左サイドを長友が疾走するところから始まった攻撃、憲剛が本田、香川らと丁寧にボールを回し、パラグアイ守備陣を振り回す。そして憲剛とボールをつないでいた香川が前方に進出するのと同時に、岡崎が後方に引いて、バイタルエリアに見事にスペースを作る。そして走り込む香川に、憲剛が一拍溜めた絶妙なラストパス、右足にピタリとあったボールを見事に右斜め前方にトラップした香川が狙い済ましたグラウンダのシュート、好補をつづけていたGKビジャルを破った。
これだけレベルの高い相手を、ここまで見事に崩す遅攻は、そうは見る事ができない。美しい得点だった。
あの悔しいPK負けから、もう2ヶ月が経った。あの重苦しい陰険な戦いとはうって変わった、親善試合らしい相応の攻め合いとなった試合。競技場の熱狂振りは中々だった。試合前は、監督決定もしないのに有料試合をアレンジした事に「興行優先はいかがか」的な批判も多く、またナビスコや天皇杯とのバッティングも議論された。けれども、あれだけの試合を見せる事ができたのだから、原博実の勝利だな。キックオフ直前だったろうか、得点時の原氏のピョンピョンを見たいものだと友人に語っていた。すると友人からは、現役時代のストライカ原博実の跳躍について色々と問われたのだが。ところが、香川の得点があまりに見事だったので、原氏の方を見るのをすっかり忘れていた。どうやらピョンピョンはなかったらしいが。得点の直後にオーロラビジョンに嬉しそうなザッケローニ氏が映ったが、これを含めて原博実の勝利だ。
日本はCBとして栗原を中澤と並べ、ボランチには細貝を抜擢して憲剛と組み合わせた。水曜日にナビスコに出場した岡崎と駒野はスタメンを外れたが、憲剛は結局フル出場、ご苦労様でした。遠藤も阿部も離脱したために、中盤後方で精度の高いパスを操れる選手が他にいないと言う事情もあったのかも。遠藤が難しいと判断された時点で、たとえば柏木なり家長なりを呼んでもよかったと思うのだが。
ともあれ、細貝と憲剛の中盤は中々よかった。前半半ば過ぎあたりこそ、パラグアイのトップと中盤の選手が憲剛に相当厳しいマークをしてきた時間帯日本は全く攻め手を失ってしまった。闘莉王不在もあり、後方から精度のよいボールが全く出なかったからだ。しかし、中澤を軸にしのいでいるうちに、細貝の運動量と視野の広さから、憲剛がフリーでプレイできるようになり、前半終盤からは日本はまた攻めに出られるようになった。憲剛は、香川へのラストパスのみならず、本田や長友に幾度も高精度のミドルパスを通し、正確なCKを栗原や中澤に合わせ、見事なプレイ振り。彼の代表経歴でもベストに近い出来だったように思う。
栗原は敵との応対を含めた強さは上々だったが、バリオスが長い距離を引いてボールを受けに入る時に細貝に任せるのか自分で行くのかの判断が曖昧。比較しては気の毒かもしれないが、中澤が「行くと判断したら必ずガシッと行く」のとは対照的だった。後半敵に決定機を与えた凡ミスと言い、細貝と比べると「代表に定着してやろう」と言う気持ちの強さが伝わって来なかったのが気になる。また川島が不安定だったのも、ちょっと残念。チームの連敗が続いていると言うが、リズムを崩してしまっているのかもしれない。
パラグアイが両翼を張り出し、さらにMFもサイドの支援に意欲的だっただけに、サイドバックは中々挙りづらい状況だった。そのような中で、長友が相変わらず精力的に上下動したのはさすがだった。ただ、次第に要求は厳しくなって来るもので、もう少し左足でのセンタリングの蹴り分けを意識して欲しいと思い始めた。少なくとも、ニアに低く強いボール、ファーに高いボール、プルバックの3種くらいを、はっきりと意図をもって、(利き足ではない)左足で蹴り分けられるようになれば、世界屈指のサイドバックの1人になれると思うのだが。一方の内田は微妙なでき。2、3回自分サイドを崩された事もあったのも気になったが、やはりもっと前に出て欲しかった。パラグアイの張り出しに自重した事もあるとは思う。中村俊輔なり小笠原のような使い手がいないと、思うように上がれないと言う事なのだろうか。
