明日は大会前最後の準備試合となるコートジボワール戦。マッチメークに散々苦労してきた日本協会だが、韓国戦から始まる準備試合3戦は実に見事なマッチメークだ。前の2試合が有効だった事は今更繰り返すまでもないだろう。そして、カメルーン戦の10日前に、同じブラックアフリカ国、それも前評判がカメルーンよりも上のチームとやれるのだから、言うことなし。
ちなみに試合終了後、控えメンバのテストを兼ねて別に45分だけ練習試合をするらしいが、これもいい。試合感覚を確保したりするならば、先日も行われたという地元チームとの試合で何とかなるだろう。けれども、大柄でバネのある黒人選手への対応に慣れるためには、直接手合わせするに限る。
明日の試合の作戦面でのポイントは、サイドアタック、それもサイドバックの攻撃(頻度、有効性の質量両面で)と、同じくその直後の守備バランスの整備だろう。
イングランド戦は終盤バテてしまったが(と言っても、スタミナ切れ自体は大会2週間前と言う事を考えれば悪くはない)、組織守備は上々の出来だった。守備の最終整備は、これからの鍛錬、追い込みに期待できよう。
また、頻度はもう1つだが、中澤、阿部、闘莉王を起点に相応に精度あるつなぎから攻撃も有効だった。けれども、「攻め切る」、「点を取り切る」ためには、さらに攻撃の多様性が必要。そして、そのためにはイングランド戦で不足していた両翼からのサイドアタックの増強が鍵を握る。そこには、3つのポイントがあると見る。1つ目は中盤のつなぎに入った際のサイドバックの「行ける」と言う判断。2つ目はクロスが上がりそうなタイミングでの中盤選手の敵陣前への進出。そして3つ目は攻撃が成就しなかった場合の守備への素早い切り替え(この3つには、いずれも箇々の判断、相互意志の連携それぞれに冴えが必要だ)。
長友は確定として、今野、駒野、そして長らく体調不良が伝えられる内田。どのような編成が取られるかを含め注目したい。
そして、上記した作戦面以上に気になるのが、ここまで体調が今一歩と報道されていた選手の状態である。
埼玉韓国戦に欠場したり、不調のどん底だった選手のうちイングランド戦に登場した各選手は、控えで終盤起用された松井と玉田を含め、大丈夫の模様だ。しかし、登場しなかった内田、稲本、俊輔の3人はどうなのだろうか。先日の地元クラブとの練習試合では、3人とも起用され、「俊輔が2点取った」とか「俊輔と内田はまだ重い」などの報道を目にしたが、どのような調整具合なのか。
消耗の激しい中盤に稲本は不可欠のはず。先日のイングランド戦でも、終盤に阿部か長谷部に代えて稲本を起用できれば、守り切れていた可能性もあった。中盤で多様なプレイができる事、幾多の国で戦い2度のワールドカップでの経験、早期の回復を祈る。
先ほども述べたが、サイドアタックの重要性を考えれば内田の復活も極めて重要だ。縦に出る瞬間的な速さ、正確で強い右足、最高のサイドバックたり得るこの逸材の停滞は、あまりに残念。この選手の守備には確かに課題があるが、課題は守備能力ではなく几帳面さの継続にある。正にワールドカップ本体会で化け得るタレントだ。体調回復はいかな状態なのだろうか。
そして、中村俊輔。巷にある「俊輔不要論」ほど愚かな意見はあるまい。確かに韓国戦の俊輔はひどかった。しかし、体調が整い往事の調子を戻してさえくれれば、これほど攻撃に変化をつけられるタレントはいない。他の選手の充実に加え、俊輔が復調してくれれば、それに越した事はないのは言うまでもない。現状では俊輔より、憲剛が優先されるのは当然だろう(私は憲剛の起用法が、今大会を大きく左右すると見ている)。しかし、繰り返すが調子さえ戻してくれれば、本当に点を取りたい勝負どころで、俊輔の魔術が必要になるはずだ。
彼ら3人を含めた全選手の体調が十分に揃う事は、この厳しい大会を勝ち抜く上で、とても重要なはず。明日のコートジボワール戦(の90分)で、それがどこまで見極められるのか。
