今節、ベガルタはFC東京に終了間際の感動的逆転劇で勝利。現時点で残留争いしているライバルに、このような勝ち方をして、勝ち点6差をつけられた事は大きい。加えて、同じくベガルタと残留争いを演じているアルディージャ、ヴィッセルも敗戦した事で、それぞれとの勝ち点差も3広げる事ができた。素直に喜びたい。色々事情があって、映像もまだ見ていないので、残留争いを含めた講釈は別途垂れたいと思う。
で、今日は全然別な、お題について講釈を垂れたい。
今日の午後、何となく新聞でテレビ番組を探していた。すると、セリーグもパリーグもプレイオフをやっているのを見つけた(そう言えば、先週もライオンズとマリーンズの攻防を見たのを思い出した、2試合とも中々おもしろかった)。そこで驚いたのだが、セリーグのプレイオフ、タイガース対ジャイアンツの試合を地上波でやっていないのだ。
(少々失礼な言い方かもしれないが)先週のライオンズ対マリーンズならばさておき、タイガースとジャイアンツと言うのは、国内屈指の人気チームのはず。たとえてみると、レアル・マドリー対バルセロナみたいなもの。それもリーグ戦ではなくプレイオフの短期決戦を戦うと言うのだから、大変なビッグゲーム。それを地上波で放送しないと言うのは、どう言う事なのだろうか。
我々サッカー好きは、昔から野球のテレビ露出を羨望してきた。だいたい、私など幼少のみぎりから、毎晩のようにテレビでジャイアンツの試合を見ながら育って来たのだ。また、学生時代には生中継とは別に、毎晩深夜には「プロ野球ニュース」があり、全6試合のダイジェストを見る事ができた。大学の研究室で、深夜「プロ野球ニュース」を見ながら、友人達と野球談義を愉しんだものだった。そうやって、野球中継を愉しみながら育って来た世代だから、「羨望」と言う日本語は妥当ではないかもしれない。しかし、中学生になって以降、サッカーで身を持ち崩してきた身としては、やはり「羨望」と言う言葉が妥当だと思う。
現実的に、サッカーの人気が高まって来たとは言え、野球に比べてはまだまだだろう。仙台においてもベガルタと比較した露出は、イーグルスが格段に大きい。だいたい、仙台駅に降り立つと、イーグルスのグッズショップはあるし、普通にキヨスクでもイーグルスグッズを売っている。観客動員にしても、1試合あたりの入場者数は近いものがあるが、野球は試合数が多いのだから、トータルな観客動員は圧倒的なものがある。札幌でも福岡でも同様だと言うし、ジャイアンツと言うブランドの普及度、さらにはタイガースの関西での圧倒的人気は言うに及ぶまい。
しかし、そのタイガース対ジャイアンツの、プレイオフのビッグゲームが、地上波で放映されないと言うのだ。時代と言うものだと思う。30年近く昔の私の学生時代(皆が「プロ野球ニュース」で野球談義を愉しんでいた時代)には考えられない事態だ。テレビ局だって、このプレイオフがビジネス的に旨味が少ないから地上波での放送がなかったと言う事なのだろう(なお、関西では地上波放送はあったとの事だから、全国中継のの地上波放送がなかったと言う表現がより適切かもしれない)。サッカーと比較して、今なお高い人気を誇る野球ではあるが、昔と異なり圧倒的なキラーコンテンツではなくなっているのだ。
結局、余暇の過ごし方が多様化していると言う事なのだろう。サッカーにとって、もちろん野球はライバルの1つではある。しかし、双方の競技特性の相違からすれば、必ずしも両者は決定的な競合とは言わないのかもしれない。サッカーにしても野球にしても、競合と言えるものはすべての娯楽になる。映画も落語もディズニーランドも図書館もインタネットも山歩きもジョギングも広義の競合なのだ。そして、昔と異なりタイガース対ジャイアンツの大一番は、それらの競合の影響もあり、テレビ局が大枚をはたくだけの価値がなくなったと言う事なのだろう。
一方で。