森本は相手のCB2人が相変わらず強力だった事もあるが、残念なでき。すごく残念だったのは、前半30分くらいに本田のロングパスで抜け出しかけてボールをしっかりと自分の場所に置き切れなかった事(直後に香川にパス)。まずは自分のクラブで試合に出て、ファーストタッチの精度を上げて欲しいところだ。森本に代って入った岡崎は、例によって豊富な運動量でよく引き出し、森本に(少なくとも現状での)地位の違いを見せつけたが、もっとセンタリングを上げる場所をチームメートに要求して欲しいところだ。ストライカのそのような要求が、チームの攻撃の道筋をはっきりさせる事になるはず。
本田は後方に引き過ぎる点が気になった。香川と松井を前に出そうと言う意図だったのかもしれないが、もっと飛び出してよかったように思うのだが。比較的早い交代といい、案外体調がよくないと言う事なのだろうか。少なくとも、30分以降憲剛が自由に動けるようになった以降は、「憲剛からのボールをいかに敵陣近くで受けるか」に専念してもよかったと思うのだが。松井は相変わらず変態ドリブルは見事だったが、年齢的にももう少し他の選手のよさを引き出すプレイが期待されるところだ。そして、香川。過去代表では幾度もチャンスをもらいながら、力を発揮できずにきたこのタレントが、意欲的に突破を狙ったのは嬉しい。得点は完璧なものだったが、55分くらいだったが強引にドリブル突破でパラグアイの中央を切り裂こうとした場面がまたすばらしかった。サポートメンバでの帯同と言う屈辱が、この若者を大きく成長させたのだろうか。
もう1つ。競技場の雰囲気が、とてもよかった事について。
うまい言葉にならないので、自分でももどかしいのだが、ワールドカップの「成功」で、サポータ達が自信を取り戻したと言う事ではないか。岡田氏の就任以降、代表戦で勝っても「相手の準備が悪かったから」、「相手が弱いから」と語り、負けると「日本選手の能力は低い」、「とにかく岡田氏が悪い」論が横行した(たとえば昨年来日したチリやスコットランドは、決して弱いチームでもなかったし、戦闘意欲も旺盛だった)。敵地でオランダに敗れて「この世の終わり」論が出た時はさすがに呆れたものだった。
しかし、南アフリカでの奮闘から、多くのサポータが「日本の位置取り」を正確に再理解する事ができた。我々は決して弱くはないのだ。
その状況での、パラグアイとの2ヶ月前とは打って変わった攻め合いの試合。本田、香川、長友、岡崎と言ったタレントの堂々とした活躍、そしてすばらしかった中澤と憲剛のリーダシップ。
よい試合は、やはりよい。それを皆で当たり前のように理解し、喜ぶ事ができる。「ああ、南アフリカでの死闘を終えた、私の代表チームが帰って来たのだ」と心底実感できる愉しい試合を満喫させていただいた。
2010年09月05日
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観客の多さ、選手のモチベーションの高さなど。
全ては岡田前日本代表監督がもたらした結果なのですね。
とても誇らしい気持ちで胸がいっぱいになりました。
ああ、日本代表が帰ってきた!と僕も思いました。
要するに今後の残留のこととか考えたら、今のうちにさっさとケリつけちまったほうがいい、って思ったんだろうけど、「恥知らずってのはどんなミジメな敗者よりも醜い」っていう人間としての原点すらもうどうでもいいんだろうね。
無論、本人達は負けるつもりなんてサラサラなかっただろうし、チームの周辺ではそんなこと気配にすら出してなかっただろう。でもいつの間にか無言の集合的無意識の中で合意形成がなされていた。
問題なのは自然に合意形成がなされる“空気”が存在する、ってことだ。
そのことの絶望的な重さと深刻さを理解できないのなら、今年残留したところでただ一年先送りされるだけの話だろう。
そしてスポーツの世界には「アンリトゥン・ルール」という絶対の掟がある。
人間社会には法律や制度を破った奴には救済や復活があっても掟を破った奴にはもう何もないんだよ。
よかった、このチームと魂を同じくするところに生まれ育ってなくて。
代表サポーター並び、にわかサポーターの喜び様を見ると、W杯16の影響の凄さを改めて感じました。
