冗談はさておき、リアリズムの視点から考えてみても、オランダ戦を「捨てる」選択は現実的ではない。なぜならば、得失点差を考慮すると、もし2点差以上で負けたとすると、1点差で負けた時よりも格段に第3戦の戦い方が難しくなるからだ。したがって、大差負けだけは避けるように、丁寧に戦うのがゲームプランとなる。そうは言っても、とても難しいミッションになのだが。
オランダの攻撃を止めるためには、大変月並みだが、ファン・ボメルとスナイデルを自由にしない事に尽きる。と書くと簡単なのだが、よほど中盤で稠密なプレスをかけ続けないと、いつか隙ができる。その隙を作らない活動を90分間継続できるかがポイントになる。
デンマーク戦でも感心させられたが、ファン・ボメルが正確に素早くスナイデルに展開。そこで前を向いたスナイデルは僅かなスペースがあると、実に正確で強いパスを急所に送ってくる。ヘタをすれば、昨年やられたように、強烈なシュートを決められてしまう。
カメルーン戦の終盤、さすがにラインが下がってしまって、危ない場面を作られていた。オランダ戦では、あれが致命傷となるだろう。そのためには、結局カメルーン戦と同じ努力が必要になるはずだ。
マイボールになった時に遠藤を軸に丁寧に変化をつけたつなぎで、少しでもよい体勢でボールをキープする事が。特にオランダはデンマーク戦、ボールを奪われるとかなり素早く引いてブロックを作っていた(彼らは彼らで、本当に「狙っている」から相当慎重なのだ)。日本戦でも同じように、相当素早く引いてくるはずだ。だから、ボールを奪った第一波で攻めそびれたら(もちろん、第一波で速攻を狙うのは大事だけれど、ボールを奪われて速攻されない方がもっと大事だ!)、無理をせずに後方で丁寧に回す判断がとても重要になる。初戦、老獪なボール回しの軸となった遠藤には、さらなる輝きを見せてもらう必要がある。
そして、ラインを下げない事。これは、改めて中澤に期待をしたい。カメルーン戦の中澤の守備、特に抜群の読みはすばらしかった。少々不格好でバランスを崩しかけながらも、身体のギリギリを伸ばし切って、ここぞと言うポイントでボールを奪ってくれた。特に前半遠藤、後半闘莉王それぞれのミスパスから敵にドリブル突破を許しかけた場面の寄せは絶品だった。カメルーン戦以上に忙しい事になると思うが、読みながらラインを上げると言うタフなシゴトをよろしくお願いしたい。
いずれにしても、カメルーン戦よりも一段レベルの高いプレスとライン保持が重要になるはずだ。
もう1つオランダの攻撃で気になるのは、ウィングからのサイドチェンジ。ロッベンが不在なためか(おそらく日本戦も欠場らしいが)、デンマーク戦ではあまりサイドチェンジ攻撃は見られなかった。大会前のハンガリー戦では、このやり方でボコボコに点を取っていた。
デンマーク戦では、デンマークの高さを意識して、むしろ低いパスを重視した可能性も高いが、日本相手には仕掛けて来るようにも思う。そこは両サイドバックの集中が鍵になる。
長友も駒野も、もちろん内田も今野も、いわゆる反転の速さは相当なものがある。したがって、ウィングにしっかり寄せる事ができれば簡単に精度の高いクロスを上げさせる事はないハズだ。
一方、逆サイドからクロスが上がりそうな時に、的確に位置取りを修正し、クロスが入ってきてもフリーでシュートを打たせない事も重要。オランダのその手のクロスは高いボールではなく、低く速いボールが来る事が多いから、最初の挙動を間違えなければ、必ずはね返せる。
もちろん、攻められてばかりいては、いつか崩されるから、攻撃も考える必要がある。多くの報道でも言われている通り、オランダの守備を揺さぶるためにはサイドチェンジが有効だろう。
その場合スタメンをどう組むべきか。サイドチェンジが巧いと言えば、もちろん俊輔、憲剛なのだが、好調でよいプレイを見せた大久保、松井を外すべきかどうかは難しい選択となる。
