2009年12月13日

ACLまで、あと2つ。

 トーナメントのカップ戦、たとえば、ワールドカップ本大会でも、アジアカップでも、たまにこのような死闘があるではないか。
 共にがっぷり四つに組み、虚虚実実の駆け引きが継続する。苦労して敵のMFを抜け出しても、双方のCBが粘り強く守り切る。いよいよ敵DFラインを突破したと思ったら、GKがファインプレイ。重苦しい展開が継続し、スコアが動かない。もつれるように延長戦に突入し、双方が力の限りを出して粘り合う。少しずつエネルギ切れする選手が出始め、それでも選手は戦い続ける。
 たとえば、2006年大会のドイツ−イタリア、ウクライナ−スイス。たとえば、一昨年のアジアカップの豪州戦。
 もちろん、天皇杯でも、ナビスコでも、他国のカップ戦でも、若年層の大会でも。いや、レベルは格段に落ちるが、「本気で」学生時代にボールを蹴っていた人ならば、記憶にあるのではないか。全国大会を目指した地方の高校や大学の全国大会予選のトーナメントでも。
 そのような試合を野次馬として眺める事は、長年サッカーを見続けていればある程度可能だ。しかし、日本代表の試合を別にすると、当事者になるのは中々難しい。自分のクラブがそのような試合を見せてくれるためには、己の戦闘能力を研ぎ澄まし、そのようなものが賭けられている場に進み、そのような対戦相手に恵まれなければならない。

 で、そのような試合をユアテックで実体験できたのだから、本当に幸せなものだと思う。しかも、最後は戦闘能力で押し切ってしまったのだから。

 林は「あの場面」を除いて完璧だった。広大のカバーリングは冴え渡った。エリゼウは冷静にフロンターレの仕掛けをはね返し続けた。菅井は期待通り村上を圧倒した(もっとも村上に点を奪われ、菅井は決定機を3回外したのだが...今となっては、あの村上の得点も、この美しいドラマを演出してくれたに過ぎないし)。朴は開始早々に突破を許した以降は、森をほぼ完璧に押さえた。千葉の見事なカバーリングで、今なおこのベガルタの象徴が着実に進歩している事を見せてくれた。田村は120分間上下動を繰り返し、憲剛に執拗にからんだ(田村がこのポジションで機能したのは来期に向けて極めて明るい材料だ)。梁は存分に憲剛を押し下げ、互角とまではいかずとも同等に渡りあった(でも、あの2つシュートは決めてね)。関口は恐るべきスタミナと独特のドリブルを存分に発揮した(あの関口の完璧な胸による得点を、ノーゴール判定した副審のおかげで、感動的な延長戦入りとなった、あの副審はこの試合最大のヒーローだった)。中原は寺田相手に互角以上の空中戦を戦った(でも、120分とは言わないから90分もってくれ)。中島は先制点を含め、再三裏に抜け出し、その能力を存分に発揮した。マルセロ・ソアレスは、終盤の逆襲即効に猛威を発揮した(このような下手なブラジル人は、2年目で大化けするのだから期待したいのだが)。そして、平瀬!!!!!!!

 当然だがフロンターレはすごく強かった。でも、我々はそのフロンターレに対し、臆することなく中盤戦を挑み、両翼から攻め立て、隙を見て中央突破を狙い、憲剛に食い付き、鄭をはね返した。決定機は当方の方が多かったはずだ。そして、最後まで走り続けたのも我々だ。戦闘能力でもスコアでも上回ったのは俺たちだったのだ。
 もちろん無数に幸運があった。ジュニーニョがいなかった(でも富田もいなかったし)。そして、何よりユアテックでの試合でなければどうなった事か(延長前、コールリーダの「一切休まず歌い続ける」判断は絶妙だった。もう、延長前半あたりで酸欠だし、足もつりそうだったけど、あそこで跳び続け、歌い続けられなくて、何のためのサポータだ)。でも、それはそれなのだ。
 偶然や幸運ではなく、戦闘能力で上回り、フロンターレを打ち破ったのだ。完璧な勝利だった。

