2010年12月07日

来期に向けて2010

 ベガルタ界隈が大騒ぎになっているようだ。どうやら、強化責任者と監督に関する怪しげな報道があったためらしい。そう言えば、先日の最終戦終了後、あの愉しい千葉直樹と平瀬の送別会後、コールリーダが何やら言っていたなと。
 もっとも、1次情報源がスポーツ新聞と言う何も信憑性のない媒体だけに、ただの大山鳴動の可能性も高い。
 現実的に、加藤久氏がベガルタに舞い降りる仕事を受けるとはとても思えない。氏は京都でベガルタではとても望む事ができない大きな予算を動かしていたのだし、今後も日本協会の中枢近いところでの仕事を狙っているはず。故郷とは言え、今さら予算規模の小さなクラブで腕を振るおうとは思わないだろう。しかも故郷ゆえにあまりに多いしがらみ、沖縄時代の再現も望めない。
 なお誤解しないで欲しいが、加藤氏は私が個人的に最も尊敬するサッカー人の1人だ。選手加藤久は、間違いなく日本代表史上最高のキャプテン。あの献身的で知的なプレイは忘れる事はできない。また、若くして就任した日本協会の強化委員会委員長時代の手腕も水際立ったものだった。また野に下った沖縄での実績もすばらしい。超一流選手に自らを鍛え上げた自律心と、平行して継続していた体育学研究者としての理論。論理的な著作の数々。Jクラブの監督としての実績は残念なものだが、それは「監督に向いていない」からと考えるべき。近い将来の日本サッカーを率いる貴重なリーダ候補である事は間違いないのだ。しかし、だからと言ってベガルタに来るべきではない、お互いが不幸になる。
 同様に小野剛氏が今さらJの監督を受諾するだろうか。元々、氏は典型的なスタッフタイプの人。ベガルタが小野氏に宮城県周辺の若年層の全育成強化体制構築を発注するのならば、最適の人かもしれないが。JFAアカデミーチンチン対策とかさ。ご本人も今さら、これだけ厄介なクラブの監督になろうとするとは、とても思えない。
 したがって、私は「加藤久氏GM、小野剛氏監督」報道は、ただのデマだと考えている。

 しかし、私は今期のベガルタは猛省すべき点があると思っている。それは観客動員が思うように伸びなかった事だ。
 直樹と平瀬の送別会の冒頭、白幡社長の挨拶。「観客動員が昨年より増えて...」と言うくだりがあり、反射的に私は「こんなレベルで満足するんじゃなああああああい」と野次を飛ばし、友人達から羽交い締めにあった。
 昨年の平均入場者数は12,951人、今期は17,332人との事だ。しかし、今年はJ1だったのだ。レッズ、アントラーズ、モンテディオなど観客動員が望めそうな試合を、宮城スタジアムで行った。もちろんJ1ゆえ、一般の興味も増えたはず、中澤や遠藤や闘莉王や岡崎を生で見たいと思う一般人は結構いたはずだ。当然各クラブのサポータの来襲も増える。02年、03年の観客動員と比較しても、今期のそれは物足りないではないか。最終戦初めてチケットが売り切れ、観客数は18,989人。ユアテックで毎試合18,000、宮スタでは30,000超えを目指し、それを実現する。それがビジネスと言うものだろう。
 つまり、今期は「営業部門のできが悪い年」だったのだ。

 一方で現場はがんばってくれた。いずれの試合もおもしろかったではないか。全くのダメ試合は、敵地エスパルス戦、敵地モンテディオ戦、ヴィッセル戦2試合、あとは天皇杯のソニー仙台戦くらいに思う。オモシロ試合率はかなり高い。それで、最終節まで引っ張りつつちゃんと残留したのだ(最終節まで引っ張った事を称えてはいけない事はわかっているつもりなのですが)。不満を言えばキリはないが、どの試合もしっかりと戦ってくれた。過去幾度も述べたが、連敗など苦しい時期もあったが、チームが大崩れしなかったのは、手倉森氏の手腕と大いに評価されるべきだろう。一方で、これまた再三述べたが、手倉森氏の「能天気」采配に課題が残ったのも確かだ。しかし、手倉森氏は監督としてはまだ若いのだ。十分伸び代も期待できよう。
 ただし、手倉森監督の契約が切れるのだとしたら、ゼロベースでの検討は必要だとは思う。結構欠点もはっきりしている監督なのだし。ただし、私としては、その上で「きっと、来期はもっとリアリズムに富んだ采配をするべく成長する」と期待して、再契約すべきと考える。私の見るところ、現有の戦力で相当高い確率で「手倉森氏よりもよい成績」を収めてくれそうなのは、岡田武史氏と小林伸二氏くらいしか思い当たらない。前者は高いし、後者は隣県のライバル監督だ。その他にも(手倉森氏には失礼だが)手倉森氏以上の手腕を持つ監督は多々いるが、切り替えのリスクを考えると、「よい成績」とれるかどうかは、結構なギャンプルだと思う。

