2011年12月31日

2011年10大ニュース

1. 女子代表世界一
 世界一、世界一だよ。あの胸に輝く美しい星。
 でも、本質的な問題は何も解決していない。中学高校世代のプレイ環境、トップ選手達の収入(今の代表の方々が稼ぐのを見るのは嬉しいけれど)。

 今日の紅白歌合戦、明日のビッグゲームを控えたレオネッサの選手達が自チームのユニフォームを来て揃って登場、司会者は「なでしこジャパン」と紹介した。出演経緯が見えてしまう安っぽさ極まりない演出だった。
 澤は日本最高のアスリートだ。試合前日の夜にテレビに出るのは大反対だが、出るならば相応の重厚さで出なければならない。美しいイブニングドレスをまとい、AKB全員を従えて出る演出くらい要求しなければ。
 この世界一を利用して、女子サッカーのプレゼンスを上げる事に、もっともっと我々は貪欲になるべきであろう。

2. アジア制覇
 アジアカップ優勝したり、韓国を3点差でチンチンにしたくらいで、10大ニュースに選ぶのは、遠藤や長谷部に失礼なのはわかっているのですが。

3. 松田直樹さん逝去
 松田のプレイを丁寧に観た事もない輩が、全く違う松田像を描くのが悔しくて仕方がないのだよ。
 あの1対1の間合いのうまさ、鋭く深いタックル、絶妙な読み、適切な位置取り修正、美しい軌跡のロングボール、常識的だが有効なつなぎ、無骨だが適切なコースに上がるドリブル。そして、それらの全てを無にしてしまう、戦略性の欠如
 本当に愉しい18年間を、ありがとうございました。

4. レイソルの大冒険
 羨ましい
 あのモンテレイ戦に乾杯

5. 監督の出入り
 岡田氏の中国挑戦、西野氏がフリーに、小林氏がヴォルティスに。おお、反町氏もフリーか。
 たまたまかもしれないが、国内の実績のある監督に動きが目立つ。震災、不況によるスポンサ減少、クラブライセンス制導入などにより、各クラブの財布の紐が厳しくなっているためもあるかもしれないが、人材の流動化は前向きに捉えてよいと思う。
 まあ、若手監督期待のホープ相馬氏はどうなるのか、五輪代表監督の関塚氏がどうなるかなど、色々ありますが。

6.少年サッカー、8人制化進む
 総論は賛成。でも、現場としては試合に出せる人数が3人減るのは、本当に大変なのだよ。11人制ならば、下手な子も長時間出しやすかったのだが...
 ただし、大事なタイトルマッチで、8人制でガップリ四つの試合を見ると、その8人の成長には、とてもよいとは思う。ベンチに残っている子はさておき。各県協会、地方協会に布さんがやってきて、推進していると聞いている。それを聞くだけで、腹が立つのだが(笑)...あ、私は過去の布さんの実績は否定しませんよ。

7. プリンス全国リーグ
 全否定はしない
 しかし、「リーグ戦を戦い続ける事で、本当の意味で優秀な選手を育成する」と、「年代別最強チームを争う」が、混じってしまっていないか?元々、Jクラブがユースチームを持つ意味は、飛び級を含め、「飛び切り優秀なタレントを育てて行く」だったと思うのだが、結局高校のサッカー部と同じ3年間単位の活動を、やっている結果になっていないか。
 これは別にちゃんと書きます。

8. ベガルタJリーグで4位に
 これはベガルタサポータとしての評価ではない。過去、私はベガルタがJ1に上がろうが、入替戦でもがこうが、10大ニュースには採り上げていない。今年のベガルタの4位獲得は、Jリーグの歴史の中での、大変な快挙だから採り上げたのだ。
 明確な親会社がなく、Jリーグ以降に人工的に作られたクラブとしては、2008年のトリニータ以来の快挙なのだから。ただし、来年ちゃんとした成績が収められるかどうかが重要なのだが。
 ベガルタサポータとしては、とにかく今期の夢のような好成績が、「絶後」にならない事を祈るのみ。
 
