どうこう講釈を垂れる事に無力感を感じるような試合だったな。4点目を決められた直後のカシージャスの表情が何とも言えなかった。
まあ、理屈はいくらでも付けられるだろう。
ワールドカップ制覇で少々お疲れだった皆様が、精神的にも肉体的にもようやく調子が戻って来たとか。裏を突くのが巧いビジャが入って、メッシばかりに気を取られる訳にいかなくなったとか。数年かけて連携を築いたバルセロナはやはり違うとか。カンビアッソとサネッティがいないとメッシは止まらないとか。ブスケツがすっかりワールドカップで自信をつけて、シャビの負担が減ったとか。モウリーニョ氏はチャンピオンズリーグの直接対決まで「ケタグリ」を封印しているのではないかとか。
呆れ果てたのは4−0になってからの中盤左サイドでのボール回し。とにかくレアル・マドリードが全く中盤でボールを奪えないのだから。これだけのトップレベル同士の試合で、勝っているチームのボール保持時間がここまで長いケースは稀なのではないか(得点差が開いてない時間帯で片方のチームが攻勢を取りボール保持時間が長いとか、勝っているチームが守備を固め負けているチームが「持たされて」ボール保持時間が長いとか,、ではなかったのだから)。
シャビとイニエスタからボールを奪えないのは、標準仕様かもしれないが、この2人の後方にかならずブスケツとアビダルがフォローし、右前方からビジャなりペドロが遊弋してくる。彼らの距離感が絶妙。節目節目でゾーンの網の真ん中にシャビかイニエスタが登場し、ボールを散らし、おもしろいようにボールが回る。いや「おもしろいように」ではないな、実際見ていて「おもしろかった」な。
レアル・マドリードの守備ブロックの位置取りは適切なのだが、どうにもボールを奪えない。最初のうちは、レアルももう少し(自軍から見て)右側に選手を集中して、取りに行く場所を固めたらよいのではないかと思ったのだが、考えてみると反対サイドでメッシがウロウロしているから、絞りようがなかったみたいだ。
かくして、レアル・マドリードには地獄の時間が継続した。0−4で負けている状況下で、追撃の得点を決める事ができないどころではなく、思うように好機を掴めないどころではなく、攻めあぐねる事ができないどころではなく、ボールを奪う事すらできないのだから。
トップレベル同士ではなく、リーグのトップクラブと下位クラブの対戦としか見えないような内容だったと思いませんか。よく高校選手権の予選で見るようなレベルの差が大きな試合みたいな。
レアル・マドリード関係者のサポータの怒りは相当だろうな。でも、これは辛いよ。こう言う時は「あんな監督代えてしまえ!」とクダを巻くのが精神的に一番よいのだが、既に「世界一」の監督を獲得しているのだから。飛び切りの監督を所有しているのも辛い事があるのだな。
2010年11月30日
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一応、プレスをかけつつカウンターを仕掛けるつもりが
取りどころがはっきりしなくて先手を取られまくってしまった。
こうなると監督は難しいみたいですね。
練習で準備してたプランが使えないのでお手上げ、とか。
最近のリーガは選手の入れ替えが激しくて前半戦は
戦術が固まってないチームが多いですね。
次のベルナベウではもう少し固まってくると思いますが。
現地のマスコミがこの試合をどう呼ぶのか興味があります
「カンプノウの歓喜」とか「レアルの虐殺」なんてね
モウリーニョのサバサバした顔が印象的でしたね
サンチャゴ・ベルナベウで勝つしかなくなった世界一の監督がどう立て直すかで半年持ちきりになりそうです
でもモウリーニョはまだまだこれからでしょうね。
逆にバルサ(シャビ)の絶頂期は今季までかなと。
こういう大敗を喫した後ですが、モウリーニョがバルサに負けたことって、結構あるんですよね。
おそらく、今回の失敗を踏まえて何らかの対策を練ってくるんでしょう。
次のクラシコに向けて、戦いはすでに始まっていたりして。
えっ?
バルサは昔からそうでしたよ。
どんなに相手が強かろうがボールを回し続ける。
2年前のCL決勝×マンU戦の1-0からの後半のロンドばりのポゼッションは圧巻でしたね。
あれでマンUは勝つのをあきらめてしまいました。お前らにはかなわないと...