 そして、欲深き我々の要望「さらなる上位進出」を実現するのに必要なのは選手補強だ。新監督を雇うカネがあるならば、上記述べたように手倉森氏に再就任いただき、最前線と最終ラインに「より強烈な個人能力」を誇る選手を獲得したい。現実的に、そのようなクラスの選手がいるならば、観客動員のプラスにも貢献できるはずだ。もちろん、それと独立しての営業努力も重要だが。カネがないなら仕方がないけれど。
 そして、クラブに期待したいのは、明確な中期計画を「言葉で語る事」だ。今後、いかに営業活動を充実させ、客とスポンサをいかほど集めるのか。その結果の強化費で、どのあたりまでを狙うのか。そこまでを語ってくれれば、我々の立ち位置は明確になる。決して裕福とは言えないベガルタ仙台なのだ。そのような情報公開とサポータとの連携が何より重要ではないかと思うのだが。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(10) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>つまり、今期は「営業部門のできが悪い年」だったのだ。

そこなんですよね。今期は、というより以前からそうですが、全般的に告知が遅いのがまず一つ。1週間前とか2日前にビラまいたりポスター掲出したって効果薄いですし。
放送権料等の絡みもあるかもしれませんが、トップリーグに上がったのに、ローカルメディアでは露出が減った部分もあったのが不思議でした(もちろん増えた部分もありますが)

個人的に、今回の件で一番怒りを感じるのは、「最低限の結果は残したけど、当初の目標には遥かに届かなかったから不合格」とでも言わんばかりに人事の刷新を計ったように見える点です。
そんな無茶な目標(現有戦力ではかなり無謀な勝点目標でしたよね?)を盾に取れるほど、営業部門は「できる限りの努力を尽くした」と胸を張って言えるのでしょうか。
「J1なら黙ってても客は入るだろう」という甘えがなかったとは言い切れないでしょう。

見通しが甘いのも詰めが甘いのも、全く持って他人様の事は言えませんが(笑)、それで現場やファンを振り回すのだけはいい加減卒業して頂きたいものです。
Posted by 猫柳 at 2010年12月08日 04:22
仙台の敵は身内にあるって感じですね。
Posted by at 2010年12月08日 15:09
武藤さんの仰るとおりだと思います。
営業部隊の非力さを監督人事に転嫁させるようなやり口は犬の糞以下です。
組織体としてのクラブの拙さに改めてがっかりしています。
Posted by たろうの尻尾 at 2010年12月08日 19:39
武藤さんのなんという深い読みと理解でしょうか。
まったくそのとおりです。
さすがは武藤さん、問題の本質がよく見通せているということが良くわかります。

平均入場者数を前年比たったの33%しか上昇させられなかったのは、営業部門の怠慢以外の何物でもないことに同意します。

平均入場者数が17,332人なんて、ユアテックが18,000人定員なんて考えても、不満だらけです。

「宮スタでは30,000超え」を実現できないのは、ひとえに営業部門の責任という意見に大賛成です!本当にしょうがない営業部門です。たったの33%UPしかできず、定員18000人で平均17332人なんて、信じられません!年末ボーナスは出さなくて良いですよね。

営業として期待できる選手として、あの有名な柳沢選手がFWとして加入するという記事もありました。まさに仙台にふさわしいFWだと思います。町や村でビラ撒きするだけで、宮スタを毎回満員にできるでしょう。期待しています。

