さて、9月からはじまるワールドカップ3次予選の組み合わせが決まった。ほんの1年前の南アフリカでの死闘の記憶がまだ新しい中、随分と早いものだ。それも大勢は年内に決すると言うのだから、南アフリカ予選より半年くらい前倒しになっている事になる。まあ、長い期間に渡りじっくりと予選を愉しめる事に不満はないが、何か落ち着かないなあ。
ともあれ、日本は結構歯ごたえのある国ばかりのグループに入った。いわゆる第2ポッドの国の中では、最強と言っても過言ではないように思えるウズベキスタン。北朝鮮も、第4ポッドの中では最強に思える(だいたい、南アフリカ出場国だしな)。シリアは、先日のアジアカップの愉しい主審判定が懐かしい。
もっとも、2位までが抜けられるレギュレーションを考えると、強いチームが交錯する事は決してマイナスではない。1試合くらい大チョンボをしても、逆に他チーム同士が食い合い勝ち点を伸ばし損ねる可能性もあるからだ。
また、いわゆる湾岸諸国が同じグループにいないため、灼熱地獄への対応も必要がないのもよい。シリアは中東と言っても、地中海寄りだから、気候はよいはず。パルミラ遺跡など魅惑的な観光地も多く、是非にでも訪問したい国なのだが、政情不安を考えると難しいのだろうか(まあ、政情不安については、よそ様の事をどうこうは言えないのだけれども)。北朝鮮を含めて、敵地戦がどうなるかは、結構難しそうだな。
決して油断するとか、相手を軽視するとか、と言う意味ではなく、堅実に戦い1位突破を期待したいところだ。
それはそれとして、ザッケローニ氏のチーム作りも佳境に入りつつあるようだ。いくつか、注目点を。
1つ目。札幌での合宿は、中堅、若手を幅広く集め底上げに務めていたようだ(関口が落ちたのは残念だが、先日来の騒動と現在の調子を考えると仕方がないか)。選考メンバを見ると、今野1人が別格的存在で、あとは代表経験の少ない選手ばかり。五輪代表の選手も多い。これは、とても重要な事で、ブラジル本大会には相当数新しい選手が入っていなければならず、その準備は早ければ早い方がよい。たしかに、アジアカップでは、多くの控え選手(あるいは代表経験の少ない選手)が、勝負どころで活躍を見せてくれた。けれども、定位置を確保している南アフリカ戦士(+香川)とそうでないタレントの差が結構大きいのも、今の日本代表の大きな課題だなのだ。現実的に、今の代表は10数人目までは誰が選ばれるかは明らかだが、それ以降は誰が選ばれても驚きではない状態なのだから。谷口博之、酒井宏樹、山田直輝、ハーフナー・マイク、田中順也のようにJで目立ったプレイを見せている選手が、この好機を掴んで欲しいところだ。
2つ目。近々の日韓戦のメンバがどうなるか、特に注目は闘莉王と中村憲剛が招集されるのかどうか。特に先日長友が負傷しただけに、今野の左サイド起用の可能性もあり、CBの編成が注目される。もちろん、太田あたりを抜擢(テスト)したり、栗原と吉田麻也を確立させるなり、色々な構想が考えられるのだが。まあ、サポータとしては、「いいじゃないの、闘莉王戻そうよ、楽になるよ、たぶん2014年までならば闘莉王も大丈夫だよ。」と言いたくなるのだが。憲剛も同様、山田直輝や家長や柏木や東慶悟を確立するのは重要とわかってはいるのだけれども、ついついサポータとしては、楽に勝つ道を選びたくなるのだが。
3つ目。欧州の選手をどう呼び戻して行くのか。川島、長友、内田、長谷部、本田、香川、岡崎の7人は、体調さえ整っていれば、毎回お呼び立てする事になるだろう。また吉田麻也は、ザッケローニ氏のお気に入りで、アジアカップでもそこそこの実績を残したから、招集されるだろう。問題は、それ以外の欧州の戦士達だ。Jで活躍する選手をさしおいて、試合勘や体調がはっきり掴めない彼らを、果たしてザッケローニ氏は呼ぶだろうか。上記の定位置確保組を含めて、欧州でプレイするタレントは20名を越えた。これを日本協会あるいはザッケローニ氏のチームが、的確にフォローするのは、相当難しいはずだ。まあ、ザッケローニ氏は落ち着いたものかもしれないな。大活躍すれば、その報道は充分に聞こえてくるはずだから、そのような情報が入った選手だけ、追いかければよいと。
まあ、このあたりの事をあれこれ愉しく考えられる予選が、近づいて来たと考えれば、やはりいいな。「落ち着かない」なんて言ったら、バチが当たりますね。
それにしても、中国の第1ポッドはないだろう。と、思っていたらヨルダンとイラクか。また、中国は来ないな。