ベガルタは明日敵地でカターレと対戦。煮詰まりつつあるJ2、敵地とは言え丁寧に戦い、勝ち点3を奪い取りたいところだ。激しくプライドを持った戦いで、よい結果を期待したい。
今日のJ2上位陣、セレッソはホームながら、アビスパとがっぷり四つの好試合で引き分けた(それにしても、ベガルタが2敗した試合といい、今日の森島スタジアムでのセレッソへの堂々とした抵抗といい、乗って来た時のアビスパはすばらしいのだが、なぜこれだけ下位に沈んでいるのか、本当に不思議だ)。またベルマーレはホームでしっかりとファジアーノに勝利。ベルマーレにとっては、今期最も重要な勝利と呼んでも過言ではない成果で、貴重な勝ち点3を獲得し、しっかりと粘って来た。さすがだ。
たしかにベガルタの現状は、J1昇格に非常によい位置取りだとは思う。しかし、何も安心できないのは言うまでもない。しばらくは、淡々と勝ち点を積み上げる事を目指す、何とも言えぬ戦いを継続するしかない。その何とも言えぬ戦いを続け切る事が、唯一無二の歓喜への道なのだから。
そして今重要な事は2位に甘んずる事なく1位を目指す事ではないか。確かにここに来て、藤本が往事の冴えを取り戻し、羽田が強烈なリーダシップを取るセレッソは、少々不安定だった守備が安定。単純な個々の戦闘能力の合計では、他を圧する存在である事は間違いない。そして、ベガルタを含む3チームに対して半歩抜け出した感がある。けれども、ここで抜け出せるならば、セレッソはもっと早く楽になれていたはずだ。そこまでのチーム全体としての戦闘能力が不足していたから、ここまでの大混戦になったのだ。
少なくともベガルタにとって重要な事は、セレッソの喉元に食い付き絶対に楽をさせない事。常にセレッソから離されぬように粘り続ける事。その意識を強く持ち、厳しく戦う事が、ベガルタのJ2制覇、J1昇格を少しずつ近づけて行く事になる。
ただし、どうにも気になる事がある。それは手倉森氏のゲームプランが、あまりに見え見えの事だ。
最近のベガルタは、前半から大事にミスをしないように戦い、好機をしっかりとモノにして1、2点差で勝つのが基本的なゲームプランになっている。細かな駆け引きを別にすると、異様な過酷日程、3回戦制のリーグ戦である以上、終盤になればなるほど、戦闘能力差が勝敗を分ける確率が高まる。現実的に選手個々の戦闘能力で、J2の多くのチームに対して、ベガルタは上回っている。したがって、ここ最近のやり方、「前半慎重に入り、後半総合的な戦闘能力で優位に立つ」は正しいと思う。
ただし、勝負は水もので慎重に守ったとしても、色々な要因で先制を許す事はある。たとえば、先日完敗したアビスパ戦が、典型例。そうなった時に、攻撃的に戦うオプションが非常に乏しいのだ。
たしかに、「飛び道具」中の「飛び道具」の中原の交代出場はある。実際、梁や朴あたりが精度の高いボールを入れて、中原が飛び込んだ時の威力は相当なものがある。しかし、どうしても点が取りたい場面で、ベガルタが切る事ができるカードはこれだけなのだ。サーレスが回復してくれば、もう一変化つけられるかもしれないが、その場合ここに来て抜群の充実度を誇るマルセロ・ソアレスを代える必要が出てくるのも悩ましい。
特に難しいのは、無理攻めしても点を取りたい場合、攻撃的MFの梁と関口、サイドバックの朴と菅井の攻撃能力が秀でているので、彼らを交代するのは考えづらい事。そうなると2トップはさておき、交代で攻勢を強めるカードが全くない事になる。
したがって、もし先制を許した場合の攻撃の間口が非常に狭いものになってしまうのだ。
本来であれば、ボランチにもう1枚、攻撃を活性化させるタレントが欲しい。たしかに斉藤は急ぎ過ぎの展開の流れをよくする事ができる。使ってみないとよいのか悪いのか分からない所がが最大の課題の永井は、調子がよければ老獪なキープで変化をつける事はできる。しかし、苦しい状況で、とにかく攻めに出る前進できる選手が今のところ見受けられないのだ。
と言って、ここまで出場機会に恵まれなかった若いタレントに、今から期待するのも難しいだろう。
けれども、ベガルタには終盤に中盤に起用する事で、上下動を武器にでき、かつ経験豊富なタレントがいる。田村直也である。一時期負傷したとの情報が流れ、ここのところ、出場機会がなくなっている田村だが、彼の効果的な起用こそ、終盤のベガルタの鍵となるのではないか。
2009年10月03日
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Tracked: 2009-10-06 05:58
言い得て妙ですね(苦笑。
交代のチョイスを育ててこなかったツケが終盤にきて「リスク」を増大
させています。
言質の通り、梁・関口・キンそして朴の4人のうち誰かが欠けるととたんに
攻撃力が低下してしまうわけですから、『試合中の怪我』『故障』『警告累積』
を考えると背筋が寒くなる想いです。
突発的なことがあれば、田村・一柳・細川・島本あたりを極端なプレッシャーの
かかる場面で使っていくしかないのかな・・・とも思っております。
富山戦ではソアレスが復帰しそうですので、彼の個人技頼みと、ミエミエですが
後半中原の『奇跡のヘッド』炸裂を期待しております。
・・・でも、9戦残して勝ち点マジック21。
今日勝てば 8戦残しで同18(6/8)
主力は疲れていても重傷者なし。
例年より心がとても穏やかなのは自分だけでしょうか?