ベガルタは久々のJ1のホームゲームを迎える。考えてみれば、この試合以来と言う事だ。「J1か、何もかも懐かしい」と言うところか。
前節のジュビロ戦、敵地で勝ち点3を獲得、結果は最高、何も不満はない。ただ、内容的には何とも微妙な試合だった。
北朝鮮代表で長期離脱していた梁に代わり太田のスタメンが予想されていたが、梁がスタメン。結局、昨年終盤のベストメンバから代ったのは、体調が整わない朴に代った田村のみ。正におなじみのメンバでのスタートとなった。それが開始早々奏功して、梁が先制したのだから、堪えられない。ところが、以降89分間を淡々と守る試合となったのだが、これが昨期と全く同じような展開だった。
攻守の切換えの早さはかなりのもので、ボールを奪った直後の速攻は中々なのだが、強力なシュータがいないので、最後に崩し切れない事が多い事。一方でボールを奪われた直後の戻りの早さも相当なのだが、全員で引き過ぎるために、結構ラストパスもどきを許し危ない場面も多い事。
まるで昨期の「よくもないが、悪くもない試合」を見ているような印象だった。ただ、敵の攻守の能力は、昨期のそれよりは格段に上なので、僅かにヘマをすれば崩せないし、危ない場面を作られる、それぞれの頻度も相応に多い。何とも心もとない試合だったが、広大、エリゼウの読みと強さが厳しい場面でも存分に発揮され、かろうじて逃げ切りに成功した試合だった。
ジュビロは、前田こそ負傷で離脱していたが、李根鎬を軸に、西、船谷、成岡ら個人能力の高い選手が、良好な技巧で攻め込んでくる。駒野と朴柱昊の両サイドバックも相当なレベル。ベガルタにとって幸いだったのは、雨でスリッピーなグラウンドに、前半朴柱昊が対応し切れず消えていてくれた事。後半スパイクを代えた以降は相当な脅威となっていただけに、これは幸運だった。それでも終盤「あの松浦」が登場すると、再三危ない場園を作られたが、かろうじて守った格好。
いや、よかった。結果には100%満足している。
チームとしての成熟度、組織力、意識の統一などのレベルは高いが、敵陣、自陣、それぞれでの詰めの甘さは否めない(まあ、言い方を変えると、敵陣だろうが自陣だろうが、最後のところの「個人能力」に不足があると言う事かもしれないが)。
とにかく、しばらくはこの「組織力」で戦い、しっかりと勝ち点を積み上げて行く事が肝要だろう。そのうち、移籍で獲得した選手達も組織的になじんでくるだろうし、厳しいJ1での経験を活かして「化けてくる」選手もいるはずだ。J1に上がったら、上がったで、重苦しい日々が続く。うん、そう言うものなのだな。
明日ユアテックに迎えるのはアルディージャ。前節、セレッソを大破してのユアテック来襲である。チーム一丸となっての激しいプレスと攻撃的姿勢が、実にうまくかみ合った見事な攻撃的サッカーだった。ベガルタから見ると、かなり戦闘能力比では難しい相手だ。
だから、丁寧に守備を固めての試合が重要になる。先方は、前節の勢いのまま皆で攻撃的に来る可能性が結構高い。攻守の切換えを素早く行い、広大を軸にしっかりと守り、有効な逆襲につなげたい。特に両サイドバックが強引に上がった後方を、しっかりと狙いたいところだ。
一方で、もしアルディージャが強引に前進してこなかったらどなるか。これはこれでよい。それならば、速攻を前面に押し出し点を取りに行くだけだ。
アルディージャが引いてこようが、前に出てこようが、「攻守の切換え」をしっかりと、チーム全体で継続し続ければ、存分に活路は見出されるだろう。
ところで、幸い塚本の手術は無事完了したらしい。よかった。
となれば、「塚本のために」と真摯に戦ってくるアルディージャを、しっかりと返り討ちにする事そのものが、ベガルタが「塚本のために」できる最大のお見舞いとなる。
勝ち点3を期待したい。
2010年03月12日
この記事へのコメント
(暫定)首位ですね!あー、いい響き!
Posted by やぎ夫 at 2010年03月14日 14:09
(暫定)が取れましたね。おめでとうございます
Posted by kuro at 2010年03月14日 18:09
コメントを書く
この記事へのトラックバック