ベガルタ関連の友人が、「ベガルタの山路氏がS級コーチライセンス取得間近」と、同養成講習会の受講者一覧を教えてくれた。宮城県出身のトッププロ出身で、ベガルタの指導陣で重要な地位を占めている山路氏への期待は大きいので、何とも嬉しかった。
もっとも、この手のリストは「過去の名選手」を色々と見つける事ができるので、さらに愉しいのは言うまでない。
若い方では鳴尾直軌氏、西ケ谷隆之氏。さらに韓国出身の尹晶煥氏(韓国代表経験のある尹氏が、日本のコーチング資格を獲得しようとしているところが大変興味深い)。女子代表OGの高倉麻子氏、半田悦子氏。40代になると、前田浩二氏、石井正忠氏、三浦雅之氏。皆さん、指導者として、トップを目指そうとしていると言う事だな。こう言ったトッププレイヤ達の現役時代を思い起こしつつ、それぞれの活躍を期待したくなる。
と、語りつつ本日の本題である戸塚哲也氏の件。
1人だけ、勤務先役職欄がブランクなのが、異彩を放っている。
言うまでもなく、戸塚氏は岐阜、びわこ、町田で、それぞれをJFLに昇格させる事に成功したと言う大変な実績を誇る。「昇格」と言う、「残留」、「降格」の次に精神的なストレスのかかる難しいタスクを、それも複数のクラブで、3年連続で成功させているのだ。そして、昇格後に「S級を持たない」と言う事が要因の1つとなり、いずれのクラブをも去る事になり、結果的に「所属先なし」になってしまっている。言い換えれば、1人だけ「所属先なし」なのは、氏にとっては勲章のようなものと言えるだろう。
また、戸塚氏は、本リスト内で年齢的にも2番目に位置している。S級を取るのが相当遅いと言う事を示している訳だが、氏の同年代の指導者をおさらいしておこう。同年齢と言うと鈴木淳氏、大木武氏、さらに現場系ではないが風間八宏氏。1年上が小林伸二氏、関塚隆氏、柱谷幸一氏、松田浩氏、信藤健仁氏、城福浩氏などとなる。戸塚氏は、こう言った同年代のライバルと言える人々と比較しても、遜色ない実績を持っている訳だが、この「遅さ」に凄みも感じる。
言うまでもなく、戸塚氏は選手としても一流だった訳だし(ここまで列記した指導者達の中でも戸塚氏の実績は最高レベル)、所属も中途半端なクラブではなく、読売クラブーヴェルディと言う名門出身。そのような戸塚氏が、ここまで「S級無し」で実績を挙げて来た事に加え、S級を取ってこなかった事などを考えると、中々愉快ではないか(別な機会に触れようと思うが、読売出身の最近ヴェルディに関与してこなかった指導者に、戸塚氏を含め多数優秀で実績を残している人が多いのはおもしろいな)。
その戸塚氏が、この年齢で敢えてS級取得を決意したのは大変興味深い。やる気なのだろう。近い将来、日本のトップチームを率いる戸塚氏が見られる事を多いに期待するものである。
2010年01月18日
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これまでライセンス取得を”拒んでいた”理由と3度目の機会を逃しての心境の変化、とても気になるところです。
余談ですが、私が持つ戸塚選手のイメージは『個性派揃いな読売クラブにおいて、地味なオジサン』という感じ。うちの兄が『戸塚という選手の価値』を説いてくれたような記憶がありますが、しかし残念ながら当時小学生の私には理解できませんでした…汗
協会を信用してないんだろうなあ。
戸塚さんは読売の10番背負ってプレーしてる映像を見ました。
読売の映像は日テレやNHKにけっこう残ってそうです。