特に我がセレッソ(元デスが)の香川真司の絶妙ボディーバランスとテクニックからのゴールにシビレマシタ
明日は長居にシンジと乾君を見に行きます
コアなサポは大事ですがまったりとしたファミリーファーンも大事ですがな
長居に来る大阪の人は阪神も好きやけどサッカーもねなんて柔軟な方が多いのです
昨日の天皇杯でもマッタリシタ家族サポが多いキンチョウスタジアムでした
楽しみです
ドルトムントへ行きたいなあ
そして殺人ですら我々の世界では掟破りではない。自分の娘に売春を強要して小遣い稼ぎを企む酒乱の親父をその娘がブチ殺したところで、社会はその子を切り捨てたりはしないだろう。
何とか自分という人間を救い出そうと、四方八方手を尽くし、自分の知らないところで傷だらけになっている周囲の人間を5度も6度も平気で裏切り続けてクスリに耽っている清水健太郎ですら、掟を破っているわけではない。
しかし自己保身のために死にかけている女を見捨てて自分だけは何とか助かろうと画策した押尾の掟破りを我々の社会は決して見逃すことはない。
今後、清水健太郎と押尾学は同列の存在として語られていくのだろうが、その歴然たる違いを認識できないサッカー運営会社の幹部連中はあとで手痛いしっぺ返しを食らうことになるだろう。
ルールは破ってもいい、しかし掟だけは破るな。でもそれをやっちまったんだよ、あのチームは。
自己満足で書いた電波な自分の文章に酔ってる様がありありと伝わってくる。気持ち悪い…
何故わざわざこんな無法のジャングル地帯にしゃしゃり出てきてがんばるのか?
そのほうがよっぽど気持ち悪い。
こんな奴、とっくにアクセス禁止で書き込みできなくなっても不思議じゃないのに放置されてる。それは武藤がこのコメント欄を読んでないからに他ならない。
俺から言わせれば名監督も武藤を援護してる奴も馬鹿だとしか言い様がないな。
肝心の武藤が見ていないのに不毛な争いをしてるお前等は実に滑稽に見えるよ。
そんなに武藤さんが好きなのか?
諦めろよ。フラれただろ?
なに、諦めきれない?まったく女々しい奴だなw
ストーカー行為はほどほどにしろよw
気持ち悪いぜw
ひどいな・・・「こんなどうでもいいブログに」なんて、よくもそんなお手軽に人様の営為を無残に切り捨てることができるな。
ダメだな、こいつ。こいつには武藤さんへの愛がない。
最後は愛なんだよ、愛。どんな紆余曲折を経てもいい、最後にそこに愛があるかどうかなんだよ。
過去のコメントも含めて面白いと思ったことが一度もない。
センスがないのかな?
高尚な文章を書こうとして失敗してる典型的な三流作家にしか見えない。
自分ではきっと面白いと思ってるんだろうね。
このサイトを荒らす事でしか自らのアイデンティティーを保てないんだな。
哀れな人だ…
3年後ぐらいに自分の文章読み返したら恥ずかしくなるから、このへんでやめといたほうがいいと思うよ。
テンション上がってる時は気分が大きくなるからねえ。
失敗したり、恥をかかない生き方をするのは簡単だ。
絶対にチャレンジをせず、全てを他人のせいにして自分だけは逃げ回り、エラそうに評論家にでもなった気分で最後の最後に、後だしジャンケンよろしく結論めいた能書きをタレればいい。
そして自分はさぞかし冷静沈着で、分別のある、知性に溢れた良識ある人格者だ、と自己満足し、その満足感は10年たっても全然変わらず、10年前の自分を思い返してもそんな自分が恥ずかしいなんて全く思えず、ひたすら幸福感に包まれて自信満々に生きていくのだろうが、ハタから見ている分にはそのミジメな愚か者ぶりは正視に堪えられない。
最も当人はその貧しい想像力ゆえに、そんな風に自分が他者から認識されている、なんてことは全く考えたこともなく、この世には自分しかおらず、自分がこの世の全てで、♪bPよりonly1〜♪とかいうバカ者の歌のセリフを本気で信じるような世界観しかもっていないのだけど。
ハタから見ている分にはそのミジメな愚か者ぶりは正視に堪えられない。
ハタから見ている分にはそのミジメな愚か者ぶりは正視に堪えられない。
ハタから見ている分にはそのミジメな愚か者ぶりは正視に堪えられない。
ハタから見ている分にはそのミジメな愚か者ぶりは正視に堪えられない。