天皇杯決勝大会。いきなりベガルタは仙台ダービーでソニー仙台に延長で敗退。中2日で戦うジュビロとのナビスコに向け、主軸を休ませて勝とうと言う魂胆だったが、勝てないわ、延長で選手は疲弊するわ、勝ち切るために起用した関口は退場で使えなくなるは、考え得る最悪の展開となった。
映像は無様な失点場面しか見られていないので、試合内容云々を語る事はできない。ただ日頃手倉森氏の采配、特に選手起用に手厳しい私だが、この日のやり方は間違っていなかったと思う。実質3部リーグのチーム、しかも先方は中1日とコンディションも完璧とは言えない。やや落ちるメンバで臨んで勝つべき戦闘能力差は十分あったはず。これは悪いのは監督のやり方ではなくて、選手たちの創意工夫や勝とうとする(あるいは定位置をつかもうとする)執念の不足と言うべきだと思うのだが。
まあ、済んだ事は仕方がない。そして、人生でも、サッカーでも、このように不条理に最悪の展開がてんこ盛りで来ることは、たまにあるのだ。既に最悪の事態が起こってしまっている以上は、これより悪い事は起きないと言う事だ。淡々と現状を受け入れ、したたかにユアテックにジュビロを迎え、きっちりと勝利して準決勝進出する事を期待したい。
で、天皇杯について。
ひどい日程である。そして、ここまで恣意的に組み合わせを決定した公式戦が行われた事があまりに残念だ。このような日程を組んで、日本で最も権威のある大会を行う事に、日本協会は恥ずかしいとは思わないのだろうか。皆が呆れているとは思うが、改めて問題点を列記しておく。
(1)1回戦を戦った下位クラブが中1日で戦わなければならない。しかも、この暑い時期なのに。さらに、昼間の試合も散見された。したがって、下位クラブは疲労困憊状態で、Jクラブに挑戦する事になる。
(2)地域予選終了後僅か1週間で決勝大会開始。これでは、いずれのクラブも真っ当に敵をスカウティングすらできない。さらに、選手名はおろかチーム名すらまともに入ってないプログラムが500円で販売されたと言うが、これは喩えではなく純粋に「詐欺」と言うものではなかろうか。
(3)1回戦をシードで戦わないJクラブは地元で、疲労困憊した下位クラブを待ち構える形態となる。したがって圧倒的にJクラブが有利(それでもJFLのクラブに負けたJ1のクラブがいたのですが、まあそれはそれ)。
(4)上記の下位クラブの疲労や、移動コストを最小にするためだろう、Jクラブの近隣地域のクラブ(あるいはクラブ同士)が、1回戦を戦う組み合わせ(たとえば、ベガルタはソニー仙台と福島ユナイテッドの勝者と対戦、サガンは佐賀大学と熊本学園大付属高と対戦など)。ここまで恣意的な勝ち抜きトーナメントの公式戦など見た事ない。
(5)1回戦にせよ、2回戦にせよ、組み合わせが決まるのが直前で、チケット販売にも非常に不利。実際、週末の公式戦ならば万単位のサポータを集められるJクラブだが、レッズの9700人が最高の観客動員、東北電力スタジアムのアルビレックスでさえ6000人足らずだったと言うのだから、これはこれで日本協会の敗戦だろう。
ちなみに、ヴェルディユースは、1回戦で駒沢大に勝てていれば、翌日北海道に飛んで高円宮杯を戦い(しかも対戦相手は大阪を本拠とするセレッソユース)、そのまま東京に戻ってFC東京と戦う事になっていたのだそうだ。誰がどう考えたって、ヴェルディユースとセレッソユースの試合会場を東京圏に変えれば済む事だと思うが(そしてその変更は誰にも迷惑をかけないと思うが)、会場を変えない正当な理由を説明できる人がいたら、是非教えて下さい。
もちろん、日本協会サイドからすれば無数に事情と言い訳があるのはよくわかる。ワールドカップの年にあたるために、日程を組むのが本当に厳しいのだろう。そして、今週末は、ナビスコと国際マッチデイの間隙。ここで強引に金曜日と日曜日で2回戦までを消化するのは、彼らなりのグッドアイデアだったのだろう。現実的にユース世代を含むアマチュアチームが主流の天皇杯の平日開催は容易ではない。強引に金曜日と日曜日に試合を押し込み、しかも近隣同士の試合とする事で、移動距離と経費を最小にするのに成功した。このアイデアを思いついた協会職員は表彰ものだったのかもしれない。