オランダの右サイドバックのファン・デル・ウィールは、頻繁に上がってくるから、スタメンで大久保は外しづらい。そう考えると、松井に代えて憲剛を使うと言うのは1つの策だとは思う。あるいは、岡崎を使い、本田と交互に右に張り出させる。そして、いずれのやり方でも、左からは遠藤が、右からは憲剛(本田)がサイドチェンジを狙う。もちろん、カメルーン戦と同じスタメンで行き、低めから駒野に(いきなり内田を使って来たりして)サイドチェンジを狙わせるのも一手段だが。
ただし、ヘマなサイドチェンジをすると、そこから一気に逆襲を許すから、中途半端なボールは厳禁なのは言うまでもないが。敵陣に入ってしっかりとしたサイドチェンジを使う事ができれば、敵陣深くに進出した際に以前よりこのチームの狙いだった低いクロスやプルバックが有効になる。
終盤、どうしても点を取りたい状況に、森本や俊輔の起用が検討されようが(この試合ではそのような状況が生まれない事がゲームプランであり、これは大変望ましくない状況だが)、どのように仕掛けるかは、とても悩ましい。ただ、いざと言う時のためにカードがある事はとても大切な事だ。
以上、当たり前と言えば当たり前の作戦を述べた。そして、これまた当たり前の事だが、各選手が、ただただ、ひたすら、愚直に、几帳面に、頭を働かせながら、食い付き続ける事に尽きる。もちろん、この試合は引き分けで成功だし、1点差の負けでも悪くはない。けれども、食い付くためには「勝とうとする」姿勢は何より重要なはず。
少し視点を変える。過去日本は、98年フランス大会でアルゼンチン、01年コンフェデでフランス、03年コンフェデでまたフランス(随分メンバ落ちだったけれど)、05年コンフェデでブラジル、そして06年ドイツ大会でまたブラジル。と、公式戦で、世界トップ国と戦う機会を得て来た(こう並べてみると、大変残念ながら、相手が本当の「本気」で戦ってくれたのは、03年のコンフェデ決勝くらいだが)。勝ち点を取る事ができたのは、唯一05年のブラジルだけ。けれども、チーム作りが完全に失敗した4年前のドルトムント以外は、みな1点差の抵抗に成功している。いずれの試合も相応に食い付く事に成功した試合だった。今回のように組織的な守備が機能しているチームならば、十二分に戦えるはずだ。
そして、ちょっとした攻撃の工夫があれば。
ベストメンバーに近いスタメンだと、カメルーン戦に出ていた選手が後半どこまでもつかが重要になってきそうですね。
前回のオランダとの対戦ではアグレッシブに行って、失点するまでは良かったので、その戦い方をするのか、カメルーン戦のやり方で挑むのかも興味深いところ。
カメルーン戦以上に岡田監督の采配が鍵ですね。楽しみだー。
結局、試合はここに帰結してしまったね。
前試合との大きな違いは、本田が機能せず、前線で全くボールが収まらなかったこと。カメの左サイドのようなカモがいないからしょうがない。
で、あるならば、当然に前線のボールの収めどころとして森本が期待されるのだが・・・。やはり岡田を甘くみてはいけなかった。なんと中村俊を入れてくれた・・。(涙)
岡田は(ボイコットもせずにいけしゃあしゃあと出来てきた)インタビューで、「中村は起点として」などとほざいていた。起点足り得ないことはすでに証明されていたことだ。
その中村俊が再三ボールを奪われ、一度ならずも日本のゴールを危機に陥れたことはご覧のとおり。貴重な終了前の攻撃の機会をみすみす失っていた。岡田の選手交代のひどさ、試合の流れのセンスの無さは、これも再三指摘してきたこと。それが本大会でも出てしまった。
カメとの試合でも、有効なのはパス狙いではなく、ボールを持っての勇気ある仕掛けであった。前半、オランダもそれを嫌がっていたことは解説者も指摘していた。それを中村俊・・・。
で、最後はチビFWがボールを「吹かし」、アーリークロスという通常行うべき手段も使えず、なんとトゥーリオFW(しかしクロスは入らず)試合終了。
前線でのボールの収まり、前線でのクロス勝負の放棄、(大久保が「でかい顔(物理的に)」でゴール前のいるは勘弁してほしい。少しは前を開けて懐を広くして、ボールに合わせて飛び込むくらいの知恵をつけて欲しい。)岡田の負がもろに出た試合ということだな。
さて、デンマーク。
今野が出てこないのはどうしてだ?岡田の情報漏れの制裁か?