 次はガンバだ。明神だ、遠藤だ、ルーカスだ。播戸だ。しかも広大が出場停止(今日、サポータフットサル大会に手倉森氏を連れて来てくれた。「大丈夫、チームメートが、僕を元旦にプレイさせれくれます!」と言っていたな。OK!)。
 現実的に考えて、(甘いかもしれないが)ガンバと10試合やったら、1勝2分け7敗くらいだろう。引き分けから延長PKを含めて五分五分とすれば、決勝進出の可能性はせいぜい20%くらいか。そして、決勝はエスパルスとグランパスの勝者。こちらに勝てる可能性も同程度、20%くらいだろう。つまり、天皇杯制覇の可能性は20%×20%=4%くらいだろうか。
 いいですか。今後ベガルタが良好な選手強化を継続し、適切な営業活動に成功し、J1に定着し上位をうかがえるようになる可能性は、それなりにはあると思っているし、信じている。でも、ACL出場権の獲得確率が4%もの「高さ」になるまでに、いったい何年(あるいは何十年)かかるだろうか。
 得難い好機なのだ。「4%」と言う、俺たちにとって驚異的な高確率の絶好機。歯を食いしばり、石にかじりついても、この得難い好機を活かそうではないか。昨日のあの熱狂を忘れてはいけない。あれを繰り返すのだ。そうすれば、コンマゼロゼロパーセントでも確率が上がるかもしれないではないか。

 ACLまで、あと2つ。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(9) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
熱いっすね
がんばれー
Posted by at 2009年12月14日 02:36
鹿島、ガンバ、川崎
こっちの山は強豪ぞろいではあるが、既にACL権を確定済み。モチベーションを見出しづらい戦い。
惜しいところでACL権(と、J制覇)を逃した清水、ACLでJクラブ最後まで勝ち残ったのち敗退した名古屋の直接対決が熱い。

本当はACLでサンフレッチェを見てみたいんだけど・・・。
Posted by tnk at 2009年12月14日 10:24
ガンバが「モチベーションを見出していない」とは全く思いませんがw

武藤さんベガルタ愛はいつも癒されます。
Posted by マナ at 2009年12月14日 12:08
講釈、愉しく拝見させて頂きました。
29日は国立の半分を黄金色に染めて選手を後押ししましょう!
夢はまだまだ醒めない 
どうぞ国立でよろしくお願いいたします。
Posted by 武平 at 2009年12月14日 19:00
>>「4%」と言う、俺たちにとって驚異的な高確率の絶好機

たとえ消費税率に満たなくとも(笑)、可能性がある限り突き進むのが伊達男ってもんですよね!

29日が待ち遠しい
Posted by タカ at 2009年12月14日 21:00
熱いっすね。
サポとしてはそうあるべきです。
ただ、本当にいいんですか?

次の試合までは2週間のインターバルがあります。
4%の向こう側について思いを馳せるには十分な時間と思われます。
「もしも、ベガルタが天皇杯で優勝した場合」
・・・武藤氏の冷静にして情熱に溢れた講釈を期待します。

Posted by hirokaki at 2009年12月14日 23:37
1億円もらおうぜ。
後のことは勝ってから考えよう。
Posted by toshi at 2009年12月14日 23:43
監督も言ってたけど体力しんどそうでした。
リーグであそこまで疲れちゃうと持たないかと。
まあ、慣れなんでしょうけど。
でもFWとMFにもうちょっとスペックが高い助っ人外人が欲しいかな。
Posted by    at 2009年12月15日 08:25
勝ちを目指すことは間違ってはいません。

が、
水をさすようですが、『もし決勝まで残って勝ってしまったら』、ACL遠征費用は大丈夫なのでしょうか?果たして、J1と両立出来るのでしょうか?

万が一優勝されても、出場を辞退された方がいいのではないかと思いますが?
Posted by at 2009年12月18日 06:05
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