2011年12月31日

2011年ベスト11

 やや惰性に流れてはいるが、今年のベスト11です。
 毎年選考基準が変わるし、偏見と言うよりは、己の想いばかり入れ込んでいますが、やはり年の瀬には、これを考えないと落ち着かないもので。

GK 林卓人
 キーパとしての総合的な安定感では楢崎、J1制覇への直接貢献と拡大トヨタカップでのPK戦勝利と言う視点では菅野かもしれない。けれども、リーグ最少失点、それも1位のベガルタの総失点は25、2位のグランパスは36と言う圧倒的な差を考えれば、林の選考は正当だろ。あの至近距離のシュートに対して、勇気を持って飛び出し、ギリギリまで動かずに我慢し、最後にグワッと反応する。あれは、見事な名人芸だ。あのよさを淡々と伸ばせば、代表入りも夢ではないはずだ。だからさ、早く契約しようよ。ね。

DF 酒井宏樹
 やはり、今年のライトバックはこの若者をおいていないだろう。スッと抜け出した瞬間、ちょっと猫背からルックアップ、丁寧に踏み込んで、腰の入ったクロス。この選手の最高のプレイは、7月9日の柏でのベガルタ戦。30分過ぎの柳沢の深く鋭いスライディングで防ぎ、ロスタイムに完璧なクロスを上げて澤の決勝点を演出した。くそぅ。

DF 今野泰幸
 現在日本最高の守備者である事は間違いない。ボールを奪う時の読みの鋭さと当たりの強さと言う元々の持ち味。それが、さらに敵の攻撃全体への読みへの鋭さになってきている。ザッケローニ氏率いる日本代表でフル出場、とうとう代表チームでも定位置を獲得、いや中心選手となってくれた。ベトナム戦ではとうとう腕章も巻いた。宮城県出身のサッカー選手が、加藤久以来実に24年振りの代表の主将を務めた試合だった。「高さの欠如」と言う唯一の欠点をいかに最小にするために2014年までにいかに位置取りを完璧にできるかどうか、愉しい日々が続く。

DF 闘莉王
 やはりその存在感を考えると外せない。しっかりと体調を整え、牙を研いでいてくれ。ブラジルで共に戦おう。

DF 駒野友一
 あのチンチンにしてやった日韓戦の2点目の突破が全て。長居のタジク戦で、ハーフナーにピタリと合わせたクロスの鮮やかな事。長友と内田が負傷しても、何も心配いらない現状。でも、この地位に満足してはいないだろう。ベテラン駒野が、酒井に追い上げられながら、長友と内田にいかに割り込むかを考えるだけでも贅沢だな。

 ちなみに、右サイドバックと言えば内田篤人だが、この選手の守備面での成長も今年を彩った。アジアカップでの丹念な守備振りも印象的だったが、埼玉北朝鮮戦で梁勇基を完封したプレイは正に欧州トップレベルの守備者のそれだった。長友が着々と世界最高のサイドバックになりつつあるのも大いに結構な事。
 センタバックとしては、やはり中澤にも触れなければならないだろう。明らかに衰えているスピードをカバーする伶俐な読みと、熱いファイト。中澤の戦いを愉しむ事ができる我々は本当に幸せだと思う。また、我らが鎌田次郎のシーズン通じての安定感も忘れ難いが、やはり今野と闘莉王と比べては...個人的には、レイソルの増嶋も忘れ難い。この選手、高校サッカーのスタアだった事もあってか、何か妙な過小評価を受けている気がするのだが。何のかの言って、レイソルのJ制覇への貢献はすばらしいものだったと思う。

MF 大谷秀和
 J1制覇のレイソルの主将としての活躍は際立っていた。そして、あのモンテレイ戦の抜群のボール奪取。代表も遠くないだろう。ライバルは長谷部と細貝だが、拡大トヨタカップであれだけのプレイができたのだから。精神的にも強く、技術的にも安定している。あのサントス戦ロスタイムのシュートが浮いた事も、しっかり反省、修正してくれるだろう。大谷の成長は、ザッケローニ氏にとっても、非常に重要なはず。

