2011年02月15日

若者に過剰な期待は自粛すべき...なのだが

 宮市亮がフェイエノールトでデビュー。初戦のプレイも中々見事だったが、2戦目となるホームゲームでは見事な得点を決めた。右サイドからのセンタリングをフリーで受けた位置取りのうまさ、そのボールを正確に止めた技術、状況を見て冷静に敵をかわし左側に持ち出した判断、そして振りが速く正確なグラウンダのシュート。この得点は、最大の長所と言われる格段のスピードのみならず、他の能力もすばらしい事を証明するものとなった。

 もちろん、これからである。
 西欧のリーグでこれだけ派手なデビューを飾った日本のユース選手は前代未聞なだけに、一層の注目を浴びる事となっているのは確か。しかし、高等学校あるいはユースクラブ出身で、Jにデビューし、いきなり劇的な活躍をする若者は、過去にも多数いたではないか。そして、彼らの勝負は、その活躍を継続して続けられるかだったのは、皆さんご記憶の通り。
 敵のマークも激しくなるだろう。長所短所が明らかになれば、オランダのプロフェッショナル達も、容易に俊足を活かす空間は許してくれなくなる。そう言う中で、いかに事前に周りを見て、事前に適切に判断し、一瞬で僅かの空間で適切にボールを操り、最大武器のスプリント力を発揮するか。近い将来、厳しい壁にぶち当たるだろうが、どのくらい早く克服できるか。
 まして、慣れない異国でのプレイで体調を整え続けるのも大変な事。いや、そもそも、まだ高等学校在籍のこの若者にとっては、毎週毎週プロフェッショナルとしての試合を継続する事すら初めての経験なのだから。
 おそらく、この2試合の水準のプレイができない事も、今後多々あるだろう。フェイエノールト首脳が長い目で見守ってくれる事を期待したい。

 この世代には既にJで実績を残している優秀な最前線のタレントが多い。宇佐美貴史、小野裕二、小川慶治朗、永井龍、Jではなくスペインで爪を磨いでいる指宿洋史もいる(それでもワールドユースに出損ねたのだから、考えてみると、それはそれですごい事だな)。
 そう言ったライバル達の中で、宮市は実に派手な活躍で実績を挙げた。さすが、アルセーヌ・ベンゲル氏が惚れ込んだだけのタレントだ。そして、それだけの付加価値が認められ、この若者はJではなく、より世界最高峰に近い(ここでの「近い」は、レベルと言うよりは、実際の移動距離を示している)オランダリーグで、デビューする機会を得たと言う事だ。焦らず、慌てずによい結果を期待したい。

 などと言いながら、「先頃引退を発表した史上最高の9番も、10代でオランダリーグでプレイする事で、西欧での経歴をスタートさせたな」などと、考えちゃう。無責任な野次馬の特権なのですが。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(3) | TrackBack(0) | 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ボールを持ったら前に行こうとするのが本当に素晴らしいですね。
Posted by あ at 2011年02月16日 18:02
亮くんのすばらしいスタートにまずは乾杯するとして,当面はこのままやってくれそうな期待がもてます.オランダリーグの試合中継全然ないですけど.
しかし本田に始まって,香川,内田,長友,とチームにフィットした,あるいはフィットするチームに加わる選手たちがでてきたことがなにより嬉しいです.
Posted by KI at 2011年02月16日 22:37
見てて小気味いいよね
Posted by かい at 2011年02月17日 15:34
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