友人がtwitterで「知的障害者のサッカーの審判募集」と語っていたので、何気なく引き受ける事にした。ところが、会場のNHKの裏手の代々木公園競技場に到着してビックリ。代々木公園では、アースデイなる、大規模なお祭りが開催されており、フードコートやら露店やらが大量に出ていて、すごい人出。その流れで、観戦者?も結構多い。
さらに、会場について友人から試合そのものの狙いを聞いてビックリ。数年前「プライドinブルー」なる映画でも取り上げられた「知的障害者日本代表チーム」の試合だと言うのだ。そして知的障害者ワールドカップが、本物ワールドカップより2ヶ月後に南アフリカで開かれると言う。そう言えば、故長沼健氏が名誉顧問を務めていたり、中村俊輔も支援活動をしていたのを思い出した。詳しい事情はよくわからないが、長沼氏が亡くなられた事もあってか、必ずしも日本サッカー協会の協力も円滑には得られてないらしい(たとえば、ユニフォームも例の「レッドカード」ではない)。そのあたりもあって、審判の確保も容易ではなく、私のような一介のおじさんにその役が回って来たと言う事らしい。
しかも、驚いたのは日本代表の対戦相手。ジェイ・カビラ氏の率いる「レインボー」と言うチーム、望月三起也氏が率いる芸能人チーム「ザ・ミイラ」だと言う(望月氏はもちろん、ペナルティのワッキー氏、島崎俊郎氏、「コント山口君と竹田君」の山口氏らが登場)。試合終了後には、日本代表の遠征費のためのチャリティ・オークションが行われた。
また日本代表の試合と言う事もあり、旧知の若いサポータ団体infinityの連中も来場、例の「我らが日本・可能性は無限大」ダンマクが貼られていた。どうして、若者がノンビリ観戦し、私のようなおじさんが審判しなければならないのはさておき。あ、ちなみに彼らは私の写真も撮ってくれた。これね。
日本代表は、勤勉でよく走る選手が多いのだが、がんばり過ぎると言うか、生真面目過ぎると言うかで、どうしても攻撃は単調になっていたのが気になった。どちらの相手チームも体力に難があったのだから、ゆっくりとボールを回せばもっとよい攻撃ができたと思うのだが。おそらく国際試合でも、外国チームはロングボールでファイトしてくるチームが多いと思うのだが、もう少しテンポを落とせるかどうかがポイントになるのではないか。
また守備では、中途半端なオフサイドトラップを突かれる事が多かった。ミイラとの試合では、格段に運動量が違い圧倒的な攻勢を取っているのだが、ワントップの巧妙な動きで再三裏を突かれていた。脚力のある選手が多いのだから、ラインの上下の意思統一が行われれば、一層よくなると思う。
2試合とも副審を務めた訳だが(30分ハーフ2本は結構きつかった、疲れた)、少しでもお役に立てたかと思うと嬉しい。
上記ミイラの島崎氏は、副審の私との相性は最悪。守備ラインに入っては日本代表にオンサイドの突破を許し、前線に残ってはオフサイドを連発。その度に、両手を広げて抗議する島崎氏と、表情を変えずに旗を振る不肖講釈師と言うのは、結構シュールな対決だったかもしれない。あと、試合集に実況?を務める山口氏は、私はミイラのオフサイドをとる度に「今日の審判は空気を読めない」と文句を言っていた。悪かったな。
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目の前を行き来していた副審がまさか講釈師とは・・ヨコ●ムの募集に応じておけばよかった。
知的障害サッカーといえば、自分は今年の1月にシェルコムで行われたベガルタ仙台主催の第1回バリアフリーサッカー「ベガルタカップ」を見てきましたが、
(知的障害IDと脳性麻痺CPの子たちが混ざっていましたが)
自分が日頃思っていたよりも、サッカーの体になっていて、私ごときのフットサルよりも数段テクニックもスピードも上手な子が多く、練習を積み重ねる事の偉大さを感じました。
また、ポジションごとにきちんと各自役割をこなし連動していて、驚きました。
ただ、1−2で後半残り5分でも、ゲーム開始時のポジションや同じ攻めの人数、形のままだったので、そういうゲームに入ってからの読みとか、リスクを冒して仕掛けるといった事もこれから練習していけば、もっともっと面白くなると思います。
●出場した石巻IDスポーツクラブ
http://www.geocities.jp/id1_sc/
障害者サッカーは、本当に可能性の伸び代を感じるので、見ていて面白いし、やりがいを感じます。
今年はブラインドサッカー日本代表も8月にワールドカップに出場しますので、ぜひ応援お願いします!!
●公式HP
http://www.blind2010.com/
長々と失礼しました。