2011年06月08日

ロンドン五輪予選近づく

 帰国して、たまった映像を観るのは愉しい。まず今日選択したのは、五輪代表の豪州戦。試合当日は間抜け極まりない事に、その豪州に滞在していたのだが、この試合の報道はほとんどなかったようだ。だいたい、かの地のスポーツ放送は、オーストラリアンフットボールとラグビーとクリケットしか報道していないような気もした。それでも、サッカーは相当強いのだから、大したものだな。

 試合は開始早々に永井の突破からの決定機を掴む。ところがそれで獲得した直後のCKから、逆に豪州に見事な逆襲速攻を決められ先制を許す。以降、前半は完全な豪州ペース。特に左DFの比嘉、左MFの原口の位置取りが曖昧で、再三左サイドから突破を許した。この2人を含めて、日本の各選手は豪州がフィジカルが強い事をよく理解して厳しく当たるのだが、位置取りの悪さを含めた連携の悪さが災いし、2人目の当たりがないので、完全に押し込まれてしまった。GK権田の再三のファインプレイがなければ、勝負は完全に前半でついていた事だろう。
 前半終了間際に、山村がうまいインタセプトから永井にスルーパス。永井が見事なスピードから抜け出し、落ち着いたシュートでGKを破って同点に。後半は、豪州の運動量が落ちた事、日本の守備が修正された事もあり、日本がペースを掴んだ。そして、永井の活躍を軸に2点を奪い3−1での勝利。
 しかし、前半の守備のまずさは、直近に近づいた五輪予選クウェート戦に、大いに不安を感じさせるものだった。もちろん、権田と永井の充実は見事なものがある。よほどの不運が訪れなければ、大丈夫だとは思うけれど。永井と言うタレントは、足の速さも相当だが、動き出しの早さ、パスを受けたファーストタッチ、勤勉な守備など、FWとしての能力は相当高い。使われて生きるタイプだけに、ワールドカップ予選でも相当機能する期待が持てる。大体、最前線の点取り屋に盤石の信頼を置いて戦う五輪予選は、遥か彼方釜本時代以来じゃないか。アテネ予選時の田中達也と大久保も中々だったけどね。

 過去の五輪代表と異なり、関塚氏に提供された準備時間は非常に限られたもの。したがって、現状でチーム作りが遅れているのは仕方がない部分もある。また不思議な事にこの世代はCBだけは極端にタレントが不足しており、Jで定位置を確保しているのは鈴木大輔と村松大輔くらい(今気がついたがこの2人は同じ名前だったんだ、その村松はCBとしてはやや小柄で、エスパルスでは最近アンカーとして起用される事が多いし)。ここに人材を欠くのは苦しい。そして、この試合ではその鈴木と左DFの酒井高徳が直前の負傷で離脱したため、さらに難しい布陣となった。
 ただし、関塚氏の選手選考にも疑問は多い。セレッソの左DF丸橋、レッズの右DF高橋峻希、アルディージャのユーテリティプレイヤ渡部大輔(この選手も大輔だ)、レイソルのMF茨田と言った、Jで相当なパフォーマンスを発揮している選手を選んでいれば、相当後方の采配は楽になると思うのだが。大学生の比嘉、Jであまり出場機会を得ていない濱田、實藤、山口らよりも、格段に彼らの方が実績があるのだけれど。米本の離脱は確かに痛いが、渡部や茨田を起用すれば、山村をCBに下げる選択肢もとれるし、高橋を右DFに使って、大柄な酒井宏樹をCBに起用する手もあるだろう(酒井宏は頭のよい選手だから、CBもこなせるのではないか)。
 攻撃ラインについては、事情が守備ラインと異なり、多士済々の人材の「誰を起用しないか」が問題となる。よく話題になるのは宇佐美と宮市だが、それ以前に香川と金崎がいる。さらに山田直輝、小野裕二、工藤、水沼ら、相応の実績を持つタレントがズラリ。ただ、私は勝負に徹すると言う意味では、何があっても大前元紀だけは選ぶべきだと思うのだが。たとえば、この日の豪州戦に関して言えば、原口(一瞬すばらしいプレイを見せてくれるが、守備面でも問題が多く、消えている時間も長い、もちろん我慢して使い続ける事で化けた時には、どんなすばらしい選手になってくれるのかと期待も大きいのだが)の代わりに大前を使うだけで、問題の多くは解決したのではないかと思う。ホーム&アウェイの一騎打ちには、精神的にタフで戦い続けられる選手が不可欠。今のエスパルスでの大前の豊富な運動量と高校時代からのゴール前の冷徹さを見ていると、正にそう言う選手だと思えてならないのだが。まあ異論も多かろうが。

 まあ、こうやって監督に文句を言うのが、代表チームの愉しみ方。今回の五輪代表はCBのみタレントが足りないと言う、非常にややこしい状況ゆえ、一層文句を言いやすい状況がある。特に最終ラインの編成をどうするか、文句を言うのはとても愉しい知的遊戯だ。
 今日まで強化合宿が行われたとの事で、10日に選手発表となり、19日の豊田でのクウェートとのホームゲームと進む。何とか日程を調整し、豊田には参戦したい。この試合は、ブラジルワールドカップで好成績を収めるためにも、とても大事な試合なのだから。
posted by 武藤文雄 at 23:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
豪州で報道されている「ラグビー」とは、
スローインの攻防がある奴ですか、
ない奴ですか?
Posted by 塵芥集 at 2011年06月09日 17:17
お帰りなさいませ。
U−22日本代表、なぜか強いんですよね。
スポナビにも、そういうコラムが掲載されていました。

さまざまなサッカージャーナリストがフル代表の3−4−3について語っています。

武藤さんの講釈、お待ちしております。
Posted by 77 at 2011年06月09日 21:41
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