最近Jリーグの地上波放送が減り、それによって一般層への露出が少なくなりJリーグの観客増(あるいはスポンサ獲得)の障害となっていると問題視する方が多い。これは、数年前にJリーグがスカパーと1次映像独占契約を結んだ影響のためとも言われている。確かに地上波放送で、Jリーグを愉しめる機会は以前と比較して随分減ってしまったように思える。確かに地上波でのJリーグ露出が増えれば、長い目で見て観客動員増に寄与する可能性は高いかもしれない。
しかし、タイガース対ジャイアンツのプレイオフでさえ、地上波放送されない現実を考えると、普通のJの試合を地上波で放送させる事は非常に難しいように思うのだ。アジアでのタイトルマッチにせよ、ナビスコカップにせよ、せっかくの映像を死蔵するテレビ局には多々文句を言いたい。また、各テレビ局が流している番組の多くを眺める度に「こんな下らん番組やっているならば、ちゃんとサッカーをやってくれ」と叫びたくなる事は再三ある。けれども、テレビ局もビジネスである、(私から見たら)「下らん番組」の方が、Jリーグの映像を流すよりは「カネになる」と、彼らが判断するならば、仕方のない事なのだろう。まあ、大事な国際試合の前に、愚にもつかない映像を延々と流して、肝心の試合のロスタイムに干渉したり、試合直後の監督のインタビューすらまともに流そうとしない人々の考えが、正しいかどうかはさておき。
この私の理解は、どこかで間違っているのだろうか。まあ1つの仮説として、読んでいただければと思う。
地上波でサッカーをやってくれなくとも、映像が死蔵さえされなければ、何がしかの方法で我々はそれを見る事ができる。既に、視聴手段の問題はあるのだが、映像を流すためのチャンネルは、地上波の他にも各種の衛星放送を軸に無数に増えている。(必死になって、ネット経由の映像配信に抵抗している既得権益者達の抵抗はあるものの)平行してネットによる映像確保は着々と進んで行くのだろう。したがって、映像死蔵のリスクも一層減って行く。もちろん、見合いのコストの支払いは必要かもしれないが、機会がもらえる事の方がコスト問題より、はるかに重要だ。
そして、地上波での試合映像露出そのものが、ほぼ不可能だとすれば、「それはそう言うものだ」と言う諦めが肝心に思うのだ。つまり、地上波は「試合をたっぷりと映してもらう事で、頼れる販促材料ではない」と言う割り切りである。それとは別に、今日のタイガースのプレイオフを関西の地上局が放送していたのと同様に、地上波の各地方局にとっては地元Jクラブの映像は十分魅力的コンテンツ足り得るだろう(彼らのビジネスモデルがいつまで正常に継続するかどうは議論が分かれるだろうけれど)。ただし、全国中継の地上波での放映は難しいと言う割り切りが必要だと言う事だ。
たとえば、「やべっち」的なダイジェスト番組の存在は貴重であり、それらがいかに増強されていくは、我々の重要な課題だ。Jリーグ当局がスポンサとしてその手の番組を支援するなどの方法論は、もっと考えられてよいだろう。ただし、特にサッカーの場合は相応にメジャーな分、Jリーグ側がスポンサとなるのは、複数局とのバランスがあるから難しいかもしれないが。
いつか、ワールドカップに優勝しようかと考えると、サッカーの露出が広がる事が重要なのは確かだ。しかし、よいのか悪いのはさっぱりわからないが、(特に全国中継の)地上波がそれに寄与する可能性は低くなっているのかなと、考えた次第。
2010年10月17日
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CSの阪神-巨人戦は、ドーム開催だったら日テレで放送したそうです。
甲子園になってしまったので、放送権やら何やらの手続きが間に合わない、が、日テレの放送しない“公式理由”とのこと。
あくまで“公式”ですけど。
試合直後の監督のインタビューを放棄した代表監督もいたくらいですからね。
TVどころか、金払った観衆への挨拶まで拒否して選手におしつけた代表監督。