 震災については別途。

9. J2から陥落するクラブが登場する
 J2がいっそうおもしろくなる。来期、後半戦以降のJ2の盛り上がりたるや、過去なかったものになる事だろう。いや、とりあえず、今はJ1でよかった。でも、ちょっと体験してみたい気もする。
 ただ、真面目な話、降格しても、簡単に再昇格できる仕組みが、何より肝要。今期のFC東京のように、強いクラブがヘマしても、すぐに取り戻せる流動性が重要なのだ。
 ちなみに、トリニータの立場の明確化は必須、個人的にはシーズン開幕前に借金を返さなかったら、無条件で降格にすべきと思うが。それがイヤならば、トリニータは地元金融機関を説得し、3億円の融資を受け、Jにカネを返してくれ。

10. 欧州に次々と選手流出
 移籍制度の変更と、南アフリカでの日本サッカーの存在感向上が一致した悲喜劇。J各クラブの複数年契約などが、落ち着いたところで、どう変わっていくか。
 もちろん、平行してJ各クラブの経済規模を大きくする研究は必要だろう。
 ともあれ、俊輔だけが試合に出ていて、中田も小野も稲本も試合に出られなかった時代よりは、格段に進歩していると前向きに捉えるべきだろう。

特別賞として. 牛木さんの殿堂入り
 選ぶ立場の方が選考されたのだが、やはり嬉しい。我々の目標として。(昨年、賀川さんの時も同じ事言いましたが)

ついでに(毎年言っていますが)
 日本サッカーの日程崩壊が、(震災は別にしても)例年のように着目された1年だった。1月のアジアカップなんて、冗談以外何ものでないだろう。進行中の天皇杯、一昨日のマリノス対サンガなど、すばらしい試合があり、とってもおもしろいけれど、早く選手達を休ませたいと思わないか。
 原博実さんが改善すると明言してくれた。大いに期待したい。個人的には天皇杯2年越し開催(そうすれば、組み合わせ決まってから会場決められるし)、J1を16チームにするしかないと思っているのだが。



 今年も、この偏見あふれるいい加減なブログにお付き合いありがとうございました。
 こうやって振り返ってみて、サッカー的には最高の1年だったと思います。いや、これ以上の年が、今後訪れるかどうかと言っても過言ではない年でした。世界一とアジア一ですよ。ベガルタも夢のような成績を収めてくれました。
 また、個人的には父を亡くすと言う年でもありました。これはこれで、人生でたった1回きりの経験ですので。何とも言えない想いがあります。

 でも...

 震災について2つ言いたい事があります。
 現地で厳しい被害を受けた方々の状況は何も好転していません。命が助かっても、仕事や家などの財産を全て失った方々も多数いらっしゃいます。そのような方々は、簡単には解決できない問題に遭遇しているのです。大した事ができない自分がもどかしい。だから、もしその気があるならば、今後も手助けを考えて下さい。募金でも、個別支援でも、ビジネスへの小額出資でもよいです。本当の意味での長期戦は、まだキックオフされたばかりなのです。
 もう1つ。サッカーと震災は切り離して欲しい。ベガルタサポータとして、ベガルタがそう言われるのは仕方がないかもしれないと思っています。でも、女子代表に「震災のおかげで...」と言うのは、あまりに失礼ではありませんか?震災がなくても、澤と仲間達は私たちに、あの史上最高の歓喜を提供してくれた事を、私は確信しています。

 来年が、すばらしい年になりますように。
posted by 武藤文雄 at 23:31| Comment(3) | TrackBack(0) | 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
寒中お見舞い申し上げます。
毎年のことながら天皇杯からスタートする1年ですが、2012年がサッカー界だけでなく皆さんにとっても良い年となることを祈念しています。
今年も楽しい「偏見に満ちた」講釈を楽しみにしています。
Posted by watanabe at 2012年01月01日 10:02
震災のお陰で調子付いてるべがるたサポータは若干名いたけどね。
Posted by at 2012年01月01日 20:31
「震災のおかげ」というのは日本語的もおかしいし、失礼な表現だと思う。
が、しかし、勝負をする上で最期の一線を超える一つの要因になったことは間違いないと思う。
なでしこも試合中、そこまで意識をしていたか判らないが、ミーティングでは震災の映像を見せて奮起させていたと聞くし。
『がんばろう神戸』と同じで誰かの為に、という強い想いが選手達が苦境に陥ったときに力になったのではなかろうか。
そう考えると震災が無かったらなでしこは優勝出来たのか?
優勝出来たかもしれないが、全否定は出来ないと思う。
Posted by at 2012年01月20日 13:58
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