2010年03月19日

阿部勇樹と今野泰幸

 早いものでもうJは3節を向かえる。明日ベガルタは敵地でサンガと対戦。幸いな事に序盤の2連勝で、勝ち点勘定的には気分がずいぶんと楽な状態で戦える。ここは、気分を新たに「内容重視」で、前節でも今一歩だった課題を解決しつつ、戦って欲しいところだ。速攻でのミス(意思疎通の問題もあるし、個々の選手が安全を考え過ぎる問題もある)を減らす事。素早く守備に戻り数的優位を作りながら、引き過ぎてしまう事で突破を許さぬようにする事。今のベガルタならば、よほどの不運に教われない限りは、「内容」を重視する事で、それなりに結果もついてきてくれるはずだ。
 それにしても忌々しいのは、明日も現地生観戦はもちろん、映像同時体験すらできない事。まあ、己の情けなさを嘆くのみなのだが。

 さて、次第にワールドカップが近付いてくると、やはり代表選手のプレイ振りが気になってくる。

 過日のレッズーFC東京戦。
 私は細貝萌を絶賛したのだが、コメント欄で「阿部勇樹もよかった」と指摘して下さった方がいたが、おっしゃる通り、阿部も非常によいプレイを見せてくれた。細貝が中盤で暴れ回り再三ボールを奪取、その横で細貝の網をこぼれたボールを持ち前の守備能力で丹念に確保、続いて精度の高いロングボールでよい展開を再三見せてくれた。確かにあれだけ阿部が機能した試合は久々に見た感すらあった。一方で、阿部と言う選手は、その潜在能力を考えれば少々よいプレイをしてくれても、「このくらいできて当然」と言う評価になってしまうのだが。
 一方、この試合反対側のゴール前では、今野泰幸が奮闘を継続していた。CBを組む森重が軽卒なファウルを連発しての退場。難しい状況に追い込まれながら、激しい当たりと的確なボール奪取でチームを引き締めていた。幸い田中達也が交代した以降は、レッズの攻撃が単調になった事もあったが、交互にペナルティエリアに進出してくるエジミウソンとエスクデロを丁寧につぶしたのはさすがだった。一方で、今野と言う選手は、どのような試合でも「確実に相応の仕事をこなしてしまう」ので、「いつも通りによい出来だった」と言う評価になってしまうのだが。

 この2人は代表チームにとって非常に重要な存在である。
 再三議論になるセンタバックの控え問題。とうとうここまで、岡田氏は第3のCBを明確にしないできた。一部報道では岡田氏は、新たなCB招集を検討していると言うが、どうなる事か。
 このあたりについては先日講釈を垂れた。その講釈内で私が予測していた(妄想したと言うべきだろうか)貴重なバックアップ要員のベテランCBが、先般負傷で自チームからも離脱。先日のバーレーン戦を除いて昨秋から常にメンバ入りしていた岩政だが、敵の細かな動きへの対応や、前線への球出しには課題があり(実際、そのような対応は、アントラーズでもコンビを組む伊野波の仕事になっている)、現実的には敵が終盤に無理攻めを仕掛けて来た際の空中戦要員ではないかと思う。と言って、今から新しい選手を呼ぶだろうか。岡田氏がどう来るかはわからないが、よほど短期間で超「大化け」してこないと、台頭は難しいように思う。
 結局、CBのバックアップは、今野か阿部と言う事になるのだろう。アグレッシブに守り、時にリスクを犯して攻めにでる必要があるとしたら、今野。無理をせずに最終ラインで丁寧に守り、時に逆襲の起点となる事を期待するならば阿部。従来起用された際に存分に機能したとは言い難いこの2人だが、紛れも無くJリーグを代表する日本屈指の名手なのだから。
 現実的に、この2人を「間違いなく凌駕する」と言う守備者がJに存在するだろうか。スピードが抜群の水本、読みと好フィードが光る岩下、抜群の攻撃力を持つ槙野、(上記の試合では残念だったが)守備組織構築に能力を発揮する森重、負傷離脱中だが強さ、高さは抜群の青山、ついつい身びいきになってしまう渡辺広大、ボール奪取能力が格段の村松、さらには欧州に渡った吉田など、良好な素材の若手は多数いるが、決定的な存在の選手はいない(岡田氏にはもう少し早い段階で、これら若手を試して欲しかったのだが)。

 そうこう考えると、この2人の充実は我々にとって極めて重要だ。前節のこの2人の充実したプレイ振りは、その期待にこたえてくれるものだった。もはや中堅からベテランに近い存在になりつつあるこの2人、南アフリカに向けての期待は高まる。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(6) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
菊地直哉がいます。

高校生の頃から
欧州に青田刈りされそうになっただけに、
やはり彼はすごい。

読みも当たりも配球も
全てがバランスよく
高いレベルを備えてます。

呼ばれたら困りますが…
Posted by ふるたけ at 2010年03月20日 08:58
有望な若手がいても試す度胸のない眼鏡がいるのが致命傷。
Posted by K at 2010年03月20日 18:19
横浜の栗原なんかどうでしょう?

Posted by 名無し at 2010年03月20日 21:45
栗原で問題なしです。
スピード、読み、攻撃力、守備戦術、強さ、高さ、メンタル。さらに今年のコンディション。
彼は勝手に、2010年に照準を合わせてきています。
Posted by at 2010年03月21日 00:07
上の方に同意しますが栗原はラインコントロールが駄目なんだなぁ。
Posted by at 2010年03月21日 06:40
栗原試してみて欲しいなぁ
Posted by at 2010年03月23日 19:01
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