しかも、その行為を「別にどうでもいい」とスルーしたのが、あなた、そう、武藤氏自身でしょう。
そういう前提でこのフレーズを読めば、「ちゃんちゃらおかしい」「ダブルスタンダードの典型」「ご都合主義」という言葉が浮かびあがります。
ちゃんちゃらおかしいと思わないかな、自分で。
視聴率もまずまずだったと記憶しています。
地上波にJの露出を増やしたいなら、
やっぱりACL決勝に常に日本チームが出るくらいのレベルをJが維持することが求められると。
真っ当な結論かと思います。
犯罪者、と呼ばれる連中の中には貧乏人もいれば大金持ちもいる。由緒正しい家柄の奴もいれば社会の底辺に這いつくばっている奴もいる。そんなありとあらゆる雑多な人種が入り混じっているはずの犯罪者だが彼ら犯罪者には唯一の共通点がある。
それは自己憐憫にまみれている、自分で自分のことをかわいそうだ、と思っている連中だ、ということだ。
どんなに善良で気が弱い人間だって、自分を憐れんでしまえば、あるいは被害者意識にどっぶりつかってしまえばどんな卑劣で残酷な仕打ちや犯罪だって平気でできてしまう。
自分を憐れんでいる、被害者意識丸出しの人間に「ご都合主義」「ダブルスタンダード」の批判や指摘は届かない。何を言ったって無駄だ。
あと、基本的に自分様がエラくて他人や世間を見下すっていうスタンスで生きている人間にも「ご都合主義」「ダブルスタンダード」の声は届かない。
このオレ様が、サッカーというものを40年以上見つめてきて知り尽くしているこのオレ様が何もわかっていない世間の無知共にサッカーというものを手とり足とり教えてやんなきゃダメなんだ!“上から目線”の発想で勝手に思いこみ、頼みもしないのに勝手に公共の場にしゃしゃり出てくる特権意識丸出しのカン違い野郎にも「ご都合主義」「ダブルスタンダード」の批判や指摘は届かない。
被害者意識と特権意識には批判や指摘は届かない。
何を言ったって無駄だ。
オタク向けアニメ業界ですら、地上波テレビから逃れられない
という現実もあるわけで。ネット配信に主力を移そうという
試みは何度もあったものの、結局はテレビの宣伝効果に
かなわない。情報受信力も発信力でも並の日本人よりは
旺盛であるアニメオタク達ですら、地上波テレビで見て
初めて情報の送受信が始まるんですね。メディアが多様化した
ようでいて、地上波テレビの力は衰えていない。
実際、ニコニコチャンネルにコンテンツが並んでいた所で
地上波で内容確認してからじゃないとクリックする気は起きん
ものなぁ。
現代の日本人は「貧乏ヒマなし」なんで、スイッチ入れるだけで
情報を入手出来る地上波テレビのウエイトは10数年前に比べると
強まっているのかもしれない。サッカー市場はアニメに比べれば
ニッチじゃない人の割合が多いですから、なおさら地上波の
影響は強いと思いますし、それに対してJリーグが
なんの対策も取っていないのも確かです。
#やべっちは対策にはなっているでしょうが、
#別にJリーグ側が仕掛けているわけでもないですからね。
だからと言ってどんな対策があるかというと、それも難しいですけどね。
ただ、W杯で民放が赤字になったのでも分かるように、
日本の市場規模に比較して放映権料が高過ぎるのは間違いないのでしょう。
夜のスポーツニュースを見てみると、サッカーコーナーと言えば欧州サッカー、それも代表組の試合と海外のトップチームの試合です。
ここにJリーグの「今節のゴール集・好プレー集」を流すことができれば、「Jは欧州に比べてレベルが低すぎてつまらん」などと言う輩は確実に減っていくと思うのですが。
Jで誰がどのチームにいるのか、どんなチームがあるのかさえ認知されていない状況です。相当の危機感を持ってしかるべきだと思います。Jリーグは、週末の好プレーを3分にまとめたDVDを持って、各テレビ局のスポーツ担当者に頭を下げて回るべきではないでしょうか。
Jも地上波の番組にお金を出しているようですが、○時54分の3分番組にお金を出すぐらいならスポーツニュースの1コーナーの3分を重視するべきだと思います。
