長友が経験積めば末恐ろしい。
「(監督がふと思いついちゃった)チビFW1toフォーメーション」
と
「ポストプレイヤーを入れた2TOPと」
どっちが良かったと思いますか?w
試合途中でシステム変更するとかさ、選手交代とかさ、いろいろやるべきことがあったと思うんだよね。
普通の監督募集中(WCベスト4ねらいの某国代表より)
しっかりやれていい結果もでると予想どおりでした
本田が出るまで1-3だったのはどう説明?
きっとそうとうチンチンにするゲーム以外は楽しめない方なんでしょうねwww
>本田は上手いですね。さすが。
一体昨夜のゲームのどこ見たらそう思うんだろう?
単に先入観満々なだけなんじゃないスか?
単純に決定機を外し続けたからだと思います
アレはわざとやってるって遠藤が言ってたよ。
そういう風に見るとまた違った見方ができると思うんだけど、
急げ!急げ!という考えの人には難しいのかな。
あれは後ろからショルダータックルかチェックにいかないとダメですね。すぐ近くにいるのに傍観者になってます。俊輔のキープミスよりももっと大きいミスです。
ヨーロッパのトップリーグだったら何やってんだって監督に一発交代させられるような、ぬるいプレーだと思います。
しかし・・・。結局めぐりめぐってオーソドックスなサッカーになっちゃったね。ちびっ子プレーヤーによる狭いところ志向のサッカーはどこいったの? コレ、岡田監督はジブンの首を絞めてないか?