2011年04月28日

ユアテック再開戦前夜

 震災直後に複数の友人から、被害は相当大きかったと聞いていたので、ユアテックスタジアムを愉しむ事ができるのは相当先の事だと思っていた。こんなに早くユアテックで戦える事を素直に喜びたい。そして、ここに至るまでの多くの方々の努力に感謝したい。
 おそらく試合前は、多くの人々の色々な想いが交錯する事になり、特別な雰囲気になる事だろう。それはそれで、とても大切な時となる。

 ただ、本稿では、あくまでも試合にこだわる事とさせていただく。ユアテックで戦える喜びはとてもとても大きい。でも、戦える事だけに満足してはダメで、成果を上げる事を目指す必要があるからだ。
 ベガルタは敵地の2戦で1勝1分け勝ち点3、それもサンフレッチェ、フロンターレと言う強豪に対してだ、考え得る最高の成果と言えよう。そして3戦目で初めてのホームで迎えるのが、強豪レッズ。何とも形容し難いホーム再開戦、特別な雰囲気の中となる事だろう。その中でこの強豪に対して勝ち点3を目指すと言う難しい試合となる。
 前節レッズはグランパスに3−0の快勝。メンバを見ても、昨年の課題だったCBは永田とスピラノビッチのコンビでリーグ屈指の強さ、阿部や細貝が抜けたボランチだが経験豊富な山田や鈴木啓太が健在だし、宇賀神、平川、売り出し中の高橋峻希、岡本拓也らの優秀なサイドプレイヤ。坪井を控えに回せるほどの陣容だ。前線についても、田中達也が久々に非常に元気な模様で、J最高のブラジル人と言う評価も高いマルシオ・リシャルデスが加わった。前節見事に点を取った原口もいるし、もちろんエジミウソンも健在。他にもエスクデロや、非常に能力の高いと噂が高いマゾーラ、負傷がちだった梅崎や山田直輝など、有り余るスタア達。そして、彼らを束ねるのは、いよいよ本物になってきた風を感じさせる柏木。いや、こう言った選手がまとまると、すごいよね。
 それでも明日の試合は、この難しい相手に対し、是が非でも勝ち点3が欲しい。その渇望は理屈ではない。
 ではどう戦うべきか。
 前節を振り返る。フロンターレのストロングポイントを消すために、丁寧に守備を固める事には、前半から一定の成果があった。しかし、守備から攻撃に抜け出す時に、縦パスで逃げると継続した攻め込みを許し、それを避けるためにボランチの角田なり高橋義希のパスを引っ掛けられ逆にカウンタのピンチを招く事もあった(これは、どんなレベルのチームでも、当たり前と言えば当たり前なのだが)。実際前半の失点は、角田のつなぎを拾われたショートカウンタからだった。それでも後半、角田も義希も、交代で入った斉藤大介も富田も、難しい状況ながら、つなぐべき時につなぐ努力を怠らなかった。だから、ほんの僅かにベガルタの時間帯となった時に、有効な攻め込みができたのだ。
 レッズ戦では、そこのバランスが一層問題になるだろう。おそらく、中盤の守備はフロンターレの方がレッズよりは厳しいと見る。一方で中盤でヘマをした時のリスクは、達也の充実とマルシオ・リシャルデスの存在を考えると、フロンターレ以上だろう。もし、中盤でまずい形で奪われたら、かなり高い確率で失点を覚悟しなければならない。でも、縦パスに逃げれば、永田とスピラノビッチに全てはね返されるだろう、その強さはフロンターレのCBよりは相当に思う。要は、一層神経を使いながらの、中盤からのボール出しがポイントになるのだ。
 でも、これはベガルタがJ1の下位チームの立場から抜け出すためには、絶対くぐり抜けなければならない課題となる。角田も義希も大介も富田もマックスも、このようなタスクを完遂してくれなければ。そして、彼らがそれを成功させてくれれば、梁と関口は相当に永田とスピラノビッチに脅威を与える事ができるだろう。

 信じ難い紆余曲折の後に迎える、今期初のホームゲーム。私のクラブ史上最高のメンバ達は、わが故郷に存在していなかった高い質のサッカーをやろうとしている。試合終了後の歓喜を確信しつつ。

 もう1つ。武藤雄樹。ユアテックで応援したいな。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(2) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
歓喜と狂喜のハレの世界を心から堪能しましょう!

相手が浦和レッズとは、サッカーの神様も粋な計らいをしてくれますね(^_^)
戦闘意欲がいつも以上に高まります。
Posted by たろうの尻尾 at 2011年04月29日 01:10
いつも読ませてもらっています。3節開始前に1勝1分の勝ち点は4です。誤字かと思いますが、指摘致します。
Posted by ナナト at 2011年04月29日 10:49
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