2011年09月01日

佐々木監督のジーコ戦法の巻

 女子代表五輪予選、前半タイの集中した守備を崩せず苦戦したが、後半突き放し快勝。不満を言えばキリがないが、まずは上々のスタートと言ってよいだろう。

 短期間の連戦のため、ターンオーバを採用するとの噂は聞いていたが、中盤が総取っ替えなのには驚いた。最前線も永里と川澄の組み合わせだが、常に知的に献身していた安藤がいない。出場停止の岩清水と合わせ、ここまでメンバが変えてくるとは。参加国中最も楽な相手と言われているタイとの対戦ではあるが、「いくらなんでもジーコ方式はまずいのではないか」と心配になった。
 しかし、内容は悪くなかった。敵の逆襲に警戒を怠らず、丁寧にボールを回した攻撃が継続した。あれだけメンバが変われば連携も思うようにとれないし、「格」を持った選手がいないのだから個人能力でも崩せないのは仕方がない。
 しかもタイは、最前線に1人残して守備ブロックを固める。タイの各選手の局地戦のうまさ、粘り強い守備振りは、男のチームと同じ。またGKは158cmと言うが小柄で勇気抜群で、これもいかにもタイらしい。決して能力が低くない選手達にあれだけしっかり守られては、苦戦もやむなし。
 それにしても、タイの女子がこれだけの質のサッカーを見せてくれるのだから、女子サッカーも分厚くなってきたものだと思う。先日のドイツワールドカップの成功(観客動員やテレビ資料率)で、ブラッター氏以下のカネの亡者達が大喜びしていたが、タイの充実を見ると「彼らの言う通りだな」と、確かに感じる。タイだが、もう少し長距離疾走ができるようになれば、相当厄介な敵となってくれる事だろう。世界レベルで見ても、女子サッカーとしては珍しいサッカースタイルだけに愉しみだ。

 やはり宮間も大野もいないと、精度とか溜めが苦しい。最初から、この2人を前後半45分使うと言うやり方もあったと思うのだが。そう言う意味では、楽に勝ち抜けるかどうかのカギは、田中と上尾野辺が握っているように思える。この2人のいずれかが(阪口、澤のフォローの下で)機能すれば、いざとなったら大野を最前線に起用しやすくなる。今回の予選の相手は合衆国やドイツではない。とすれば、どうしても点を取りたい時に、大野の最前線での得点力は貴重なはず。
 もう1つ。(今さら遅いですけれども)このような試合で、宮間、大野を休ませたいならば、小林弥生とか宮本ともみのような大ベテランをメンバに入れておく手もあったはず。特に前半、皆が真面目にボールを回し、ひたすら攻め込もうとした時間帯、この2人のいずれかがいれば、テンポを落としたり、敵の隙を突いたり、色々な変化を付けられたと思うのだが。もちろん、選考できるメンバには限りがあり、先のある若手に経験を積ませる必要があるのは、痛いほどよくわかるのだが。

 豪州が北朝鮮に負け、中国と韓国は引き分けたとの事。戦闘能力差が少ないチーム同士の総当たり戦。お互いが星をつぶし合う可能性が高いやり方だけに、戦闘能力ナンバーワンの日本に有利な方式である事が、再確認された。
 難しい大会ではあるが、まずは順調なスタートを喜び、堂々たる成果を期待したい。
posted by 武藤文雄 at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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