2010年06月22日

2巡目を終えて

 始まると時間はアッと言う間に過ぎるもので、早くも1次リーグは2巡目を終了した。
 2巡目の大陸ごとの成績。欧州は6勝3分4敗(うち1試合が直接対決、1巡目は4勝5分け4敗、以下カッコ内は1巡目結果)で、南米は何と5戦5勝!(3勝2分け)アフリカは2分4敗(1勝2分け3敗)と相変わらず苦しい。日本と韓国が優勝候補にやられたアジアはアジア2分3敗(2勝1分け2敗)。北中米は1勝1分1敗(2分け1敗)。とにかく、南米勢の強さが際立つ。ブラジル、アルゼンチンの他の南米国がここまで充実している大会は記憶にない。ここ最近の欧州勢優位の傾向に一石を投じるのか、トーナメントに入った以降も注目していきたい。
 また改めて日本のグループは難しすぎず、簡単すぎない、いかにも普通のレベルだったのだなと思う。日本(アジア国)は、シード国、欧州2番手国、南米アフリカ国と同じグループになる抽選だった。オランダとデンマークは、それぞれシード国、欧州2番手国としては真ん中ちょっと上くらい、カメルーンは南米アフリカ国としては下の方くらいだろう。そう考えると、このグループは、難しさもちょうど真ん中、普通レベルだったなと。
 
 2巡目の試合で、何と言っても驚きはイタリア1ー1ニュージーランド。これは歴史的なビックリ。ニュージーランドには少々失礼だが、彼らの久々の本大会出場は、かなりの幸運の賜物。豪州が抜けたオセアニアはほぼ無風地帯(と言っても、前大会予選でニュージーランドはソロモン諸島に屈すると言う前代未聞の珍事を起こしているのだが)。そして、プレイオフで、ミラン・マチャラ氏の手腕でアジア5位にすべり込んだバーレーンに圧倒されながら、マチャラ氏独特の勝負弱さを突いて勝ち取ったものだった。したがって、戦闘能力面では、圧倒的に再弱を予想されていたのだが、どうして、どうして。あのイタリアから、勝ち点奪取ですよ。我々よりすごいではないか。老カンナバーロのヨレヨレの腰をどう見るかで評価が分かれようが、このスロースタートのイタリアは、いきなり1/16ファイナルでオランダとぶつかるのが濃厚。ここで、突然生まれ変わって82年の再来となるか、86年のようにただ消え去るのか。もっとも、66年や74年のように、「その前に」消え去ったりして。もっとも、このF組は、スロバキアがニュージーランドに対してドジを踏んだので、パラグアイとイタリアだろうが。
 その他には、イングランド0ー0アルジェリア、ウルグアイ3ー0南アフリカ、ギリシャ2ー1ナイジェリアあたりがサプライズか。
 イングランドは、やはり私が優勝候補と唱えたのがいけなかったのだろうか(笑)。まあ、このくらいのスタートの方がよいのかもしれないけれど。このC組はいずこの国にもチャンスがあるが、引き分けでは相当苦しくなるイングランドが、どうスロベニアをこじ開けようとするのか。戦闘能力ならばイングランドと合衆国なのだろうが。
 南アフリカは、あのPKにはビックリ。2002年の相方のナニは特別とは言え、開催国特権はいずれの大会でも見受けられるものだった。ところが、今大会は、グループリーグの組み合わせから恩恵がなく、判定でもここまで気の毒な一撃を食らうとは。FIFAは南アフリカでの開催は強行したが、南アフリカの人々の歓喜には興味がないと言う事だろうか。このA組はウルグアイとメキシコで決定だろう。
 ギリシャは初戦の韓国戦があまりにダメだったので、94年のダメダメギリシャの再来かと思われた。しかし、さすがはレーハーゲル爺さん、ナイジェリアが退場でガタガタになるや、見事に逆転してしまった。このB組の2位争いは、誰もが韓国ーナイジェリアで決まると見ているが、いかにも手を抜きそうなFCディエゴに、レーハーゲル爺さんが巧い事して漁夫の利を得る予感がしてならないのだが。
 
 ついでに、その他の組の予想。
 北朝鮮がポルトガルの前に無謀な体力勝負を仕掛けバラバラにされてしまった。いくらなんでもコートジボワールはあそこまでの大差で北朝鮮に勝つのは無理だろう。
 クローゼの退場でセルビアにドイツが敗れたため混戦となったD組。この2試合はそれぞれすごい試合になるだろう。ここまでアフリカの意地をもっとも見せているガーナと、10人でもセルビアを圧倒したドイツの死闘。引き分けではダメな可能性があるセルビアと後がない豪州。当初から「死の組」と期待された組だが、正に読めない最終節だ。2試合とも引き分けでガーナとドイツかなあ。
 そして、チリ、スペイン、スイスの3すくみ。見せ物としてのチリースペインはすごい試合になるだろうな。ただし、今の勢いのチリである、スペインは勝ち切れないのではないか。

 そうすると、1/16ファイナルは、準々決勝は、と想いは飛んでいくが、それはデンマークに勝ってから語る事にしようか。
posted by 武藤文雄 at 23:08| Comment(6) | TrackBack(0) | 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>イングランドは、やはり私が優勝候補と唱えたのがいけなかったのだろうか。

中村俊にも謝ってやってください(合掌)。
しかし、恐るべきジンクスですなあ。
Posted by at 2010年06月22日 23:18
武藤さん本命ですが、それでもやっぱりブラジルですかねえ。
ブラジルが消えるとしたら、ジダンとかFCディエゴとか・・・もっと遡ってもプラティニのフランスとか、ロッシのイタリアとかクライフのオランダとか・・・それこそ歴史的なチームしか・・
止められそうなのはやはりメッシのいるFCディエゴですかね。
決勝でこのカードが是非みたい!
Posted by at 2010年06月23日 00:27
揚げ足を取るようで申し訳ないですが、
アジアは4チームなので、武藤さんが説明されているのはアジアではなくアジアオセアニアの戦績ですね。アジアだけのラウンド2の成績は1分け3敗、苦戦していますね。
でも、取りあえず、韓国に続き日本もトーナメントに残って欲しいですね。そうなると4.5枠の確保は大丈夫でしょう。今からどきどきしています。

Posted by 九州男児 at 2010年06月23日 10:10
>FCディエゴ

秀逸です。。。
Posted by at 2010年06月23日 20:54
韓国は羨ましいですね。
試合見てませんが、堂々と打ち合ってグループリーグ突破。
それに比べて日本は・・・とは言いたくありませんが、何か差がついてしまった気がします。
2002年以降、どこか韓国サッカーを軽蔑していましたが、今大会で完全に偏見がなくなりました。
今度はどこまでいけるのか、素直に頑張って欲しい。もしも準決勝まで残れれば、完全にあの大会の狼藉は過去のものとなるでしょう。
Posted by at 2010年06月23日 23:37
そりゃぁ日本は2006を無駄に使ったもの
Posted by at 2010年06月24日 16:00
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