田中達也と石川直宏は選ばれなかった。年齢的にこの2人に「4年後」があるかとなると、相当厳しいと思う。
2人とも五輪代表の中核を担い、若い頃から将来を嘱望され、比較的早くにA代表にも選考された。日本選手としては珍しく、個人能力で縦突破ができ、さらにその後にシュートをしっかり打てると言う能力に恵まれているタレント、「瞬間的スピード」と言う天分に加え、正確なボール扱いを丹念な努力で獲得し(ボール扱いがよいと言う事が、いかなる努力の積み重ねによるものかを無視する報道が多いのはとても残念だ)、さらには自らを執拗に鍛える事で長駆後の強シュートが打てる体力を作り上げた(あの突破後の強シュートのために、どのくらいのトレーニングが必要だった事か)。突破し得点も取れる貴重な人材である。
達也は岡田体制となり、定位置を確保した、と言うよりは中心選手としての役割を与えられた。敵地カタール戦の得点にせよ、横浜豪州戦の再三の突破など、鮮やかなプレイ振りはすばらしかった。けれども、負傷の多さが災いした。
石川は(再三の負傷もあり)アテネ五輪後伸び悩んでいた感は否めなかった。けれども、昨期半ばから、ひらめきあふれるプレイが復活。Jリーグで次々と芸術的な得点を決め、代表に復活。ところが、Jで見事な得点を決めたのと同時にまたも重傷を負ってしまった。
しかし、達也も石川も「南アフリカ」を目指し、我慢に我慢を重ねリハビリを重ね、とうとう間に合った、かに見えた。ここ最近の2人のJでのプレイ振りは、最好調時に相当近づいていたのだ。
その達也と石川を選ぶかどうか、それは岡田氏のみに許された権限。岡田氏が選んだ他の選手達も、同様の努力を継続してきたのだ。
12年前の初出場時、カズと北澤の直前の離脱。それまで、幾多の歓喜を我々に提供してきてくれた2人のトップスターが、自らの意思とは全く関係なくフランスを去る姿を見た。その判断に驚き、呪い、しかし一方で「ワールドカップに出ると言う事はこう言う事なのだ」と感慨を抱いた。
あれから合計4回。毎回毎回、そのような悲劇を見てきた。久保竜彦にいたっては、2度もそのような悲劇を味わっている。今回にしても、選ばれなかったのは達也と石川だけではない。多くの選手達が「後一歩」で涙を飲んだ。そして、それら涙を飲んだ選手達も、選びに選ばれたトップスター達なのだ。
カズはもちろんの事、久保でさえも、北澤にしても、達也にしても、石川にしても、複数の大会を代表の中心選手として活躍してもおかしくない存在だった。けれども、ほんの僅かなタイミングと運で、ワールドカップに縁がなかった(達也と石川を完了形にしてはいけないな、あ、久保もか)。
ワールドカップを体験し続けると言うのはこう言う事なのだ。4年ごとと言う何とも言えない短くないサイクルが、我々のフィジカルエリート達の悲劇を生む。昔、対岸の火事を眺めていた頃には理解できなかった重み。
いよいよ、あと1ヶ月と少し。ワールドカップが近づいてきた。
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さすがにあからさまに「実力で選んでない」とか「最初から出す気はない」とかは言えないですよね。
でも明らかにその空気はあの会見を見た人には伝わったと思います。
川口好きなサッカーファンは多いと思うのでそこまで批判は起こらないと思いますが、万全の状態で実力も川口に匹敵す若手がいる状況で彼が選ばれることに軽い違和感は感じました。
それ以外だと、矢野・岩政といったフィジカルが売りの選手を入れて来たのは岡田監督なりの現実主義って感じで少し期待感が持てますね。
監督が勝つのを諦めたんでしょ?さすがリアリスト。
磐田では既に練習試合に出ているみたいですね。
色々思いはありますが気持ちは日本代表サポーターとして応援モードに切り替えます
それにしても98年仏の「翼をください」が懐かしい
狂おしいまでの気持ちの昂りでした
15日の長居は嘉人の壮行会になりそうです
怪我の多いトゥーリオもここぞという所は必ず出るし(笑
阿部や今野のようにそこにいる事が信頼を生むとか。
年中足が痛いとか言ってる人もほとんど休まないし
ポジションを失うと取り返すのがたいへんな所なんでしょう。
あとはFWの高さを放棄して攻撃になるのかという
無謀な挑戦の行く末を見る楽しみというか確認というか。
アルゼンチンですらそれをやって苦労してるのに。
しかしながら今回の選考をみても保守的でチームの持っている手が少なくて大丈夫かなって不安がぬぐいきれないですね。(いままでもヒディングやシモンエスにそこをつかれてきた気がするんですが…)
えっ?
