2011年10月05日

代表ユニフォームの色

 まったく、どうでもよい話です。
 日曜日の夕方、ベガルタの完勝を見届けて、ラグビーワールドカップにチャンネルを変えると、エール対イタリアをやっていた。パッと見て、この両国だと理解できるユニフォームの色。考えてみると、この両国、アルゼンチン、豪州と言ったあたりの国は、サッカーもラグビーも、いや他競技でも、着ているユニフォームを見れば、すぐに「その国だ!」と理解可能だ。
 けれども、ずいぶんと古い議論だが、日本は違う。競技によって、ユニフォームの色はバラバラ。上記のエールやイタリアのような、共闘感を味わう事はできない。まあ、本件は現実的な解決は極めて困難だろう。いずれの競技も、それぞれの「色」で相応の歴史を積んでしまったからだ。しかし、何とか少しでも「理想」に近づく方法はないだろうか。

 ちょっと、サッカー界の歴史を振り返っておこう。
 誰もが、我々は「青」だと思っているだろう。実際、この時から「青」だった模様だし。
 ただし、その後を振り返ると、案外いい加減なところもある。たとえば、メキシコ五輪銅メダル時や、85年メキシコワールドカップ予選(木村和司のFK)など、ホーム用として「白」を着ている時代もあった。もちろん、これらの時代でも、「青」は必ず使われていた(メキシコ五輪のパンツの色は濃紺、木村和司時代は白に青のラインなどが入っていた)。
 誰もが口を閉ざしたくなる、88年から91年に至る暗黒時代。何をどう勘違いしたのか、「赤」主体だった。そして、選手はよいのに全く勝てない。ひどい時代だった。
 そして、オフト氏が代表監督に就任した92年以降は完全に「青」。現実的に、この92年は日本サッカーが、突然に「勝って当たり前」に転じた年であり、以降我々は「青」と共に栄光を享受してきた。

 だから、我々は「青」に、こだわり続けるべきだ。
 ただし、その「色彩」はフラフラ変えるべきではないのではないか。92年以降、まだほんの20年足らずしか経過していないにもかかわらず、その「色彩」は毎回毎回のユニフォームのバージョンチェンジの度に、濃くなったり薄くなったり、結構変わっている。デザインが少しずつ変わるのは、機能向上もあるのだろうし、もちろん商売面、流行面などから仕方がないと思う。けれども「色彩」が変わらない事で、サッカー界と言う狭い社会の中でも、より「青」に対する愛着は深まると思う。何となく、その「青」を「サムライブルーと呼称せよ」と言われそうで、赤面しそうだが。

 では、他競技との共通性についてはどうだろうか。まず、上記の理屈で我々には「青」でないと言う選択肢はない。「共闘感」より「青」が優先されるのだ。
 そうすると、他競技に「『青』を着ませんか」と声をかける事になるのだが、難しいだろう。他競技が「青」を着る理屈がないのだ。他競技からすれば、サッカーの提案に耳を傾ける道理もない。
 さらに言うと、80年代くらいまでは、サッカーを除く多くの競技で代表チームは、「赤」と「白」を用いたユニフォームを着る事が多かったように記憶している。これは言うまでもなく、日の丸から来ているのだろう。けれども、最近はもうグジャグジャ。黒、黄色、何でもありだ。ただ、統一の方向に持って行くとしたら、「赤白」と言う話が出てくるだろう。そう考えると、統一への最大の障害は我々である。でも妥協はなしだ。何て、我がままなのだろうか。
 と言う事で、提案。ラグビー協会と話をつけられないだろうか。我々はホームは従来通り「青」でワンポイントに「赤白」の部分を入れよう、サブは「赤白」、ラグビー風の横縞か、パラグアイ風の縦縞か、フェイエノールト風か、そのあたりはアディダス(いや、プーマでもアシックスでもミズノでもアスレタでもどこでもいいですが)に任せる。一方、ラグビーさんはファーストジャージは従来通り「赤と白」の横縞でちょっとだけ「青」も入れてもらおう、サブは「青」単色系。そして、それぞれの色彩は統一。ラグビー界に、このような相談に乗ってくれる人がいるのかどうかは疑問だが、やってみる価値はあるのではないか。
 そして、ラグビーと話がついたら、他競技にも拡大。それぞれ、難しい交渉だが、野球、ソフトボール、バレーボールそして陸上まで押さえれば、後は流れだ。あ、柔道は既に「青」と「白」だな。
 まあ、メキシコ五輪の「白」伝統とは別れを告げるが、天国の長沼さんもそのあたりは鷹揚そうだから、許してくれるのではないか。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(12) | TrackBack(0) | 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私には由来がはっきりしない青をやめるべきだと思っていた頃がありました。
外国が来ていないような色のユニフォームを着てほしいと思ってました。

