2010年04月18日

ベガルタの連敗

 前節の惨劇に続き、今節も連敗。さすがに落ち込んでいるが、冷静に考えてみれば02年も03年も勝つ方が珍しかったのだ。連敗で落ち込む事そのものが、随分贅沢であり出世したものだと思う。

 ただし落ちついて考えると、戦闘能力充実のエスパルスとの敵地戦、組織守備のヴィッセルとのホームゲームと考えると、もっとも対応の難しい2連戦だったような気もする。ところが、この厄介な2試合ともベガルタは「普通の戦い」を演じてしまった。この事への反省は結構大きいと思う。
 前節、エスパルス相手に(敵地にもかかわらず)真っ向から勝負を挑んだのには正直驚かされた。特に先制された以降、まだ前半なのにもかかわらず、明らかに同点狙いで前掛りをした時は「何をうぬぼれているのだ」と言う気になった。
  今節のヴィッセル戦も、結果は0−1だったが、もっと大差がついてもおかしくない内容だった(我々とは微妙な縁がある)三浦俊也氏が率いるチームだけに、徹底して当方の長所をつぶし弱点を突くのを狙ってくるのは試合前から明らかだった。しかも、ヴィッセルは思うように勝ち点を伸ばせないでいる。戦闘能力的に同格以下のベガルタに対し、「何としてでも勝ち点を、できれば3を」と考えて戦ってくるのは自明だった。
 それなのに、どうして普通に真っ向から戦いを挑んでしまったのだろうか。あれだけ、梁やフェルナンジーニョをつぶしてきて、蹴り合いに持ち込まれているのを、つないで打開できないのだから、まず前半は我慢だ。フェルナンジーニョと関口の位置取りを変えて、敵の目先を変えるのも一策。しかし、押し込まれて苦しむ選手達を見た限りでは、そのような準備はなかったようだ。さらに後半に入ってからも同じ展開が継続。流れをある程度獲得できたのは、15分過ぎに太田起用以降であり、完全に後手に回ってしまった。もし、太田起用の前に2点差にされていれば、下手すればまたも大差負けもあったかもしれない。

 まあ、序盤戦で予想以上にうまく勝ち点を獲得できた事で、チーム全体が自惚れてしまっていたのかもしれない。前々節のアントラーズ戦、開始直後の先制点と敵エースの退場と言う「超幸運」で勝利できたのが、チームを悪い意味で混乱させたのだろうか。あるいは、(映像を見ていないのだが)週中のナビスコサンガ戦、前半は不出来だったが後半はよく持ち直したと言う。その「後半の好調振り」が、修正への反省を怠る事になったのだろうか。
 試合後、手倉森氏は選手達に「また仙台らしさを取り戻すために、一度切り替えて来週からもっと練習するぞ」と語ったとの事だ。ちょっと気になる。課題は「仙台らしさ」を出せなかった事ではなく、「自分の都合」だけで戦い過ぎた事だと思うからだ。現実的に、我々の戦闘能力はリーグ全体で見れば決して高いものでない。ただし、チーム作りと言う戦略的な面ではある程度のレベルの積み上げに成功してきている。だからこそ、今ベガルタに必要な事は、1試合ずつの相手に応じた作戦を立てて、粘り強く勝ち点を積み上げ得る事だと思うのだが。

 次節は、試合ごとに作戦を立ててくると言う意味では第一人者の反町氏が率いるベルマーレ戦。勝ち点勘定、順位争いから言っても、絶対に負けたくない試合となる。反町氏の見立てを外し、狙いを読み、いかに己のペースに持ち込むか。いよいよ、J1での戦いが始まったと言う事だろうか。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ。いつも楽しく拝見しております。

清水戦はともかく、神戸はやることがわかっているのに、正直に戦ってやられてしまいます。

敵方から見ると、渡辺選手のロングフィードというのは脅威だったりするのですけどね。神戸のように単調なプレス&カウンター戦術には有効だと思うのですけど。前線の中原・平瀬あたりも生きるのではないでしょうか。

おっと、残留争いをするクラブにアドバイスめいたことは止めておきます(笑)。
Posted by molirinho at 2010年04月19日 23:55
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