今季11試合ノーゴールのFWを選択して
「現実主義」ですか???
「現実主義」ってどんな定義/意味があるんですか?
「思い込み」「絵に描いた餅」「頑固」「妄想」「空想」
って意味がこの語にあるんでしょうかねえ。w
今回のW杯グループリーグはかなり特殊ですよ。
僕も何故、矢野?と思ったけど、
彼の心肺機能(確かテストしていたはず・・・)はどうなんでしょうね。
案外、予選突破のキープレイヤーになるかもよ。
各選手の役割を理解してない書き込み多いよね
へえ、そうなんですか。
FWは点を取るのが役割だとずっと思ってました。
それでどんな「役割」を担って矢野はW杯に選出されたのかご教示ください。
どんだけ時代遅れなサッカー観なんだ・・・
わあ、岡ちゃんの目指す近代サッカーって
FWは点をとらないのですね。(妙に納得w)
◆それでどんな「役割」を担って矢野はW杯に選出されたのか
◆それでどんな「役割」を担って矢野はW杯に選出されたのか
◆それでどんな「役割」を担って矢野はW杯に選出されたのか
まだですか?
まさか、自分も知らないでカキコしたんですか?(笑)
まさか、逃亡して誤魔化して終り、ってオチですか?
02年の鈴木、06年の巻と思っておけよ。
◆それでどんな「役割」を担って鈴木はW杯に選出されたのか
◆それでどんな「役割」を担って巻はW杯に選出されたのか
◆それでどんな「役割」を担って矢野はW杯に選出されたのか
FWが点を取ることを求められないなんてすごいサッカーですよね、岡田のサッカーって。(笑)
さあ、がんばって答えてくださいね。
こういう人に限ってむやみにwを使う。
こんにちは。
ときどき楽しく読ませていただいてます。
師がおっしゃる
「大会を代表の中心選手として活躍してもおかしくない存在」といえば、
私はトシヤをまっさきに思い浮かべます。
ひさびさ選ばれたアンブロカップ(うろ覚え)で膝を痛めたり……
まさに「タイミングと運」ですね。
>なんで講釈師の板で、他人のコメントにからみついているんだ、この人は?
と「他人のコメントにからみついている人」がいますね。w
講釈師の板で「FWの役割は点を取ることではない」といいながら逃げちゃう人はどう思います?w
リードして終盤を迎えた場面での運動量、走力、体の強さを生かし
・前線からの激しい守備
・カウンター要員として敵陣後方に飛び出す
・ファウルゲット
・セットプレーでの守備
代表級の選手で、これらの役割を果たすことができるのは矢野が
一番なんじゃないですかね?他にいたら名前を挙げてみてください
短期決戦である大会ではこのような特殊な役割が求められる
場合があるわけです。そうしたときにFWであっても「点を取ること」
以外の能力・仕事が評価されてメンバー入りするとしてもまったく
不思議ではありませんね
「点を取ること『だけ』」がFWの役割だとした場合に、最初
に書いたようなシチュエーションで矢野以上の働きが出来る
でしょうか?
すべてのFWが「役割は点を取ることではない」という基準で
選出されているわけではないのです
特定のシチュエーションで特別な役割を期待されている矢野は
「点を取ること」以外の能力を評価されてメンバーに選出されて
おり、そのような「起こりうるシチュエーションで」確実に
勝ち点を取りに行くための限定的な役割の選手を選んだことが
「岡田監督なりの現実主義」だということなんです
と脊髄反射で批判するのではなく
ではなぜその矢野が選ばれたのか、どのような意図があるのか
ということをまず考えて、監督の意図するところを理解したうえで
その是非について議論をすべきなんじゃないですかね