より詳しい情報が知りたいファンに対しては、BSデジタル放送を有効活用すべきではないでしょうか。通販と韓国ドラマをヘビーローテーションしている今のBSデジタルから枠を買い取ることは不可能ではないと思うのですが。
しかしながら関東人には、それをコンテンツ足り得ると判断してくれる地元局というものが無いという現実がある訳で。
在京キー局が関東ローカリズムに裏付けされた番組編成などする気皆無な状況に対し、土着の関東人としては。
例えば関口君が仙台に「復員」してきた際に仙台の各テレビ局が総出でカメラ揃えてお出迎え、などというトピックがうらましく思えてしまったり。
U局があるじゃないかと言われればそうなんだけど、J2のクラブまで面倒見切る体力はありませんからという態度があからさまな地元局を見るにつけ・・・
そういやフロンターレですら、J2時代は義理程度の扱いだったもんで。
http://jmp.j-league.biz/video/outline.html
手付けの基本料金プラス1秒ごとの課金です。3分使ったらいくらになるか。地方局にそうそう負担できる金額とは思えません。
CS放送じゃサッカーに興味がない層が目にすることはまずないだろうし、特定のクラブのサポでも、生中継ならいざ知らず、結果のわかりきった録画をわざわざ見たいという物好きは少数派なんじゃなかろうか。
「クラブが存在する地域では、当該クラブの試合がリアルタイムで見られる」
全国放送などに拘らずとも、それがもっとも自然な形であり、それが実現出来ていない(し切れていない)ところに問題があるのだと思います。
(ちなみに大阪では阪神のほぼ全試合が生中継されます)
>大事な国際試合の前に、愚にもつかない映像を延々と流して、肝心の試合のロスタイムに干渉したり
アルゼンチン戦のことでしたら、あれはアルゼンチンが遅刻してきて
試合開始が遅れたことが原因であって、事前番組は関係ないと思いますよ。
「アルゼンチン代表がロッカールームで番組を見ていたせいで試合開始が
遅れたのだ」ということでない限り。
ロスタイム短縮については、まあ親善試合だしそういうこともあるかな、と。
<TVどころか、金払った観衆への挨拶まで拒否して選手におしつけた代表監督。
こういうのも一つの意思表示としておもしろいと思います.もちろん金払ったんだから挨拶しろという立場も否定はしません.
2名なんですかね?同一人物かと思ってましたが。
それにしても自分のブログで意見をつらつらと書いてるだけの人に向かって“公共の場にしゃしゃり出てくる”って何の思い込みなのか理解不能。
武藤さんをマスコミの人と思い込んでるのかな?
えーと。
百歳(自称)の老体になっても、未だ東南アジアくんだりに出張へやられる、中小企業メーカーのしがない中年(自称百歳)サラリーマン。
という認識でよろしいでしょうか?違います?
>試合直後の監督のインタビューすらまともに流そうとしない人々の考えが、正しいかどうかはさておき。
うーん。
インタビューを放りだし、ファンへの挨拶も選手に押しつけて逃亡した代表監督に対して、なんていいましたか?
この件について、後ほどじっくりと講釈するはずでしたよね。
「試合直後の監督のインタビューすらまともに流そうとしない人々」との対比で是非お願いしますね。
地上波放送で視聴率をとるには一般の人が観てくれないとむずかしい。
サッカーファンじゃない一般の人を惹きつけるにはスターが必要。ゴルフの石川遼選手みたいに。
そこで宇佐美に期待。
宇佐美がJにいる間に地上波放送求むw
一試合ごとに3万も払わなければいけないなんて、Jリーグは馬鹿じゃないの?
阿呆な広告代理店が絡んでるのかもしれんが、
こちらが金を払ってでも放送してもらうべきでしょう。
土曜の午後だから、視聴率は多くを望めず。
Jリーグタイムみたいな番組を地上波でやってくれればね。