2011年10月01日

武藤雄樹の課題

 ベガルタは今節はホームにセレッソを迎える。
 前節、まことに景気のよい試合で、敵地でマリノスに完勝。大いに頭に乗って今節を迎える予定だったが、ナビスコでジュビロに惨敗。改めて、謙虚な気持ちで戦える事に、大いなる喜びを感じている(棒読み)。
 ジュビロ戦は映像も何も見ていない。けれども、手倉森氏の魂胆は容易に想像できる。ユアテックでは0−0で無理をせずに終え、敵地で前に出てくる敵から得意の速攻で点をとって1−0あるいは1−1で勝ち抜こうとしたのだろう。けれども、先制されてしまい、終盤無理攻めを仕掛けるはめになり、敢えなく終盤追加点をボコボコとられたのだろう。地道な戦闘能力向上については、手倉森氏の手腕は疑いないが、この手の駆け引きとなると...
 とは言え、ナビスコの上位進出ができなかったのは悔しいが(もちろん、色々と欲はあるよ、いつか、天皇杯でもナビスコでも国立で皆で涙を流す事ができたら、どんなに素晴らしい事だろうか、そうだ、まずは来年、最後の元日決勝制覇だ!)、上記したように「現実の直視」ができたのだ。しっかりとリーグ戦を戦って行けばよいのだ。

 セレッソとの試合は、常に噛み合う。
 セレッソは技巧にすぐれた選手を軸に、華麗な攻撃を指向してくるが、守備は選手個々の能力を押し出したやり方。一方、我々は組織的な守備から、人数をかけた速攻を狙う。お互いのやり方が、うまく噛み合って、双方が敵陣を再三襲う展開となる。
 ただし、当方にとっては幸運な事に、清武と金甫Qが不在。もちろん、セレッソは豊富な選手層を誇り、優秀な若手タレントも多いので、楽な戦いにはならないだろうが、この2枚看板不在は大きいはず。さらに言えば、あの敵地でのACLのタフな戦いを演じた後だけに、体力的にも精神的に相当消耗しているはず。当方は中3日に対し、先方は中4日とは言え、ホームグラウンドで戦える利を含め、体調面では相当ベガルタが有利なはず。しかも、久々に関口が復帰したと言うし。
 さらに今日4位のマリノスが苦杯を喫し、もし明日勝てればマリノスとの勝ち点差を4に詰める事ができる。さらなる上位進出、賞金2000万円アップ、さらにはACL、そして...と、皮算用が次々と発展していく。
 で、だ。多くのベガルタサポータが共感されると思うけれど、我がクラブは「こう言う試合」に弱いんだよね。伝統なのか、監督のせいなのか、チームの体質のせいないのか、単に俺の「気のせい」なのか。悪い予感が外れる事を期待しつつ。

 とは言え、講釈を垂れたい、垂れたいと思いつつ、思うに任せなかった本題へ。そう、武藤雄樹について。
 前々節のアルビレックス戦、2−0とリードした終盤、武藤がついにリーグ戦デビューを果たした。夏場前から、好調が伝えられ、瞬間的な速さと、シュートの積極性が評価されている若手FW。20代半ば後半の選手が主体のベガルタだけに、このような若手が飛び出す事が切に期待されている。いや、私は同じ苗字と言う事で興奮しているのですが。
 もっと早いデビューが期待されていたのだが、ここまで手倉森氏は中々起用してくれなかった。まあ、手倉森氏は、よく言えば保守的に固定メンバを好む監督だけに仕方がないとの思いもあったのだが(いや、「消極的で弱気な」監督と、文句を言ってもよいですが、繰り返すが、氏のチーム作りの手腕は間違いないので、マイルドな表現をとらせていただいた次第です)。「ホームゲームで、2点差でリードしていた試合終了直前でなければ、若手FWを起用できないとなると...」と言う愚痴は言いません(言ってるな)。
 起用されたアルビレックス戦の(アディショナルタイムを加えた)約5分間、武藤は、精力的なボールの引き出し、クロスへの工夫した入り込み、常に得点を狙う姿勢、己の能力を必死発揮しようとした。
 しかし、しかしだ。私は正直言って、この5分間の武藤には不満山積だった。
 ボールを引き出す、シュートを狙う。これらへの動き出しはよかった。なるほど、評判通り、早いし速い。特に常に自らの得点を狙っている姿勢は、この選手の「素材」を感じさせた。
 けれども、動きの連続性が決定的に足りない。たとえば、クロスが上がりそうな場面、スペースを作って、そこを狙う飛び出す姿勢まではすばらしい。だが、そこにクロスが上がらなかった時に、そこからの修正が遅過ぎる。決して大柄で頑健ではないだけに、点で狙うのは正しい。しかし、その「点狙い」が外れたならば、即修正しなければならない。その修正継続こそ、このような小柄なストライカの必須事項のはず。それなのに、たった5分間のプレイなのに、修正の気配が一切感じられなかったのだ。

 武藤雄樹が、単にちょっとJで試合に出た事に満足する選手ならば、それまでの事だ。私は、この同姓のストライカに多大な期待を抱いている。今後も厳しく見守って行きたい。
posted by 武藤文雄 at 23:32| Comment(5) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
愛情たっぷりの講釈ご馳走さまです(笑)

スカパー観戦でしたが、武藤のプレーを見て「まだまだ」との感想を私も持っていました。

顔つきやオーラは文句なしなので、あとは柳沢や赤嶺から多くを学び、盗んで成長してほしいですね。

近い将来、ベガルタはもちろん、日本を背負う選手になってもらわんと!
Posted by たろうの尻尾 at 2011年10月02日 00:42
「動き直し」だったら日本歴代トップ(私が見た中で)の柳沢が身近にいるから成長できるのではないかな
真似するのは動き直しだけにしておいてほしいけど。
Posted by at 2011年10月02日 02:50
ちっちゃいのにでかいのばっかりのドイツで立派にやれちゃってる岡崎君が良い見本でしょうか?

国内だと...幡戸とかかな。
Posted by 柏市在住 at 2011年10月02日 10:33
X年後

実況「武藤に渡る武藤が仕掛けるDFかわして武藤シュートだァーッ! 決まったァー! 
ここで来ました、やはり武藤! 素晴らしい一撃でした。ベガルタついに逆転!」

解説「いやあ〜、武藤は小柄ですが、動き出しの巧みさは本当にJトップレベルになりましたねえ」

ユアスタ2万人「武藤!(ドドドン)武藤!(ドドドン)武藤!(ドドドン)……」


スタンドの武藤さんも、もう涙が止まりませんw


Posted by at 2011年10月05日 23:59
武藤君、点取りましたね!
Posted by 柏市在住 at 2011年10月09日 13:45
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