そこでピンク!
外国人にも日本の桜は有名ですしイメージしやすい。でも弱そうだ。

ならば紫!
冠位十二階の最高位の色だし外国も着ていないし強そうだ。


でも、今は青で良かったと思います。
アジアではクウェートしかないし、今ではアジア中のサッカーファンに
「最も美しく、強い青が来た!」と思われているでしょうから。

世界の競合にも最後まで抵抗してきて気が抜けない
「うるさい青」と認識されているでしょう。
Posted by at 2011年10月06日 03:16
アズーリの青もわりと変化が激しかったりしますよね。

2002年以降の日本代表は「ジャパンブルー」のキーワードのもとに藍色のユニフォームが
基本にはなってる気がします。
ジーコのときの淡い縦縞が入ったユニはなんであんな明るい色調だったんだろう。

アウェイユニを赤白にするなら、現在のエンブレムの「白地の盾に赤ライン」を踏襲いて
アヤックス風にしたらどうでしょうね。
Posted by at 2011年10月06日 06:09
ユニフォームに付いて、言いたい事が溜まってるのでコメントさせて頂きます。

http://alpaca.iza.ne.jp/blog/entry/399154/

なんで青なんだろうって考えた時、思い当たりました。

青=男、
赤=女、

協会のお偉いお爺さん達の頭の中は、そのように凝り固まっていると思います。

武藤さんも子供の頃、赤い服着たことなかったのでは?
Posted by あるぱか at 2011年10月06日 06:50
日本代表のユニが青いのは初めて選抜チームとしての代表が編成された1930年以来の
伝統なんですけどね。
元になったのは東大ア式蹴球部のライトブルー。
Posted by at 2011年10月06日 07:57
「青の『色彩』はフラフラ変えるべきでない」にはまったくもって同感です。オランダのオレンジなんか不変で、観客のTシャツの色まで毎回毎回ぴったり一致しているのは驚きです。

日本については、私はJリーグ以降のサッカーファンなのでそれ以前はよく分かりませんが、フランス大会のアシックス製ユニフォームの青が一番好きです。アディダス独占になってからは薄っぺらい色になってがっかりです。
Posted by thisiskwbr at 2011年10月06日 12:47
ラグビーのユニフォームについて昔聞いた話です(だから違っているかもしれません)。

まだプレーしている国(団体)が少ない時代は、単色のユニフォームはすでに古豪の国(団体)が使用しているため、その次に位置する国(団体)は、それらとの対戦時にかぶらない色(デザイン)にしていたとのこと。単色のいいところはすでに使われていたため、日本は赤と白の縞、早慶明も皆縞にしたようです。早慶明はイングランドなど海外に遠征すれば、どのチームともセカンドジャージを用意することなく対戦できる。だから、大学では、古豪が縞、新興校が単色になっていると思います。

日本の昔の縞のジャージ(これ好きでした)は、確か弱そうに見えるということで、今のものになったとか。ユニフォームのせいで弱く見えるのではなく、強いチームが来ているジャージの色(デザイン)が強さを表すのだ、といいたいんですけどね。これ愚痴ですw。
Posted by sachs at 2011年10月06日 14:51
ラグビー界との橋渡し・・・。
大東チェアマンを置いて他に適任者がいるでしょうか?
Posted by けんた at 2011年10月06日 16:37
ラグビーの日本代表セカンドジャージは
濃紺ですので、既に半分実現している
感じもしますね。

https://rugby-ryu.com/WebShop/item.aspx?code=1263&item=48957
Posted by KIYOHIKO at 2011年10月06日 21:36
はじめてコメントします。

まさに私がずっと思ってたことでした。

ラグビーに目をつけたのは、同じフットボールだからでしょうか、良いところに目を付けたなぁと思いました。
Posted by 仙台14 at 2011年10月07日 00:04
ラグビージャージの色彩の歴史はsachsさんの記載通りです。5ヵ国対抗ではセカンドジャージにならないようになってます。

大学ラグビー界では、一校セカンドジャージを封印したチームがありますが・ ・
Posted by 少年団コーチ仲間 at 2011年10月07日 10:51
こんにちは、いつも楽しく拝見しておりますが、
お初にコメントさせていただきます。
私は以前、国にはナショナルカラーのようなものがあると聞いた事があります。
英国ならモスグリーン、
ドイツならシルバー、
イタリアは真紅、
そして我が日本にはジャパンブルー。
文明開化の際に西洋からの外国人が、あちらこちら一面に干されている藍染の着物の風景を見て日本は藍(あお)の国だと紹介したとか。
古くから日本人が普段着る着物として伝統的に身に着けてきたその藍色をまとう現在のユニフォームは日本らしくていいかなと、伝統の藍色に文句はありません。

Posted by weed at 2011年10月08日 08:33
こういう「シムボル」が持つ力は馬鹿に出来ないと思います。

モデルチェンジする度にデザインが酷くなる、アディダスジャパンの日本代表キットについても、ご講釈ください。
Posted by 五反田西口 at 2011年12月28日 00:26
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック