日本代表の背番号が発表された。毎回恒例と言うか、中心選手を軸におなじみの背番号を選んでいく方式をとったようだ。中澤の22番へのこだわりなど、おもしろい。
過去、他国のワールドカップ背番号の振り方を思い起こすと色々なパタンがある。
ブラジルは伝統的に定位置を確保する可能性の高い選手に1番から11番をいわゆる定位置の番号(たとえば以前蘊蓄を垂れたこちらを参照ください)を割り振る事が多い。
そして、選手が「格」を上げて行くに連れ、背番号も変わっていく。たとえば10番について言えば、70年時点でペレは4大会連続!(この人だけは例外だが)、若きリベリーノは11番。74、78年はリベリーノで、78年若手のジーコは8番。そして、ジーコは82年(もちろん86年も)に着衣。98、02年とリバウドが付けて、ロナウジーニョは02年11番。06年ロナウジーニョで、カカが8番。そして今大会はカカとなるのだろう。
イタリアは一時非常におもしろい付け方をした事がある。たとえば、22人時代だが、GK3人、DF7人、MF7人、FW5人とすると、GKに1、12、22を割り振り、2から8をDFに割り振りアルファベット順に並べ、続いて9から16をMF(12が抜けるから)、17から21をFWをやはりアルファベット順に並べていた時代があった。さらにその頃は主将は代表キャップ数が一番多い選手が務める伝統があった。
たとえば90年地元大会、何と10番は超肉体労働型のベルティだったし(たとえて言うと、今野が10番を着るようなものです)、F・バレージは6番ではなく2番でさっぱり似合わなかった。主将も、F・バレージではなく代表試合数が多いベルゴミだった。この大会圧倒的本命だったにもかかわらず、準決勝でディエゴにしてやられたのは、バレージが腕章を巻いていなかったからではないかとと、今でも私は真剣に思っている(笑)。ちなみに94年大会のイタリアは上記に準じながら、バレージは6番、R・バッジョは10番と、特別扱いとなっていたな。
そして、究極は昔のオランダやアルゼンチンだろう。GKを含めてアルファベット順だった。あのアルディレスは78年は2番、82年は1番!だったのだ。GKが8番(74年のオランダのヨングブルッド)、5番(78年のアルゼンチンのフィヨール)など、何とも言えぬ味わいだった。
ただし、やはり例外は存在する。あの74年、クライフだけは別格で14番だったのは言うまでもない。
ちなみに、78年得点王でアルゼンチン初優勝の大ヒーローのケンペスはポジションとピタリの10番だったが、これは全くの偶然でケンペスはアルファベット順でちょうど10番目だった。そして82年はさらにややこしいのだが、アルファベット順でエルナンデスと言う選手が10番目、ケンペスは11番目、ディエゴは12番目、だったのだが、10番マラドーナ、11番ケンペス、12番エルナンデスだった。ケンペスがより若いディエゴに10番を譲り、しかしケンペスのプライドも考慮してそのまま11番と言う事にしたのだろう。
最近はイタリアもオランダもアルゼンチンも、そこまで突飛な番号付けをしなくなったようだ。そう言う意味ではワールドカップの愉しみも1つ減ってしまった(もっとも、1万個ある愉しみのうち1個減ったところで何も問題ないのだが)。
日本も「あいうえお順」とか「いろは順」で背番号をつけたら、他国は悩むだろうな。
2010年05月21日
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大昔の阪神タイガースはそうだったらしい。
ところで、そもそもエースが10番を着けるってのはどこから来たんでしょう?
WMシステムから来ているのかと思っていたけど、
どうも4-3-3から来ているようですね。
いずれにせよ、サッカーが商業的に大きな存在と
なり始めた1960年代には3トップが流行っていました。
当時はGKを1番として後ろから前へ、同じ列の場合は
右から左へ番号を振っていたのですが、そうすると
3トップは、右ウイングが9番、センターフォワードが10番、
左ウイングが11番となります。
当時は今のようにオーバーラップやらポジションチェンジやらの
意識は薄くて、点を取るのは最前線の3人が主という
感じだったのですね。中でも、ゴールの真正面に構える
センターフォワードは得点源として、また両ウイングを
使役する立場として期待されていました。文字通り、
「攻撃の王様」だったわけです。ペレとか釜本は
このタイプの10番。
そのうち、「プレッシングしなきゃサッカーじゃない」
という時代になって、中盤を厚くしなきゃどうしようもなくなる。
中盤からのボール供給を断てば前線に何人いても
無力化出来ますから。それで、センターフォワードを
中盤に下げてFWは2枚でいいやと言う事になる。
前線の得点源という役割は無くなったわけじゃないけど、
あくまでも中盤の選手として2トップへのパス出しに
より重きを置くようになったわけです。これが、
「キャプテン翼」の意味での10番。それ以後、現代に
到るまで攻撃的MFの付ける番号となっているわけです。
と同時に、「FWは9番か11番」というのも3トップ時代の
名残りですね。この辺は武藤師を煽れば長々と講釈
してくれそうな気もしますので期待しましょう。
南アフリカ行かないから暇でしょうし。
(心を抉るようなこと書いてどうする>自分)
他国の「10番」は点を獲ります。でも日本の「10番」は、点を獲れない、すぐへばる、パスは横パスかバックパス、すぐボールを獲られて倒れる、プレッシャーがかかるとすぐポジションを下げる・・・。
そのくせ、得点力不足の責任も失点の責任も追求されること無く「ファンタジスタ」とマスコミにおだてられる・・・。もうウンザリです。
日本は、かつてのイタリアのように機械的に番号を振り分けるべきです。ただ一人の例外を除いて。
澤穂希。日本で「10番」を背負う資格のあるただ一人の偉大な選手です。異論は認めません。