でも、違うよね。
以前より幾度も語っているが、日本サッカー界の日程破綻の改革に、天皇杯日程の改革は必須事項である。私案は過去述べたが、2年かけて天皇杯を行うのがベストだと思っている。2年に1度のタイトルにするもよし、次大会の地区予選が決勝大会と平行されて行われるもよし。こうすれば試合間隔も空けられるから、チケッティングを含む試合運営をクラブに任せれば、地方代表の小クラブが地元でJの大クラブと戦い、大量のチケットをさばく事も可能になろう。
32クラブに絞られた第90回天皇杯。今年もよい試合が見られる事を期待したい。いや、きっと見られる事だろう。しかし、だからと言ってこの序盤の日程不備は忘れられてよいものではない。負の遺産として、しっかり記録し記憶していきたい。
2010年09月06日
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日程を擁護するつもりはありませんし、結果論にすぎませんが説明は出来ます。
北海道と東京じゃあ気温が全然違います
今年の宮杯初戦は残暑が厳しく西が丘の2試合目では両チームのGKの足が攣りました
移動の疲労以上に気温の疲労の方が深刻でした
次の日も試合をする事を想定するなら夜の西が丘で試合をするなんてこともできなかったでしょう
もし西が丘で試合をしてたら冗談じゃなく死人が出てたかもしれません
まあ本当に結果論にすぎないんですけどね
結果的にですが札幌での試合で助かったと思います。
翌日の西が丘では、福岡―名古屋戦で双方のGKが猛暑で
倒れるという強烈な事が起きてしまいまして、ヴェルディが
東京で連戦したら死人が出たんじゃないかと。
札幌も暑かったようですが東京に比べればマシですから。
(実際選手は「涼しくて助かった!」と言っていたらしい)
2種の天皇杯としての高円宮杯は今年で廃止なので、
日程のバッティングは解消されるんじゃないかな。
前も書いたけど、これ以上予選期間を延ばすのは
アマチュアチームには不可能です。そもそも、来年に
チームが存続している保証すらないし、選手は確実に維持できない。
予選と本戦で全く違うチームになるようじゃ、予選の正当性が
保証出来ない。アマチュアには最重要な大会なので、そこが
アヤフヤになるのは困るんです。
下位チームも総合力を試されるし、日程も空く。
問題はお金ですが、協会はいくら金があれば満足するんですかね。
年収益は10年前の3倍近くありますが。
世の中は理屈や損得だけで動いていないから仕方ないか。
講釈師のいうとおり、一方(下部チーム)が圧倒的に不利な状態は大会のあり方として健全ではないよね。
前売り券で2試合分の金を取っておいて、突然1試合にしました、では「金返せ」でしょう。
払い戻しという手もあるでしょうが、そうなったら今度は収益減となる北海道サッカー協会が不満を持つでしょう。
それ、JFAが補填するなら問題はないでしょうが。
で、なにより不満なのは、日頃全国レベルの2種の試合を見る機会に恵まれない北海道のサッカーファンに対する配慮を、武藤さんが一言でも示してくれなかったことです。
いつもの武藤さんであれば、「北海道のファンには申し訳ないが」の一言は入れていただけたと思うので。
卒業する選手も出てしまいますから、難しいような気がします。
協会とJリーグの間で、日程のすり合わせは行われていないのでしょうか?犬飼氏vs鬼武氏のような構図が印象にあるせいか、あっちはあっち、こっちはこっち的な感じなのかいと勘ぐってしまいます。それは残念極まりないことですが。
また、一向に涼しくならない9月において、リーグが15時キックオフとはしんどすぎませんか。ここ数年、9月はまだまだ暑いのに、そもそも日程が詰まっているのに、何故にナイターでないのか、不思議でございます。
この為にJの日程の隙間に大会日程を詰め込まないといけない回数が増えています
まあ、せいぜいナビスコ頑張って下さい。…残留が優先でしょうが。
あれはリーグとナショナルカップそれぞれの優勝チームが原則だったような…(だからナビスコ杯が世界に繋がらない)