MF 角田誠
 みんな笑うかもしれないけれど、この選手にはずっとずっと期待していたのだよ。で、自分のクラブに来てくれた喜びは格段だったのだよ。最初は、結構危なかったのだよ。でも、ベガルタの中核として、着々とプレイを続けるに連れ、リーグを代表するボランチに成長してくれた。この完成は数年前に期待していた。できれば、南アフリカはおろか、ドイツでも活躍して欲しかったくらいなのだ。でも、角田は帰って来た。だから、ブラジルに一緒に行こう。

MF 遠藤保仁
 色々あるけれど、日の丸を着けた時に、これほど頼りになる男はいない。いや、この男より優秀な中盤選手って、シャビとイニエスタとマスケラーノと(みんなバルサだな)、ほかに誰がいるのだろうか。遠藤が健在である限り、どんな外国人の友人に自慢ができる。そして、遠藤の存在が、日本中の少年達にいかに重要な事か。姿勢をよくして、前もっと周りを見て、どうすればよいか考えて、丁寧にボールを扱って、パスを出したら適切な場所に走って。

MF 香川真司
 あの日韓戦の1点目見たら、もう賛辞しかない。今期不調と言う無責任な評論に腹が立った。そもそも、トップリーグで通年の活躍は、この男はまだ経験がないのだ。南アフリカメンバ外れと言う屈辱を経て、昨期ドルトムントで大活躍、アジアカップで負傷しての復帰。順調に成長しているとしか言い様がない。ザッケロニー氏が「香川は日本のデルピエロだ」と、語ったのを聞いて、「デルピエロどまりか」と思ったのは秘密だ。

 長谷部誠を外すのはいかがと思ったが、大谷と角田を選ぶのが目的のようなものだから、後悔はない。細貝萌の充実も嬉しい限り。本田圭佑は、いいから早く怪我を治せ。あと今年やはり議論すべきは清武弘嗣だけど、天皇杯準決勝でとうとう今野を敗れなかったので外した。五輪代表世代に多数いる有為な逸材が、どうやって飛び出してくるか、2012年は本当に愉しみだ。

FW 岡崎慎司
 結局、今の日本が過去になく強いのは、遠藤と長谷部が安定しているのと、岡崎が着実に点を取ってくれる事だと思っているのよね。埼玉の北朝鮮戦あたりまでは、サイドMFから前線に進出するタイミングに不満があったけれど。2つのタジク戦では、いちばん肝心な所に飛び込むのはいつも岡崎。シュッツガルトが、あそこまで岡崎に守備を強いているのは、極めて間抜けな策だと思うのだけれども。でも、ドイツの強豪で完全に地位を獲得しているのだから、やはりすごいな。

FW 北嶋秀朗
 ブログでも幾度も書いたけれど、今期の北嶋を観るのは(いや、今期以外でも)、大いなる愉しみだった。このシュートの巧さを誇るストライカが、リーグを制し、拡大トヨタカップで戦った事が、私にとっては重要だった。

 ザッケローニ氏が、代表でワントップに拘泥する事もあり、前田遼一(技巧的なボール保持とシュート)に加え、李忠成(タフで頑張り、得点に意欲)、ハーフナー・マイク(高さがとにかく魅力)と言った、タイプが異なり典型的なストライカが活躍した今期。さらに、五輪世代にも、万能型の大迫勇也と、前に出る速さを誇る永井謙佑が控えるのみならず、技巧に優れた若者が多数いる。こちらもいくらでも期待できそう。うん、愉しみだな。
posted by 武藤文雄 at 00:08| Comment(1) | TrackBack(1) | 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>遠藤より優秀な中盤選手

ピルロが好きなんで書かずにはいられませんでした・・・。すみません。いや遠藤も好きなんですけど・・・。

俺も清武に関してはなんか武藤さんとちょっと気持ち似てるかもです。なんていうか期待を大幅に上回るようなプレイを見せてくれるって思ってるので。こんなもんじゃないだろってなんか思ってしまう。今年はほんとにブレイクしたけどまだ成長してくれるって武藤さんも信じてるはず。来年も楽しみですね!
Posted by coffee at 2011年12月31日 03:58
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