FW森本。 本田がいれば両者が孤立することはないだろう。岡田を甘く見てはいけないな。
お前のその自信あるコメントこそが?・・・センスないのでは?
お前のその自信あるコメントこそが?・・・センスないのでは?
なんか見てていらいらする。
だって「激しさ」がまるでないんだもの。
ボールを前に相手選手に遠慮してるように見える。
当たったら確実に負ける(吹っ飛ばされる)のを自覚してるんでしょうけど。
あと終了間際にトゥーリオが相手GKの前まで追っていたけど、何であれを岡崎や玉田がやらないんだ?
途中出場させた意味がまるでないように感じました
それ以外はあんなもんだが、長谷部・遠藤・本田・トゥーリオ・長友などが交代選手よりも積極的に走っていたのが印象的。サブももっと戦って味方に楽をさせないとダメ。23人(俊輔はもうダメだから22人か)で一つにならないとデンマークとは勝負できない。
あのクロスではとても代表レベルとは呼べない。
岡田ジャパンの右サイド、中盤の右、FW、監督本人、という弱点が結局露呈している試合だった。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負け無し」(by松浦静山)
闘う気持ちが感じられない選手はいりません。
なんというか、中村俊にもう居場所がないことがはっきりした試合でした・・・
誰か忘れましたが「中村はビッグクラブでは成功できるが中堅以下のクラブではレギュラーにはなれない」と言っていたのを思い出しました。
その言葉がぴったり当てはまるプレー振りでした。
たらればを言い出したらきりがないですが、日本代表がもっと強ければ、もっと頼りになる仲間がいれば、あるいはもっと中村俊中心のチームであればまったく違った評価を得られたと思うのですが、残念ながら彼のパスセンスを生かせるだけの環境をチーム全員の激しい上下動とハードワークを戦術の柱にしているいまの日本代表チームは用意できません。
日本サッカー史に名を残すようなすばらしい選手なのに、チームにフィットできないがために戦犯のように呼ばれるのが腹立たしくてなりません。
すべては自チームと相手チームの戦力分析に失敗し、誤った分析の元に選手選考をし、その後間違いを正すため大幅に戦術プランの変更を余儀なくされ、その結果選考した選手と戦術のミスマッチを呼び込んだ監督の責任であって選手個人の問題ではないと思われます。
彼のような選手がその被害者になっていることが悲しく腹立たしくてなりません。
誰が言ったの?そんな戯言w
選手の評価は2種類だけ。「良い選手」か「そうでない選手」か。
「巧いだけ(しかもフリーの場合限定)の選手」なんて用無しです。
よほど個人的に思い入れがある方なんでしょうけど、それを言うのは変でしょ。使ってる監督が一番悪いというのはその通りだと思いますが。(「巷にある「俊輔不要論」ほど愚かな意見はあるまい。」と言う見解を述べた武藤さんも誤ってたってことになりますが。)
日本サッカー史に名を残すようなすばらしい選手だろうがなんだろうが、選手がピッチでファイトできなくてその結果としてチームが負ければ、誰だって「戦犯」ですよ。
何故「名選手」が「戦犯」じゃいけないんですか?いけない、ではなくて腹立たしくてなりません、でしたか。
それよりも、今日の試合を見た多くのヒトは彼のプレイぶりに(案の定、と思うヒトも多かったでしょうが)それこそ「腹立たしい」思いだったと思いますよ。