ちょうど中間点の12年前の今日は、フランス予選で自力突破権を一時失ってしまった国立のUAE戦が行われた日となる。個人的にはフランス予選が、「メキシコの青い空」から現在への折り返し点とはとても思えず、ずっと最近に感じられてならないのだが。
メキシコまであと一歩まで迫りながら涙を飲み初出場するまでに12年の歳月が必要だった。当時、その12年間はとても長く感じたものだった。ところが、12年前のUAE戦に代表される七転八倒の末につかみ取ったジョホールバルの歓喜から、「出場して当然」、「準備試合のオランダに完敗して世も末」と言う世評になる今日までは「アッと言う間」に感じるのだ。
まあ、このような錯覚は、トシをとったが故の事なのだろうか。
ただ、このような錯覚を感じる理由もある。
「メキシコの青い空」から「ジョホールバルの歓喜」さらにはフランスワールドカップへの挑戦に至るまでの期間の日本サッカー界の急速な右肩上がりの微分値はすさまじいものがあった。4年前の今日にも述べたのだが、あの24年前の今日は、今日の日本サッカー界がアジアに覇を唱える前兆だった。そして、その前兆以降、短期的失敗はあったものの、プロフェッショナリズムの本格導入と共に日本サッカーの質は急速に向上した。とにかく、この12年間の日本サッカーの発展スピードはすごかったのだ。
そしてフランス以降。地元開催ワールドカップと言う大イベントを含め、我々はアジアで勝つのは当然となり、欧州や南米の列強とそれなりの試合もできるようにはなった。けれども、そこからの壁が思うように破れない。フランスのあたりまでの極端なほどの向上の微分係数が見られなくなったのだ。
だから、前半の12年間を長く感じ、後半の12年間を短く感じたのだと思う。
考えてみれば、これは当たり前の事なのだ。「名人と上手には天地ほどの差がある」と言われるが、前半の12年間我々は上手への道を歩んでいた。そして上手になってみると、名人への道の遠さを感じてると言う事だろう。
先進の南米からも欧州からも、距離も文化も遠い我々(たとえば合衆国は欧州や南米に距離も文化も近い、豪州は南米に距離は近いし欧州に文化が近い)がどうやって名人に近付き、名人になっていくべきか。いたずらに悲観する事なく、知恵をしぼりながら、悠々といつかワールドカップを優勝する事を目指す事。
そう言う目標を新たに考えるために、10月26日と言う日は格好なのだ。
代表やリーグに関しては、停滞≒熟成と捉える事も出来ます。
しかし、育成世代の低調には大きな不安を感じます。
中田世代、俊輔世代、そして黄金世代と成功を続けた後、強烈な個性を持つ選手を輩出出来てないのは何故なのか。前田世代は谷間世代なんて言われたりもしましたが、今考えてみれば“谷底”というわけではなかったな、というのが現状です。
たまに小学生の練習試合を脇から高見の見物してるだけの私が感じることは、『子供がこんな大人びたサッカーをする必要があるのかな?』ということ。
僕達の頃は、ボールを持ったらとにかくドリブルで、どこのチームも、エース格の選手は決まって“持ちすぎ”だった。1対1の勝負に勝つことが、サッカーの楽しみでした。
それに対して今の子供達は、ライン上げてプレッシャーかけて、1タッチ2タッチですばやく展開して…なんてことを目指して頑張ってる。
現代サッカーの最先端の戦い方やスキルを速い段階で身体に染み込ませることは勿論大切でしょうけど、子供の頃は好きなようにボール蹴りの醍醐味を楽しませたら良いんじゃないかなと。
実際教える身に立ったこともないのにふてぶてしい意見かとは思いますが…。
私は現在35歳で、中1(つまり22年前)からサッカーを見始めています。
そういう意味では、書かれている和司のFKはライブでは見れていないのですが、90年イタリアW杯の初戦香港戦がドローだった前くらいから、初めての本場のサッカー大会を見たのが88年欧州選手権くらいからサッカーとの付き合いになります。
06年ドイツW杯で惨敗したときに、武藤さんが書かれていることと全く同じことを感じました。そして、これからはじれったい10年になるんだろうなと。
でも、じれったいながらも時々喜びもあったりして、そういう意味では、23年前と比較すると幸せだな、と思ってしまいます。
こうやって、昔を思い返して、初心に帰るのは良いことですね♪
僕は36歳なので、当時小学6年生だったのですが、担任の先生(男)が、「今日は授業なんかやってる場合じゃないから、みんなでサッカーを観る。」と言い出して、あの試合を見ました。
なんだよ日本は弱いなぁと思ったと共に、あの凄いFKをみんなで練習したのを覚えています。おかげでフットサルしかできなくなった36歳の今でも止まっているボールの質だけには自信があります。
24年経った今でもあの時、授業をやらずにサッカーを見せてくれた先生に感謝です。