Posted by qbk at 2010年12月08日 23:40
非常に素晴らしい論理的なご意見うれしく感じました。
私は全く違う観点から一言。
恐らく一つの時代が終わったんだと思います。再度J1の舞台に戻り天皇杯の活躍があった昨年度で、燃え尽き安心し身を引いた古参サポーターが私の回りに一杯います。さすがに十年以上サポーター活動をこのまま続ける事はナカナカ昨今の社会状況の中厳しく、大きくサポーターの層が変わりつつあるとおもわれます。
今年はサポーターが参加する応援が減り、イベントが減り、フロントや選手との一体感を演出出来ずに最終戦まで来てしまった感があります。
応援の楽しさが毎年少しずつ減り、足が遠退いた人達が増えたのかもしれません。
ナオキや平瀬に助けられて最終戦はチケット難民が出るほどの満員になりました。
旧き善きベガルタの時代が終わった感があります。
フロントだけでは恐らく動員は無理でしょう。ボランティアや市民後援会、そして何より力強く一致団結した若きコアサポーター達との連携を密にして、再度熱く熱狂的なホームスタジアムの建設を意図的にやらなければいけない時だと思います。
だからこそ 今の監督人事異動はハイリスク。
失うものが多く、動員は減るでしょう。勝てなければ。
Posted by ブランメルパパ at 2010年12月09日 06:06
現体制維持なら、柳沢が来るって。
そんな金がるなら、J1のクラブからサブの選手を
レンタルすればいいのに、とは思いますが
メディア露出は多くなるので考えようによるか。

神戸は松田さんを切って迷走しましたが、次の監督の選定は難しいものですね。
結局、内部スタッフの和田さんが続投するみたいです。
継続性があれば誰が監督になろうが良いと思いますが
ドラスティックな変革が必要な時は痛みが必要です。
浦和はJ1に居ながらにして成功させましたが
減収とノンタイトルとあう痛みがありました。
今の仙台にそれをやる体力は無いので
監督の交代はハイリスクで主力流出の恐れがある。
だから采配に多少不満があろうがあの馬鹿監督的な
批判はあんまり書かないで欲しいです。
今の仙台はいいクラブで壊れて欲しくないです。
Posted by at 2010年12月09日 12:28
>現有の戦力で相当高い確率で「手倉森氏よりもよい成績」を収めてくれそうなのは、岡田武史氏

 それはとてもいい考え。オファーを出して交渉はしてみるべき。

>>qbk at 2010年12月08日 23:40
 まったくその通りですね。あの営業部門は、この仙台サポには全く不釣り合いです。XD
Posted by at 2010年12月10日 09:53
>岡田武史氏
 大きな大会の前になると、「このままでは自分がダメになる」とかなんとか理由を付けて
「元代表監督の解説者」になるために辞めちゃう人なので、今のタイミング(アジアカップを控える)での監督就任は無理そうですが、その後ならば十分あり得ます。
 仙台サポにもチームにも愛されていてマッチする監督なので、手倉森氏の後にぜひオファーして欲しいですね。
Posted by at 2010年12月10日 14:29
◇J1仙台 1億4000万円の黒字 入場・広告料が増加

サッカー、Jリーグ1部(J1)のベガルタ仙台は21日、
仙台市青葉区の漁信基ビルで取締役会を開き、
2010年度(2月〜来年1月)決算見通しを報告した。
上期の1億3500万円の黒字を上回り、1億4000万円前後の
黒字となる見通しが示された。
取締役会後に記者会見した白幡洋一社長によると、
収入の二本柱である入場料と広告料は目標に近い金額を達成。
入場料は目標の8億円に対し、7億2400万円(前年度決算比33%増)、
広告料は目標の6億6000万円に対し、6億2400万円(同46%増)を
確保する見通しとなった。
一方、支出は経費節減や計画に比べ勝利給などの支払いが少なかったため、大幅に抑制された
。ただ、今期中に補強費が発生する可能性があり、
来年1月に示される最終決算見通しが変動することもある。
このほか来年2月にスタートする3年計画の第5次中期経営計画案について取締役に諮った。
 来季アンバサダーに就任する元日本代表の平瀬智行選手について、白幡社長は
「仙台に愛着を持っている方。サッカースクール活動などで
(初代アンバサダーの)岩本(輝雄)さんが 築いた仕事をさらに広げてほしい」
と期待を語った。

河北新報
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101222-00000013-khk-l04
Posted by at 2010年12月27日 12:06
今季の平均観客動員について「ベガルタは1万7332人。楽天の1万5856人を4年ぶりに上回りました」と話して場を沸かせた。
http://www.nikkansports.com/soccer/news/p-sc-tp0-20101215-713964.html
Posted by at 2010年12月27日 12:10
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