2010年06月03日
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穴だろ
そうじゃなかったんですねー
(新参者ですみません)
ここからどう考えても彼の体調がベストに戻るとは考えがたい。
だからこそ巷で不要論が出るわけで。
内田を推している事といい、なんていうか、本当にどこぞの代弁者のようで残念。。。
どんな名選手だって年齢や怪我には勝てないわけで
「今までの俊輔なら必要」っていうのなら確かに同意なんですが、
「今までの俊輔」が戻って来ることは(少なくともカメルーン戦までは)もしかしてないのでは?と思っています。
コンディションというのは悩ましい問題ですね。特に才能のある選手の場合は。
正直、今回の俊輔は「前回大会の時点での久保を連れてくるような感じ」なのではないでしょうか。
FWと違って俊輔はチームの根幹なので、無理して連れて来たという印象です。
ここは、俊輔は無理に初戦から出さずに、とにかくコンディションの回復に努めるべきだと思います。
岡田ジャパンの目標はベスト4なので、グループリーグを勝ち抜いた後、ベストに戻るのであればそこで「世界を驚かすために」使えばいいのです。
なんかいつも言い訳に「体調が」とか「コンディションが整えば」って使ってますね、このブログ主。
コンディションを含めての戦いですから。
その時のコンディションのなかで、「賢く走れ」というのがオシムの教えだったのではないですか。
取り合えず全力疾走して、後半バテバテなんて、馬鹿のすることと同じです。
それを選手のせいにするどっかの監督は最低だと何度も指摘されていますよね。
>相手が後方で余裕を持ってボール回しているときは一度隊列を退けようと。
新聞の記事だからどこまで本当かわからないけど、イングランド戦では無駄な追い込みは減ってた。
岡田監督が目指してたものは捨てましたね。
本番2週間前でシステム、戦術、キャプテンの変更。
岡田監督が就任して2年半の積み上げってなんだったんだろ?
日本代表にとってはいい変更だけどね。
体調不良を承知の上で岡田が選手選考を行ったことにあるのでしょう。
チームを成熟させなければならないこの時期に,
体調不良で試合はおろか練習すらまともにこなせないなど
そもそも代表に選出される資格がなかったのではないか?
このような選出をおこない成熟期をリハビリにあてた岡田の罪は重いのではないか?
ブログ主は岡田という守るべき存在があるために,
こういうごく当然の問いさえもが問えないのでしょうね。
もっとも、中村俊輔に他の選手を凌駕する実力があるかは疑わしいが
チビ1トップが、サイドに大きく開いたDFの間を、文字通り右往左往して、無駄走りで消耗していく哀れさ・・・。
ゴールに向かう意思も迫力もないままに、パス交換のあげくに、相手にパスしてボールを献上する醜態・・・。
Jリーグの得点王、セリエアーのFW、ロシアの攻撃的MFを使いこなせない監督の愚かさ・・・。
ボランチで光るキャプテンをなんとトップ下で使う信じられないセンス・・・。
馬鹿は嫌いだ。
特に、サッカーで馬鹿さ加減を見せつけられるのは大嫌いだ。
3月の時点でエリクソン買え。(ボソッ)
>体調が整い往事の調子を戻してさえくれれば、
タラレバの見本ですな。
見苦しい。
「テーピングがやっと取れました」のレベルでタラレバを語ってWCベスト4ですか。
まあ、冗談としても笑えない冗談ですな。
センスの欠片もない。(笑)
今彼を外してもカズの時とは全然違う結果になると思いますし其の方がいいです。で、本番でいつも通りに終わったらそのことについてきちんと検証されるのでしょうか。まあどこぞの協会の様に「次だ次」とスルーされたりする予感がしますが…それとも「俊輔だけが悪い訳ではない!全員のコンディションをピークに持って来れなかったのが敗因だ!」等宣われるのですかね。
レビュー楽しみにお待ちしております。